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  • 「シェルタリング・スカイ」はモロッコと砂漠の絶景を楽しむ映画、感性でね

    「シェルタリング・スカイ」はモロッコと砂漠の絶景を楽しむ映画、感性でね

    2024年4月22日(月)

    週末はいつもの定番、土日、自宅でDVDを1本づつ鑑賞します。観た映画はこちら。

    • 「シェルタリング・スカイ」
    • 「プレタポルテ」

    結論から言うと、どちらも見ごたえのある映画でした。映画のアプローチは全く違いますが

    まずは「シェルタリング・スカイ」から。自分は一度観たことがあると思っていましたが、観てみると初めてのようです。話しはこんな感じ。

    ベルトルッチ監督による、エキゾチックなラブ・ストーリー。第2次世界大戦後まもない1947年、ニューヨークから北アフリカへある夫婦が旅行にやってくる。かつて2人を取り巻いていた活気が薄れ、愛も夢もなくなってしまったことに気づいた夫婦は、この北アフリカで何かを発見できるのではないかと考えていたのだ。しかし、旅行を続ける内にかえって2人の関係は険悪になってゆく……。

    • デブラ・ウインガー 、 ジル・ベネット 、 キャンベル・スコット 、 ジョン・マルコビッチ

    まあ、モロッコの絶景と砂漠の雰囲気を楽しめばいいのでは、あと坂本龍一の音楽を。この歳になれば、話しもよくわかるのですが、何故、3番目のベドウィンの男とああなったのかは不思議です、自分の体験では理解できませんでした。原作者のポール ボウルズに聞くしかないかな。まあ砂漠だから、当事者でないとわからないね

    「プレタポルテ」です。

    これも話しはたいしたことのない群像劇ですが、よくこれだけの俳優を集めたね、こんなのアルトマンしかできないよ。デザイナー自身もね。

    鬼才R・アルトマンが撮った、パリ・コレクションに纏わる人間模様を描いた内幕もの。パリのプレタポルテ協会の会長オリヴィエは、ある日郵便で派手なネクタイを受け取る。そこには、それを身に着けて出掛けてほしいというメモが一緒に添えられていた。一方、空港ではショーに関わる有名無名の様々な人々が次々と降り立ち賑わいを見せていた。そんな中、空港にやって来たオリヴィエは、自分と同じ柄のネクタイをしているセルゲイと出会う……。

    ジュリア・ロバーツの前後の対比はさすがだね。ローレン・バコールはどの役だったんだろうね。とにかく風刺も効いて、ソフィア・ローレンとマストロヤンニに最敬礼だね。

    そして土曜日の夕食は六本木の「おつな寿司」へ。来週は東南アジアなのでね。

    19時に2名で訪問です。 今日はカウンターもテーブルも外人さんで占められています。

    我々は奥カウンターで大将の握りです。 今日のつまみは、“ほたるいかの漬け”と“くじらの刺身”です。どちらもビールのつまみには危険です。くじら、美味しです。

    今日の握りです。まずは前半戦。

    • いか
    • ほたて
    • たい(違うと思う、失念)
    • 関さば
    • 赤身まぐろ

    ここで、茶碗蒸しで仲入りです。後半戦です。

    • ずわいがに
    • 大トロ
    • いくら
    • 玉子焼き
    • 鉄火巻
    • おつな名物“いなり寿司”
    • あなご

    最後のデザートはアイス最中。本日の白眉は“関さば”と“大トロ”かな。 つまみの“くじら”も美味だったし。本日も美味しゅうございました。ご馳走様でした。

    マラケシュのフナ広場で声をかけられてもついて行ってはダメよ

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  • “坂本龍一、一周忌追悼ロードショー”で「ラストエンペラー」を観る、エイラクを観てれば10倍楽しめる

    “坂本龍一、一周忌追悼ロードショー”で「ラストエンペラー」を観る、エイラクを観てれば10倍楽しめる

    2024年3月14日(木)

    旅行の前に是非観たい映画があったのです。これを観て旅行に出かけます。

    その映画とはあの「ラストエンペラー」です。自分は恥ずかしながらこの映画を観たことがないのです。今回劇場で公開されている理由は、“坂本龍一さん、一周忌追悼ロードショー”ということのようです。4Kレストアの劇場公開版です。

    映画はこんな感じ。

    「ラストタンゴ・イン・パリ」「1900年」で知られるイタリアのベルナルド・ベルトルッチ監督が清朝最後の皇帝・溥儀の生涯を映画化し、1988年・第60回アカデミー賞で作品賞をはじめとする9部門に輝いた歴史大作。溥儀の自伝「わが半生」を原作に、激動の近代史に翻弄された彼の人生を壮大なスケールと色彩豊かな映像美で描き出す

    1950年、ハルピン。ソ連での抑留を解かれ母国へ送還された大勢の中国人戦犯の中に、清朝最後の皇帝・溥儀の姿があった。手首を切って自殺を図った彼は、薄れゆく意識の中、波乱に満ちた自身の半生を思い起こしていく。

    「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」のジョン・ローンが成長した溥儀を演じ、「アラビアのロレンス」などの名優ピーター・オトゥールが少年時代の溥儀を導く英国人教師役で出演。坂本龍一が甘粕正彦役で出演したほか音楽を手がけ、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞した。オリジナル全長版は218分。

    1987年製作/163分/PG12/イタリア・イギリス・中国合作
    原題:The Last Emperor

    観ての感想。いやあ、楽しめました。何故楽しめたかは、あの中国宮廷ドラマの「エイラク」全話を1ケ月前に観ていたから。「エイラク」の時代は清朝のむ絶頂期・乾隆帝の時代。このラストエンペラーこと溥儀は清朝最後の帝、乾隆帝の死後、約100年後に即位なのですね。

    この100年の中で中国はいろいろあったんだね。エイラクのおかげで非常に興味深く、楽しめました。だけど気になったのは、全部が英語での会話なのでそれはちょっとどうかなと

    ジョン・ローンはかっこよすぎますが、ピーター・オトゥールは渋い演技でしたね。

    「エイラク」の時でも気になっていましたが、清朝は愛新覚羅という中国東北(満州)の族なんだね。

    監督のベルトルッチが何を言いたかったのかは、「暗殺の森」と同じテーマということは、

    • 暗殺の森では最後はファシズムの崩壊、ラストエンペラーでは溥儀を担いだ満州国の崩壊
    • 普通(市井の人)と普通でない(紫禁城の帝と人々)

    だけど、最後の毛沢東の文化大革命の挿入は今見ると風刺が効いているね、2023年現在も変わらない中国。現時点で観ると示唆に溢れています

    本当にいい映画を観たね。

    アウェーの新宿では、ランチは「桂花ラーメン」へ。ほてった頭をビールと茎わかめで冷まします。しわしわで少し塩っぱい“桂花ラーメン”美味いね。

    「瓔珞(エイラク)」全70話を一気観、自分的解釈はメッセージは現代的

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  • ベルトルッチの「暗殺の森」を劇場で観たよ、ラストエンペラーも同じ構成とは

    ベルトルッチの「暗殺の森」を劇場で観たよ、ラストエンペラーも同じ構成とは

    2023年11月10日(金)

    本日は東京は久しぶりの雨模様の天気です。そんな天気もあっては、やっぱり映画館で映画を観るにこしたことはありません。

    本日観た映画はイタリア映画の名作「暗殺の森」です。「午前十時の映画祭」のプログラムです。町山智浩氏の解説映像付き上映会となります。町山氏の解説が入るということは結構難解な隠れたテーマがあるんだろうね

    あのスペイン映画の「ミツバチのささやき」でも町山氏の解説でフランコ独裁政治への反抗メッセージということが理解できたものね。

    「暗殺の森」はあのイタリアの名監督ベルナルド・ベルトルッチ

    主演は「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャンです。原作はイタリアを代表する作家の一人、アルベルト・モラヴィアです。

    映画の前と後で町山氏の解説が入ります。まずは、映画前の解説です。

    「暗殺の森」の森の撮影監督はヴィットリオ・ストラーロでこの映画は「市民ケーン」と並んで史上最も先鋭的な撮影による映画とのこと。青いバックはフランスでの出来事、白いバックはイタリアでのことと背景色を観ただけでどちらの場面かわかるとのこと。

    1938年、ファシスト政権下のイタリア。少年時代の性的トラウマゆえに「誰よりも普通の人」になろうとした主人公、当時のイタリアで普通はファシストに属すること(ドイツではナチ、日本では天皇崇拝)で、結局は自由に生きればよかったのにという対比をしている映画(これ正しいかな)

    ストーリーはこんな感じ。

    第二次世界大戦前夜のイタリア。哲学講師のマルチェロは、幼い頃、自分の送り迎えをしていたゲイの運転手を射殺したトラウマを抱えており、今はファシズムに加担している。組織の命令で、反ファシストのかつての恩師クアドリの身辺調査を依頼された彼は、婚約者のジュリアと共にパリに赴く。マルチェロとジュリアは、クアドリと彼の魅力的な若妻アンナに接近し、食事やダンスを共にする。だが、組織からはクアドリを殺害せよという第2の指令が発せられる……。

    解説を聞かないと深い伏線はわからない映画でした。29歳でこんな映画を作るベルトリッチという人は只者ではないね。下世話な話しですけど、この映画のドミニク・サンダは素晴らしい。(当時20歳とか言っていたね)

    観終わってからの町山氏の解説です。覚えている限り。

    ストーリーは後の「ラスト・エンペラー」の原型。暗殺の森では最後はファシズムの崩壊、ラストエンペラーでは溥儀を担いだ満州国の崩壊。同性愛等々。

    そして、暗殺の森はいろんな場面で師匠でもあったゴダールへの贖罪と決別を表していると。この映画からベルトリッチは大作路線に舵をきり、ゴタールから決別していった。

    有名な女性2人のダンスシーンは同性愛を連想させ、店内の白、柱の赤、そして外の青でフランス国旗のトリコロールを表していると。

    この映画では鉄格子やガラス窓で内と外の対比が出てくるが、普通(ファシズムやナチ)と普通でない(当時は自由な人)との対比が描かれる。最後の暗殺場面でも車の窓を通して同じ対比が描かれる。

