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  • ニューシネマパラダイスの監督を描いた「トルナトーレ 我が映画人生」でモリコーネとの絆に涙したな

    ニューシネマパラダイスの監督を描いた「トルナトーレ 我が映画人生」でモリコーネとの絆に涙したな

    この週末に大変興味深い映画というか、ドキュメンタリーを見た。

    そのDVDのタイトルは「トルナトーレ 我が映画人生」というものです。

    あの「ニューシネマパラダイス」で有名なジュゼッペ・トルナトーレ を本人と関係者がその映画人生を語るというものです。

    ちなみに自分の中での映画のベスト3は以下のとおりかな。

    • ゴットファザー1(天才コッポラ渾身の一作)
    • ディアハンター(マイケル・チミノはこれ一作を作っただけで歴史に名を遺した)
    • ニュー・シネマ・パラダイス

    無理やり3本を選べと言われたらこうなりますが、他にはルキーノ・ヴィスコンティの「山猫」やロバート・ワイズの名作「サウンド・オブ・ミュージック」などが上がります。

    で、今回、「トルナトーレ 我が映画人生」を見て初めて知ったことで、興味深いことが多々あったのです。

    アマゾンの紹介文です。

    アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ニュー・シネマ・パラダイス』で賞賛を集め、それ以降、『海の上のピアニスト』『マレーナ』『鑑定士と顔のない依頼人』など、数多くの秀作を撮り続けている名匠ジュゼッペ・トルナトーレに迫るドキュメンタリー
    トルナトーレ本人はもちろんのこと、ティム・ロスやモニカ・ベルッチ、ジェフリー・ラッシュなど彼の監督作に主演した名優たちや映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネらのインタビューなどから、トルナトーレの映画作りや、映画に掛ける情熱を浮き彫りにする

    歴史的な名作「ニューシネマパラダイス」は最初4時間近い映画でイタリアで公開したが、全く芳しくなく、3時間弱程度に縮めてもサスペンス映画のようになり、全く興行的にダメだったのこと。

    そして、約2時間のバージョンを作成し、アメリカのアカデミー賞で賞を獲得したことで、世間の評価が変わったこと。

    アカデミー賞を獲得してイタリアに帰国して、記者からのインタビューを全く無視し、次回作に仕事にすぐにとりかかったとのことです。

    そんな中、あの巨匠のフェリーニから突然電話が掛かってき、めったにないことだから「楽しめよ」という言葉をもらったとのことです。

    そして、「シチリア! シチリア! 」は彼の育ったシチリアの村を再現した映画とのことです。撮影は、対岸のアフリカのチュニジアでその村のセットを作って、予算的にも大変な映画だったことが語られます。

    特にこの映像の中で印象深かったのは、あの故エンリオ・モリコーネがトルナトーレを語る映像には胸が打たれました。極め付きは、トルナトーレとモリコーネ、ドパルデューが揃ってモリコーネの曲を楽しく歌う映像にはしびれました

    モリコーネは語ります。トルナトーレが語る「モリコーネは自分の父であり、息子でもある」と語ることに、二人の間の強いつながりを感じました。

    現代の映画界のマエストロの「トルナトーレ 我が映画人生」は監督を目指す人にとっては必見と思った次第です。

    だけど、トルナトーレはかなり内気な人で、仕事中毒のシチリア人ですね。

    基本的には同じイタリア人でもシチリア人とナポリ人を比べれば、月とスッポンほど違うと、トルナトーレは話していたのでした。とにかくシチリア人は、外交的な性格の人種ではないと言い切っていたのが印象的でした。

    「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ





  • 追悼 エンリオ・モリコーネさん91歳で死去。20世紀後半の一番偉大な作曲家を失くしました

    追悼 エンリオ・モリコーネさん91歳で死去。20世紀後半の一番偉大な作曲家を失くしました

    現在の音楽家で一番偉大と自分は思っているエンリオ・モリコーネ(Ennio Morricone)先生が新型コロナウィルスで自粛が求められているこの時に、2020年7月6日にご逝去されたという報道を自分は7月7日の日本経済新聞の訃報欄で知ったのでした。

    E・モリコーネさん死去 映画音楽の巨匠、91歳

    イタリアの作曲家で、「ニュー・シネマ・パラダイス」など数々の映画音楽を担当した巨匠、エンリオ・モリコーネさんが7月6日、ローマの病院で死去した。91歳だった

    大腿(だいたい)骨を骨折し入院、手術を受けた後、容体が悪化したという。イタリアのメディアが報じた。

    名門サンタ・チェチーリア音楽院で学び、1950年代から活躍、400本以上の映画音楽を手掛けた。

    マカロニウエスタンの代表作「荒野の用心棒」をはじめ、幼なじみでもあるセルジオ・レオーネ監督の多くの作品で音楽を担当。

    口笛によるメロディーなど、叙情的で優雅でありながら強い印象を与える音楽が特徴として知られていた。

    衝撃を受けました。

    このような報道を受けヨーヨーマ(Yo-Yo Ma)のがTwitterでエンリオモリコーネの追悼のニューシネマパラダイスから愛のテーマを演奏した動画と、つぶやいた言葉です。

    私はエンリオ・モリコーネが情熱(energy)・空間(space)・時空(time)としての音楽で描いてきた手法を決して忘れないでしょう。

    それはおそらく自分が今まで聞いてきた最も簡潔で正確な表現方法だったのです。

    我々は本当に彼がいなくなって寂しい思いをするでしょう。

    ヨーヨーマとモリコーネは「ヨーヨー・マ・プレイズ・モリコーネ 」という作品を一緒につくっていますね。これは間違いなく名盤です。

    エンリオ・モリコーネは小泉純一郎さんが首相だった時、一番好きな音楽家は誰と聞かれて、もちろん、モリコーネと答えた記憶が鮮明にあるんだな。

    おそらく20世紀後半の一番偉大な作曲家だったと自分は確信しています。

    映画音楽の中でどれが一番好きかと問われれば、自分はモリコーネの「ニュー・シネマ・パラダイス」か、スタンリー・マイヤーズ作曲による映画『ディア・ハンター』のテーマ曲の「カヴァティーナ」の2つのうちのいずれか一つになると思います。

    だけど、クリント・イーストウッドとセルジオ・レオーネが組んで作ったマカロニウエスタンのモリコーネの音楽は斬新で奇抜で才気あふれるものです。

    残念ながら、本場のアメリカのウエスタン映画で音楽が浮かぶ映画はほとんどありません。

    本当に偉大な人物を亡くしました。ご冥福をお祈りします。