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  • 「愛と哀しみのボレロ」を観に再度劇場へ、神様・仏様・ジョルジュ・ドン様

    「愛と哀しみのボレロ」を観に再度劇場へ、神様・仏様・ジョルジュ・ドン様

    2024年3月6日(水)

    本日も相変わらず映画の話しから。先週の金曜日に続いて再度「愛と哀しみのボレロ」を観に行ったのです。天気も雨模様で寒いのでね、映画館が一番いいわけです。庶民の娯楽としてね。短期間で2回も観ると、細かいことがわかっていいよね。そして今日の回は前回よりお客の入りはよかったよ。

    何回観ても、一番良いシーンはジョルジュ・ドンが中盤終わりに踊る「ラ・バヤデール」ですね。あの瞬間の高揚感というか、カメラワークも含めてもうたまりません。最初と最後のボレロも含め一番よいところをかっさらっていくヌレエフ役のジョルジュ・ドン。

    改めて思ったこの映画の良さは冒頭の20分のバレエとショーの華やかさし敗者の光景でつかみがすばらしいところです。あと各逸話の切り替えず非常にテンポがよく、その構成力には驚かされます

    最後の最後であのユニセフの役人がエデット・ピアフの肩に手を回すのは何か含みがあるのかな、何か意味深な一コマです。

    最後のボレロのシーンで弁護士と並んでいるのは母親(精神病院にいた)なんだね。そして、パリ解放の時のあの祝宴の広場にいた神父さんと奥さんがあの赤ちゃん(のちの弁護士さん)の育ての親なんだね。

    見ていくうちに全貌がわかってきました。おもな配役を記しておきたいと思います。

    • ヌレエフ(映画: セルゲイ・イトビッチ)ジョルジュ・ドン
    • カラヤン(映画: カール・クレーマー)ダニエル・オルブリフスキー
    • エディット・ピアフ(映画: エブリーヌ)エブリーヌ・ブイックス
    • グレン・ミラー(映画: ジェイソン・グレン) ジェームズ・カーン

    そしてこの映画で最も印象深い女優は、

    • タチアナ(ヌレエフの母親と娘役)リタ・ポールブールド

    このタチアナ役の人、フレエフの母なんだけどヌレエフの娘の役柄をやっているので頭がこんがらがるんだよね。あのカラヤンの映画での話しは本当なんだろうけれど、後世にはあまり聞こえてこない逸話ですね。実際、ドイツ人であの時代を過ごした人でヒトラーを無視できるはずもないしね。ニューヨークでの公演の逸話も本当なんだろうね。

    少し気になったのはグレン・ミラーの娘の放蕩の逸話が少し長すぎないかということぐらいかな。逆にカラヤンの出番はかなり少ないね。

    最後の赤十字とユニセフのあの企画、あの時代だからできたのでしょう。赤十字はともかく、今のユニセフの評判だとどうなんだろう。

    ともかく、神様、仏様、ジョルジュ・ドン様だよね。

    終わればいつものように室町にある「ますたにラーメン」へ。

    今日も充実した1日でした。

    あの「男と女」の続編は製作してはいけなかったよ、年老いた主人公は観たくない

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  • 「愛と哀しみのボレロ」を劇場で観たよ、まさにこれを観ないでに死ねるか

    「愛と哀しみのボレロ」を劇場で観たよ、まさにこれを観ないでに死ねるか

    2024年3月2日(土)

    本日は感激したよ。本日から2週間、“午前十時の映画祭”であの「愛と哀しみのボレロ」をやるではありませんか。何を差し置いても、まずは初日に観に行くしかありません。

    自分はこの作品を観るのは人生で3回目だと思います。過去2回はDVD鑑賞でした。よって劇場で観るのは初めてです。劇場の大画面で観ると没入感が違いますね。

    この映画はこんな感じ。

    『男と女』の名匠ルルーシュの集大成ともいうべき3時間に及ぶ超大作。指揮者カラヤン、作曲家グレン・ミラー、舞踏家ルドルフ・ヌレエフ、歌手エディット・ピアフという4人の芸術家たちをモデルに、1930年代から80年代の長きにわたる波瀾に満ちた人生が描かれる。ジョルジュ・ドンが踊るラヴェルのボレロは、圧巻のクライマックス。

    ストーリーです。

    1936年、モスクワ:ダンサー志望のタチアナは、ボリスと結婚して息子を授かるが、第二次大戦で夫は戦死し…。ベルリン:ピアニストのカールは、ヒトラーから称賛されたことで生涯苦しみ続けることに…。パリ:バイオリニストのアンヌは、ユダヤ人ピアニストのシモンと結婚して息子を儲けるが、二人は強制収容所行きの列車に乗せられ…。ニューヨーク:ジャック・グレンは、ジャズ・バンドで名声を得ていた…。そして20年後、彼らの子供たちは…。

    今回は本当に没入して観ましたので、伏線がすべてつながりました。壮大な構成で実に緻密です、ルルーシュあんた天才だよ。アウシュビッツとアルジェ戦線とあの赤ん坊がつながる、最後までの構成はみごとです。

    映画の最高潮はやっぱりヌレエフ(ジョルジュ・ドン)の踊り。最後の「ボレロ」は言うまでもありませんが、中盤の「ラ・バヤデール」の踊りは掛け値なしにすごいね、この踊りだけでも劇場で観る価値あるよね。

    そして、一番複雑な家族の歴史がヌレエフとグレーン・ミラー。あの冒頭のシーンのボリショイでの敗者の子供がヌレエフなんだね。少し頭がこんがらがるのが、同じ役者が母と孫、母と娘を演じるのですが、これもルルーシュの演出なんだね。

    帝王カラヤン役の役者の面構えも良し、奥さんは本当にあんな役回りをしていたんだろうか。カラヤンだけはあんまり家族のことがないね。

    最後のエンディング。どうしてユニセフや赤十字なんだろう、隠されたメッセージがありそうだね。

    本当の主役はやっぱりパリというかその風景だね。美しさと哀愁、歴史の重みだね。

    映画を観ながらふとジョニ・ミッチェルの「both sides now」が頭に浮かびました。物事には2面性があると、“敗者と勝者”“恋愛と失恋”“空の上からと下から見る風景”

    壮大な物語の映画はこの3つだね。

    • 愛と哀しみのボレロ
    • 地獄の黙示録
    • アラビアのロレンス

    本当に感動したよ。この2週間しか上映していないけれど、あと2回は観に行くね。

    これ世界遺産だよね。

    モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね