タグ: モリコーネ

  • 「おつな寿司」で日本プロ野球の至宝とお並びカウンター、運動の大切さを力節し赤面

    「おつな寿司」で日本プロ野球の至宝とお並びカウンター、運動の大切さを力節し赤面

    2024年9月16日(月)

    世の中は3連休の真っ只中です。まあ自分たちには関係ありませんが。いつもと同じように過ごします。自宅で土日にDVDを1本づつ。

    • 「暗殺の詩/知りすぎた男どもは、抹殺せよ」
    • 「ザ・ガーディアンズ 報復」

    まずはこちらのロベール・アンリコ監督の「暗殺の詩」からです。話しはこんな感じ。

    ある国家機密を知ったデビッド(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、保安機関に追われる中、山村に暮らすトマス(フィリップ・ノワレ)と妻のジュリア(マルレーヌ・ジョベール)に助けられる。
    夫婦はデビッドが無実であることを知り、彼の逃走に加担する。国境を越え、三人を乗せた車は走る、が…。

    監督:ロベール・アンリコ
    ●脚本:パスカル・ジャルダン
    音楽:エンニオ・モリコーネ
    出演:ジャン=ルイ・トランティニャン/マルレーヌ・ジョベール/フィリップ・ノワレ

    製作国:フランス、102分、1973年

    ロベール・アンリコの観ていない作品を探していたら、こちらを見つけたのでね。だけど観ている時に気づいたのですが、数年前に観たね、ボケたのかな。ロベール・アンリコと言えば、やっぱり「冒険者たち」。

    こちらの「暗殺の詩」もサスペンスフルで興味深い映画です。

    だけどどうしてフランスはデブ系の名優が多いのかね フィリップ・ノワレしか、ドパルデューしかり。やっぱり音楽にモリコーネの名前があると、その映画の品格が上がるね。

    「ザ・ガーディアンズ 報復」はオルガ・キュリレンコとハーヴェイ・カイテル狙いです。

    話しはこんな感じ。

    オルガ・キュリレンコとハーヴェイ・カイテルが初共演したアクション。ある日突然、闇組織に娘を誘拐されてしまったシングルマザーのカリーナ。同じ犯人により息子を人質に取られたインターポールの汚職検察官と協力し、子どもたちの奪還を試みるが…。

    イタリアの都市、バーリで展開する話しですが、あまりにも都合の良いアクション映画かな。オルガ・キュリレンコにはもっと上質なお金のかかった映画に出て欲しいな。

    そして土曜日は六本木の「おつな寿司」へ。19時に2名で訪問です。

    我々は一番奥カウンターです。まずは黒ラヘルの瓶ビールです。今日のつまみは、“煮貝”と“煮魚”です。このつまみは軽くていいね。

    今日の握りです。まずは前半戦。

    • ひらめ
    • いか
    • あじ
    • 赤身まぐろ

    ここで、茶碗蒸しで仲入りです。後半戦です。

    • 大きな海老
    • 大トロ
    • たまご
    • 鉄火巻
    • おつな名物“いなり寿司”
    • あなご

    そして今日の白眉の話しは、自分たちのお隣の2人組です。軽いお話しもしながら歓談します。

    その2人組はもう食べ終わり、30分ほどて帰られたのです そして、大将が言うにはあの人〇〇さんだよと。これには驚愕しました。日本人なら誰でも知ているあの人です。 プロ野球界の至宝。連れはその方に運動の大切さを力説していました。人生最大の赤面事件です。

    ご馳走様でした。

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  • 坂本龍一の最後のコンサート映画「Opus」を観たよ、“あの音を求めて”だよ

    坂本龍一の最後のコンサート映画「Opus」を観たよ、“あの音を求めて”だよ

    2024年5月15日(水)

