週初めの昨日月曜日に思い立って、渋谷にあるBunkamuraル・シネマにて絶賛上映中の「わたしは最悪。」という映画を見てきたのでした。きっかけは、そのキャッチコピーです。
ノルウェー版大豆田とわ子?! 映画『わたしは最悪。』はリアルな台詞が刺さる
自分は実は松たか子主演の「大豆田とわ子と三人の元夫」は見たこともなかったのですが、その“近年非常におもしろいドラマだった”という高評価は知っていたのです。
ちなみに、「わたしは最悪。」はこんな映画プロフィールなのです。
『わたしは最悪。』(原題・ノルウェー語: Verdens verste menneske)は、ヨアキム・トリアー監督による2021年のダーク・ロマンティック・コメディドラマ映画である。
『リプライズ(英語版)』(2006年)と『オスロ、8月31日(英語版)』(2011年)から続くトリアー監督の「オスロ三部作」の第3作である。
プレミア上映は第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で行われ、レナーテ・レインスヴェが女優賞を受賞した。第94回アカデミー賞には国際長編映画賞と脚本賞にノミネートされた。
話しは、主人公女性の20代後半から30代前半の恋とキャリアと日々の暮らしが描かれ、その物語はリアリティあるセリフに溢れています。私って、失敗の多い人生かもという自分探しの物語というのかな。それに恋愛と現代性が交わってきます。
一番の魅力はこの主人公を演じた女優のレテーナ・レインスヴェの魅力かな。カンヌでの主演女優賞も納得かな。2つ目は脚本が緻密で出来がすばらしいのです。物語は12章にカットされて、最後に最終章がついています。
まあ、あえて言えば本当にたわいののない話しをこれだけ魅力的な映画に仕上げるのは監督の力量でしょう。そして、オスロの街の風景がよいです。中盤に時がとまる映像演出は魅力的な演出です。そう、主人公が走っているポスターのカットの場面です。
北欧の映画というと、どうしても日照時間が少ない影響なのか、暗い風景の映画を思い出します。そう、自分のイメージではアキ・カウリスマキ監督なのです。西加奈子さんの最新刊「夜が明ける」も絶望的な主人公でアキ・マケライネンの北欧映画が取り上げられていたもんな。
だけど、この映画は違います。そうだよな、北欧がすべて暗い風景ではないんだよな。この映画では普通の美しいオスロが描かれています。
そして、最後に感心したところ。12章まで見終わって、さあ最後です。この拡散した物語をどうまとめて終わらせるのだろうと思ったのでした。心配したのかな。
だけど、数分の余韻のある終わらせ方には感心したんだな。監督の力量を確認できました。いまの時代、「ノッティングヒルの恋人」ような夢物語より、風刺の効いた現代という時代をきりとった物語の方がリアルさんがあっていいんだな。時代を反映するラブ・コメディーです。
自分的には非常にお薦めする映画です。あの女優さん、本当にいいね。