タグ: 逆転のトライアングル

  • イタリア映画「帰れない山」は2023年劇場公開された作品ではNo.1だよ

    イタリア映画「帰れない山」は2023年劇場公開された作品ではNo.1だよ

    喧騒の2023年のGWも終わりました。GWが終わった後からが、活動の時ですね。

    というわけでGW開けの月曜日に映画館に映画を見に行くことにしたのです。昨日も映画の話しを書きましたが、今日は最新の劇場映画です。

    観た映画とは、イタリア映画の「帰れない山」です。まずは感想です。すばらしい映画です。2023年はまだ折り返し点には行っていないですが、自分の現在のNo.1かな。ひたすら実直に脇道にそれずに大自然と友情の物語をたんたんと描いています。

    147分という長尺ですが、時間を忘れて見入りましたね。これがアメリカ映画だとLBGTとかの話しを絡めてくるんだろうな。しかし、イタリア映画は違います

    アメリカ映画で言うなら、あの「Into the Wild」が好きな人にはオススメかな。

    実は自分はこの本のことは知っていたのです。ベストセラーになっていていつかは読みたいなと。著者はパオロ コニェッティ。

    この人の自伝というか体験した物語でしょう。こんな物語です。

    街の少年と山の少年 二人の人生があの山で再び交錯する。山がすべてを教えてくれた。牛飼い少年との出会い、冒険、父の孤独と遺志、心地よい沈黙と信頼、友との別れ――。北イタリア、モンテ・ローザ山麓を舞台に、本当の居場所を求めて彷徨う二人の男の葛藤と友情を描く。イタリア文学の最高峰「ストレーガ賞」を受賞し、世界39言語に翻訳された国際的ベストセラー

    とにかくモンテ・ローザの自然がすばらしいね。特に北イタリアやアルプス好きにはたまらないね。「Into the Wild」の方は若者の若さゆえの無謀さ自然への憧憬の物語ですが、こちらの方も生きることの厳しさというか人生を語っているね

    自分も北イタリアではドロミテもアオスタからクールマイユールに行ったことがあるがまた夏のよいシーズンに行きたくなってくねる。クールマイユールに行ったのは2004年。クールマイユールからフランスのシャモニーにぬけるケーブルカールートはすごいよね

    話しは脱線しましたが、山で暮らすのも大変だよ、現代は。お金とか教育の問題だとか現実的な問題が絡んできます。もう、ソローのような「森の生活」は厳しいね。

    この映画の監督は、過剰な演出は極力抑えて、主役は雄大なモンテローザです。

    カンヌ国際映画祭にも出品され「第75回 審査員賞 受賞」だよ。この時に一緒にパルムドールを争って最高賞をとったのがあの「逆転のトライアングル」とはね。

    風刺の聞きすぎた作品と「帰れない山」、正に正反対にある映画だね。話しとしてはこちらの方が秀逸だと思いますが、映画は監督のものなのでオリジナリティ性から言っては「逆転のトライアングル」がパルムドールでもしかたないのかな。

    だけど、「帰れない山」は本当に素晴らしい映画です。日本で全く話題になっていないのはどうして。こんないい映画。必見ですぞ

    「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作





  • 映画「逆転のトライアングル」は2作品連続でパルム・ドール獲得という偉業、あのバレンシアガ顔には驚いた

    映画「逆転のトライアングル」は2作品連続でパルム・ドール獲得という偉業、あのバレンシアガ顔には驚いた

    本日は先週劇場で観た「逆転のトライアングル」という映画についてです。

    本作を観ようと思ったのは、単純にその予告編を劇場で観て、2022年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)を獲ったという情報からだけなのです。

    筋書きも監督も何の情報もなく、ガチ観です。(こんな表現あるのかな)

    日比谷のTOHOシネマズで観たのですが、公開されてわずかとはいえ、朝の回でも結構観客がいたのには驚いたね。

    ガチ観の感想です。

    導入部には驚いたね。あの「バレンシアガ」顔と「H&M」顔の演出には斬新だね。つかみはOKです。だけど、どうしてあのレストランでの支払いごときで延々と引っ張るのかよくわからなかったのです。(最後になって少しわかったかな)

    続いてヨットの場面です。これはこれでシニカルな演出ですね。ここまで観て、この監督ただものではないな、という感想が頭によぎります

    そして、最後の島に漂着してからの話しになります。自分としては、この物語どうやって結末を迎えるのかな、という疑問がよぎります。最後は多少、切れ味の少ない終わり方かと思ったのですが、本当に楽しめた映画だったたのです。これを作った監督は只者ではないね、と素直に思ったのでした。

    ここまでが劇場で観た素直な感想だったのです。

    そして、観た直後の日本経済新聞の夕刊の「シネマ万華鏡」にこの「逆転のトライアングル」が大々的に取り上げられていたのです。

    昨年のカンヌ国際映画祭におけるパルム・ドール(最高賞)の受賞作。監督は、スウェーデンのリューベン・オストルンドで、「ザ・スクエア 思いやりの聖域」に続いて、2作品連続でパルム・ドール獲得という偉業である。

    (中略)

    端正な画面、綿密な脚本と、強烈な風刺とブラックユーモアとが絶妙なバランスで掛けあわされ、大いに笑いを誘う。

    (中略)

    ただ、ラストの階級制度の逆転には既視感があり、もうひと捻り欲しかったという気もする。

    2時間27分

    自分もこの感想には全く同意です。ただ、この監督があの「ザ・スクエア」を作った人だとは初めて知ったんだな。その映画もシニカルで非常に自分としては評価した映画だったのですね。そうなんだ、2作続けてカンヌでパルムドールはすごいね。いわゆる有名俳優は使っていないのにもかかわらずです。やはりストーリーというか、脚本が素晴らしいのかね。

    この監督の才気はすごいね

    本当に日本映画の監督もちまちました恋愛ばかりの映画を作っている場合ではないよね。もっと、時代を切り取った才気を出さないと本当にダメになると思い知らされた映画でした。

    必見だよ。男優もいい、あのバカさ加減がね。