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  • 「花様年華」は香港映画の超傑作、ウォン・カーウァイの才能に最敬礼、小津だね

    「花様年華」は香港映画の超傑作、ウォン・カーウァイの才能に最敬礼、小津だね

    2024年8月31日(土)

    昨日は東京都心でも台風の影響で大荒れの様相です。だけど、こんな時こそ、庶民が行く娯楽は映画館だよね。お誂え向きに「午前十時の映画祭」も新しいラインナップです。

    そして、観に行った映画はこちらです。日本橋のTOHOシネマズです。

    • 「花様年華」

    自分はこの映画は観たことありません。あんまり、ウォン・カーウァイは良いと思わないのでね。だけど、「午前十時の映画祭」で取り上げるからには観に行かざるを得ないよね。

    既婚者同士の密やかな恋を、ウォン・カーウァイ監督が官能的な映像美で綴ったラヴ・ロマンス。原題は“人生でもっとも美しい瞬間”という意味。香港電影金像奨の主演男優、女優賞を受賞したトニーとマギーの魅力はもちろん、60年代香港のムードを鮮やかに再現したクリストファー・ドイルの撮影、美術と衣装の素晴らしさも見どころ

    物語 1962年、香港。地元新聞社の編集者チャウ(トニー・レオン)と、日系企業で秘書として働くチャン夫人(マギー・チャン)は、偶然にも同じアパートに同じ日に引っ越してきた。隣人同士の付き合いを始めたものの、チャウの妻とチャン氏は仕事が忙しくあまり家におらず、二人はそれぞれに孤独を感じていた。だが、互いの伴侶が実は不倫関係にあることを知ってしまう。裏切られ傷ついた者同士が慰め合うように、二人は時間を共にし始める。

    観ての感想。これは傑作でした。ウォン・カーウァイの美的センスが爆発です。小津安二郎+ウォン・カーウァイです。香港映画では“男たちの挽歌”とこの“花様年華”が歴史的な名画だと思ったね。

    黒澤と“男たちの挽歌”のジョン・ウー、小津と“花様年華”のウォン・カーウァイという並びかな。

    自分的にはマギー・チャンはいつ観てもそんなに美人とは思わなかったが、この映画のチャイナドレスの七変化はすばらしい。ウォン・カーウァイの美的センスのすばらしさ。小津で言えば、司葉子の雰囲気だよね。

    マギー・チャンの代わりに、自分的な香港の女神“コン・リー”様でも合うのでしょうが、彼女だと肉体関係を想像させるのでアウトなのかな。

    最後は三島由紀夫的な映像で終わるのね。最後は残像の残る映像の終わり方の方がよかったのでは、とは思いました。

    だけど、ただただ傑作だと思いました。手元にDVDを置きたい衝動が。

    2週間後の“男たちの挽歌”が楽しみになりました。やっぱり、チョウ・ユンファだよね。

    終われば、日本橋室町の「ますたに」へ。ビールとラーメンをサクッといただきました。

    台風で大荒れなので、真っ直ぐ帰宅です。良い1日でした。

    「サタデー・フィクション」のコン・リー様の降臨には参ったね、超スタイリッシュ

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  • 目黒シネマで「バクダットカフェ」と「パリ、テキサス」の2本立てを観る、映像美だね

    目黒シネマで「バクダットカフェ」と「パリ、テキサス」の2本立てを観る、映像美だね

    昨日から映画繋がりです。実は昨日も映画鑑賞に目黒駅近くにある目黒シネマという実に渋い映画館に行ったのです。お目当てはこの2本立てです。実に貴重だなと思ってものでね。

    • バクダット・カフェ
    • パリ、テキサス

    どちらもDVDで30年以上前に観たことはあるのですが。その時には心に刺さらなかったのですが。まあ、その時の日本はイケイケの時代だったし、自分もノリノリの時代だったので、おそらく刺さらなかったんだな。

    しかし、今、年齢と時代がマッチしたと思うんだな

    自分はこの映画館に何回か足を運んでいますが、これだけ観客が入っているのは初めて観たな。8割以上は埋まっています、ほぼ9割かな。特に若い人、若い男性も多かったね、映像志向の人かな。

    特に2本目の「パリ、テキサス」の方が多かった。

    まず、9時45分から1本目の「バクダット・カフェ」です。ジェヴェッタ・スティールが歌う「コーリング・ユー」があまりにも有名な映画ですね。

    観ての感想。こんな映画だったんだ。ちゃんと観たのはもしかして初めてかもという印象。 こんなおデフな女性の人が主人公だったんだ。(失礼)

    2/3までの会話が饒舌でない方が好きだな。だけど風景の変わるショットがいいよね。まあこんな空間が広がる映像の映画もないね。強いて言うとすると舞台をヨーロッパに移せばフェリーニ的な映像なのかな。あのピアノを弾く子の音、グールドのような音だったね、やっぱり意識していると思います。あの画家もボテロのような絵でいいね。

    まあ、とにかくアラビアロレンスとは違う、一つの映像美の映画だと思いました。

    2本目は「パリ、テキサス」です。

    言わずとしれた、あのヴィム・ヴェンダース監督の有名な映画ですね。これももうあらすじは全く記憶にありません。

    今回、この映画のオープニングを観ていて、初めて気づいたことが2つほど。

    これ、1984年第37回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したのね。初めて知りました。(汗)それと、原作・脚色があのサム・シェパードなのね。これ本当に驚きました

    だから最後のあの場面の2人だけの会話がかなり長い理由がわかりました。やっぱり詩人でもあるのでね。面目躍如というところかな。ライ・クーダーのギターが映像にマッチして痺れるね。話しとしてはそんな大したことはないのですが、あの映像美とオープニングのつかみがうまいよね、それと印象的な映画のタイトルもね。

    だけど、これがパルム・ドールなのねと思った次第です。何を意味するかはご想像におまかせします。

    今回は本当に貴重な2本立てでした。もうお腹いっぱいというところです。

    映画の後は雨が降り出したので、近くの「天下一品」でラーメンを、こってりとあっさりの中間の屋台の味スープでね。目黒に行ったら、やっぱり「かづ屋」で支那そばを食したかったよ

    目黒シネマで松田優作の「蘇る金狼」と「野獣死すべし」を観た、小林麻美より風吹ジュンだね