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  • 「愛と哀しみのボレロ」を劇場で観たよ、まさにこれを観ないでに死ねるか

    「愛と哀しみのボレロ」を劇場で観たよ、まさにこれを観ないでに死ねるか

    2024年3月2日(土)

    本日は感激したよ。本日から2週間、“午前十時の映画祭”であの「愛と哀しみのボレロ」をやるではありませんか。何を差し置いても、まずは初日に観に行くしかありません。

    自分はこの作品を観るのは人生で3回目だと思います。過去2回はDVD鑑賞でした。よって劇場で観るのは初めてです。劇場の大画面で観ると没入感が違いますね。

    この映画はこんな感じ。

    『男と女』の名匠ルルーシュの集大成ともいうべき3時間に及ぶ超大作。指揮者カラヤン、作曲家グレン・ミラー、舞踏家ルドルフ・ヌレエフ、歌手エディット・ピアフという4人の芸術家たちをモデルに、1930年代から80年代の長きにわたる波瀾に満ちた人生が描かれる。ジョルジュ・ドンが踊るラヴェルのボレロは、圧巻のクライマックス。

    ストーリーです。

    1936年、モスクワ:ダンサー志望のタチアナは、ボリスと結婚して息子を授かるが、第二次大戦で夫は戦死し…。ベルリン:ピアニストのカールは、ヒトラーから称賛されたことで生涯苦しみ続けることに…。パリ:バイオリニストのアンヌは、ユダヤ人ピアニストのシモンと結婚して息子を儲けるが、二人は強制収容所行きの列車に乗せられ…。ニューヨーク:ジャック・グレンは、ジャズ・バンドで名声を得ていた…。そして20年後、彼らの子供たちは…。

    今回は本当に没入して観ましたので、伏線がすべてつながりました。壮大な構成で実に緻密です、ルルーシュあんた天才だよ。アウシュビッツとアルジェ戦線とあの赤ん坊がつながる、最後までの構成はみごとです。

    映画の最高潮はやっぱりヌレエフ(ジョルジュ・ドン)の踊り。最後の「ボレロ」は言うまでもありませんが、中盤の「ラ・バヤデール」の踊りは掛け値なしにすごいね、この踊りだけでも劇場で観る価値あるよね。

    そして、一番複雑な家族の歴史がヌレエフとグレーン・ミラー。あの冒頭のシーンのボリショイでの敗者の子供がヌレエフなんだね。少し頭がこんがらがるのが、同じ役者が母と孫、母と娘を演じるのですが、これもルルーシュの演出なんだね。

    帝王カラヤン役の役者の面構えも良し、奥さんは本当にあんな役回りをしていたんだろうか。カラヤンだけはあんまり家族のことがないね。

    最後のエンディング。どうしてユニセフや赤十字なんだろう、隠されたメッセージがありそうだね。

    本当の主役はやっぱりパリというかその風景だね。美しさと哀愁、歴史の重みだね。

    映画を観ながらふとジョニ・ミッチェルの「both sides now」が頭に浮かびました。物事には2面性があると、“敗者と勝者”“恋愛と失恋”“空の上からと下から見る風景”

    壮大な物語の映画はこの3つだね。

    • 愛と哀しみのボレロ
    • 地獄の黙示録
    • アラビアのロレンス

    本当に感動したよ。この2週間しか上映していないけれど、あと2回は観に行くね。

    これ世界遺産だよね。

    モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね

     



  • ルルーシュ監督の「アンナとアントワーヌ」は大人の恋愛映画、超おすすめ

    ルルーシュ監督の「アンナとアントワーヌ」は大人の恋愛映画、超おすすめ

    2023年11月18・19日(土・日)

    今週の週末もいつものルーティーンです。今週末もDVDを2本鑑賞し自宅でまったりです。その2日間で自宅で鑑賞したDVDは次の2本です。

    • グロリア
    • アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲

    「グロリア」はあの目黒シネマで監督のジョン・カサヴェテスの特集を上映していて、そのつながりで観てみたいと思ったんでね。

    1980年代当時のニューヨークの風景がいいよね。鉄火場の女、ジーナ・ローランズの独壇場の映画ですが、改めて観ると、なかなか彼女、年季が入っているよね。その後製作されたリュック・ベッソンの「レオン」の女性版と言われるけど、子供が入っているだけで全く違う映画だよ。自分としては「レオン」の方が数倍よいと思うのですが。

    ちなみに本作は1980年のヴェネチア国際映画祭 金獅子賞です。

    2本目は「男と女」の名匠クロード・ルルーシュ監督がインドを舞台に、名作曲家フランシス・レイとのコンビで贈る異国情緒溢れる大人の恋の物語という「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」です。

    主演は「アーティスト」のジャン・デュジャルダンと「モディリアーニ 真実の愛」のエルザ・ジルベルスタイン。話しはこんな感じ。

    ボリウッド版「ロミオとジュリエット」の音楽制作の依頼を受け、美しい恋人をパリに残してインドのニューデリーへやって来た一流映画音楽作曲家のアントワーヌ。大使館のレセプションに招待され、そこでフランス大使の妻アンナと出会い、意気投合する。会話がはずむ中、子どものいないアンナは、子宝に恵まれたいと聖者アンマに会うため、インド南部の村へ旅に出ると告白する。多忙を極めていたアントワーヌは、気分転換にうってつけとアンナの旅に同行するのだったが…。

