2023年11月6日(月)
3連休明けの月曜日です。本日は渋谷にまずは映画を観に行きます。その気になる映画は、劇場の予告編で、あのカトリーヌ・ドヌーヴ様が“今年(おそらく2022年)観た中で最も強烈な映画でした”というコメントをしていたので、是非観なければと思っていたのです。その映画とは、フランス映画の
- 「理想郷」
この映画は昨年の第35回東京国際映画祭にて最優秀作品賞にあたる東京グランプリのほか、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞の主要3部門を獲得し「並はずれた傑作」と絶賛されたようです。自分は全く知りませんでした。
ストーリーはシンプルで、田舎の地元民と都会から来たヨソ者とのその間にある分断と格差が招く対立を描く一種のスリラーかな。人間の心の深いところにある魔物を炙り出す物語です。話しこんな感じ。
スローライフに憧れたフランス人の中年夫婦、アントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)とオルガ(マリナ・フォイス)は、夜は星が降りそそぎ、緑豊かなスペイン・ガリシア地方の山村に移住する。有機栽培で育てた野菜を売り、古民家の修繕で村を活性化しようと夢がふくらんでいた。
ところが、貧困問題を抱え、閉鎖的な〝掟〟で縛られた村人たちには面白くない。とくに、村の風力発電所誘致プロジェクトに夫婦が反対したことで、補償金が欲しい村人の嫌がらせが始まる。隣家の兄弟は、夫婦が大事にした農作物をダメにするなどエスカレート。ある日、アントワーヌが人里離れた森で犬の散歩をしていると、兄弟が待ち伏せしていた…。
ここまでが夫の視点で描かれた第一部。怒鳴り合いや、つかみ合いのケンカも出てくる。第二部は一転、妻の視点で感情の葛藤が静かに描かれる。突然の結末に観る者は虚を突かれ、自身が巻き込まれたらどうしよう、どう解決するか、と考えを突きつけられる。