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  • 「アラビアのロレンス」を二度観み、ピーター・オトゥールの妖しさはLGBTぽい

    「アラビアのロレンス」を二度観み、ピーター・オトゥールの妖しさはLGBTぽい

    本日は映画のお話しです。

    今週の月曜日と昨日水曜日に同じ映画を観に行ったのです。二度観です。その映画とはあの「アラビアのロレンス」です。午前十時の映画祭で今、日本橋で上映されているのです。今週末からは北海道一周にでかけるので、今週前半を逃しては観に行けないのでね。

    全編通して観たのは、20年ぶりぐらいかな。劇場で観るのは2回目だと思います。

    観ての率直な感想。自分のベスト3には入らないけれど、これぞ、映画のThe 世界遺産ですね。やっぱり監督のデビット・リーンは偉大なりです。現代ではこんな映画はもう撮れないものね。アラブの不安定な政治状況などを考えるとね

    自分の記憶ではアカバ攻略のシーンまでは覚えていたのですが。そこまでは正に砂漠の魅力と大活劇なのですね。だけど、そこから先は政治の話しとロレンスの狂気のことにになるのね。

    こんな展開だったとは、新鮮な感動を覚えたのでした。

    この映画はやっぱり2大俳優の怪演にあると思うのです。

    • ピーター・オトゥールのうまさと妖しさ(この人の妖しさはLGBTぽいよね、あの「将軍たちの夜」の怪演も含めてね)
    • アリ役のオマー・シャリフが絶品だよね、彼でないとこの役は収まらないよね

    アンソニー・クインはあの「道」のいつもの粗野な雰囲気、アレック・ギネスはやっぱり品があるね。最後に言い放つ名言、「あなたはただの将軍、自分は今からアラブの王になるんだよ」

    話しは脱線しますが、やっぱりオマー・シャリフの「ドクトルジバコ」はどう考えてもただの不倫映画にしか思わない自分なんだな。それは違うよ、と家族からもいわれるのだが。

    しかし、デビット・リーンはよくこのピーター・オトゥールとオマー・シャリフを主演にすえて、この大作をとったよね。出来上がりを観るまで、みんなピーター・オトゥールへの配役はどうかと思ったんだと思うな

    だけどね先程も書いたように、狂気と妖しさとLGBTはこの人にぴったりだね。

    今、この映画をアラブの人たちが観たら本当にどう思うんだろうね。最後のアラブ国民会議がバラバラになるシーン、象徴しているよね、現代にも

    だから、もめごとが絶えないんだろうね、イスラム国やイラン・イラクも含めてね。基本は部族だよね。国とかは幻想だと分かるよね。

    自分は歴史に詳しくないので知りませんが、ロレンスは結局、暗殺されたのかな。映画ではそんなシーンはなかったのですが、最後の方でファイサル王子が放つ言葉からすると、やっぱりそうなのかな。英雄に間違いないが、アラブからも英国からも戦後は邪魔と。

    しかし、モーリス・ジャールの音楽はたまらないね。

    今回上映されたのはリストア化されてものでしたが、このリストア化にはスピルバーグとスコセッシも協力しているのね。。

    砂漠の映画ではシェリタリングスカイなどがありますが、ものが違うね。

    次に劇場で見れる機会ははたして訪れるのかな。

    「お葬式」を観て伊丹十三の偉大さを再確認、結局、日本映画は黒澤と伊丹だけじゃないのかな



  • あまりにも強大な成功に負けてしまったビージーズ 、世界中をフィーバーさせたらね

    あまりにも強大な成功に負けてしまったビージーズ 、世界中をフィーバーさせたらね

    本日はGW開けなので軽い話題を、だけど内容は濃いよ。

    およそ半年前に劇場で「ビー・ジーズ 栄光の軌跡」というドキュメンタリー映画を見たのでした。半年たってもまだ記憶に残っているのです。

    ビージーズと言えば、映画「サタデー・ナイト・フィーバー」です。映画は1977年に公開ですね。主演のジョン・トラボルタの超々出世作どころが、時代をフィーバーさせた映画です。この映画とその時代がいかにすごかったかは世代で実感してわかっているのは今の世代で言えば55歳以上ぐらいかな。

    自分もこの映画の時代、山口県の萩という田舎町で青春を送っていました。そんな田舎町にいても何か時代がフィーバーしている熱気がわかったのでした。パチンコ屋さんは本当にフィーバーしていたもの。振り返れば、いろいろあったけど日本はここから、1989年のバブル崩壊までが最高潮で時代が酔っていた時代だったね。

    もとい、今日はビージーズの話しです。どうしてこの「ビー・ジーズ 栄光の軌跡」という映画が頭に残ったかは、映画の中で本人たちも語っているように、この「サタデー・ナイト・フィーバー」での映画での楽曲の成功があまりにも巨大すぎて、その後はこの巨大な成功のプレッシャーに負けてしまったということ。要は音楽という枠を超えて楽曲が時代を狂わせてしまったということ。本人たちにも分かっていた、もうこれ以上の成功はないと、時代を狂わせるほどのね。

    その前までもヒット曲連発していて、有名だったビージーズ。この映画の数年前から普通のポップスから時代を予見してディスコ調を取り入れていたのでしたが。

    現に「サタデー・ナイト・フィーバー」の2大ヒット曲はこの2つ。

    • 「ステイン・アライヴ」
    • 「ナイト・フィーヴァー」

    曲名からしても、「ステイン・アライヴ」は“俺、生きているよ”というそんなヒット狙いの曲名でもないんだね、本人(バリー・ギブ)も言っているようにね。

    やはり時代の空気というものは怖いものです。映画のストーリーも大したことないです。だけど、あのジョン・トラボルタの白い安っぽいスーツ姿で片手を挙げている姿と「ナイト・フィーヴァー」の曲がかかればその時代だもの。

    時代の空気を変えたということでは、BTSなんかもかなわないと思います。どうしてかは、全世界をフィーバーさせたのはこれだけだもの。マイケルのスリラーは巨大な成功だったけど、時代の雰囲気は変えなかったもの。

    ちなみに参考までに。

    クィーンの「We Are the Champions」は1977年。

    アバの「マンマ・ミーア」は1975年。

    雰囲気の似ているリチャード・ギア主演の「アメリカン・ジゴロ」は1980年。主題歌の「コール・ミー」(ブロンディ)、これはいいよ。

    また話しはビージーズに戻ります。

    ビージーズと言えばやっぱりこの人。髪がふさふさのバリー・ギブです。映画では彼が言うには、この大成功のプレッシャーにより、徐々に表舞台から遠ざかり、他の歌手に楽曲提供することを主力にしたと。その大ヒットに、

    • Woman In Love / バーブラ・ストライサンド
    • ギルティ – “Guilty” / バーブラ・ストライサンド & バリー・ギブ
    • ハートブレイカー”Heartbreaker” / ディオンヌ・ワーウィック

    このヒットだけでもすごいよね。

    昔を懐古してもしょうがないけど、「ナイト・フィーヴァー」は本当にすごかったね。マイケルはその後だよ。あのオリビア・ニュートン・ジョンもこの2023年の2月に亡くなったしね。寂しね。時代はかけていくね。

    映画「サーチ2」を観て、デジタルネイティブ世代にはかなわないことを痛感したよ