    この映画、思いもかけずよい映画でした。クロード・ルルーシュうまいねと、思わずうなりました。特に主演の女優エルザ・ジルベルスタインがすごく魅力的です。ルルーシュは女性の起用がうまいね。特に魅力的な女優を引っばってくるよね。

    この人、フランスでは有名な女優さんなのね。

    そして、土曜日の夕食はいつもの鰻屋さん、赤坂の「ふきぬき」さんへ。連れの1人が今、歯の矯正をしているので、うなぎが丁度よいのです。

    まずはアサヒのスーパードライで喉の消毒です。今日のつまみは、“にこごり”のみです。骨せんべいは歯の矯正中の連れが食べれないのでね。

    そして、うな重はこれもいつもの“梅”を3つです。やっぱり最高にうまいよね

    ご馳走様でした。

    明日からはまた極寒らしいヘルシンキに出かける自分。今度は家族ずれでね。2泊4日の強行軍です。大人の事情があってね。

    「SISU/シス 不死身の男」は今年必見のアクション映画、タランティーノ好きにはたまらんね



  • ゴダールの「軽蔑」4Kを観たよ、やはり最高傑作に恥じない名画、おすすめ

    ゴダールの「軽蔑」4Kを観たよ、やはり最高傑作に恥じない名画、おすすめ

    2023年11月8日(水)

    本日は古いフランス映画のお話しを。

    火曜日にはゴダールを、水曜日にはクロードルルーシュを観たよ。どちらも巨匠です。その映画とは、

    • 軽蔑 60周年4Kレストア版(ゴダール)
    • 男と女(ルルーシュ)

    「男と女」は”ダバダバダア”で有名な名作ですが、自分は観たことなかったんでね。

    まずは渋谷で「軽蔑」を鑑賞です。何でもこの「軽蔑」、ジャン=リュック・ゴダールの最高傑作の一つと称されているようです。

    カプリ島を舞台に、作家ポールとその妻カミーユの悲劇的なロマンスを描く。
    ポールの美しき妻カミーユにブリジット ・バルドー、作家ポールにミシェル・ピッコリというフランスの伝説的俳優が主演。

    ゴダールは「勝手にしやがれ」と「気狂いピエロ」は観たことがあるのですが、洗練度ではこの「軽蔑」が一番かも。一つ一つのカットが写真的で印象に残るシーンが多い。監督もそんなシーンを繰り返し使うものね。ブリジット・バルドーに関して映画では確かに魅力的なんだが、どうなんだろう。バルドーにとっても最高傑作かもね。

    確かに若い野心のある映画監督が観たら(当時はなおさら)、刺激的な映画だよね。ゴダールは難解と思い込んでいましたが、この「軽蔑」を観たら歴史に名を残す監督だよね。

    だけど、カプリ島のシーンたまらないね。でも最後までわからなかったのは、バルドーの心変わりがどうしてなのかです。日本人にはわかりにくいよね、そのへんの心境。よい映画を観させていただきました。

    そして、水曜日は“午前十時の映画祭”で日本橋で「男と女」を鑑賞です。

    話しこんな感じなのね。カンヌでパルムドールをとってことも初めて知りました。

    話しはこんな感じ。

    パリで一人暮らしをするアンヌとカーレーサーのジャンは、ドービルにある同じ寄宿舎に娘と息子を預けていることから知りあい惹かれあった。が、いまだ辛い過去を忘れられない二人は……。
    流麗なカメラワーク、カラーとモノクロームを使い分けた大胆なモンタージュ、そして甘美なメロディが“運命の出会い”に魅入られた男と女の恋を浮き彫りにしていく。

    男優のジャン=ルイ・トランティニャンもいいのですが、この映画は女優のアヌーク・エーメがいいところをさらっていくね。あの時折醸し出すあの表情がたまりません。だけど、彼女の元夫はもう少しいい男というわけにはいかなかったのかな。

    ドービルのあのモノクロームぽく撮る海辺の通りの老人と犬のシーンが何回も流れますが、何か映画史上に残るシーンだね、何か絵心が沸き立ちそうです。セピア色の風景です。

    クロードルルーシュの映画は「愛と悲しみのボレロ」しか観ていませんが、この「男と女」はコンパクトにまとめ上げて彼の最高傑作なのでしょうね。

    自分としては最後の終わり方に違和感があるのですが。やっぱりあの流れではハッピーエンドはダメだと思うんだね。

    終われば、日本橋の「京都銀閣寺ますたにラーメン」へ。「男と女」の余韻に浸りながら、ビールとおしんこです。ここはやっぱりシャンパンじゃあないと様にならないね。

    そして、麺硬めで“ますたにラーメン”を。やっぱりこのコースが一番いいね、日本人だもの。(最後は相田みつを風)

    政治家よ、外遊する暇があれば「シモーヌ – フランスに最も愛された政治家」を観ろよ