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  • オリヴェイラの「カニバイシュ」、まさに“人を喰った”ような怪映画だね、この意味わかる?

    オリヴェイラの「カニバイシュ」、まさに“人を喰った”ような怪映画だね、この意味わかる?

    2025年5月3日(土)

    本日からGW後半戦のスタート、4連休。

    だけど、昨日、東京を襲った風雨は凄かったね、こんな低気圧は久しぶりです。

    昨日、GW前の金曜日は午後の2時から病院に行くため、予定に合う映画を探したね。

    GWはガキンチョの映画ばかりでつまらないね。先日のブログでマノエル・ド・オリヴェイラはおそらく最後と書いたのですが、この偉大な監督のこの作品を観に、渋谷のル・シネマにのこのこ出かけたのでした。

    • 「カニバイシュ」

    厳粛な雰囲気に満ちた貴族たちの晩餐会は、やがて驚愕の展開を見せる。人間、動物、機械などあらゆる境界を侵犯し、奇想天外なユーモアが炸裂するオペラ・ブッファ(喜劇的なオペラ)映画の怪作

    アヴェレダ子爵はマルガリーダとの婚礼の夜に、自分が人間ではないことを打ち明ける。それを聞いたマルガリーダは錯乱し、貴族たちが集まる晩餐会は驚くべき事態に陥っていく。

    これは久しぶりに観た変態映画でした、いい意味でも悪い意味でもね。まさに“人を喰ったような話し”と言えば、この映画を的確に表していると思います、文珍師匠的な毒気でね

    初めから3/4まで何となく変な恋愛のオペラチックな展開が続きます。最初の20分はつまらないなと思ったのは普通の感性でしょう、そこから以後もあまり歌心のないオペラチックな歌唱会話が続くのですが。

    それにしても心に残る歌唱はなかったね、ここは苦笑

    だけど、最後の20分の展開はすごかったね、監督は何を結局言いたかったのかな。もうフェリーニちっくでしたね、“人生は所詮滑稽”だということなのかな、もっと深い意味があったりして。

    結局は今回もオリヴェイラに脱帽させられたね。

    観終われば、ここは六本木。雨が降っていなければ麻布十番の「新福菜館」(行けば今週2回目)ですが、この雨ではね、転身です。というわけで安定の六本木の「一風堂」さんへ。おそらく半年ぶりぐらいかな。

    行って驚いたこと、何と各テーブルの前にタッチパネルが置いてあって、それで注文する方式に変わっていました。麺の硬さもパネルで選べます

    まずはビールと無料トッピング“辛いもやし”と“高菜”をつまみにグイグイと。無料トッピングは定員さんに言わねばなりません。

    飲み終われば、ラーメンです。もう一風堂ではあっさりの“白丸”です。ごまを大量にすりおろして食べる“白丸ラーメン”旨しです。

    ご馳走様でした。

    「午前十時の映画祭」、映画館の大画面でフェリーニの屈指の名作「8 1/2」を観て、改めて尊敬し直した、巨匠に対して失礼かな?

     



  • ゴダールの「軽蔑」4Kを観たよ、やはり最高傑作に恥じない名画、おすすめ

    ゴダールの「軽蔑」4Kを観たよ、やはり最高傑作に恥じない名画、おすすめ

    2023年11月8日(水)

    本日は古いフランス映画のお話しを。

    火曜日にはゴダールを、水曜日にはクロードルルーシュを観たよ。どちらも巨匠です。その映画とは、

    • 軽蔑 60周年4Kレストア版(ゴダール)
    • 男と女(ルルーシュ)

    「男と女」は”ダバダバダア”で有名な名作ですが、自分は観たことなかったんでね。

    まずは渋谷で「軽蔑」を鑑賞です。何でもこの「軽蔑」、ジャン=リュック・ゴダールの最高傑作の一つと称されているようです。

    カプリ島を舞台に、作家ポールとその妻カミーユの悲劇的なロマンスを描く。
    ポールの美しき妻カミーユにブリジット ・バルドー、作家ポールにミシェル・ピッコリというフランスの伝説的俳優が主演。

    ゴダールは「勝手にしやがれ」と「気狂いピエロ」は観たことがあるのですが、洗練度ではこの「軽蔑」が一番かも。一つ一つのカットが写真的で印象に残るシーンが多い。監督もそんなシーンを繰り返し使うものね。ブリジット・バルドーに関して映画では確かに魅力的なんだが、どうなんだろう。バルドーにとっても最高傑作かもね。

    確かに若い野心のある映画監督が観たら(当時はなおさら)、刺激的な映画だよね。ゴダールは難解と思い込んでいましたが、この「軽蔑」を観たら歴史に名を残す監督だよね。

    だけど、カプリ島のシーンたまらないね。でも最後までわからなかったのは、バルドーの心変わりがどうしてなのかです。日本人にはわかりにくいよね、そのへんの心境。よい映画を観させていただきました。

