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  • やっぱりヨルゴス・ランティモスは天才で大変態、今宵も六本木の中国飯店にて

    やっぱりヨルゴス・ランティモスは天才で大変態、今宵も六本木の中国飯店にて

    2025年2月10日(月)

    まずは先週に観た映画のお話しから。

    自分がここ数年で一番才能のある監督ヨルゴス・ランティモスの映画とあってはね。今から15年前の映画です。やっぱりこの監督、変態で天才だよね。その映画とはこちら。渋谷のル・シネマにて。

    • 「籠の中の乙女」

    「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」などで知られるギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモスが、2009年に手がけた長編第3作。妄執にとりつかれた両親と純真無垢な子どもたちを主人公に、極限の人間心理を描く

    ギリシャ郊外に暮らすある裕福な一家は、外の汚らわしい世界から守るためと、子どもたちを家の中から一歩も出さずに育ててきた。厳格で奇妙なルールの下、子どもたちは何も知らずに成長していくが、ある日、年頃の長男のために父親が外の世界からクリスティーヌという女性を連れてきたことから、家庭の中に思わぬ波紋が広がっていく。

    2009年・第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞し、第83回アカデミー賞ではギリシャ映画として史上5本目となる外国映画賞にノミネートされた。日本では2012年に劇場公開され、ランティモス監督作の劇場初公開作品となった(長編1、2作目は日本では劇場未公開)。2025年1月、4Kレストア版でリバイバル公開。

    2009年製作/96分/R18+/ギリシャ
    原題または英題:Dogtooth

    超変態映画で監督が何を訴えたいのかもわからない映画ですが、最後まで観させる力技、まさしく変態です。映画は訳がわかりませんが、天才だと思いました。この魔力であのエマ・ストーンも闇に落ちたのかな。傑作だとかの論評はできない作品ですが、監督のダークな才能を見せつける作品です。まあ、良い悪いは別にして現代No.1の変態監督です。

    そして、週末の土曜日の夕食です。我が家の定番の本格中華のお店と言えばここ。六本木の「中国飯店」です。半年ぶりの訪問から。どうしてこんなにインターバルが空いたのかな。

    19時に3名で訪問です。まずはサッポロの黒ラベルです。

    そして、注文はいつもの我が家の黄金メニューのはずだったのですが。

    定員さんから、春節で調理人がまだ帰ってきていないので、小籠包と胡麻団子はできないとのこと。というわけで本日はこんなメニューになりました。

    • 干し貝柱とシャンツァイと押し豆腐の和え物
    • 里芋の葱油炒め
    • 焼売と餃子(これ小籠包の代わり)
    • 黒酢の酢豚
    • 松の実のせ牛挽き入り醤油味チャーハン(通称“黒いチャーハン”)
    • 白玉団子(胡麻団子の代わり)

    やっぱり厨房が平常モードでないからか、豆腐の和え物のシャンツァイの切り方が違っていたものね。それと焼売は大ぶりで大変美味でした。定番メニュー無に入れていいかもレベルです。最後はやっぱり胡麻団子でないと閉まらないね。

    本日も美味しゅうございました。ご馳走様。

    日本で一番うまい小籠包は「中国飯店」かな、リー・マーヴィンの渋さに参ったね

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  • 安部公房原作の映画「箱男」はやっぱり変態系だった、この世界観わかる人はエライ

    安部公房原作の映画「箱男」はやっぱり変態系だった、この世界観わかる人はエライ

    2024年8月29日(木)

    ニュースは台風一色の様相ですが、自分のブログは呑気に映画のお話しをね。

    昨日観た映画はこちら。

    • 「箱男」

    原作が安部公房と聞くだけで難解で変な映画なんだろうと思っていたのですが、男優が永瀬正敏・浅野忠信・佐藤浩市の揃い踏みで、予告編でも面白そうだったのでね。まあ、簡単に言うと怖いもの見たさだね。

