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  • [萩・宿泊記]萩出身者のおすすめは「常茂恵」、歴史フェチには最高の宿

    [萩・宿泊記]萩出身者のおすすめは「常茂恵」、歴史フェチには最高の宿

    萩の宿泊情報です。萩出身の自分が言うのもどうかと思うのですが、萩市で一番格式の高い旅館・ホテルは「常茂恵」だと思います。何故なら、その昔、昭和天皇が萩にお越しの際、泊まられたのがこちらの「常茂恵」だったのです。建て替え前の昔の「常茂恵」だったのです。

    そして、自分たちも萩に帰省する際は、実家に泊まるのではなく(何故なら、親も高齢で上げ膳・下げ膳もできないので)、こちらに家族で宿泊するのです。

    「常茂恵」とはこんな旅館です。

    • 萩市土原弘法寺608-53
    • TEL 08388-22-0150

    創業から100年 常茂恵が受け継いできたもの It has been handed down for around 100 years. 大正14年、常茂恵は「萩の迎賓館」として創業いたしました。 以来、常茂恵が一途に守り続けているもの。 それは、お客様をお迎えする心構えに他なりません。 趣深い日本庭園を眺めながら、土地の食材をふんだんに取り入れたお食事に舌鼓を打つ。 静かで美しい、ゆったりとした時間を、どうぞお過ごしください。

    館内は歴史好きにはたまらない趣向があるのです。幕末の長州藩の歴史そのものの旅館なのです。吉田寅次郎(吉田松蔭)や伊藤博文などの直筆の書などが平然と廊下やお部屋に掲げられているのです。歴史フェチにはたまりません

    そして、今回、自分が予約したプランはこちらです。

    • 山口和牛燦しゃぶしゃぶ付会席 ゆったり滞在21時間 二間続きの和室 庭園側
    • おとな1名 24,900円

    少し割高だとは思いますが。デルタのスカイマイルを交換して取得したJTB旅行券を使ってJTB経由で予約したからかな。ましてや土曜日の宿泊です。

    少し遅めのチェックインだったので、すぐに食事です。4名ですので、食事用の個室でいただきます。今回の料理で一番美味いと思ったのは、“ふぐフライ”かな。ふぐの繊細の白身のホクホクの天ぷら、たまりません。気になったのは、お造りです。マグロのおさしみが入っていましたが、萩では必要ないかな。

    まあ、バラエティ豊かな夕食膳、老舗の旅館に泊まる幸せを実感します。

    そして、こちらの「常茂恵」はお風呂を期待していく高級旅館ではありません。温泉ではないのですが、こじんまりとしていますが、必要十分条件は整っています。

    今回のお部屋は少しコンパクトながら、気持ちの良い空間です。寝具も厚いマットが敷かれて、ベットに近い寝心地です。

    そして、お楽しみの朝食です。今回は是非、観察してみたいことがあったのです。アジの開きです。作家の山田詠美さん曰く、「旅館に宿泊して、アジの開き。そのこんがりと焼けた筈(はず)の皮が下になっていた時の落胆、皮を下にするのが作法なのか。でもでも、そうしたら、あの香ばしい皮が台無しではないか。」と言われるのです。

    そして、こちらの「常茂恵」さんのアジの開きは皮が上でした。だけど、高級旅館でも納豆が欲しいな。気になったのはお新香です。高級旅館で細かくしたキャベツの浅漬けはないだろうと。

    まあ、萩で気持ちのよい滞在をしたいなら、一番お薦めの宿かと思います。お風呂だけなら、まだよい旅館は他にあるのですが、いかんせんお部屋がダメポです。

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  • 作家の山田詠美さんいわく、「焼き魚の開きは断然、皮が上の方がよい」

    作家の山田詠美さんいわく、「焼き魚の開きは断然、皮が上の方がよい」

    世の中にはおもしろいことを考える人がいるのです。

    それに気付かされたのは、日本経済新聞の夕刊のコラム「あすへの話題」という作家の山田詠美さんの話しだったのです。2021年9月28日(水)のことです。

    抜粋します。

    これ見よがしでない美意識があちこちに反映され、控え目ながら細やかなサーヴィスを提供し、派手でないが吟味された料理が卓に並ぶ・・・そんな旅館に泊まり満足に浸る翌朝、ああっ、何故?とがっくりすることがある

    それは朝食。多過ぎないシンプルな和食メニュー。おなかをぐぅと鳴らしながらセッテイングされるのをわくわくして待つ。と、そこに運ばれて来たのは、アジの開き。そのこんがりと焼けた筈(はず)の皮が下になっていた時の落胆と来たら・・・ええ、よくあることです。一流旅館の朝食でも、そうする場合が少なくないみたい。皮の部分と身の開いた部分。どちらを上にして皿にのせるのが正しいんです。!?

    皮を下にするのが作法なのか。でもでも、そうしたら、あの香ばしい皮が台無しではないか。醤油をたらしたら、じゅっと音を立てる、焼き立てで、ぱふっと浮き上がらんばかりの焦げた皮。あのはがれかかった皮と身の間の空気がまた美味なんだよなあ

    しかし、私の独自調査による統計からすると、皮目を下にする場合が圧倒的に多いようだ。そんな馬鹿な。

    これを読んで、作家って馬鹿なことを考えるんだな、と思った次第です(笑、失礼)。

    自分はどうかと言うと、山田さんに反して、身が上にある方がよいな。おそらく両者の対立点は、魚の開きに醤油をそもそも垂らさないといけないのか?、ということなんだと思います。

    開きなどは、既に薄塩がされていると思うので、更に醤油をかける必要は全く無いと自分は思うのです。ここはキッパリ

    自分の出身は山口の萩ですが、こちらは魚が豊富に上がる地域です。家庭でも旅館でも皮が上して開きが出されたことは一度もないんだな。

    そして、このコラムには続きて落ちがあるのです。

    川上弘美さんの小説に「魚の皮の儀式」というのが登場したのを昔、読んだ。好き同士の男女が焼き魚の皮を箸ではがしながら、お互いに口に運び合うのだ。このシーン、なんともエロティックで、ぐっと来てしまったのだが、皮目を下にして皿にのせたら、「朝の魚の干物の皮儀式」が出来ないではないか。素敵な温泉旅館で、せっかくの同衾(どうきん)にこぎつけた甲斐がない。

    やっぱり、作家は変態ですね。お後がよろしいようで。

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