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  • 映画「エミリア・ペレス」はキワモノではないよ、メキシコの暗部をえぐる社会派映画

    映画「エミリア・ペレス」はキワモノではないよ、メキシコの暗部をえぐる社会派映画

    2025年4月1日(火)

    昨日の週初めの月曜日も映画館に足を運んだよ。観たのはこちらの映画。

    • 「エミリア・ペレス」

    かなり話題の映画だもんね。メキシコ舞台なのに、フランス製作なんだね、映画でもcanal+のクレジットもあったもの。自分はカルテルのボスが女に変わったぐらいの知識しかない状態で見に行きました

    「ディーパンの闘い」「君と歩く世界」「預言者」などでフランスを代表する名匠として知られるジャック・オーディアールが手がけ、2024年・第77回カンヌ国際映画祭で審査員賞と4人の俳優が女優賞を受賞した作品。メキシコの麻薬カルテルのボスが過去を捨て、性別適合手術を受けて女性として新たな人生を歩みはじめたことから起こる出来事を、クライム、コメディ、ミュージカルなどさまざまなジャンルを交えて描いた。

    メキシコシティの弁護士リタは、麻薬カルテルのボスであるマニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタは完璧な計画を立て、マニタスが性別適合手術を受けるにあたって生じるさまざまな問題をクリアし、マニタスは無事に過去を捨てて姿を消すことに成功する。それから数年後、イギリスで新たな人生を歩んでいたリタの前に、エミリア・ペレスという女性として生きるマニタスが現れる。それをきっかけに、彼女たちの人生が再び動き出す。

    カンヌ国際映画祭ではアドリアーナ・パス、ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメスの4人が女優賞を受賞。特にエミリア・ペレス/マニタス役を演じたカルラ・ソフィア・ガスコンは、カンヌ国際映画祭において初めてトランスジェンダー俳優として女優賞を受賞した。第97回アカデミー賞でも作品賞や国際長編映画賞をはじめ、非英語作品としては史上最多となる12部門13ノミネートを果たし、助演女優賞(ゾーイ・サルダナ)と主題歌賞の2部門を受賞した。カルラ・ソフィア・ガスコンもトランスジェンダー俳優として初の主演女優賞ノミネートとなった。

    2024年製作/133分/G/フランス
    原題または英題:Emilia Perez

    驚きました。まず構成から変わっているね、変なところでミュージカル仕立てになります、但し、純粋なミュージカル映画ではありません。

    自分的には性転換だからエログロぽい映画なんだろうなと思っていましたが、メキシコの暗部をえぐる社会派的な映画なのね。最初はこの映画何なのというスタンスでしたが、よく出来た映画です。自分は監督の力量に感心した次第です。

    非常に良い映画です。ラモンティスのように本当に変態ではないです。

    観終われば、ここは渋谷。やっぱりここしかないね。週一では行きたいね。道玄坂の「喜楽」へ。13時30分で5名ほどの行列。今日も1Fのカウンターで“チャーシュー麺”(1,000円)を

    少し小雨も降ってきたね。

    ランティモスとエマ・ストーンの映画「憐れみの3章」、エロとグロで天才だよ



  • カンヌのパルムドール受賞作「落下の解剖学」を観たよ、結末が少し安易と思う

    カンヌのパルムドール受賞作「落下の解剖学」を観たよ、結末が少し安易と思う

    2024年2月27日(火)

    3連休の月曜日です。本日は満を持して楽しみにしていた映画「落下の解剖学」を渋谷の劇場に鑑賞にでかけました。何たって、

    • 2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門最高賞のパルムドール受賞作

    だもんね。劇場の予告でも相当告知していたからね。

    これが長編4作目となるフランスのジュスティーヌ・トリエ監督が手がけヒューマンサスペンス。視覚障がいをもつ少年以外は誰も居合わせていなかった雪山の山荘で起きた転落事故を引き金に、死亡した夫と夫殺しの疑惑をかけられた妻のあいだの秘密や嘘が暴かれていき、登場人物の数だけ真実が表れていく様を描いた。

    人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられていく。息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲むつまじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦のあいだに隠された秘密や嘘が露わになっていく。

    女性監督による史上3作目のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。主人公サンドラ役は「さようなら、トニー・エルドマン」などで知られるドイツ出身のサンドラ・ヒュラー。第96回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされている。

    2023年製作/152分/G/フランス
    原題:Anatomie d’une chute

    観ての感想。

    脚本が非常によく出来ていると思います、伏線の入れ方も実に巧妙です。撮影も主人公と隣り合わせで参加していると錯覚させるようなドキュメンタリータッチの構成も仕組まれています。ただ、結末は少し安易すぎないかな、と思ったね。ネタバレになるからここまで。あの終わり方では真実は違うのかな。

    もう一つ指摘したいのは、少し凡長すぎないかということ。2時間ぐらいにすればコンパクトで観やすいと思うのですが。

    決して悪い映画ではないのですが、まあ面白いサスペンス映画といったところかな。コンペティションにはヴィム・ヴェンダースのあの「PERFECT DAYS」も出品されていたので、自分ならそちらを取るね。