    話しはこんな感じ。

    作家・安部公房が1973年に発表した同名長編小説を、「狂い咲きサンダーロード」「蜜のあわれ」などの鬼才・石井岳龍監督が映画化

    ダンボールを頭からすっぽりと被った姿で都市をさまよい、覗き窓から世界を覗いて妄想をノートに記述する「箱男」。それは人間が望む最終形態であり、すべてから完全に解き放たれた存在だった。カメラマンの“わたし”は街で見かけた箱男に心を奪われ、自らもダンボールを被って箱男として生きることに。そんな彼に、数々の試練と危険が襲いかかる。

    1997年に映画の製作が決定したもののクランクイン直前に撮影が頓挫してしまった幻の企画が、27年の時を経て実現に至った。27年前の企画でも主演予定だった永瀬正敏が“わたし”を演じ、“わたし”をつけ狙って箱男の存在を乗っ取ろうとするニセ医者役で浅野忠信、箱男を完全犯罪に利用しようともくろむ軍医役で佐藤浩市、“わたし”を誘惑する謎の女・葉子役で白本彩奈が共演。

    2024年製作/120分/PG12/日本

    まず驚いたのが、日比谷のシャンテで午前11時の回で観たのですが、お客さんがかなりいたということ。みんな好きだね、自分もそうか

    観ての率直な感想。変な映画、変態系だよね、原作も含め。自分は安部公房の小説は読んだことはありませんが、ガルシア=マルケスの世界観と近いとか。

    結局、箱男で何か言いたいんだろう、“箱男はあなた”と言われてもね。箱の中に世界が凝縮されていて、それを打ち破れて自分の世界があるとか

    まあ、変な世界観だよね、天才と狂人は紙一重か。あの病院の名前も阿部病院だもね。

    映画としてはフェリーニとかタルコフスキーだよね、はたまた鈴木清順の世界かな。だけど最後まで席を立った人はいなかったので、みんなこんなヨーロッパ的な難解な映画好きだねと、素直に思いました。

    やっぱり変だよね、自分は今でもマルケスの「百年の孤独」がすごいのか、理解できません。こんな人、多いのでは。それ以上に、安部公房は段ボール箱だもんね

    終われば、麻布十番の「新福菜館」へ。1週間に1回食べないと、カラータイマーが鳴っているウルトラマン状態です。

    14時前に到着。5名待ち。今日も持ち帰り用のチャーシュー(小)(500円)を確保です。

    天候といい、変な箱男映画といい、ヘンテコな日だったね。

    ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を読了、現代世界文学の最高傑作というが自分には理解できず

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  • 「シウマイ弁当」の変態食べ方、マグロの煮付けはほぐし、ご飯にパラパラと均等に振りかける

    「シウマイ弁当」の変態食べ方、マグロの煮付けはほぐし、ご飯にパラパラと均等に振りかける

    2024年5月24日(金)

    木曜日はいつものとおり、1週間で唯一、ルーティーンのある日です。

    銀座の絵画教室に出かけます。 本日は今日から全3回でベニスの風景をマンガペンで描く1回目です。ベニスの大運河の写真風景から自分を構図を切り抜いて描くというものです。

    そして、本日は下絵として鉛筆で構図とりでした。こんな感じの絵になりました。

    そして、お絵描きが終われば、これまたいつもの遅いランチです。

    銀座の老舗ラーメン店の「共楽」さんへ。本日の3時過ぎは1名の待ちです。まずはビールから。カウンター席でまったりです。ビールを飲み終わる頃に、“麺お願いします”のコールです。 いつものように、“ワンタンメン”です。いつもの変わらぬおいしさです。変わらない木曜日の日課

    そして、本日の話題はみんな大好き崎陽軒の「シウマイ弁当」のお話しです。何故にこの話題かと申しますと、先週の日経新聞夕刊の“人間発見”というコラムは毎日、崎陽軒会長の野並直文さんのインタビュー記事だったのです。タイトルは“横浜ローカルに誇り”です。

    まず崎陽軒という社名の由来です。

    横浜駅の4代目駅長だった久保久之が退職後のなりわいとして、国鉄から構内営業の許可を受け、妻を名義人として創業したとのこと。久保の出身地は長崎県。江戸時代に長崎の出島に来航する中国商人は長崎の岬から太陽が昇るのを見て、長崎を「崎陽」と呼んだそうです。それが社名になったとのこと。

