タグ: フェリーニ

  • サタジット・レイの映画「主人公」はフェリーニタッチの演出だね、でお昼は海鮮丼

    サタジット・レイの映画「主人公」はフェリーニタッチの演出だね、でお昼は海鮮丼

    2025年8月14日(木)

    天気予報では暑さが戻ると言っていましたが、ここ数日は過ごしやすいね、東京都心。

    昨日も予告していたとおり、本日この監督の映画を観に行ったよ。もうこうなったらとことん付き合おうと思ってね。おそらく生きている間に劇場で観れることはないと思うんだね。

    • 「サタジット・レイ レトロスペクティブ2025」

    本日観た映画はこちら。

    • 「主人公 デジタルリマスター」(日本劇場初公開)

    映画俳優である主人公アリンダムの危機や内省を通して、映画業界の問題(軽薄な娯楽作品の量産、商業主義、そして腐敗したビジネス慣行)を巧みに批判した作品。

    1966年/原題:Nayak/英語題:The Hero/117分
    ベルリン国際映画祭 審査員特別表彰
    監督・脚本・音楽:サタジット・レイ/撮影:シュブロト・ミットロ/編集:ドゥラル・ドット
    出演:ウットム・クマル、ショルミラ・タクル(ヒンディー語読み:シャルミラー・タゴール)、ニルモル・ゴーシュ

    観ての感想。まあ悪くはないが、少し監督自身の問題提起が一般人から見ると空回りしている感じかな。話しが直線的でないので、何が言いたいのかが分かりにくい。

    フェリーニほど奇想天外ではありませんが、何となくフェリーニたっちを感じたね。昨日と同じ女優さんが登場。監督の好みの女優さんなのかな。

    ジャ・ジャンクーにとってのチャオ・タオ、伊丹十三での宮本信子のように。

    だけど登場人物がどんな効果を発揮するのをねらっているのかわからない演出だよね。あの広告代理店と奥さんもどうゆう効果があるんだろう

    KKKKの怪しいババ風のヤツもね。

    サタジット・レイの中ではあまりメッセージ性のない映画かな。

    食べ終われば、本日はラーメンではなく、無性に“海鮮ちらし”が食べたくなったんだね。

    というわけで渋谷から赤坂に移動、赤坂見附の「魚がし 日本一」へね。ここならお盆でも開いていると思ってね。

    まずは瓶ビールで、“自分お疲れ様”。

    ビールを1杯飲めば、気持ちも安らぐよね。ここで喉が潤えば、“海鮮ちらし”を注文。

    何度も繰り返しますが、お昼は握りではなく“海鮮丼”です、キッパリ

    お会計はギリの2千円きり。やっぱり2千円超えると、罪悪感あり

    ご馳走様でした。

    ところで明日もサタジット・レイを観に行くよ。いつもの木曜日のルーティーンはないのでね。



  • 映画「チネチッタで会いましょう」は肩の力が抜けた良質な映画、楽しめるよ

    映画「チネチッタで会いましょう」は肩の力が抜けた良質な映画、楽しめるよ

    2024年11月26日(水)

    特別のイベントがない日はいつものルーティーンで映画館へ足を運びます。

    昨日観たのはこちらの映画、大作が封切られている年末ですが、興味を惹かれたこのイタリア映画をね。有楽町のテアトルシルマだよ。

    • 「チネチッタで会いましょう」

    話しはこんな感じ。映画の中にまた映画の入れ子が入っているので、慣れるまで少し辛抱。慣れてからは心地よさが続きます

    「ローマ法王の休日」「息子の部屋」などで知られるイタリアのナンニ・モレッティ監督が、時代の変化についていけない映画監督が痛い目にあって初めて大切なことに気づく姿をユーモラスにつづったヒューマンドラマ

    イタリアの映画監督ジャンニは、これまで40年間、プロデューサーの妻に支えられながら映画を制作してきた。チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控え、頭の中はアイデアでいっぱいのジャンニだったが、順調だと思っていたのは本人だけだった。

    女優は演出に口を出すばかりか政治映画をラブストーリーだと言い出し、娘に紹介されたボーイフレンドは自分ほどの年齢だという。誰にも理解されず、ひとり帰宅して目を覚ますと、今度は妻から別れを切り出されてしまう。さらにプロデューサーが詐欺師であることが発覚し、資金不足で撮影が止まってしまう。

    主人公の映画監督ジャンニをモレッティ監督が自ら演じ、モレッティ作品の常連俳優マルゲリータ・ブイ、フランスの名優であり映画監督でもあるマチュー・アマルリックが共演。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

    2023年製作/96分/G/イタリア・フランス合作
    原題または英題:Il sol dell’avvenire

    ナンニ・モレッティ、肩の力が抜けて良い映画を撮ったね、話しは大した話しではないのですが。まるでウッディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」のよう

    イタリア映画へのオマージュだよね。こんな映画を軽々と撮れるのも才能だと思いました。

    一時期のソダーバーグのようにだんどん新作を撮っていく、乗っている時期なんだろうね。

    自分的には非常に好みだったのですが、人によって好き嫌いが分かれるんだろうね

    だけど楽しい1時間30分でした。

    終われば、ここは有楽町、日本橋へ徒歩で移動です。

    目指すは吉良邸ではなく、日本橋の京都ラーメンの「ますたに」へ。いざ、出陣です。

    13時30分のお店は少しの行列です。

    まずはビールでほてった体を冷やします。飲み終えれば、ラーメン並を

    本日も充実の一日でした。

    カトリーナ・カイフ様を観て、銀座のローマイヤレストランへ、飲むメルセデスとは

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  • 「午前十時の映画祭」、映画館の大画面でフェリーニの屈指の名作「8 1/2」を観て、改めて尊敬し直した、巨匠に対して失礼かな?

    「午前十時の映画祭」、映画館の大画面でフェリーニの屈指の名作「8 1/2」を観て、改めて尊敬し直した、巨匠に対して失礼かな?

    丁度2日前に「午前十時の映画祭」でフェデリコ・フェリーニの名作「8 1/2」を日本橋の“TOHOシネマズ”の大きなスクリーンで初めて観たのでした。

    DVDでは自宅で2回ほど観たことはあるのですが。いつ観てもフェリーニは難解といういイメージしかなかったのですが、この歳になって映画も沢山観てきて、人生経験もたくさんしてきたので、初めてこの「8 1/2」を堪能できました。

    物語はこんな感じです。釈迦に説法かもわかりませんが。

    43才の映画監督のグイド(マルチェロ・マストロヤンニ)は、新作の撮影に入っているはずが構想はさっぱりまとまらない。体調を崩した彼は、医者から薦められた湯治場にやって来た。妻ルイザ(アヌーク・エーメ)との関係は冷え切っており、カルラ(サンドラ・ミーロ)と愛人関係にあったが、今はそれもわずらわしくなっていた。湯治場で見かけた美しい女性(クラウディア・カルディナーレ)に一瞬心ときめいたが、それも空しい幻影に過ぎずー。

    映画の解説としてはこんな解説が付いています。

    「混沌が映画だ。人生は祭りだ」―スランプに苦しむ映画監督のイマジネーションが自由奔放に繰り広げられる巨匠フェリーニの野心作にして代表作。『8 1/2』とは、音楽作品が作曲番号で呼ばれるように、作品番号で付けられた題名。アカデミー賞では外国語映画賞と衣装デザイン賞(白黒)、モスクワ映画祭ではグランプリを受賞した

    改めて思ったのは、最後の20分ぐらいで出てくるクラウディア・カルディナーレが女優陣の中で一番おいしいところを持っていくのね、と素直に思ったのでした。やっぱり当時のイタリア随一のミューズには勝てないということでしょうか。ヴィスコンティの山猫も彼女だしね。

    終わりの方でのセリフも良いね。自分的には「混沌が映画だ。人生は祭りだ」より「投資家に取っては映画製作での失敗はただの損失、監督にとっては失敗は監督としての終わりの烙印」云々のセリフには痺れたね。何故、痺れたかというと、マイケル・チミノの「天国の門」を思い出したからです。最後のシーンで道化師が出てくるのは意味深だね。“人生は祭りで、つまるところ道化だよ”ということなのかな。

    最後の方のハーレムのシーンはなくてもよいのでは。何か意味があるのかな。

    改めて思ったのは、映画の冒頭シーンは監督の才能がよく出ているね。自分的にはヴィスコンティとフェリーニを比べれば、今までは圧倒的にあの廃退美のヴィスコンティが好きだったのですが、今回、フェリーニを見直しました。巨匠に対して失礼か!

    マルチェロ・マストロヤンニはニヤけていい男だね!イタリア男、ここに極まりだね。

  • ニューシネマパラダイスの監督を描いた「トルナトーレ 我が映画人生」でモリコーネとの絆に涙したな

    ニューシネマパラダイスの監督を描いた「トルナトーレ 我が映画人生」でモリコーネとの絆に涙したな

    この週末に大変興味深い映画というか、ドキュメンタリーを見た。

    そのDVDのタイトルは「トルナトーレ 我が映画人生」というものです。

    あの「ニューシネマパラダイス」で有名なジュゼッペ・トルナトーレ を本人と関係者がその映画人生を語るというものです。

    ちなみに自分の中での映画のベスト3は以下のとおりかな。

    • ゴットファザー1(天才コッポラ渾身の一作)
    • ディアハンター(マイケル・チミノはこれ一作を作っただけで歴史に名を遺した)
    • ニュー・シネマ・パラダイス

    無理やり3本を選べと言われたらこうなりますが、他にはルキーノ・ヴィスコンティの「山猫」やロバート・ワイズの名作「サウンド・オブ・ミュージック」などが上がります。

    で、今回、「トルナトーレ 我が映画人生」を見て初めて知ったことで、興味深いことが多々あったのです。

    アマゾンの紹介文です。

    アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ニュー・シネマ・パラダイス』で賞賛を集め、それ以降、『海の上のピアニスト』『マレーナ』『鑑定士と顔のない依頼人』など、数多くの秀作を撮り続けている名匠ジュゼッペ・トルナトーレに迫るドキュメンタリー
    トルナトーレ本人はもちろんのこと、ティム・ロスやモニカ・ベルッチ、ジェフリー・ラッシュなど彼の監督作に主演した名優たちや映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネらのインタビューなどから、トルナトーレの映画作りや、映画に掛ける情熱を浮き彫りにする

    歴史的な名作「ニューシネマパラダイス」は最初4時間近い映画でイタリアで公開したが、全く芳しくなく、3時間弱程度に縮めてもサスペンス映画のようになり、全く興行的にダメだったのこと。

    そして、約2時間のバージョンを作成し、アメリカのアカデミー賞で賞を獲得したことで、世間の評価が変わったこと。

    アカデミー賞を獲得してイタリアに帰国して、記者からのインタビューを全く無視し、次回作に仕事にすぐにとりかかったとのことです。

    そんな中、あの巨匠のフェリーニから突然電話が掛かってき、めったにないことだから「楽しめよ」という言葉をもらったとのことです。

    そして、「シチリア! シチリア! 」は彼の育ったシチリアの村を再現した映画とのことです。撮影は、対岸のアフリカのチュニジアでその村のセットを作って、予算的にも大変な映画だったことが語られます。

    特にこの映像の中で印象深かったのは、あの故エンリオ・モリコーネがトルナトーレを語る映像には胸が打たれました。極め付きは、トルナトーレとモリコーネ、ドパルデューが揃ってモリコーネの曲を楽しく歌う映像にはしびれました

    モリコーネは語ります。トルナトーレが語る「モリコーネは自分の父であり、息子でもある」と語ることに、二人の間の強いつながりを感じました。

    現代の映画界のマエストロの「トルナトーレ 我が映画人生」は監督を目指す人にとっては必見と思った次第です。

    だけど、トルナトーレはかなり内気な人で、仕事中毒のシチリア人ですね。

    基本的には同じイタリア人でもシチリア人とナポリ人を比べれば、月とスッポンほど違うと、トルナトーレは話していたのでした。とにかくシチリア人は、外交的な性格の人種ではないと言い切っていたのが印象的でした。

    「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