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  • 映画「まる」、最近の監督の荻上直子に外れなしを確信、やっぱり毒気と風刺ね

    映画「まる」、最近の監督の荻上直子に外れなしを確信、やっぱり毒気と風刺ね

    2024年10月30日(水)

    昨日の東京都心はかなり冷え込みましたね。2週間前に行ったパリと同じ気温かな。

    そして本日もまずは映画のお話から。

    日本橋のTOHOシネマズにこの映画を観に行ったよ。

    • 「まる」

    堂本剛が主演で話題ですが、自分は監督の荻上直子が目的です。彼女の前作「波紋」の辛辣な風刺が気に入ったのでね。今回もきつい風刺がいっぱいなのかな。

    「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子が監督・脚本を手がけ、堂本剛が27年ぶりに映画単独主演を務めた奇想天外なドラマ

    美大を卒業したもののアートで成功できず、人気現代美術家のアシスタントとして働く沢田。独立する気力さえも失い、言われたことを淡々とこなすだけの日々を過ごしていた。そんなある日、彼は通勤途中の雨の坂道で自転車事故に遭い、右腕にケガをしたために職を失ってしまう。部屋に帰ると、床には1匹の蟻がいた。その蟻に導かれるように描いた○(まる)が知らぬ間にSNSで拡散され、彼は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名人に。社会現象を巻き起こして誰もが知る存在となる「さわだ」だったが、徐々に○にとらわれ始め……。

    田の隣人で売れない漫画家の横山を綾野剛、沢田と同じく美術家のアシスタントとして働く矢島を吉岡里帆、コンビニ店員・モーを森崎ウィン、ギャラリーオーナーの若草萌子を小林聡美が演じる。堂本が「.ENDRECHERI./堂本剛」として音楽を担当。

    2024年製作/117分/G/日本
    配給:アスミック・エース

    現代アーティストが単純な絵で突然有名人になることはたまにある話しですが、やっぱり風刺たっぷりの映画でした。この手の映画をとらせると今では荻上直子がピカ一だと思います。昔ではアイロニーを効かせたのは伊丹十三だったと思います。

    今回は映画を観ながら、西加奈子の「さらば」を思い出したよ。(ちなみにここ15年で読んだ小説で一番自分が感銘を受けた小説です、小説の力を考えさせられました)

    綾野剛は適役だと思いましたが、小林聡美では筒井真理子(波紋の主人公)の毒舌に負けていると思います、適役は筒井真理子だね

    あの切れている女、吉岡里帆なのか、今気づきました。

    自分が観た会はやっぱり堂本贔屓の女性が多いと思いましたが、入りはいまいちかな。だけど飽きさせないよい映画でした、やっぱり最近の荻上直子にはずれなし

    見終わればここは日本橋室町です。お決まりの京都ラーメンの「ますたに」へ

    いつものようにまずはビールを1本。飲み終わればラーメンを。

    毒気もありましたが、今日も良い1日でした。

    ノルウェー版大豆田とわ子?映画「わたしは最悪。」を見たぞ。恋愛と人生に悩む現代人に送る、セリフが刺さる映画だよ

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  • 荻上直子が監督の「波紋」、伊丹十三亡き後、もっとも才能のある監督、西加奈子の「サラバ」だね

    荻上直子が監督の「波紋」、伊丹十三亡き後、もっとも才能のある監督、西加奈子の「サラバ」だね

    本日は映画のお話しです。

    数週間前から映画館の予告編を観て気になる映画があったのです。それは日本映画の「波紋」という映画なのでした。監督は荻上直子、主演は筒井真理子

    映画の詳しいあらすじも見ない中、ガチ劇場で観た感想です。

    非常におもしろい、怖い映画。監督の力量を認めます。脚本も荻上直子さんが書かれているのね。音の使い方が絶妙だね。特にあの場面場面で違う手拍子。斬新な手法に脱帽しました。

    こんな日本映画を観たのは久しぶりだな。この監督はあの伊丹十三亡き後、久しぶりに才能ある監督を見ました。話しの筋はこんな感じ。

    須藤依子(筒井真理子)は、今朝も庭の手入れを欠かさない。“緑命会”という新興宗教を信仰し、日々祈りと勉強会に勤しみながら、ひとり穏やかに暮らしていた。ある日、長いこと失踪したままだった夫、修(光石研)が突然帰ってくるまでは―。自分の父の介護を押し付けたまま失踪し、その上がん治療に必要な高額の費用を助けて欲しいとすがってくる夫。障害のある彼女を結婚相手として連れて帰省してきた息子・拓哉(磯村勇斗)。パート先では癇癪持ちの客に大声で怒鳴られる・・・。自分ではどうにも出来ない辛苦が降りかかる。依子は湧き起こる黒い感情を、宗教にすがり、必死に理性で押さえつけようとする

    主演の筒井真理子も才能を感じさせる人だね。こんな表情できる人、あんまり知らないね。しかしこの映画、筒井真理子なしには成立しないような迫力を感じるね

    きっちり2時間でまとめる力量はたいしたものです。話しとしては、自分は西加奈子さんの傑作小説「サラバ」に通じるものがあります。話しは脱線しますが、この10年で読んだ日本の小説でかこの「サラバ」が一番だと思うのですが、個人的には。

    女性監督と言えば、西川美和の「すばらしき世界」もいい映画だったね。あの世界の役所広司がシャバに戻ってきての不器用な元ヤクザものを悲哀をこめて演技しています。やっぱり女性の時代なのかね。

    今公開されている「ソフト/クワイエット」も女性監督のベス・デ・アラウージョだしね。これも風刺が効きすぎて怖い映画だよね、思想的にね、ヒトラーだもね。

    日本の男性監督はいつも言っているように細々した好きだのキライなどといった話しが多すぎるよ。筆頭はあのカンヌに行った、“怪物だれだ”の監督だよ。

    女性の方が才能を感じるよね。

    最後に話しを「波紋」に戻します。あの新興宗教、もっとエグイものにしてもよかったのかな。最後のあの踊りは何を意味しているのかな。赤色が鮮烈だったね。

    西加奈子の「サラバ」のようにネコが教祖でもよかったのにね。

    劇場でご覧いただくことをオススメします。夫婦で視聴はダメだよ。あの歯ブラシのシーンがあるのでね。

    「お葬式」を観て伊丹十三の偉大さを再確認、結局、日本映画は黒澤と伊丹だけじゃないのかな