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  • 映画「愛と哀しみのボレロ」でのウィラ・ギャザーの言葉、これ“Both Sides Now”の世界観

    映画「愛と哀しみのボレロ」でのウィラ・ギャザーの言葉、これ“Both Sides Now”の世界観

    2024年11月25日(火)

    昨日は週初めの月曜日。満を持してこの映画を観に行ったよ。

    • 「愛と哀しみのボレロ」

    今年の3月に“午前十時の映画祭”で2回も観たのにね、やっぱり劇場で上映されると一度は足を運ばないとね。もう配役もストーリーもバッチリです。

    この映画は少なくとも2回は観ないと頭の中が混んがるよ、何故なら同じ人が二役やっているので。そして、今回驚いたのはお客さんの入りです。渋谷のル・シネマ宮下で観たのですが、満席でした。映画は釈迦に説法ですが、こんな話し。

    フランスのクロード・ルルーシュ監督が1981年に手がけ、ルドルフ・ヌレエフ(バレエダンサー)、エディット・ピアフ(歌手)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者)、グレン・ミラー(音楽家)という実在の4人の芸術家をモデルに、運命の糸に結ばれた人々の物語を描いた3時間を超える大作メロドラマ。ベルリン、モスクワ、パリ、ニューヨークを舞台に、第2次世界大戦前から戦中、そして現在へと至る中で、芸術家たちのドラマチックな人生模様が描き出される。「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」などで知られるミシェル・ルグランと「ある愛の詩」のフランシス・レイという映画音楽の巨匠2人が音楽を担当。さらに、モーリス・ラベル作曲、モーリス・ベジャール振付によるバレエの名作「ボレロ」を天才バレエダンサー、ジョルジュ・ドンが舞う。

    1981年製作/185分/G/フランス
    原題または英題:Les uns et les autres

    いつ観ても思うのですが、2/3ぐらいのところで出るジョルジュ・ドンのパリ・オペラ座で踊るシーンが最高なんだね、あの高揚感とあの踊り、この1分を観るだけでも劇場に足を運ぶ価値があります、きっぱり。(これ「ラ・バヤデール」と確信しているのですが)

    ジョルジュ・ドンは一番出演時間は短いのに、一番いいところをさらっていくね。まああの才能仕方ないね。

    今回観て改めて思ったのは、監督のルルーシュもすごいが、音楽がすごいね、何たってルグランとレイだもんね

    そして今回も思ったのが最後の場面でユニセフのあの人がピアフの肩に手を掛けるシーン、できているというメッセージなのか、映画の本質とは関係ないと思うのですが、あえてあれを入れたルルーシュの考え、わかりません。

    やっぱり映画の世界遺産を選ぶとなると大作感ではこの「愛と哀しみのボレロ」と「アラビアのロレンス」になると思うんだな。もうこんな映画作れないものね。

    そして、映画の冒頭でのこの言葉。アメリカの作家ウィラ・ギャザーの言葉

    人生には2つか3つの物語しかない

    しかしそれは何度も繰り返される

    その度ごとに初めてのような残酷さで

    映画を観ながら、これジョニ・ミッチェルの“Both Sides Now”の世界観だと思います。

    勝者と敗者、恋愛と失恋。意味深ながらその通りだと思います。

    終われば、渋谷の「喜楽」へ。いつものチャーシュー麺、ご馳走様でした。

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  • 「愛と哀しみのボレロ」を劇場で観たよ、まさにこれを観ないでに死ねるか

    「愛と哀しみのボレロ」を劇場で観たよ、まさにこれを観ないでに死ねるか

    2024年3月2日(土)

    本日は感激したよ。本日から2週間、“午前十時の映画祭”であの「愛と哀しみのボレロ」をやるではありませんか。何を差し置いても、まずは初日に観に行くしかありません。

    自分はこの作品を観るのは人生で3回目だと思います。過去2回はDVD鑑賞でした。よって劇場で観るのは初めてです。劇場の大画面で観ると没入感が違いますね。

    この映画はこんな感じ。

    『男と女』の名匠ルルーシュの集大成ともいうべき3時間に及ぶ超大作。指揮者カラヤン、作曲家グレン・ミラー、舞踏家ルドルフ・ヌレエフ、歌手エディット・ピアフという4人の芸術家たちをモデルに、1930年代から80年代の長きにわたる波瀾に満ちた人生が描かれる。ジョルジュ・ドンが踊るラヴェルのボレロは、圧巻のクライマックス。

    ストーリーです。

    1936年、モスクワ:ダンサー志望のタチアナは、ボリスと結婚して息子を授かるが、第二次大戦で夫は戦死し…。ベルリン:ピアニストのカールは、ヒトラーから称賛されたことで生涯苦しみ続けることに…。パリ:バイオリニストのアンヌは、ユダヤ人ピアニストのシモンと結婚して息子を儲けるが、二人は強制収容所行きの列車に乗せられ…。ニューヨーク:ジャック・グレンは、ジャズ・バンドで名声を得ていた…。そして20年後、彼らの子供たちは…。

    今回は本当に没入して観ましたので、伏線がすべてつながりました。壮大な構成で実に緻密です、ルルーシュあんた天才だよ。アウシュビッツとアルジェ戦線とあの赤ん坊がつながる、最後までの構成はみごとです。

    映画の最高潮はやっぱりヌレエフ(ジョルジュ・ドン)の踊り。最後の「ボレロ」は言うまでもありませんが、中盤の「ラ・バヤデール」の踊りは掛け値なしにすごいね、この踊りだけでも劇場で観る価値あるよね。

    そして、一番複雑な家族の歴史がヌレエフとグレーン・ミラー。あの冒頭のシーンのボリショイでの敗者の子供がヌレエフなんだね。少し頭がこんがらがるのが、同じ役者が母と孫、母と娘を演じるのですが、これもルルーシュの演出なんだね。

    帝王カラヤン役の役者の面構えも良し、奥さんは本当にあんな役回りをしていたんだろうか。カラヤンだけはあんまり家族のことがないね。

    最後のエンディング。どうしてユニセフや赤十字なんだろう、隠されたメッセージがありそうだね。

    本当の主役はやっぱりパリというかその風景だね。美しさと哀愁、歴史の重みだね。

    映画を観ながらふとジョニ・ミッチェルの「both sides now」が頭に浮かびました。物事には2面性があると、“敗者と勝者”“恋愛と失恋”“空の上からと下から見る風景”

    壮大な物語の映画はこの3つだね。

    • 愛と哀しみのボレロ
    • 地獄の黙示録
    • アラビアのロレンス

    本当に感動したよ。この2週間しか上映していないけれど、あと2回は観に行くね。

    これ世界遺産だよね。

    モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね