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  • オードリー・ヘプバーンの幸せな時間(2)定宿はビュルゲンシュトックホテル。だけど部屋代が

    オードリー・ヘプバーンの幸せな時間(2)定宿はビュルゲンシュトックホテル。だけど部屋代が

    昨日からの続きです。

    心安らぐ場所を求めて

    ツークから鉄道で南西へ約30分、自然豊かで美しい街並みが魅力のルツェルンは、多くの芸術家に愛されてきた古都。アルプスの雪解け水を湛えるルツェルン湖には、フランスのルイ16世から贈られたといわれる白鳥の子孫たちが優雅に水面を漂っている。そんな気品に満ちたルツェルン湖を見下ろす高台に立つ「ビュルゲンシュトックホテル」は、1873年の創業以来、数多くの著名人を迎えてきた。なかでもオードリーにとっては、1954年から68年までの14年間にわたり、プライベートの時間が守られた安住の地だったという。

    オードリーの愛した麗しき風景

    そんな彼女が愛したビュルゲンシュトックホテルは、2017年に「ビュルゲンシュトック ホテルズ&リゾート」として大改装を終えて、スイス随一の豪華さを誇る複合リゾート施設としてリニューアルオープンした。

    リゾート専用のクルーザーでルツェルン湖を渡り、真っ赤なフニキュラ(ケーブルカー)で500mの急斜面を一気に上ると、天空の別世界に辿り着く。趣向の異なる3つのラグジュアリーホテルとシャレー、レジデンス、広さ1万㎡のスパ、9ホールのゴルフコース、ショッピングエリア、そして一流のホスピタリティーでゲストを迎えてくれる。

    リゾートの敷地内には、オードリーが家族と暮らした山荘「ヴィラ・ベタニア」や結婚式を挙げたチャペル、そして彼女が愛した風景が、現在もそのまま残っている。  創業初期からあるシャレー兼レストラン「TAVERN 1879」で提供されるチーズフォンデュは、オードリーも好んで食べていた逸品だ。そのほか、ミシュラン星付きの正統派フレンチ、アジア、アラビアに至るまで11のレストランとバーを美しい景色とともに楽しむことができる。

    湖に向かって開かれたテラス、あるいは往年の華やかな面影が残るハリウッド・プールで、燦々と降り注ぐ太陽の光に身を委ねる時間はなんとも贅沢だ。シンプルながらラグジュアリーな客室の広々としたバルコニーに出ると、遠くにアルプスを望む山並みに大きな虹が架かっていた。雨上がりの空にカウベルの音が響き渡る。画家アロイス・カリジェが挿絵を描いたスイスの絵本『ウルスリのすず』のような、おとぎ話の世界に飛び込んだようだ。ここではどこにも出かける必要はない。オードリーのように、ただ自然を楽しみ心と体を休息させてエネルギーをチャージしたい。

    リゾートの眼下には、ルツェルン湖畔に寄り添うようにルツェルンの街が広がる。旧市街と新市街を隔てるようにして流れるロイス川に架かる、14世紀に建造されたヨーロッパ最古といわれる屋根付き木造のカペル橋が、この街の顔として絵になる美しい姿を見せている。古風な佇まいに真っ赤な花が飾られている情景から、市民がこの橋をこよなく愛していることが伝わってくる。ビュルゲンシュトックに暮らしていたオードリーも夫婦揃って週に2、3回ほど、市場や商店を巡っていたという。

    Bürgenstock Resort,

    CH-6363, Obbürgen

    www.buergenstock.ch

    このホテル、相当に良さげなホテルです。何かかなり高価な値段がしそうです。ちなみに2021年8月1日の1泊で部屋代を調べてみました。一番安いマウンテンビューのお部屋で、1,922スイスフラン(約227,000円)です。

    何か頭がクラクラする料金です。宿泊するのはどうやら無理そうです。

    だけど、今年の夏は外国に旅行に行けるかな。やっぱり無理なのでしょうか。

  • オードリー・ヘプバーンの幸せな時間(1)住んでいたスイスの街はビュルゲンシュトックだよ

    オードリー・ヘプバーンの幸せな時間(1)住んでいたスイスの街はビュルゲンシュトックだよ

    2020年の夏休みの旅行はスイスに行こうと2019年10月頃にターキッシュエアラインズのチケットも購入し、旅の準備をしていたのでした。ジュネーブかチューリッヒにインし、宿泊はレマン湖の対岸のフランスのエビアンのヒルトンに宿泊予定だったのです。

    何故、わざわざレマン湖を挟んでフランス領側に宿泊するとかと言うと、スイス・フラン高でユーロで支払った方が割安という理由なのです。

    そして、その時に是非訪問したかったのが、生前オードリー・ヘップバーンがスイスに居を移して住んでいた村にいくことも一つの目的だったのです。

    そんなことを考えていたのですが、今回、JALのweb情報サイトの「CLASS EXPLORER」に参考になる記事が掲載されたのです。

    記事は旅行ライターの鈴木博美(すずき ひろみ)さんです。自分の備忘録としてメモしておきたいと思います。

    題して、「スイス ツークのサクランボケーキ〜オードリーの幸せな時間」。SKYWARD 2019年6月号掲載されたものですね。

    かつて、銀幕の妖精と呼ばれた女優、オードリー・ヘプバーン。スクリーンに映し出される可憐で気品に溢れる姿は、今なお人々を魅了してやまない。その彼女が居を構えたのがスイスだった。生誕90周年を迎えた今年、在りし日の面影を追って、彼女がこよなく愛した場所を旅する。

    サクランボ薫る中世の街

    湖に初夏の陽光が照りかえり、中央スイスを代表するピラトゥス山、リギ山、シュタンザーホルンの山々が晴れやかに澄んだ青空にそびえている。爽やかな風が運ぶ緑の匂いが鼻腔をくすぐる。

    チューリッヒから鉄道で南へおよそ50分。中央スイスに位置する湖畔に佇む街ツークは、小さいながらも低税率の恩恵から世界各国の企業が支社を置く国際的な街だ。一方で、2000m級の山々と旧市街に残る中世の美しい街並みが織りなす絵画のような風景が、訪れる者を魅了する。街の歴史は古く、アルプスを越えてヨーロッパを南北に結ぶゴッタルド街道の分岐点に当たるため、古来栄華を極め、旧市街に残る1505年に建てられた後期ゴシック様式の市庁舎や街のシンボルでもある時計塔などが往時の面影を残している。

    (中略)

    トライシュラーで朝食を

    ところでツーク湖には妖精伝説が語り継がれている。湖の妖精が人間に恋をして結ばれ、湖底で暮らし始めるが、夫が故郷を懐かしむのを気の毒に思い、魔法で街全体を沈めてしまったという。真偽のほどは定かではないが、今でも湖の底から教会の鐘の音が聴こえたり、湖の底に暮らす人々が見えたりするのだとか。早朝に霧がかった湖は、そんな伝説を想起させる。やがて日が昇り青空が広がると、湖畔の住人が湖に飛び込みひと泳ぎ。それがツークの日常だ。

    自然と共存することは特別なことではなく、生活の一部なのだ。

    湖と同じくらい人々に愛されているのが、100年以上も続くベーカリー兼ケーキパーラーの「トライシュラー」。ここは、チャールズ・チャップリンにイギリス元首相のウィンストン・チャーチル、そしてローマ教皇のフランシスコをはじめとする多くの著名人にも愛され続けてきた老舗カフェだ。彼らが求めたのはキルシュヴァッサーをたっぷりと染み込ませたサクランボのケーキ「キルシュトルテ」。とりわけオードリー・ヘプバーンは、1954年から68年の間、ツークから車で40分ほどのビュルゲンシュトックに居を構えていた際、このケーキを目当てに度々訪れていた。それはちょうど映画『ティファニーで朝食を』の主演が決まり、前歯のすき間を矯正する指示を受け、紹介された歯医者がここツークだったことから始まる。彼女は歯医者に通う道すがら、トライシュラーのキルシュトルテに出合ったという。以来、このケーキをこよなく愛し、ときにはカフェで楽しみ、また友達にプレゼントするために買って帰ったりしたそうだ。

    長くなりそうなので、明日に続きます。