土曜日の日本経済新聞の別紙に気になるコラムを見つけたのでした。
「マナーのつぼ」という連載で、本日のお題は“見舞いの手紙、封筒は?”というものです。筆者はマナーデザイナーの岩下宣子さんという方です。
記事に入る前ですが、自分はこの歳になっても、このコラムのマナー、すなわち、封筒にも一重と二重があり、使っていい用途があるということを知らなかったのです。
コラムの本文です。
新型コロナウイルス禍で、入院した知人を見舞うことが難しい昨今。お見舞いの手紙を書く機会は増えていると思います。先日、「目上の方への病気見舞いの手紙には裏紙のある二重の封筒を使っています」と書いた知人が、「病気見舞いのような不幸な手紙の封筒は一重よ!」と非難されたそうです。
確かにネットなどには「病気見舞いの手紙は、二度と起こらないようにと一重の封筒で」と書いてあります。読者の中にも、「病気がまたあるようになるから一重の封筒でしょ!」とおっしゃる方がいるかもわかりません。
一重の封筒は、人の死に関する「弔事」には必ず用いるものなのです。
死が二度と繰り返すことがないようにとの考えからです。
ですが、病気は弔事ではありません。その証拠に、病気見舞いに金銭を包む場合には、赤白の水引か赤い線が入った封筒や包みを用います。回復を願って差し上げるものだからです。お金などの包みは2枚重ねるのが正式です。
また、目上の人に手紙を差し上げるとき、正式には二重封筒を用います。普段のカジュアルなやり取りでしたら一重でもかまいませんが、きちんとするなら二重封筒がベターです。
上記の理由から、目上の方に病気見舞いの手紙を出すときは二重の封筒で構わないのです。もちろん目上でもカジュアルな関係でしたら一重の封筒でも問題ありません。迷ったときには、元の意味を考えると色々とわかります。
いろいろと考えさせられる文章です。
もう一度封筒の種類を整理しておきます。
封筒には、紙を一枚仕立てで作られた一重のものと、内側に内紙が貼られた二重のものがあります。この、内側が二重構造になったものが二重封筒と呼ばれます。 日本では、喜びが重なるようにとの意味で二重のものはおめでたいとされているため、二重封筒は正式な場合や目上の方に送る場合などに用います。 二重封筒は内側に内紙が貼られており、中身が透けて見えないようになっています。この“見えないようにしている”という配慮も、送り主への気遣いになり、かしこまった場合の封筒に適しているといえます。
まあ、あまり余計なことは考えずに、真心の入った手紙を送ってあげることが一番大事なのだと思いますが。マナーは難しいですね。