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  • 「十一人の賊軍」、東映的には大作なんだろうが少し話しが小さすぎるのでは

    「十一人の賊軍」、東映的には大作なんだろうが少し話しが小さすぎるのでは

    2024年11月7日(木)

    パリ旅行記を中断して、日々の日常をね。

    火曜日と昨日の水曜日はこの映画を1本づつ。まずは渋谷のル・シネマで。

    • 「捕えられた伍長 4K レストア」<ルノワール 新しい波>

    2024年に生誕130年を迎えるフランス映画の巨匠ジャン・ルノワール監督、フランス映画の巨匠の軌跡を辿る珠玉の2作品を4Kレストアで限定上映

    「コルドリエ博士の遺言 4Kレストア」もあったけど、こちらの方が面白そうと思ってチョイスです。

    映画はこんな感じの話しです。

    ただひたすら、自由を求めて。名作『大いなる幻影』の変奏ともいうべき傑作喜劇。 生の歓びを高らかに謳い上げるルノワール最後の人生讃歌!

    何度失敗しても果敢に捕虜収容所からの脱走を試みる伍長の姿を通して、生きる歓びと素晴らしさを描いたルノワールの遺作。自身の代表作『大いなる幻影』(37)の変奏とも言える作品だが、シリアスでペシミスティックな『大いなる幻影』に対し、本作はより軽快なタッチと魅力的なキャラクター描写により軽快な喜劇に仕上がっている。

    まあ歴史的に見ていい映画なんだろうけど、この手の映画はシリアスな方がいいかな。やっぱり「大脱走」なんか大傑作だもんね。フランスのエスプリを好む人はこちらかな。楽しい時間でした。

    そして昨日、六本木のTOHOシネマズで観た最新作はこちら。

    • 「十一人の賊軍」

    江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景に、11人の罪人たちが藩の命令により決死の任に就く姿を描いた時代劇アクション。「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを、「孤狼の血」「碁盤斬り」の白石和彌が監督、山田孝之と仲野太賀が主演を務めて映画化した。

    1868年、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍(官軍)の間で争われた戊辰戦争。そのさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた、同盟への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11人の罪人が、新発田藩の命運を握る、ある砦を守る任に就き、壮絶な戦いに身を投じる姿を描く

    山田孝之が、妻を寝取られた怒りから新発田藩士を殺害して罪人となり、砦を守り抜けば無罪放免の条件で決死隊として戦場に駆り出される駕籠かき人足の政(まさ)を演じ、仲野太賀は、新発田の地を守るため罪人たちと共に戦場に赴く剣術道場の道場主・鷲尾兵士郎役を務める。彼らとともに決死隊となる罪人たちを尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力が演じ、そのほかにも野村周平、音尾琢真、玉木宏、阿部サダヲら豪華キャストが共演

    2024年製作/155分/PG12/日本
    配給:東映

    やっぱり話しが小さすぎるのでは、脚本もさすがに少し古くさいと思いました。もう少し話しをコンパクトにして2時間ぐらいの映画にすればよかったのに。

    監督の力技は認めますが、話しも展開も少々分かりづらいしね。阿部サダヲの家老も話しが美味すぎでリアリティないのが残念かな。

    観終われば、いつものように麻布十番の「新福菜館」へ。

    13時過ぎで行列は2名ほど。ビールをラーメン(並)のチャーシューをつまみに食す幸せ

    今日も充実した一日でした。

    映画「碁盤斬り」、刀で碁盤が切れるわけ無いだろう、草薙のやつれ役はいいね

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  • 向田邦子への賛辞。あの人はね、パシっとした女でした、つまり「昭和のホンモノ」です

    向田邦子への賛辞。あの人はね、パシっとした女でした、つまり「昭和のホンモノ」です

    自分のブログでは何回かあの向田邦子さんのことについて書いています。例えば、「あうん」など。年代もずれるので直接的な接点はないのですが、接点と言えば向田邦子さんが購入され最後まで住まわれていたか表参道の交差点の「青山第一マンション」の徒歩1分のところに自分も数年前まで住んでいたところかな?

    そんなどうでもいいところは別にして、2021年7月18日の日本経済新聞の日曜版に向田邦子さんの特集に目が留まるのは条件反射的だったのです。

    タイトルは、“向田邦子「伝説」の誕生と展開”です。副題は、“あの人はね、パシっとした女でした、つまり「昭和のホンモノ」です”なのです。実に刺激的な副題です。

    1. 僧敲月下門
    2. マミオ
    3. 人参のピリ煮
    4. 「映画ストーリー」
    5. 鹿児島市立山下小学校

    いきなり判じ物みたいに並べてみたが、おわかりだろうか。ピンときん読者も少なくないはずである。今年で没後40年。脚本家として多彩なドラマを送り出し、直木賞作家でもあった向田邦子をめぐるキーワードだ。

    1. 自宅マンションの玄関にあった中川一政の書。
    2. 飼っていたシャム猫の名だ。
    3. 妹の向田和子さんが営んでいた「ままや」の人気メニュー
    4. 雄鶏社の雑誌で、かつて邦子はその編集部にいた。
    5. 戦前、父親の転勤にともなって通った母校である。

    (中略)

    作品だけでなく、ライフスタイルやエピソードがここまで愛され続ける作家はまずいない。ほとんど「伝説」である。

    (中略)

    都心にひとり暮らす、仕事を持った女性。趣味の良い家具や器に囲まれ、手っ取り早く料理で客をもてなす。さりげなくオトナなので。「そうゆう生き方の方が読者に絶対受けると思っていました。時代とシンクロしていましたから」と柿内さん(マガジンハウスの元編集者で、邦子と親交のあった柿内さん)は言う。

    (中略)

    これだけ時が流れたのに多くのファンが「向田さん」と呼ぶ。この作家の現代性がそうさせるのである。

    (中略)

    それにしても、邦子は不世出の文章家であった。見事に引き締まったエッセーなどを読み返すたびに「昭和のホンモノ」の練度を痛感する。その自在な暮らしぶりの裏側には、仕事にかけるどれだけの苦心があったことか。

    (中略)

    人参のピリ煮はなんとか再現できても、言葉を紡ぐ力は、とうてい凡人の追随を許さないのである。

    自分の向田邦子さんに対するイメージは、やっぱり映画の「あうん」なんだな。初めてこの映画を見た時に、よい映画とは思いましたが、男女の機敏さをわかるには歳が若すぎたのか、成熟していなかったんだと思います。そもそも“あうん”という言葉の深い意味さえ分かっていなかったのですから。

    社前にある、こま犬。左が阿「あ」右が吽「うん」。意気が合う

    それを思うと、そんなおとなの男女の心の動きを書けるのは、やはりオトナだったのかな、向田さん。

    やっぱり惜しい人をなくしましたね。