    そして、“シウマイ弁当”で皆さん一家言あるのがその食べ方です。野並さんの紹介です。

    親友の横浜岡田屋の社長は「シウマイ弁当はこう食べるべし」と講釈します。シウマイに箸で穴を空け、しょうゆを中に染み込ませてカラシをちょんちょんと付ける。付け合わせのマグロの煮付けはほぐし、ご飯にパラパラと均等に振りかける。弁当を食べ始めるのに5分くらいかかりそうです。

    この食べ方はすごいね。まずシウマイに穴を空けるという高等技術は初めて知りました。そしてなにい、マグロの煮付けをほぐすだと。これは塊だ食べたほうが断然うまいと思う自分。

    そして、最後に何故に横浜でシウマイ弁当か?

    横浜駅というのは東京駅に近すぎるんです。大阪方面からの乗客は東京駅にもうすぐ着くから駅弁は買わない。大阪方面に向かう人は東京駅で駅弁を買って乗り込む。

    何を売ればいいのか悩みます。ヒントは小田原ならカマボコ、静岡ならわさび漬けといった名物がよく売れていたとのこと。ただ横浜は幕末の開港で栄えた歴史のない街で、名物がありませんでした名物がないなら作ってしまおうと考えました。横浜の町中を歩くと、現在の中華街のあたりに中華料理屋が何軒かありました。突き出しに出されていたのがシューマイ。これは珍しいと目を付けました。

    そして、現在の崎陽軒の売上は、258.9億(2023年2月期)とのこと。

    まさにシウマイ、恐るべし

    シウマイ弁当でも弁当箱に掛け紙をし、ひもを結ぶ昔ながらのやり方は横浜工場で作られたものだよ。釈迦に説法か。

    終わりがよろしいようで。

    崎陽軒のシウマイ弁当の食べ方ここに極まる、攻略の極意とはまずは小梅をずらしてから

     



  • 作家の山田詠美さんいわく、「焼き魚の開きは断然、皮が上の方がよい」

    作家の山田詠美さんいわく、「焼き魚の開きは断然、皮が上の方がよい」

    世の中にはおもしろいことを考える人がいるのです。

    それに気付かされたのは、日本経済新聞の夕刊のコラム「あすへの話題」という作家の山田詠美さんの話しだったのです。2021年9月28日(水)のことです。

    抜粋します。

    これ見よがしでない美意識があちこちに反映され、控え目ながら細やかなサーヴィスを提供し、派手でないが吟味された料理が卓に並ぶ・・・そんな旅館に泊まり満足に浸る翌朝、ああっ、何故?とがっくりすることがある

    それは朝食。多過ぎないシンプルな和食メニュー。おなかをぐぅと鳴らしながらセッテイングされるのをわくわくして待つ。と、そこに運ばれて来たのは、アジの開き。そのこんがりと焼けた筈(はず)の皮が下になっていた時の落胆と来たら・・・ええ、よくあることです。一流旅館の朝食でも、そうする場合が少なくないみたい。皮の部分と身の開いた部分。どちらを上にして皿にのせるのが正しいんです。!?

    皮を下にするのが作法なのか。でもでも、そうしたら、あの香ばしい皮が台無しではないか。醤油をたらしたら、じゅっと音を立てる、焼き立てで、ぱふっと浮き上がらんばかりの焦げた皮。あのはがれかかった皮と身の間の空気がまた美味なんだよなあ

    しかし、私の独自調査による統計からすると、皮目を下にする場合が圧倒的に多いようだ。そんな馬鹿な。

    これを読んで、作家って馬鹿なことを考えるんだな、と思った次第です(笑、失礼)。

    自分はどうかと言うと、山田さんに反して、身が上にある方がよいな。おそらく両者の対立点は、魚の開きに醤油をそもそも垂らさないといけないのか?、ということなんだと思います。

    開きなどは、既に薄塩がされていると思うので、更に醤油をかける必要は全く無いと自分は思うのです。ここはキッパリ

    自分の出身は山口の萩ですが、こちらは魚が豊富に上がる地域です。家庭でも旅館でも皮が上して開きが出されたことは一度もないんだな。

    そして、このコラムには続きて落ちがあるのです。

    川上弘美さんの小説に「魚の皮の儀式」というのが登場したのを昔、読んだ。好き同士の男女が焼き魚の皮を箸ではがしながら、お互いに口に運び合うのだ。このシーン、なんともエロティックで、ぐっと来てしまったのだが、皮目を下にして皿にのせたら、「朝の魚の干物の皮儀式」が出来ないではないか。素敵な温泉旅館で、せっかくの同衾(どうきん)にこぎつけた甲斐がない。

