2020年2月28日から始まった、国立劇場での「芸歴50周年記念 桂文珍 国立劇場20日間独演会」を新型コロナウィルスが襲いました。
この独演会がスタートする数日前には、政府から国立劇場はこの週末から2週間クローズとする旨の発表があったのでした。
だけど、文珍師匠は独演会を強行です。落語家は新型コロナウィルスにも負けません。
自分はこの政府のお達しを受けて、てっきりこの興行は中止になるものと思ったのでした。
だけど、文珍師匠は不死鳥のごとく、よみがえったのでした。
要は国立劇場側の興行は当然中止ですが、会場を貸すような今回の文珍師匠の独演会などは興行する側の判断となるようでした。
独演会のHPには、
桂文珍国立劇場20日間独演会は、予定どおり開催させていただきます。
なお新型コロナウイルス感染拡大の状況も踏まえ、前期(2月28日~3月8日)の公演につきましては、残念ながらご来場が難しいお客様におかれましては払い戻しの対応をさせていただきます。
そして、自分は家族3名で2月29日(土)の2日目のこの独演会のチケットを入手していたのでした。何と3列目という良席チケットです。
だけど、このコロナウィルスに恐れをなして、家族2名は自宅待機するとのことです。
こんなコロナ脅威の真っただ中での文珍師匠の独演会でどのくらいの人が来るだろうかと思いながら、興味津々で当日は1人で出かけたのでした。
今日のゲストは桂南光さんです。この独演会、20日間ぶっとおりしで、日替わりでゲストが変わります。
14時開演ということで、13時30分に到着し、すぐに売店でビールを購入し、入念に体内のアルコール消毒を行います。
この興行はチケットが売り切れていると思いますが、ざっと見渡したところ7割の入りかな。
東京の皆さんもコロナウィルスに負けていませんね。5割程度の入りかなと思っていましたが。
まずは、文珍師匠が出てきて、あいさつです。今日は白衣をまとっての、ケーシー高峰さんのネタから始まりました。
文珍師匠の口上がまた粋です。「皆さん、ご来場ありがとうござます。(会場をざっと見渡して)コロナウィルスは濃厚接触するとダメと言われていますので、このくらい空席があった方が濃厚接触しなくてすみますので、丁度よいあんばいです」と、うまいです。
今日はこんな感じの演目です。
- 「天災」 桂米輝
- 「新版 七度狐」 桂文珍
- 「火炎太鼓」 桂南光
(仲入り)
- 「女道楽」 内海英華
- 「けんげしゃ茶屋」 桂文珍
開口一番の桂米輝さんは、男版 瀬戸内寂聴かその筋の人に間違われる桂米輝と言って自己紹介していましたね。確かに、坊主頭と言い、雰囲気が瀬戸内寂聴さんに似ていますね。
そして、本日の聴衆で一番驚いたのが、だれも咳をする人がいなかったところです。これには驚きました。
本日の独演会はゆったりとして聴け、どの演目も面白かったな。
当然、仲入りの幕間には、再度、入念にビールでアルコール消毒を行ったことは、言うまでもありません。
文珍師匠の独演会、果たして20日間ぶっとおしでできるでしょうか。
文珍師匠は、明日の演目は困った演目だなと言っていました。明日の演目は何と「くっしゃみ講釈」なのです。時節柄、気まずい演目だなと嘆いていらっしゃいました。
文珍師匠、がんばれ。