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  • 「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」あまりにも完璧すぎた映画で少し違和感

    「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」あまりにも完璧すぎた映画で少し違和感

    2025年2月5日(水)

    昨日は話題の映画を渋谷のル・シネマに観に行ったよ。

    何たって、“2024年・第81回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞受賞作”だものね。新聞や週刊誌の批評は軒並み高いものでね。その映画とはこちら。

    • 「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」

    スペインの名匠ペドロ・アルモドバルによる初の長編英語劇で、2024年・第81回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したヒューマンドラマ。

    ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアという当代きっての演技派の2人が共演し、病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友のかけがえのない数日間を描く

    重い病に侵されたマーサは、かつての親友イングリッドと再会し、会っていなかった時間を埋めるように、病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み、自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時にはイングリッドに隣の部屋にいてほしいと頼む

    悩んだ末にマーサの最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。マーサはイングリッドに「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と告げ、マーサが最期を迎えるまでの短い数日間が始まる。

    「フィクサー」でアカデミー助演女優賞を受賞し、アルモドバルの短編英語劇「ヒューマン・ボイス」にも主演したティルダ・スウィントンがマーサを演じ、「アリスのままで」でアカデミー主演女優賞を受賞したジュリアン・ムーアが親友イングリッド役を務めた。

    2024年製作/107分/G/スペイン
    原題または英題:La habitacion de al lado
    配給:ワーナー・ブラザース映画

    観ての感想。映画としては完璧だと思います、だけどあまりにも流暢に流れすぎるストーリーと映像ビジュアル、完璧すぎて自分には少し違和感が残ったのは確か。主演の女優2人も役にハマりすぎて完璧すぎてね。何と言うか、もう少しスキを入れてもよかったのでは。

    まあ、アルモドバルの最高作になるんだろうね。繰り返しますが、ビジュアル的に色彩も含め完璧です、だけどあんなアパートメントとか最後の場所の家とか高そうだね、それは俗物か?服装の色彩感覚とかインテリアに興味のある人は必見です。

    話し自体は重いけれど、良い映画を観させていただきました

    観終われば、道玄坂の「喜楽」さんへ

    今日の行列は5名ほど。いつもと同じチャーシュー麺(1,000円)です。

    本日も充実した1日でした。

    映画「メイ・ディセンバー」、真実は自分にはわからなかったね、魔性の女

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  • ジャ・ジャンクーの「長江哀歌」、主演のハン・サンミンには参るよね

    ジャ・ジャンクーの「長江哀歌」、主演のハン・サンミンには参るよね

    2023年9月1日(金)

    本日は少し古い(約20年ほど)映画の話しだよ、それも中国映画です。

    丁度2週間前に目黒駅近くにある目黒シネマに「バクダット・カフェ」と「パリ、テキサス」を観に行った時です。その時に、9月初めの数日間、“ジャ・ジャンクーの初期傑作選2本立て”という告知を観たのです。その2本とは、

    • 長江哀歌(2006年)
    • 世界(2004年)

    自分はこの映画を数年前にどちらもDVDで観たことがあるのですが、劇場で上映されるとあっては見逃せません。

    はやセプテンバー(これ竹内まりや)の初日に出かけてきました。

    まずは2本立てで「長江哀歌」からです。自分はこの映画の方が「世界」より後の製作だと思っていましたが、確認すると「世界」のあとに「長江哀歌」を撮ったのね。

    特に世界は35ミリフィルム上映だったのでザラザラ感がたまりませんでした。

    まずは、「長江哀歌」から。

    これはもう主演の、ハン・サンミンだよね。この風貌と雰囲気、出せる人はこの人しかいないね。いかにも、出稼ぎの肉体労働者役やらせたら、たまらないね。これだけ白のランニングシャツが似合う男はいないよ

    途中でチャオ・タオの方に話しが振られるのは、庶民も中流階級もみんなこの三峡ダムで時代に巻き込まれるというか生活が引き裂かれていくということなのかな。

    驚いたのは、飛行物体とあの発射と綱渡りの映像、もうフェリーニの世界だね。セリフとセリフの間のとり方が絶妙だよね。もう日本の監督でこんな映画とれる人いないよね。

    この映画は“ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞グランプリ”です。

    中国の一番イケイケの時代にこんな映画を撮るむジャ・ジャンクーという人、ただものではないね。ただただ再び関心しました。

    2本目は「世界」です。

    こちらは主役は完全にチャオ・タオです。ジャ・ジャンクーにとってのチャオ・タオは、伊丹十三での宮本信子と同じだね。この人なくして、この人の映画はなりたたない。

    この映画も視点はすごいよね。なんたって、“北京から出なくても世界は見れる”という強烈な皮肉というか中国社会を揶揄しているのかね。アニメも入れるという斬新な演出でした。

    だけど、チャオ・タオのキーキーと聞こえるセリフがちょっと日本人には辛いね、まあ中国語の特徴だからしようがないか。

    だけど、終わりの方の場面でThe ランニング男のハン・サンミンが出ていたのにはニヤッとしたよね。この映画も監督の才能を感じさせます。

    ジャ・ジャンクーに酔った後はランチです。目黒に来たなら第一ターゲットは、「支那そば かづ屋」ですね。14時30分に到着。今日もまずはビールから。今日は財布にお金が入っていなかったので、つまみはなし。

    そして、本日の麺は「支那ソバ」(900円)です。やっぱり、美味いよ中華そば

    今日も楽しかったよ。

    「お葬式」を観て伊丹十三の偉大さを再確認、結局、日本映画は黒澤と伊丹だけじゃないのかな