タグ: ジョルダーニ家の人々

  • 「ドマーニ! 愛のことづて」は意識高い系な映画、映像は超スタイリッシュ

    「ドマーニ! 愛のことづて」は意識高い系な映画、映像は超スタイリッシュ

    2025年3月18日(月)

    週初めの月曜日はまずはこの映画を観に渋谷の“ル・シネマ”さんへ。

    予告編を観て是非見たいと思ったんだね。なんたって、2023年のイタリア国内興行収入第1位を記録した映画というではないですか、イタリア大好きな自分としては見逃せません。

    • ドマーニ! 愛のことづて」

    戦後ローマでたくましく生きる市井の人々と権利を渇望する女性たちの姿を描き、2023年のイタリア国内興行収入第1位を記録したドラマ。「ジョルダーニ家の人々」などで知られるイタリアのコメディアンで俳優のパオラ・コルテッレージが初メガホンをとり、自ら主演を務めた

    1946年5月。ローマにある半地下の家で家族と暮らすデリアは、夫イヴァーノの暴力に悩まされながらも意地悪な義父の介護や家事をこなし、さらに複数の仕事を掛け持ちして家計を助けている。過酷な毎日を送る彼女にとって、市場で青果店を営む友人マリーザや自動車工のニーノと過ごす時間だけが心休まるときだった。

    母の生き方に不満を感じている長女マルチェッラは、裕福な家の息子ジュリオからプロポーズされ、彼の家族を自宅に招いて昼食会を開くことに。そんなある日、デリアのもとに1通の謎めいた手紙が届く

    夫イヴァーノ役に「おとなの事情」のバレリ・オマスタンドレア。「イタリア映画祭2024」では「まだ明日がある」のタイトルで上映。

    2023年製作/118分/G/イタリア
    原題または英題:C’e ancora domani

    ちなみにドマーニがイタリア語で「明日」を意味しますね。

    全編モノクロの映画で非常にシネマチックな映像がたくさんあります。そう、この主演で監督の人はあの大傑作「ジョルダーニ家の人々」の奥さんだね、これを思い出し、感動を新たにしました。この映画、撮影さんがすごいんじゃなかろうか

    話しのおちは、もう少し劇的な展開があるかと思ったのですが、非常に意識高い系の終わり方なのね、結末が。こんな地味な映画がイタリアNo.1とは、恐れ入りました。

    イタリア人、意識高いじやないか。ドラマ的にはどうかと思いますが、その映像には非常に関心しました。良心的な映画だね

    観終わればここは、渋谷ならお昼はここに行くしかないね、ほぼ週一のパターン。

    道玄坂の「喜楽」へ。13時すぎで5名ほどの行列

    いつもと同じ、“チャーシュー麺”(1,000円)

    やっぱり今日はイタリア映画に敬意を払ってパスタにすれば粋だったかな。やはり、粋よりチャーシュー麺だね、日本人だもの

    「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作

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  • 2023年初劇場映画はイタリア映画の「離ればなれになっても」、日本ももっと骨太な人生讃歌を描かないと映画がダメになるよ!

    2023年初劇場映画はイタリア映画の「離ればなれになっても」、日本ももっと骨太な人生讃歌を描かないと映画がダメになるよ!

    2023年になって初めての劇場での映画の鑑賞は、イタリア映画の「離ればなれになっても」だったのです。理由は新聞での映画評価が高かったのと、お正月早々でも地味な映画なので、ゆったりと観れると思ったのでした。

    映画のキャッチコピーは、

    • “はじまりは16歳、ローマ。誰もが振り向く宝石(ジェンマ)に僕らは心を奪われた-”
    • “出会いと別れを繰り返した40年間の〈ほろ苦い追憶の日々〉”

    監督は、ガブリエレ・ムッチーノという方です。何でも、

    • イタリア三週連続の1位
    • 2020年イタリア・アカデミー賞 ダヴィッド・ドナテッロ賞 3部門ノミネート

    これだけ聞いても、どれだけすごいのかわかりません。

    内容はこんな感じ。

    初めての恋におちた2人が、激動の時代に翻弄され、出会いと別れを繰り返す——

    40年の歳月が教えてくれた愛の真実を描くヒューマン・ラブストーリー

    イタリアで公開されるや大ヒットを記録し、SNSに「2度泣いた」「魅惑的な美しさに完全に夢中」「信じられないほど感動」など激賞コメントが駆け巡った話題の逸品。

    主人公は、「宝石ジェンマ」という名前の通り美しく輝くジェンマと、彼女の初恋の相手であるパオロ。2人が16歳で出会った1982年から2022年まで、激動の時代に翻弄され出会いと別れを繰り返す日々が描かれる。

    見つめるだけで息が止まった幼い恋、大人の都合で離ればなれにされた切ない時間、まさかの親友の裏切り、身を引き裂く別れ、涙の再会の思いもしなかった行方──40年の歳月が教えてくれた愛の真実とは──?

