ブロードメディア(4347)という会社があります。
直近の2019年3月期の業績は下記のとおりです。
- 売上高 11,123百万円
- 経常利益 203百万円
- 1株当たり利益(EPS) 2.15円
何をしている会社かというと、釣り専門チャンネルやテレビの字幕などのスタジオ関係の事業から通信制高校の運営、映像配信やゲーム配信などを手掛けている会社です。
四季報の紹介では「配信事業に強みを持つコンテンツ事業者」と記述されています。
そして、直近の株価は75円程度です。
近年、詐欺被害などの不祥事も重なり、利益水準が低迷していますので、PERは現在35倍程度です。当然、配当は0円です。
こんな会社であれば、リスクを冒してまであえて保有するほどの株ではないと客観的には思われます。
そして、今回は何が言いたいかというと、この会社には裏優待が存在するということです。
株主総会での議決権行使書を返送するほか、インターネットによる議決権の行使を行えば、後日、議決権を行使した謝礼として、QUOカード(500円)がもらえます。
何故、議決権を行使するとQUOカードをもらえるかは、同社の株主構成に起因する理由があります。
最新の四季報による上位株主は下記のとおりです。
- ゴールドマンサックス 3.0%
- SBI証券 2.7%
- 藤田浩介 1.6%
- 自社口 1.4%
- 日本テラスティ信託口 1.3%
つまり同社には大株主が存在しないため、株主総会を成立させるためには50%以上の議決権を集める必要があります。会社法の定めは下記のとおりです。
会社法では、「株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権数の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う」と規定されています
同社は個人も含め株主が小株主の多数で構成されており、QUOカードのインセンティブを謝礼に支払ってでも、議決権行使書を集める必要があります。
事実、同社は近年、第三者割当増資などで大株主をつくる行為をしていない(株価も低迷してできない状況)ため、こんな株主構成が続いています。現にこのQUOカードはここ数年長く続いています。
最低購入単位は100株ですので、投下資金は株価が75円であれば、7,500円。
これで、500円の現金同等物のQUOカードがもらえるのですから、無配当株ですが、利回り6.6%になります。
そして、同社の株価はいわゆる低位株です。数年に一度、何かの材料で噴き上がることもありますので、それもお楽しみで保有してみてもおもしろいと思います。
ただ、この議決権行使のQUOカード謝礼は、株主構成に変化があれば、なくなることも頭に入れて投資する必要がありますね。
あくまで、投資は自己責任で。