    だけど、その緻密な脚本とカメラワークには関心しました、こうゆう撮り方も今後多くなるかもね。あのポール・グリーングラスのボーン・シリーズでアクションものの撮影方法が変わったようにね。

    観終わればいつものように渋谷の喜楽へ。今日は1時30分なのに行列なしに“チャーシューめん”を食べれたよ、みんなどうしたんだ

    今日も充実した一日でした。

    ジュリエット・ビノシュの「ショコラ」、ジョニデがいいところを持っていくね



  • ロードムービーの傑作「スケアクロウ」、何とカンヌのパルム・ドール受賞作

    ロードムービーの傑作「スケアクロウ」、何とカンヌのパルム・ドール受賞作

    2024年2月20日(火)

    本日もまずは映画のお話しから。

    「午前十時の映画祭」で先週金曜日から新しいラインナップが始まりました。

    • 「スケアクロウ」

    この映画は1度観たことが確かにあるはずなのに、あらすじも全く記憶にないんだね。最大の見所はジーン・ハックマンとアル・パチーノの共演なのかな。

    ストーリーはこんな感じ。

    ジーン・ハックマン、アル・パチーノ共演の、カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作! 男同士の友情を描く、70年代を代表するロードムービーの傑作!

    刑期を終えて出所したマックスには、故郷のピッツバーグで洗車業を始める夢がある。一方、元船員のライオンは 5年前に妊娠中の妻を残して出たデトロイトに戻る途中であった。二人はカリフォルニアの乾いたハイウェイで出会い、奇妙な旅が始まった。だがそれはまた、社会から落ちこぼれた男たちの友情の始まりでもあった。

    カンヌのパルム・ドール受賞作とはこのブログを書くときに初めて知ったよ、すごいね。こんなアメリカン・ムービーにも賞をくれるんだ。

    ここからは観ての自分の感想。話しは淡々と進んでいきます。結局、監督はこの映画で何を言いたかったんだろうという疑問が

    まあ、難しく考える必要はないのかな、メッセージなんて。だけど、最初の出会いから何故一緒に旅をするのか、自分には疑問のままです、話しが出来すぎではないのかな。

    終わりはどうするんだろうと思っていると、あれで終わりなんだね。

    このころのアル・パチーノは精悍な顔つきでいいね。まさに使用前の顔です。「ハウス・オブ・グッチ」では使用後のパチーノだもの。これこそ、マイケル・コルレオーネの顔だよ

    まあなかなか味わい深い映画でした。

    ところで週末は土曜日の夕食です。どこに行くか迷った時の、うなぎなんだね。

    ピッツアとうなぎどっちにする、と聴かれたら日本人ならうなぎでしょう。

    というわけで本日は赤坂の「ふきぬき」さんへ2名で、19時に訪問です。行く直前に電話予約して訪問します。本日は地下1階へ。

    まずはエビスの瓶ビールを。お通しの“うなぎの南蛮漬け”が美味しです。つまみはいつものように“煮凝り”を。煮凝りを肴のアテに飲むビール、至福の組み合わせです。やっぱり“うなぎ”くん、最強です。

    そして、うな重の注文です。一番安価な「梅」のうな重(3,200円)を注文します。その間に瓶ビールは2本目に突入です。飲み終わる頃に、うな重の登場です。

    今日もこんな感じで美しいうな重です。うな重て、どうしてペロリなんだろう

    今日もおいしいうなぎをありがとう。大満足の土曜日でしたよ。

    映画館でゴットファーザー3部作を全観る。至福の時だった。映画館を出る時、どうしてマイケル・コルレオーネの目つきになるんだろうな





  • アレンの映画「サン・セバスチャンへ、ようこそ」はバスクが舞台で勝ちだね

    アレンの映画「サン・セバスチャンへ、ようこそ」はバスクが舞台で勝ちだね

    2024年1月23日(火)

    週初めの月曜日です。本日もいつものように映画館に行くよ。本日観に行った映画はこれ。

    • 「サン・セバスチャンへ、ようこそ」

    観に行った理由は単純。サン・セバスチャンということで心惹かれたんだね。そして、映画館に行って気づいたのですが、これ監督はウッディ・アレンなのね。2020年製作だのね。

    あらすじはこんな感じ。

    ウッディ・アレン監督が、スペイン最大の国際映画祭であるサン・セバスチャン国際映画祭を舞台に、妻の浮気を疑う映画学の大学教授が体験する不思議な出来事を描いたコメディ。

    ニューヨークの大学の映画学を専門とする教授で、売れない作家のモート・リフキンは、有名なフランス人監督フィリップの広報を担当している妻のスーに同行して、サン・セバスチャン映画祭にやってくる。リフキンはいつも楽しそうな妻とフィリップの浮気を疑っているが、そんな彼が街を歩くと、フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」の世界が突然目の前に現れる。さらには、夢の中でオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」、ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」の世界に自身が登場するなど、クラシック映画の世界に没入する不思議な体験が次々と巻き起こる。

