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  • 2023年初劇場映画はイタリア映画の「離ればなれになっても」、日本ももっと骨太な人生讃歌を描かないと映画がダメになるよ!

    2023年初劇場映画はイタリア映画の「離ればなれになっても」、日本ももっと骨太な人生讃歌を描かないと映画がダメになるよ!

    2023年になって初めての劇場での映画の鑑賞は、イタリア映画の「離ればなれになっても」だったのです。理由は新聞での映画評価が高かったのと、お正月早々でも地味な映画なので、ゆったりと観れると思ったのでした。

    映画のキャッチコピーは、

    • “はじまりは16歳、ローマ。誰もが振り向く宝石(ジェンマ)に僕らは心を奪われた-”
    • “出会いと別れを繰り返した40年間の〈ほろ苦い追憶の日々〉”

    監督は、ガブリエレ・ムッチーノという方です。何でも、

    • イタリア三週連続の1位
    • 2020年イタリア・アカデミー賞 ダヴィッド・ドナテッロ賞 3部門ノミネート

    これだけ聞いても、どれだけすごいのかわかりません。

    内容はこんな感じ。

    初めての恋におちた2人が、激動の時代に翻弄され、出会いと別れを繰り返す——

    40年の歳月が教えてくれた愛の真実を描くヒューマン・ラブストーリー

    イタリアで公開されるや大ヒットを記録し、SNSに「2度泣いた」「魅惑的な美しさに完全に夢中」「信じられないほど感動」など激賞コメントが駆け巡った話題の逸品。

    主人公は、「宝石ジェンマ」という名前の通り美しく輝くジェンマと、彼女の初恋の相手であるパオロ。2人が16歳で出会った1982年から2022年まで、激動の時代に翻弄され出会いと別れを繰り返す日々が描かれる。

    見つめるだけで息が止まった幼い恋、大人の都合で離ればなれにされた切ない時間、まさかの親友の裏切り、身を引き裂く別れ、涙の再会の思いもしなかった行方──40年の歳月が教えてくれた愛の真実とは──?

    監督は『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ。イタリアとハリウッドを行き来して培った手腕で、ローマとナポリの絶景を舞台に、愛と人生の謎を解き明かすダイナミックなヒューマンドラマを織り上げた。

    観る者の懐かしい記憶を呼び覚ます音楽は、『ライフ・イズ・ビューティフル』でアカデミー賞を受賞したニコラ・ピオヴァーニ。 イタリアの映画評論家が、「巨匠エットーレ・スコラ監督の不朽の名作『あんなに愛しあったのに』へのオマージュ」と絶賛。愛の奇跡を信じさせてくれる、ラブストーリーの新たな傑作が誕生した!

    実は自分、2022年に観た映画で一番感動したのがイタリア映画だったのです。DVD鑑賞ですが。その映画は

    • 「ジョルダーニ家の人々」
    • 「輝ける青春」

    どちらも家族の問題を扱う大河ドラマなんだな。これにいたく感動したので、この手のイタリア映画には触手が動くのです。そして、「離ればなれになっても」です。

    最初は、子供時代と大人になってから顔が変わるので少し誰が誰だかわからなくなり、少し難解なのです。話しが進むに連れて、配役がなじんできますので、面白さが出てきます。

    話しは、女性のジェンマを巡る男3名の人生と時代の移り変わりを丁寧に描かれています。最後は人生いろんなことがあったけれど、という万感胸に迫るものがあります。

    そして、リカルド役のサンタマリア・サンタマリアはあの超名作「ジョルダーニ家の人々」の長男ではないですか。俄然興味がわきます。

    ジェンマ役はミカエラ・ラマツォッティはどうかな。はすっぱなところを出すイタリア女としては適役なのかな。日本人には少しどうなのかな。

    だけど、よい映画です。近年の日本映画もこれぐらいのものを作れないのかな。やっぱり脚本が違うのか。向田邦子さんの「阿修羅のごとく」のような脚本家はいないのかな。

    若い人の恋愛映画ばかりで面白くないね。もっと人生を描かないとね

  • あのジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ原作の映画「靴ひものロンド」を鑑賞、自分的には監督の演出がよくないな

    あのジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ原作の映画「靴ひものロンド」を鑑賞、自分的には監督の演出がよくないな

    有楽町にあるヒューマントラストシネマという映画館を初めて訪れたのです。観に行った映画は「靴ひものロンド」というイタリア映画なのでした。実は数日前まではこの映画も原作も全く知らなかったのですが。