    監督は『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ。イタリアとハリウッドを行き来して培った手腕で、ローマとナポリの絶景を舞台に、愛と人生の謎を解き明かすダイナミックなヒューマンドラマを織り上げた。

    観る者の懐かしい記憶を呼び覚ます音楽は、『ライフ・イズ・ビューティフル』でアカデミー賞を受賞したニコラ・ピオヴァーニ。 イタリアの映画評論家が、「巨匠エットーレ・スコラ監督の不朽の名作『あんなに愛しあったのに』へのオマージュ」と絶賛。愛の奇跡を信じさせてくれる、ラブストーリーの新たな傑作が誕生した!

    実は自分、2022年に観た映画で一番感動したのがイタリア映画だったのです。DVD鑑賞ですが。その映画は

    • 「ジョルダーニ家の人々」
    • 「輝ける青春」

    どちらも家族の問題を扱う大河ドラマなんだな。これにいたく感動したので、この手のイタリア映画には触手が動くのです。そして、「離ればなれになっても」です。

    最初は、子供時代と大人になってから顔が変わるので少し誰が誰だかわからなくなり、少し難解なのです。話しが進むに連れて、配役がなじんできますので、面白さが出てきます。

    話しは、女性のジェンマを巡る男3名の人生と時代の移り変わりを丁寧に描かれています。最後は人生いろんなことがあったけれど、という万感胸に迫るものがあります。

    そして、リカルド役のサンタマリア・サンタマリアはあの超名作「ジョルダーニ家の人々」の長男ではないですか。俄然興味がわきます。

    ジェンマ役はミカエラ・ラマツォッティはどうかな。はすっぱなところを出すイタリア女としては適役なのかな。日本人には少しどうなのかな。

    だけど、よい映画です。近年の日本映画もこれぐらいのものを作れないのかな。やっぱり脚本が違うのか。向田邦子さんの「阿修羅のごとく」のような脚本家はいないのかな。

    若い人の恋愛映画ばかりで面白くないね。もっと人生を描かないとね

  • アバターの映像はすばらしい、だけどストーリーがね、ブラックパンサーとRRRに負けるぞ、2022年のベストは「コーダ あいのうた」かな

    アバターの映像はすばらしい、だけどストーリーがね、ブラックパンサーとRRRに負けるぞ、2022年のベストは「コーダ あいのうた」かな

    本日は映画のお話しです。先日封切り初日の12月16日(金)に超話題の「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」を鑑賞したのでした。日比谷の東宝シネマでの入りは4割ぐらいだったかな。

    観ての自分の素直な感想。確かに3時間の超大作であり、映像の美しさも度肝を抜くものですが、第1作から時間が空きすぎて、前の話しからの続きなのでもう前の話しは忘れてしまったよ、という感じなのです。ナビィやアバターの関係性が今一わからないんだな。

    今回の話し自体はシンプルなのですが、その続きの人間関係がすぐには理解できないので、面白さは半減するのかな。全5話で完結という話しも聞こえてきますが、どうなのかな。

    自分はシニア料金で視聴できるので1,200円で視聴できる娯楽としてはコスパは素晴らしいものがありますが、インド映画のあの「RRR」に撃破されるのではないのかな

    お金のかけ方はアバターかと思いますが、映画のパワーではRRRに負けていると思います。アバターでは鑑賞後、拍手は起きなかったもの

    映画館で拍手を目撃したのはRRRだけです。その意味では貴重な映画体験でした。自分ではアバターより「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」の方が上だと思うな。こちらの方が目頭が熱くなったもの

    ここでちょっとしたディップを。このアバター公開の数日前、六本木ヒルズの前の道路を歩いていたのです。前からアロハぽい派手なシャツを来た恰幅のよい初老の外人とすれちがったのです。冬なのに派手なシャツを着ているやつがいるなと思ったのでした。

    映画の予告を観てこの男が写っているのです。ジェームス・キャメロンと盟友のアバターのプロデューサーのジョン・ランドーその人だったのです。おそらく、プロモーションで来日していて六本木のグランド・ハイアットに宿泊していたんだろうなと。

    そして、今年も映画館とDVDでたくさんの映画を観ました。

    2022年で一番自分なりのベストはアカデミー賞作品賞もとった「コーダ あいのうた」かな。映画の最後にエミリア・ジョーンズにジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now」を歌わせる演出にまいったのでした。ストーリーもいいしね。