    やっぱり、作家は変態ですね。お後がよろしいようで。

    ブルータスの“あんこ”特集、室町砂場の白玉ぜんざいを作家の戌井昭人さんが激賞



  • dancyuが大絶賛。芝大門のとんかつ屋「のもと家」。とんかつの変態!いや、天才がいますとのこと。

    dancyuが大絶賛。芝大門のとんかつ屋「のもと家」。とんかつの変態!いや、天才がいますとのこと。

    先日、港区役所に出かけたおり、ランチを芝公園周辺でとることになった。ラーメン屋を探したが、これはというお店は見つからなかった。ふと、辺りを見渡すと、頭の中であるとんかつ屋の名前に記憶があった。その店が目の前にあったので、ランチでとんかつを食べるのは久しぶりで、その店に入った。

    お店は、雑居ビルの2階。名前は「のもと家」。階段まで行列です。時間はお昼の1時過ぎというのに。待つこと15分。ようやく入店です。カウンター席です。

    帰って、自宅でdancyuの記事を読み返したものが、下記のとおり。

    「dancyu」10月号のとんかつとステーキ特集で掲載されていた「東京の最高のとんかつ7軒」の一番最初に紹介されていた、港区芝大門の「のもと家」

    タイトルは、「揚げ方が最高、とんかつの変態!いや、天才がいます」

    記事をあらためてみると、看板は「特選ロースかつ定食」(160g)がおすすめらしい。

    理想は“薄くてサクサクの衣”。淡いキツネ色、ピンと立った美しい衣が軽やかで心地よい食感を生む。上品で華やかな香り、柔らかな脂をむぎゅっと噛みしめる快感。噛むほどに濃い旨味がわき出る。脂の主張はしっかりあるのに、喉の奥にするすると吸い込まれていく不思議。自分史上最高の“ご褒美とんかつ”に思わず目を閉じた。

    店主は岩井三博さん。「脂のコクがとび抜けて旨い。こんなとびきりいい肉を扱えて幸せです」と鹿児島産六白黒豚にとことん惚れ込み、電話番号も「6809」(ロッパク)とのこと。

    美味しいとんかつの工夫は、藻塩と海塩のブレンド塩、茎わさびと鹿児島産醤油、肉の旨味を殺さないように酸味を抑えた自家製ソースなど、六白黒豚のポテンシャルを目いっぱい楽しめる仕様。

    東京都港区芝大門2-3-7 玉川ビル2階 tel:03-6809-1529

    11:30-14:00(LO) 17:30-20:00 土曜日は昼のみ(売り切り仕舞い)予約は不可

    自分は、ここのお薦めが「特選ロースかつ定食」とは思いもよらず、まあランチだしということで、普通のヒレカツ定食(1,400円)を注文した。

    カウンターに座って待っている間にマスターが話しており、とんかつが揚がるまであと何分と給人にきっちり話していたのが、感心した。

    ここのとんかつは、厚みのあるとんかつです。まずは、お塩でいただく。肉汁たっぷりの大変おいしいとんかつです。次にお薦めという、わさびでいただきます。わさびだけでもおいしいです。次に、鹿児島醤油とからしでいただきます。このからしが辛いのなんの。よいからしだからか。普通のとんかつでも十分においしいです。東京でおすすめというのもよくわかる気がします。

    しかし、注文をつけるとすると、豚汁が少ししょっぱい気がします。

    それと、これぐらいのとんかつを出すお店なら、雑居ビルではなく、もう少し構えのよいビルに入居すればよいのにとは思いました。あと、夜も予約はダメそうなので、夜の待ちは少しつらいかなとは思います。

    だけど、とんかつは一級品です。久しぶりにうまいとんかつを食べました。

    次は「特選ロースかつ定食」を試したいな。ビールと一緒に。とにかくおすすめのお店です。