    この映画を知ったきっかけは、先週末金曜日の日経新聞の夕刊の「シネマ万華鏡」だったのです。その映画批評の写真に自分の知っている男優が写っていたのです。

    あの名作の「輝ける青春」の主人公を演じたルイジ・ロ・カーショが出演しているのかと。この「輝ける青春」(邦題は本当にダサいですが、内容は折り紙つきです)はラジオでロバート・ハリスさんが推奨されていて、自分も鑑賞し深い感動に包まれたのです。このルイジ・ロ・カーショは日本の俳優の故加藤剛さんに雰囲気が似ているね。自分、古いね。

    そして、日経の批評はこんな感じです。

    2017年、米ニューヨーク・タイムズ紙の“注目の本”に選出されたイタリアの作家ドメニコ・スタルノーネの小説「靴ひも」(映画の原題も同じ)を、「ローマ法王になる日まで」(17年)のダニエーレ・ルケッティが脚本を書き、監督した。

    1980年のイタリア・ナポリを主要舞台に、夫婦と子供(姉と弟)ら一家4人の30年間を描く。中年期と老年期、子供から大人へと成熟する4人は同一俳優が演じるのではなく、年齢に合った別の俳優と交代、ドラマ前半の中年期の印象的なエピソードを老年期の夫婦が振り返ることで、年齢を重ねた同一人物だとわかる見せ方が目新しい。

    この批評だけではおそらく見に行かなかったと思うのです。後押ししたのは、アマゾンで原作をチェックしたときです。

    荒らされた家、消えた猫……本当に失ったものは何だったのか。ふたりの子どもと妻を残して、夫は若い女と暮らすために家を出た。四十年前の危機を、乗り越えてきたはずの家族。彼らを繫ぎ留めていた紐帯は、留守宅を襲う何者かによって、ぷつりと断たれた――。ジュンパ・ラヒリが惚れ込んで英訳し、全米で絶賛された家族小説

    自分的には、この“ジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ”という一文を見て、見に行くしかないなということになったんだな。

    見ての感想です。骨太なストーリーではなく、非常に繊細な物語なのね。だけど、監督の“年齢に合った別の俳優と交代”は必要なかったのでは。十分にメイクをすれば中年期も老年期も演じられると思うのですが。子供たちはしかたありませんが。そのため、全く顔と体型が違う(ルイジ・ロ・カーショの役)ので、同一人物の物語なのか話がわからなくなるのです。自分的には奥さんは再婚したのかと思いました。

    それと、映画を観ただけでは靴紐の結び方が何故それほど重要か、わからなかったんだな。原作の方はもっと深みがあるんだろうな。多分。

    繰り返しますが、繊細なストーリーですね。このストーリー、女性が観ると違う感想を持つのかな。だけど、イタリア映画は良いね。そして、不倫相手(これは不倫じゃないか)の女性は魅力的でいいですね。何を観ているんだか!

  • 「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作

    「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作

    丁度1週間前にこんなタイトルのブログを書いたのでした。

    “まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」”

    この「輝ける青春」に大感動して、同じ脚本家のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリが担当したイタリアのドラマ「ジョルダーニ家の人々」というDVDを観たのでした。

    上映時間6時間39分という長尺です。このドラマは東京の岩波ホールで2012年に上演された時は「13時40分から3回の休憩を挟み21時15分で終了」というものだったのです。

    DVDでは4枚組です。

    そして、自分は2週間の週末ですべてを見終えました。

    はっきり言います。「傑作」です。現在の家族の問題、社会問題(難民、同性愛というジェンダーの問題)がすべて含まれています。やはり、ミケランジェロとルキノ・ヴィスコンティ、そして(ゴッドファザー)を生んだ国は偉大です。家族が流動化していく先進国の中流階級以上の問題をいろいろなエピソードを交えながら、多層的にドラマは展開していきます。

    尊敬する向田邦子が生きていたら、日本でもこんな脚本を書くだろうな、多分。

    ちなみに、原題は「Le Cose che restano」は”残るもの”という意味だそうです。このタイトルの高尚な意味は自分の思考範囲ではよく分かりません。

    物語の概要です。

    そしてふたたび、大きな愛につつまれる―

    イタリアのある家族の離別と再生を6時間39分にわたって描く感動の大河ドラマ。脚本は「輝ける青春」のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリ

    ローマに暮らすジョルダーニ家は、技術者の父、元医師の母、外務省で働く長男アンドレア、心理学者の長女ノラ、建築を学ぶ次男ニーノ、高校生の三男ロレンツォと、一見不自由のない幸せな家族に見えた。
    しかし三男の不慮の死をきっかけに、家族は心に秘めていた問題や困難に向き合うなかで、一人ずつ家を離れていく。彷徨える者たちが運命のように出会う人々、不法移民の女性とその娘、不治の病のフランス人、戦場で記憶を失った大尉等・・・。
    一本の川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび織りあわされて、血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく
    ラストシーンのジョルダーニ家の開け放たれた窓のように、さらに豊かに、開かれた未来に向かって―。

