ここ1年弱、平日の昼間に毎日聞いているのがロバート・ハリスさんがナビゲーターされている「Otona no Radio Alexandria」という番組なのです。FM局はInterFMという少しマイナーな局ですが。だけど、最近はFM東京系列にも配信が始まり、メジャーになってきているんだな、これが。
そんなロバート・ハリスさんさんが1ケ月前ぐらいに、ラジオのリスナーからの質問で最近のおすすめのの小説は何ですか?、というド直球な質問があったのです。
そして、彼が全くの迷いなく答えたのが、「ザリガニの鳴くところ」 (ディーリア・オーエンズ著)だったのです。
ちなみに下世話な話しですが、この本は“2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位”です。
自分も評判が高いのは知っていたので、数ヶ月前に購入はしていたのですが、後回しの待ち行列に入っていたのです。
物語はこんな感じです。
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。
人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。
しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ
全米500万部突破、感動と驚愕のベストセラー。
著者の紹介です。
著者について ジョージア州出身の動物学者、小説家。
現在はアイダホ州に住み、グリズリーやオオカミ、湿地の保全活動を行っている。69歳で執筆した本作が初めての小説である
と言うわけで、自分も早速にこの小説を読み始めたのでした。
ファーストインプレッションは自然や沼地の動植物に対する畏敬の念がある描写がすばらしいですね。この描写を描きたい故にこの話しがあるのかな。人間の成長物語でもあるし、ミステリー仕立てでグイグイと読むものを引き込んでいくパワーはすごいですね。
その場の自然が思い描けるようなビジュアル的な筆致は非常に細かい描写の積み重ねから生まれるのでしょう、多分。
序盤が終わると次から次に読みたいという衝動が止まらなくなります。文中の表現される詩も良いです。(これは後にでんでん返しのシナリオがありますね。)
米国の東海岸の沼地の生き物を生き生きと描いています。全米ベストセラーもうなづけます。おそらくすぐに映画化されるのでしょうね。
何か良い小説をお探しなら、今一押しかな。
(追記)
すぐに映画化されて、劇場で映画も見ましたが、自分は断然、書籍の方が数段良いと思いました。主題歌はむ、テイラー・スウィフトが提供しています。