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  • 新作映画を二度観「パルテノペ ナポリの宝石」、人生の光と影なんだね

    新作映画を二度観「パルテノペ ナポリの宝石」、人生の光と影なんだね

    2025年9月4日(木)

    昨日は1週間前に観たこの映画を再観するために渋谷のル・シネマへ足を運んだのです。新作映画で2度観するのはほとんど記憶にありません

    それほどパオロ・ソレンティーノ監督のこれはすばらしい、自分の琴線に触れたね、やっぱりイタリア。

    • 「パルテノペ ナポリの宝石」

    今回は観ながら思考したことを列挙するね。

    ちなみに、“パルテノペ”とは人魚の名でナポリの街を意味しているとのことです。

    主人公パルテノペ役には、本作がスクリーンデビューとなるセレステ・ダッラ・ポルタを抜てきしています、この女優さんがいいんだね。

    前半部分でパルテノペと運命的な出会いを果たす作家ジョン・チーヴァー役はゲイリー・オールドマンだったんだね、どおりで格が違う雰囲気が漂っています

    映画の構成は、ナポリ島までが前半部分、ここまでは主人公は水着のオンパレードです、すばらしい。あのカプリの場面では何故に挿入歌がシナトラのマイウェイなの、やっぱりパヴァロッティかボッチェリできてほしいね。

    兄の死後からの後半部分は水着控えめでシックな装いに変身、サンローランのオートクチュールが爆発(特に良かったのが最後の教授の息子と会う時のダブルのベージュのスーツ)

    後半は考えさせられる構成、大学・あの大女優・マフィア・あの神父・教授の息子と時々はさまれるナポリの美しい光景。

    観ながらここでもジョニ・ミッチェルの“Both sides now ”が頭をよぎります、物の二面性ね。ナポリの光と影(あの娼婦街の光景、マフィア)人生の光と影、若さと老い、生と死、美と老い、すべて二面性

    あのおぞましい教会では俗物が教皇になるという皮肉もちりばめてね。

    頭に残ったフレーズ、“若い時の恋愛は意味なし”、最後に流れる字幕“神は海を好きではないんだ”。台本を読み返したいぐらいの良いセリフが満載。

    映像の美しさ、特に素晴らしいのが冒頭のスローモーションのナポリの街のファッション、男性陣も素晴らしい、もうこれ、イタリアファッションというかサンローランの美

    そして、最後の海辺の光景のストップモーションもすばらしい。

    最後のカットのあの“満月に輝くナポリの海の美しさ”。

    南イタリア、特にナポリ・カプリ・アマルフィあたりが好きな人は必見の風景描写です。DVDが出たら永久保存版として買いたいね。

    やっぱり、今年観た映画のベスト・オブ・ベストです。

    観終わればここは渋谷ですが、赤坂見附に移動です。今日はどうしても“海鮮丼”を食べたくなってね。

    見附駅前の「魚がし 日本一」さんへ。13時過ぎに訪問。

    まずはビールで乾杯ね。“ビールのない海鮮丼はありえません”、これ自分の格言

    そしてこれがランチの海鮮丼(1,250円)、悪くないでしょう?。

    お会計はギリ2千円切り。ご馳走様でした。



  • 「コーダ あいのうた」はエミリア・ジョーンズにジョニの「Both Sides Now」を手話付で唄わせた時点で勝ちだな、V先生はどうして宮本亜門なの?

    「コーダ あいのうた」はエミリア・ジョーンズにジョニの「Both Sides Now」を手話付で唄わせた時点で勝ちだな、V先生はどうして宮本亜門なの?

    この3連休に「コーダ あいのうた」を自宅で鑑賞した。よい映画だとは知っていましたが、映画館に行くまではないと思っていたのです。そして、約1週間前に最近平日にほぼ毎日聞いているInterFMのロバートハリスさんがナビゲーターをしている“大人のラジオ”「Otona no Radio Alexandria」という番組の中でハリスさんも娘さんの推奨で鑑賞して感激し、3度ほど感涙にむせったというのが、すぐ視聴すべし、と思った理由だったのです。

    そして、何とアマゾンのPrime Videoで無料で見れるのです。この作品は、

    2022年度アカデミー賞<作品賞>を含む、3部門(助演男優賞:トロイ・コッツァー、脚色賞)受賞しています。

    話しはこんな感じです。

    豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聞こえる。
    陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から、“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。
    新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。
    すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。
    だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。
    悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし・・・。