    そして、映画館でゴットファーザー三部作を続けて観たのは初めての体験だった。やっぱりゴットファーザーは2部まで、と改めて思ったのでした。11月のシチリア旅行でゴッドファーザー村へ行けなかったのは残念無念。

    ディア・ハンターも劇場で2週続けて2回観たしね。満足、満足

    渋谷のBunkamuraの劇場でロミー・シュナイダーの没後四十年ということで「太陽が知っている」も観たな。やっぱりいいよね。あの白い水着がいいんだね(変態かね)

    DVDではイタリアの「ジョルダーニ家の人々」が傑作だと思いました。少し前の作品ですが。現代社会というか家族を取り巻く世相を反映した傑作イタリア映画だと思いました。さすが、岩波映画館で上映されただけのことはあります。

    そんな感想を持った2022年の映画界なのでした。

  • 「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作

    「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作

    丁度1週間前にこんなタイトルのブログを書いたのでした。

    “まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」”

    この「輝ける青春」に大感動して、同じ脚本家のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリが担当したイタリアのドラマ「ジョルダーニ家の人々」というDVDを観たのでした。

    上映時間6時間39分という長尺です。このドラマは東京の岩波ホールで2012年に上演された時は「13時40分から3回の休憩を挟み21時15分で終了」というものだったのです。

    DVDでは4枚組です。

    そして、自分は2週間の週末ですべてを見終えました。

    はっきり言います。「傑作」です。現在の家族の問題、社会問題(難民、同性愛というジェンダーの問題)がすべて含まれています。やはり、ミケランジェロとルキノ・ヴィスコンティ、そして(ゴッドファザー)を生んだ国は偉大です。家族が流動化していく先進国の中流階級以上の問題をいろいろなエピソードを交えながら、多層的にドラマは展開していきます。

    尊敬する向田邦子が生きていたら、日本でもこんな脚本を書くだろうな、多分。

    ちなみに、原題は「Le Cose che restano」は”残るもの”という意味だそうです。このタイトルの高尚な意味は自分の思考範囲ではよく分かりません。

    物語の概要です。

    そしてふたたび、大きな愛につつまれる―

    イタリアのある家族の離別と再生を6時間39分にわたって描く感動の大河ドラマ。脚本は「輝ける青春」のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリ

    ローマに暮らすジョルダーニ家は、技術者の父、元医師の母、外務省で働く長男アンドレア、心理学者の長女ノラ、建築を学ぶ次男ニーノ、高校生の三男ロレンツォと、一見不自由のない幸せな家族に見えた。
    しかし三男の不慮の死をきっかけに、家族は心に秘めていた問題や困難に向き合うなかで、一人ずつ家を離れていく。彷徨える者たちが運命のように出会う人々、不法移民の女性とその娘、不治の病のフランス人、戦場で記憶を失った大尉等・・・。
    一本の川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび織りあわされて、血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく
    ラストシーンのジョルダーニ家の開け放たれた窓のように、さらに豊かに、開かれた未来に向かって―。

    自分の備忘録として、配役を記しておきます。自分的には、この映画はアンドレア・ニーノ・ノラの3兄弟とシャーバの物語と思います。特にニーノとシャーバが最高の立ち回りを演じています。

    アンドレア 演 – クラウディオ・サンタマリア 長男。

    ノラ  – パオラ・コルテレージ 長女。心理カウンセラー。

    ニーノ  – ロレンツォ・バルドゥッチ(イタリア語版) 次男。建築学専攻の大学生。

    ピエトロ  – エンニオ・ファンタスティキーニ 父。技術者。

    アニタ  – ダニエラ・ジョルダーノ 母。

    ロレンツォ  – アレッサンドロ・スペルドゥーティ 三男。

    シャーバ  – ファリダ・ラウアジ

    アリナ  – レイラ・ベクティ シャーバの娘。娼婦。

    シモーネ・ニコライ教授 – ヴィンチェンツォ・アマート

    フランチェスカ  – アントニア・リスコヴァ シモーネの妻でインテリア・デザイナー。

    カタルド刑事  – フランチェスコ・シャンナ 潜入捜査官。

    ミシェル 演 – ティエリー・ヌーヴィック ノラの患者であるフランス人の銀行員。

    ヴァレンティーナ  – ヴァレンティーナ・ダゴスティーノ ニーノの幼なじみの親友で同じ大学で建築を専攻している女子学生。

    ヴィットリオ・ブラージ大尉 演 – エンリコ・ロッカフォルテ ノラの患者。

    いろいろな講釈を述べましたが、是非、心を構えて見るドラマです。

    必観でしよう。考えさせられます。この感じ、やっぱりイタリアしか作れないんだろうな。