タグ: おじさん

  • [北イタリア旅行記8]イタリアで一番美味いピザはクールマイユールにあった、ナポリを超えてね

    [北イタリア旅行記8]イタリアで一番美味いピザはクールマイユールにあった、ナポリを超えてね

    北イタリアのブログに戻ります。

    今日はモンブラン(くどいですが、イタリア名はモンテビアンコ)の麓の街、クールマイユールのグルメのお話しです。

    クールマイユールのような辺鄙なリゾート地に(イタリアの皆さん、失礼)舌を唸らせるグルメはあるのか。当然ないよね。

    リゾート客を相手にしたレストランだけだよねと。

    結論から先に言います。“イタリアで一番美味いピザはクールマイユール”にあったよ。これ本当。今から書く話しを熟読下さい。

    クールマイユールでの夕食は2泊ですので、2度のみ。レストラン選びには慎重にならざるを得ませんが、グルメ情報は全くなし。

    街を歩きながら良さげなレストランを見つけるしかありません。

    外観だけで良さげだなと思ってチェックしていたこのレストランに入りました。時刻は19時。

    • 「Ristorante Pizzeria du Tunnel」

    窓を見るとずらっとミシュランの星を獲得しているようです、連続して。だけど中はいたって普通り山小屋風の内装。2階のテーブル席に。

    まずはビールをね、イタリアならモレッティの生だよね。

    メニューを見ていると、どんどんお客さんが入ってきます、ジモティーも。すると店の外まで行列が見えます

    まずは味見でピザを2枚注文です。初めての入店なら、まずは“マルゲリータ”です。もう1枚は肉系だったかな。

    隣を通るピザの巨大さにおののきながら、ビールをちびちび飲みながら、ピザを待ちます。

    そして巨大な皿からはみ出るピザ2枚が我々のテーブルに。

    マルゲリータを1枚食べて、3名が納得の表情。これ今まで食べたピザで一番美味いのでは

    味変の肉系ピザもこれまた濃厚で超ウマシ。外まで行列するのもわかります

    ナポリの超有名店の最高峰といわれるピザも食べましたが、こっちの方がうまいね。

    ピザ2枚のあと、物足りなければ何か追加注文する予定でしたが、3名で2枚で十分、これ一人1枚食べている女、どうかしているよね

    当然、2日目の夜もこちらのリストランテへ。

    本日はピザは1枚にして、ステーキを注文してみました。この味変のピザも超美味しです。本当にどのピザを注文しても最高にうまいです。

    ステーキも普通以上に美味し。お勘定も安いしね。

    そして、お会計をしようとしたときに、ハプニングは起こりました

    キャッシャーのお兄ちゃんから、“どこから来たのか”と聞かれ、すかさず東京からと回答。

    するとそれを聞いていた若い店員が、“エリオ”を知っているかと聞いてくるのです。自分にはすぐにピンときて、麹町のレストランのエリオのこと、と聞くと、“エリオは俺のおじさん”

    というではありませんか。だからこんなに美味いピザ屋がクールマイユールにあるのも納得です。

    全員で写真をパチリ。

    そして本日の夕食はその麹町のエリオの店に行ってきます。なんという偶然。





  • 辛酸なめ子さん曰く、電車の入り口で立っているおじさんのことを“狛犬”(こまいぬ)と呼ぶんだとか

    辛酸なめ子さん曰く、電車の入り口で立っているおじさんのことを“狛犬”(こまいぬ)と呼ぶんだとか

    先日、日経新聞の夕刊で確か金曜日に定期的に掲載される書評欄に非常におもしろく、含蓄のある一文を見つけたのでした。

    本の著者は辛酸なめこさんです。ペンネームからしてすごい名前を付けるな。おぬしできるなというペンネームです。内容はこんな感じなのでした。

    世間では?(もしかして辛酸なめこさんだけ?)、電車の入り口に立っているおじさんのことを狛犬(こまいぬ)と呼ぶのだそうです。

    この一文を見て、ざぶとん一枚です。自分はこんな呼ばれ方をしているのを初めて知ったのでした。確かに言い得て妙です。

    たいてい電車の入り口にたっている人は内側に向いて立っているんだなその様はたしかに狛犬です。おじさんだけに限らず、おばさんも若者もいます。全員、狛犬状態です。

    確かにあのポジションは居心地が良いのはわかります。乗降客には邪魔の存在なのは分かっているのですが。椅子に座れなければ、あのポジションが最高なんですね。立つ人にとってはね。

    そして、狛犬で思い出されるのが、作家・脚本家であった故向田邦子さんなんだな。映画にもなった「あ・うん」です。高倉健、富司純子, 板東英二が主演する名作ですね。

    ふたりの男とひとりの女の微妙で不思議な関係を描いた降旗康男監督の名作です。

    そして、不覚にもこの「あ・うん」という言葉を知らなかったのです。

    漢字では「阿吽」と書きます。

    本来「阿吽」は仏教用語における「言語観」で「阿」は開口音(=口を開いて最初に出す音)、「吽」は閉口音(=口を閉じて出す最後の音)のことです。 サンスクリット語(古代インド)において、最初の字音である「阿」と最後の字音である「吽」であり、万物の始まりと終わりを表すとされています。

    また「阿」は万物が発生する原理、「吽」は万物の集結する智徳を表すとされていて、また菩薩心と涅槃などを表すとされています。

    「阿吽」には「相対・対比・対立など相対する二つのもの」といった意味もあります。

    これは、対となる物に「阿吽」が用いられていることにあります。 神社の狛犬や金剛力士像、そしてシーサーなど一対で存在する宗教的な像は、一方が口を開いた「阿形(あぎょう)」と、もう一方は口を閉じた「吽形(うんぎょう)」となっています。 このことから、「阿吽」は「相対・対比・対立など相対する二つのもの」となりました。

    神社前にある、こま犬。左が阿「あ」右が吽「うん」

    本来であれば、こんな崇高な意味がある“あ・うん”の狛犬ですが、電車の中のおじさん狛犬2人も魔除けの効果を発揮しているのかは不明です。

    話しは戻って、この「あ・うん」という映画ですが、自分は何の知識と先入観なしに初めて見た時、たんたんとした映画で本来の良さがわからなかったのです。大人の映画ですね。

    高倉健さん、会心の演技です。

    日常に戻れば、自分も電車の中で“狛犬”と呼ばれないようにしないといけませんね。

    そして、今日も電車の中の言われているのでしょう、“おじさん狛犬見っけ”と。

    向田邦子への賛辞。あの人はね、パシっとした女でした、つまり「昭和のホンモノ」です