丁度1週間前にこんなタイトルのブログを書いたのでした。
“まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」”
この「輝ける青春」に大感動して、同じ脚本家のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリが担当したイタリアのドラマ「ジョルダーニ家の人々」というDVDを観たのでした。
上映時間6時間39分という長尺です。このドラマは東京の岩波ホールで2012年に上演された時は「13時40分から3回の休憩を挟み21時15分で終了」というものだったのです。
DVDでは4枚組です。
そして、自分は2週間の週末ですべてを見終えました。
はっきり言います。「傑作」です。現在の家族の問題、社会問題(難民、同性愛というジェンダーの問題)がすべて含まれています。やはり、ミケランジェロとルキノ・ヴィスコンティ、そして(ゴッドファザー)を生んだ国は偉大です。家族が流動化していく先進国の中流階級以上の問題をいろいろなエピソードを交えながら、多層的にドラマは展開していきます。
尊敬する向田邦子が生きていたら、日本でもこんな脚本を書くだろうな、多分。
ちなみに、原題は「Le Cose che restano」は”残るもの”という意味だそうです。このタイトルの高尚な意味は自分の思考範囲ではよく分かりません。
物語の概要です。
そしてふたたび、大きな愛につつまれる―
イタリアのある家族の離別と再生を6時間39分にわたって描く感動の大河ドラマ。脚本は「輝ける青春」のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリ
ローマに暮らすジョルダーニ家は、技術者の父、元医師の母、外務省で働く長男アンドレア、心理学者の長女ノラ、建築を学ぶ次男ニーノ、高校生の三男ロレンツォと、一見不自由のない幸せな家族に見えた。
しかし三男の不慮の死をきっかけに、家族は心に秘めていた問題や困難に向き合うなかで、一人ずつ家を離れていく。彷徨える者たちが運命のように出会う人々、不法移民の女性とその娘、不治の病のフランス人、戦場で記憶を失った大尉等・・・。
一本の川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび織りあわされて、血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく。
ラストシーンのジョルダーニ家の開け放たれた窓のように、さらに豊かに、開かれた未来に向かって―。
自分の備忘録として、配役を記しておきます。自分的には、この映画はアンドレア・ニーノ・ノラの3兄弟とシャーバの物語と思います。特にニーノとシャーバが最高の立ち回りを演じています。
アンドレア 演 – クラウディオ・サンタマリア 長男。
ノラ – パオラ・コルテレージ 長女。心理カウンセラー。
ニーノ – ロレンツォ・バルドゥッチ(イタリア語版) 次男。建築学専攻の大学生。
ピエトロ – エンニオ・ファンタスティキーニ 父。技術者。
アニタ – ダニエラ・ジョルダーノ 母。
ロレンツォ – アレッサンドロ・スペルドゥーティ 三男。
シャーバ – ファリダ・ラウアジ
アリナ – レイラ・ベクティ シャーバの娘。娼婦。
シモーネ・ニコライ教授 – ヴィンチェンツォ・アマート
フランチェスカ – アントニア・リスコヴァ シモーネの妻でインテリア・デザイナー。
カタルド刑事 – フランチェスコ・シャンナ 潜入捜査官。
ミシェル 演 – ティエリー・ヌーヴィック ノラの患者であるフランス人の銀行員。
ヴァレンティーナ – ヴァレンティーナ・ダゴスティーノ ニーノの幼なじみの親友で同じ大学で建築を専攻している女子学生。
ヴィットリオ・ブラージ大尉 演 – エンリコ・ロッカフォルテ ノラの患者。
いろいろな講釈を述べましたが、是非、心を構えて見るドラマです。
必観でしよう。考えさせられます。この感じ、やっぱりイタリアしか作れないんだろうな。