    アレン作品の常連俳優ウォーレス・ショーンがリフキンを演じるほか、ジーナ・ガーション、エレナ・アナヤ、ルイ・ガレルが顔をそろえる。

    映画を観ても俳優陣で知った人はいませんでした。あの女医役は予算があればペネロペクルスが最適だね。だけどこんなグダグダした映画を製作するアレンもスゴイよね、ストーリーはあってないようなもの。救いはサン・セバスチャンの美しい風景かな。

    だけど古い映画へのオマージュもあり、こんな映画を観させるアレンはすごいね。影武者とかの話しには参ったね

    いろいろ批判も書きましたが、良い映画でしたよ。

    ところでサン・セバスチャンと言えば、自分も語らずにはいられません。

    自分たちも家族で約10年ほど前にバスクに旅行でいったのです。バルセロナから鉄道でサンセバスチャンに向かったのです。目的はまずはサンセバスチャンの隣町(フランス側)のオンダビリアにあるパラドールで宿泊したかったのでね。このオンダビリアの港の反対側はフランスです。このパラドールは風光明媚でバスクでの宿泊するならおすすめの宿ですよ。もう1泊はビルバオだったかな。サンセバスチャンでは軽くバル巡りをしたぐらいなのですが。

    アレンの映画の中で出てきたあのレストランの窓の眺めはすごいね。

    そして、映画が終われば、いつもの日本橋の「ますたに」へ。今日も飽きずにビールのアテはたくあんです。やっぱり“ますたにラーメン”いつ食べても美味いね。

    今日も良い1日でした。

    オンダビリアのパラドールは1つ手前のバス亭で降りること、崖の上までのエレベーターがあるよ

     



  • 「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」が終る。やっぱり、太陽が知っている・ルートヴィヒ・追想だね

    「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」が終る。やっぱり、太陽が知っている・ルートヴィヒ・追想だね

    8月中旬から上映が始まった「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」については、「太陽が知っている」を観に行って先日もそのブログを書いたところなのですが、その後結局は自分が見ていなかったロミー・シュナイダー出演の映画を3本ほど観に行ったのです。

    既に観に行ったものも含めて、今回の映画祭で上映された映画はすべて見たということになりました。今回は自分の備忘録も含めて、その感想を記しておきたいと思うのです。

    今回の「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」で上映されたのは次の7本です。

    • 『離愁 4Kデジタルリマスター版』
    • 『地獄』
    • 『太陽が知っている 4Kデジタルリマスター版』
    • 『夕なぎ』
    • 『マックスとリリー』
    • 『サン・スーシの女』
    • 『華麗なる女銀行家 4Kデジタルリマスター版』
    • 『地獄』

    そして、「太陽は知っている」は別にして、追加で観た3本は、「離愁」「華麗なる女銀行家」「マックスとリリー」です。映画として面白かったのは「マックスとリリー」かな。なんと古い映画ですが日本で劇場初公開とのこと。娼婦役ですが、フィルム・ノワール感満載の佳作ですね。この役をカトリーヌ・ドヌーヴからロミー・シュナイダーが奪ったとのこと。それもそさりなんと思います。

    「地獄」は監督に焦点を当てたドキュメンタリーなので「情婦マノン」「恐怖の報酬」などで知られる名匠の監督のアンリ=ジョルジュ・クルーゾーに思い入れがなければあまり面白い作品ではないな。

    だけど驚いたのは、自分が観た回のどれもが、シニア層特にシニアの女性層でほぼ一杯になった映画館というものを初めて観たのです。みんなノスタルジックな感覚に浸りたいのかな。

    そんな渋谷でのロミー・シュナイダー祭も9/8(木)で一旦は終了のようです。

    だけど、これでロミー・シュナイダーの出演映画のほぼすべてを見たことになると思いますが、やっぱり評価は変わらないな。やっぱりこの3本になりますね。

    • 「太陽が知っている」(アラン・ドロンとの共演)
    • 「ルートヴィヒ」(監督: ルキーノ・ヴィスコンティ)
    • 「追想」(あのニュー・シネマ・パラダイスのフィリップ・ノワレとの共演)

    映画的には卒倒するほどの美意識映画の「ルートヴィヒ」が圧倒的ですが、「太陽が知っている」の白い水着もいいし(コレばっかり言っていて変態だな)、「追想」の火炎放射器もすごいぞ、と言いたいですね。

    特に「追想」はあの内藤陳氏が“コレを観ずに死ねるか”といった映画なのですね。

    思うに、願わくばもう少し多くのヴィスコンティ作品でロミー・シュナイダーを観たかったな。「山猫」のクラウディア・カルディナーレの替わりにロミー・シュナイダーでも良かったと思うのですが。やっぱりイタリアが舞台なら、クラウディア・カルディナーレなのかな?