    まあ結論としては、いろいろな伏線があり、難解な映画でした。だけど面白かったよ。やっぱり、イタリアはダヴィンチとミケランジェロを生んだ国だもんね、一筋縄ではいかないよ、そうそう、あのモリコーネ先生もね。

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  • モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね

    モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね

    あのタランティーノが放った名言、「かれは現代のモーツァルトだよ、現在のヴェートーベンだよ、現代のシューベルトだよ」と。

    そのモリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」(エンニオ・モリコーネ (著), アレッサンドロ・デ・ローザ (著))を3週間かけて読破したのです。弁当箱より分厚い本ですが、実に面白かったのです。音楽を勉強している人などにとっては自分の100倍ぐらいの吸収がある本だと思います。

    しかし、本のタイトルがしびれるね。(この言葉はモリコーネの言葉です)

    初期のモリコーネの名を高めたあのセルジオ・レオーネとの3作は「ドル箱3部作」と呼ばれているのですね。(荒野の用心棒・夕陽のガンマン・続 夕陽のガンマンのことだよ)

    そして、ストラヴィンスキーのことを再三とりあげて激賞していますね。音楽家にとってはすごい進歩を起こした人なのね。素人には今ひとつわからないストラヴィンスキーなのに。

    本から抜粋です。まずはルイス・バカロフの言葉です。(1933年生まれ、「イル・ポスティーノ」で第68回アカデミー作曲賞)

    アルバン・ベルクは1920年代に、シューマンの「トロイメライ」を研究していた。そのなかで、かれはこの曲を“完璧”にせしめている一連の要素に注目している。彼が注目したのは、音程の築き方、特に完全四度の使用についてだった。実際のところそれが正しいのかどうかはわからないけれどね。….

    エンリオがベルクの分析に関心を持ったかどうかもわからないが、彼の書いたメロディの多くがきわめて有名になったことを考えると、彼なりに何らかの“秘訣”を発見したのだろう。ただ、ここまでくれば、彼に直接訊いてみるよりほかないだろう。

    2014年3月26日

    次はモリコーネと一番多くの映画で連れ添ったジュリアーノ・モンタルドの言葉(映画監督、代表作は「死刑台のメロディ」)です。

    でもいいんだ。ぼくの傍らにはいつだってエンニオがいるから。優れた職人で芸術家でもある偉大なエンニオがいつもそばにいてくれるんだ。

    2014年5月26日

    特に、付録の「証言」というコーナーでトルナトーレがあの「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽について詳細に回答していますので、必読です。

    最後に本書の紹介文です。

    「疑いの余地なく、本書は、わたしに関して書かれた本のうち、詳細にわたり丁寧に検討された正真正銘の最良の書である。これは真実の書である。」 ──エンニオ・モリコーネ

    前衛音楽から映画音楽へ 若き音楽家との対話によって紡がれる マエストロの生涯とその創造のすべて

    『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『死刑台のメロディ』『エクソシスト2』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ミッション』『アンタッチャブル』『海の上のピアニスト』『鑑定士と顔のない依頼人』『ヘイトフル・エイト』…… 数々の名作で知られる映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネと若き音楽家アレッサンドロ・デ・ローザとの対話によって紡がれる、マエストロの生涯と創作の真実

    映画音楽は映画という芸術に対して何をすることができるのか。音楽としての純粋性を損なうことなく、大衆が理解可能な音楽はいかにして可能か。音楽は人と人をどのように結びつけることができるのか。そして、なぜ人は作曲を続けるのか。

    本書には、モリコーネが歩んできた人生、映画音楽家としての活動、 経験、その音楽が生まれた契機と育まれた経緯のみならず、彼が生きた歴史・社会・文化的状況をめぐる思いのすべてが綴られる。

    映画、ラジオ、テレビといった様々なメディアが到来しては次々に様相を塗り替えていった現代社会のなかで、「音楽」はそこに何を残すことができたのか。決して音楽の世界に閉じこもることなく、新しい環境のなかに飛び込み、苦闘した作曲家はやがて映画音楽界の巨匠と呼ばれるようになる。

    ゴッフレド・ペトラッシのもとで作曲を学び、ダルムシュタットでジョン・ケージと出会った作曲学生時代。そしてRAI(イタリア放送協会)やRCAでプロとしてのキャリアをスタートしてからの下積み。その後のセルジオ・レオーネ、ベルナルド・ベルトルッチ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ダリオ・アルジェント、ジュゼッペ・トルナトーレ、ジョン・カーペンター、オリヴァー・ストーン、ブライアン・デ・パルマ、ペドロ・アルモドバル、ロマン・ポランスキー、クエンティン・タランティーノらとのコラボレーションに至るまで、モリコーネの生涯が詳細に語られる。

    楽しい読書体験でした。

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