2021年9月12号の日経ヴェリタスの記事からです。
そのエッセイは、「人生100年こわくない 定年楽園への道」で“リタイア後は時間でお金を買う”という中での一文です。筆者は大江英樹(おおえひでき)さんです。
筆者は定年退職と同時に住宅ローン返済を終えるように計画していたため、定年時に「抵当権の抹消手続き」をすることが必要であった。会社を通じたローンと地元の銀行と2ケ所から借り入れていたため、それぞれに手続きが必要であったが、会社の方は人事部から連絡があり、会社が契約している司法書士にお願いすればやってくれるとのこと。ただし費用は3万円かかると言われたが、私も不勉強だったこともあり、費用を払って手続きをしてもらった。
ところがもう一つの銀行のローンの場合、窓口で書類一式を返却してもらった際に「抵当権の抹消手続きは自分でもできる」と教えられた。そこで自分で法務省のホームページを見ながら必要書類を作成し、住所地の法務局に行くと、司法書士の方がいて、申請書類を全てチェックしてもらった上で提出し、無事手続きを終えることができた。かかった費用は土地と家屋の印紙税2000円のみである。
もちろん、法務局にいた司法書士の人が無報酬でやっていたわけではないだろう。自治体からいくばくかの報酬は受け取っていたはずだ。ところがその報酬の原資となるのは我々が収めている住民税。つまり、公的なサービスは我々が負担している住民税からまかなわれているということを考えると、公共サービスは使わなければ損だ。
大江さんは結局、定年を迎えて収入がなくなり、支出の見直しをすべきであり、「節約」より無駄な固定支出を見直すべきだと主張されているのでする。そして、真っ先に見直すべきは無駄な生命保険と医療保険をあげられています。
その一環で記事のような抵当権の抹消も時間がたっぷりある老後は自分でもでき、無駄な出費を抑えることができますよ、と説かれているのです。
自分にとって、何故、この記事が自分にささったかは、実は最近同じく「抵当権の抹消手続き」を行ったのでした。自分の場合は、司法書士にお願いしたのでした。
その時の請求額が19,468円だったのです。
- 司法書士報酬 14,400円
- 登録免許税又は印紙税 3,628円
自分で抵当権抹消を行っていれば、この14,400円は削減できたなと思った次第です。
たかが14,400円、されど14,400円です。
不動産の抵当権抹消は自分でも十分にできるとは初めて知ったのです、この年になって。
よい勉強になりました。