    自分の備忘録として、配役を記しておきます。自分的には、この映画はアンドレア・ニーノ・ノラの3兄弟とシャーバの物語と思います。特にニーノとシャーバが最高の立ち回りを演じています。

    アンドレア 演 – クラウディオ・サンタマリア 長男。

    ノラ  – パオラ・コルテレージ 長女。心理カウンセラー。

    ニーノ  – ロレンツォ・バルドゥッチ(イタリア語版) 次男。建築学専攻の大学生。

    ピエトロ  – エンニオ・ファンタスティキーニ 父。技術者。

    アニタ  – ダニエラ・ジョルダーノ 母。

    ロレンツォ  – アレッサンドロ・スペルドゥーティ 三男。

    シャーバ  – ファリダ・ラウアジ

    アリナ  – レイラ・ベクティ シャーバの娘。娼婦。

    シモーネ・ニコライ教授 – ヴィンチェンツォ・アマート

    フランチェスカ  – アントニア・リスコヴァ シモーネの妻でインテリア・デザイナー。

    カタルド刑事  – フランチェスコ・シャンナ 潜入捜査官。

    ミシェル 演 – ティエリー・ヌーヴィック ノラの患者であるフランス人の銀行員。

    ヴァレンティーナ  – ヴァレンティーナ・ダゴスティーノ ニーノの幼なじみの親友で同じ大学で建築を専攻している女子学生。

    ヴィットリオ・ブラージ大尉 演 – エンリコ・ロッカフォルテ ノラの患者。

    いろいろな講釈を述べましたが、是非、心を構えて見るドラマです。

    必観でしよう。考えさせられます。この感じ、やっぱりイタリアしか作れないんだろうな。



  • まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」

    まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」

    今日は久しぶりに感動する長編映画を観たのでした。実はその映画は自分は全くのノーマークの映画だったのです。その映画を教えていただいたのは最近平日は毎日聞いているInterFMのロバートハリスさんがナビゲーターをしている教えて“大人のラジオ”「Otona no Radio Alexandria」という番組の中で紹介されていたのです。

    映画のタイトルは「輝ける青春」という思わず赤面しそうなベタなタイトルなのです。このタイトルで損をしているのかな。監督はマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ(Marco Tullio Giordana)です。作品の紹介プロフィールです。

    2003年カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ受賞
    上映6時間、1日1回上映ながら、本国イタリアはもとより、日本でも興収8千万円の大ヒットとなった壮大な感動作!!

    イタリアのある家族の涙と喜びに満ちた40年!カンヌ映画祭・ある視点部門グランプリを皮切りに、各国の映画賞を受賞。イタリア・ヨーロッパでも大ロングランとなり、日本でも1日1回上映でありながら、なんと興収8,000万を記録!6時間の贅沢なイタリアへの心の旅をお楽しみください!

    ◆2003年 カンヌ国際映画祭ある視点部門 グランプリ
    ◆2003年 ヨーロピアン・フィルム・アワード 監督賞ノミネート
    ◆2004年 ダヴィッド・デイ・ドナテッロ賞(イタリア・アカデミー賞)最優秀作品賞ほか6部門受賞
    ◆2004年 ロッテルダム国際映画祭 観客賞
    ◆2004年 シアトル国際映画祭 監督賞

    上映時間は6時間14分という超長編ものです。自分の場合はDVD2枚組で前編と後編の2枚組でした。話しは、1960年代から現代に至るまでのイタリアのある2人の兄弟の家族をめぐるイタリア近代史を織り交ぜながらの大河ドラマでしょうか。

    内容は保証済みです。思いっきり感動できます。舞台はトリノ・ローマ・シチリア(パレルモ)・ミラノ・トスカーナです。脚本よし、風景よし、俳優陣よしのすべて三拍子揃い踏みです。

    だけど、赤い旅団は出てくるやら、シチリアでのマフィア絡みありで、ゴッドファーザーに相通ずるものがあります。やっぱりシチリアものは良いね。

    そして、後の舞台のトスカーナの風景の絶景は何者にも代えがたい魅力を放っているのでした。こんなにすばらしいものを今まで何故しらなかったのだろうか?

    タイトルだけ見るとドン引きするようなタイトルですが、本当に内容はすばらしいですね。お兄ちゃんの方はアルパチーノに似ているという意見がありますが、それはどうかな。

    おすすめします。よい映画を紹介してもらいました。やっぱりイタリアは良いね。また、行きたくなりました。