    監督と脚本は、シアン・ヘダーという女性ですね。

    何と言っても主演のエミリア・ジョーンズ(Emilia Jones)がいいですね。おそらくメジャーでは初の主演だと思いますが、彼女当てましたね。ぴったりの役が運命のごとく回ってきたという感じです。

    聴覚障害者の父親のトロイ・コッツァーもよい(なんたってアカデミーの助演男優賞ですから)のですが、お兄ちゃん役のダニエル・デュラントも非常に印象深い演技をしていたと思います。

    だけど、この映画で一番美味しいところを持っていったのは、音楽教師役(ベルナルド・ヴィラロボス / V先生)の エウヘニオ・デルベスだったと思います。どうしても、宮本亜門とオーバーラップするんだな。この手の役はどうしてもこうゆうキャラにしたいのね。

    そして、エミリア・ジョーンズが最後に唄うジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now」の楽曲の力強さはたまらないね。エミリア・ジョーンズは若さあふれるといった歌唱です。演出も映画でまだこんな手法があったのね、といった演出がありますね。

    だけど、自分は今年のアカデミー作品賞は自分の思い込みで別の作品だとてっきり思っていて、失礼しました。見終わって、作品賞に値しますね。ペコリ

    このジョニ・ミッチェルの「Both Side Now」は映画でもよく使われますが、この作品以外では「ラブ・アクチュアリー」での使われ方も最高でした。

    ちなみに、コーダ(CODA, Children of Deaf Adult)とは、きこえない・きこえにくい親をもつきこえる子どものことを指します。

    この3連休に最高の映画を観させていただきました。

  • ホブ・デュランにノーベル文学賞なら、ジョニ・ミッチェルもノーベル文学賞に該当するのでは、「Both Sides Now」は物事の真理をつく、名作

    ホブ・デュランにノーベル文学賞なら、ジョニ・ミッチェルもノーベル文学賞に該当するのでは、「Both Sides Now」は物事の真理をつく、名作

    今日は、現在(2020年12月)、病気で苦しんでいるというジョニ・ミッチェルについて書きたいと思います。

    ジョニ・ミッチェルは1943年11月生まれですから、現在は78歳ということになります。自分が思うに、歴代の女性のシンガーソングライターで(容姿でなく)音楽性で一番かっこよいと思うのが彼女なのです。

    ジョニの代表曲は「Both Sides Now」(邦題: 青春の光と影)という曲だと思いますが、詩の内容と表題があっていないんだな。

    自分なりに意訳すると、「今分かったの、ものには2面性があるということを」と言う感じになると思います。

    歌詞は哲学的です。“昔は1つの側面からしか見れなかったのだか、今は両側から見れるようになった、人生における勝者と敗者の側、恋愛もそろばんづくだったり、そうでもなかったり”云々です。

    ブレグジットの是非もどちらの側で見るかによって感じ方はさまざまです。トランプとバイデンにしてもどちらの側から見るかです。

    邦題は青春が前面に出てきて、青春歌の感を呈しているのです。

    このジョニの世界観とは違いますが、時代的にも比較できるのが、日本で言えば、中島みゆきの「時代」という曲かな。この曲は輪廻転生を唄っている曲だと思いますが、ジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now」の方がより哲学的でミステリアスで詩的な歌詞です。

    でこの歌はヒューグラント主演の名作「love actually」でもまさにピッタリのシーンで流れるのですね。

    ジョニ・ミッチェルのアルバムの中では、「SHADOWS & LIGHTS」にとどめを刺すと思います。1980年に発表したライブ・アルバムです。1979年9月にカリフォルニア州のサンタ・バーバラ・ボウルで収録された音源が使用されています。

    何せ、バンドのメンバーがすごすぎます。

    • ジャコ・パストリアス
    • ドン・アライアス
    • マイケル・ブレッカー
    • パット・メセニー
    • ライル・メイズ

    当時でも大変なメンバーだったと思います。これだけの人たちを集める彼女のプロデュース力には感心します。このアルバムでのジャコは完璧ですね。一番脂がのっている時期だと思います。

    「The Dry Cleaner from Des Moines」でのマイケル・ブレッカーとジャコ・パストリアスとのからみは最高なのです。

    そして、最後に今日の結論です。ボブ・デュランにノーベル文学賞が差し上げたのなら、ジョニ・ミッチェルにもノーベル文学賞を差し上げないといかんと思うのです。それと、ポール・サイモンにもね。

    まあ、音楽史上で楽々とクロスオーバーな世界を実現した2人の天才はマイルスとジョニだけだと思います。