    そして、水曜日は“午前十時の映画祭”で日本橋で「男と女」を鑑賞です。

    話しこんな感じなのね。カンヌでパルムドールをとってことも初めて知りました。

    話しはこんな感じ。

    パリで一人暮らしをするアンヌとカーレーサーのジャンは、ドービルにある同じ寄宿舎に娘と息子を預けていることから知りあい惹かれあった。が、いまだ辛い過去を忘れられない二人は……。
    流麗なカメラワーク、カラーとモノクロームを使い分けた大胆なモンタージュ、そして甘美なメロディが“運命の出会い”に魅入られた男と女の恋を浮き彫りにしていく。

    男優のジャン=ルイ・トランティニャンもいいのですが、この映画は女優のアヌーク・エーメがいいところをさらっていくね。あの時折醸し出すあの表情がたまりません。だけど、彼女の元夫はもう少しいい男というわけにはいかなかったのかな。

    ドービルのあのモノクロームぽく撮る海辺の通りの老人と犬のシーンが何回も流れますが、何か映画史上に残るシーンだね、何か絵心が沸き立ちそうです。セピア色の風景です。

    クロードルルーシュの映画は「愛と悲しみのボレロ」しか観ていませんが、この「男と女」はコンパクトにまとめ上げて彼の最高傑作なのでしょうね。

    自分としては最後の終わり方に違和感があるのですが。やっぱりあの流れではハッピーエンドはダメだと思うんだね。

    終われば、日本橋の「京都銀閣寺ますたにラーメン」へ。「男と女」の余韻に浸りながら、ビールとおしんこです。ここはやっぱりシャンパンじゃあないと様にならないね。

    そして、麺硬めで“ますたにラーメン”を。やっぱりこのコースが一番いいね、日本人だもの。(最後は相田みつを風)

    政治家よ、外遊する暇があれば「シモーヌ – フランスに最も愛された政治家」を観ろよ



  • ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を読了、現代世界文学の最高傑作というが自分には理解できず

    ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を読了、現代世界文学の最高傑作というが自分には理解できず

    ホーチミンの旅行記は2回ほど小休止です。

    今日の話題は自分の中ではこの40年間で是非やりとげたいと思っていたことを昨日に遂に達成したのです。

    あのG・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を最後まで読み切ったのでした。(かなり暇がないとできないね)自分にとっては大きな一歩だったんだな。(月面着陸の言葉みたい)

    自分の保有している版は、1972年5月10日に発行されその20刷1984年7月15日発行の本なのです。自分が若かりし頃、某公共放送に勤務しその初赴任地の鹿児島の天文館の書店で購入したのでした。以後、引っ越も何回もし、その都度連れ回し、本棚のこやしになっていたものです。いつか読みたいなと。その日は本当にくるのかと。

    この本の帯がすごいです。“孤独、栄光、悲劇がうずまく現代世界文学の最高傑作”。本棚にこの本があるだけで格が上がるというか重みが違うんだな。(ミーハーだね)

    マルケスは1982年度ノーベル文学賞を受賞しています。日本での出版元の新潮社での紹介文です。

    蜃気楼の村マコンドの草創、隆盛、衰退、そして廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の誰彼に受け継がれた孤独の運命は、絶望と希望、苦悩と悦楽、現実と幻想、死と生をことごとく呑み尽くし……。1967年に発表され、20世紀後半の世界文学を力強く牽引した怒濤の人間劇場が、今、再び幕を開ける

    というわけで、約ひと月半かけて全文を読みました。読後の感想ですか?

    はっきり言って、よくわかりませんでした。だけど、すごいものを読んだなという感想は残った。マコンドという町が誕生して100年後に滅亡するという話で、その中でラテンアメリカ特有の寓話がたくさん挿入されているのはわかります。

    だけど、これを一度読んだだけで20世紀後半の世界文学の最高傑作と言える読み込みができる読者はすごいね。そんな人いるのかな。

    ただ、自分なりに思ったのは、筋のあるものや主題があるものだけを書くだけが小説ではないということかな。わけの分からないことを書くのも小説かな。

    マルケスは何が言いたかったんだろうか?結局、「人の人生はいろんな出来事が起こるが、つまりは蜃気楼のようなもんだよ」、ということなのかな。単純すぎか。

    それにしても約40年間温めていた本を読んだ爽快感はあるな。あの、マルケスの「百年の孤独」を本当に読んだんだよと。人に吹聴したいな。

    今年はあのアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」を読み、続いてマルケスの「百年の孤独」を読んだのです。自分を褒めたいな。(何か、違う方に向かっている気もするが)

    映画であれば、ゴットファザーとディア・ハンターとヴィスコンティのルートヴィッヒを立て続けに見たぐらいの重量感です。

    話しは突然変わりますが、自分がこの10年で読んだ一番感銘を受けた日本人作家の小説は西加奈子ちゃんの「サラバ」だな。この本で小説というものの力を知りました。

    また5年後のマルケスの「百年の孤独」を再読したいと思いますが、次は家系図を丁寧に書きながら読んでみたいね。この気持ち、読んだ人なら分かると思います。

    マルケスの「百年の孤独」おすすめします。なんたって、20世紀後半の世界文学の最高傑作ですよ。人間、たまには訳のわかならいものと対峙しないと進歩しないと思うんだな。

    塩野七生のエッセイを読んで自分の旅でチュニスのことを思い出した、行ける時に行かないとね