    昨日は不思議なものを観に行ったよ。多少怖いもの見たさでね。

    • Ryuichi Sakamoto | Opus

    あの坂本龍一さんの亡くなる間際のレコーディグというかそれを記録した映画です。

    坂本龍一自身が選曲した、これまでの軌跡を辿る20曲で構成 極上の映像と音楽で魅せる最初で最後の長編コンサート映画

    世界的音楽家、坂本龍一。1978年のデビュー以降”教授”の愛称で親しまれ、2023年3月に永眠するまで数々のアーティストに影響を与え、音楽シーンを牽引、精力的に国内外での活動を展開してきた。2年以上となる闘病生活を続けていた彼が、最後の力を振り絞り演奏した映像収録は、2022年9月、坂本が「日本でいちばん音のいいスタジオ」と評する東京のNHK509スタジオで8日間に渡り行われた。撮影で使用したのは2000年に坂本のためにカスタムメイドされ、長年コンサートやレコーディングで愛用したヤマハのグランドピアノのみ。名曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」、坂本の最後のアルバム「12」からの曲、そして初めてピアノ・ソロで演奏されたYMO時代の「Tong Poo」まで、自身が選曲した20曲から構成。ボーダーを越え活動を続けた坂本の軌跡を辿る曲目、鍵盤を奏でる指と音楽家の息遣い、その人生が刻みこまれた手。坂本自身がアプルーブし、入念なポストプロダクションを経てこの映画が完成した。坂本が全面的に信頼を寄せた監督と撮影クルーたちが慎重に撮影プランを練り上げ、全編モノクロームの親密かつ厳密な世界でひとつしかない宝物のような空間を生み出した。奇跡とも思える美しく儚い演奏は今、私たちの心に深く刻み込まれる。

    監督:空音央
    音楽、演奏:坂本龍一
    撮影監督:ビル・キルスタイン

    観ての感想。まさに静謐そのものの音楽が記録されています。自分としてはよい音の劇場で観られてよかったね。自分がタイトルをつけるとすると「あの音を求めて」です。本当にあの音が欲しいんだね。これエンニオ・モリコーネの本のタイトルです、わかる人にはわかるよね。

    自分は坂本龍一の音楽をあまり聞いていないのですが、あのミニマルな音が多くない方が圧倒的にいいよね、まさに“あの音を求めて”です。

    思い返せば、この1年でこの3本を劇場で観たものね。「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」「シェルタリング・スカイ」

    この音源、CD化されるのでしょうか?

    ちなみにセットリストはこんな感じ、参考のために

    1. Lack of Love
    2. BB
    3. Andata
    4. Solitude
    5. for Johann
    6. Aubade 2020
    7. Ichimei – small happiness
    8. Mizu no Naka no Bagatelle
    9. Bibo no Aozora
    10. Aqua
    11. Tong Poo
    12. The Wuthering Heights
    13. 20220302 – sarabande
    14. The Sheltering Sky
    15. 20180219(w/prepared piano)
    16. The Last Emperor
    17. Trioon
    18. Happy End
    19. Merry Christmas Mr. Lawrence
    20. Opus – ending

    観終われば、表参道の「まい泉」へ。14時訪問ですが、すごいことになっているね。30分以上並んでようやくありつけました。

    ビールととんかつ、日本人には応えられないね

    お天気もよく、最高の1日でした。

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  • 「ドル3部作」はまさに三方よし(監督・俳優・音楽)の映画、そして「おつな寿司」もね

    「ドル3部作」はまさに三方よし(監督・俳優・音楽)の映画、そして「おつな寿司」もね

    2024年3月28日(木)

    イタリアはナポリへの旅行記が続いていますが、本日は小休止を。帰ってきたからの近況を。

    まずしたことは、あの「ドル箱3部作」と言われる西部劇を観たことです。これは見逃せません。今週観たのは、この2本。

    • 『荒野の用心棒』
    • 『夕陽のガンマン』

    今回のこの企画はこんな感じです。

    不滅のマカロニ・ウエスタン3大傑作、日本初一挙上映! 面白くてカッコいい映画の原点にして頂点、それが《ドル3部作》だ

    《ドル3部作》 The Dollars Trilogy とは、『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』という3本のイタリア製西部劇=マカロニ・ウエスタンの総称。

    黒澤明監督の時代劇『用心棒』( をリメイクした『荒野の用心棒』は、1964年9月にイタリアで公開され、当時の興行記録を塗りかえる爆発的なヒットに。その勢いは瞬く間に世界中に広がり、各国でマカロニ・ウエスタンの一大ブームを巻き起こした。

    欧米ではスパゲッティ・ウエスタンと称されたこのジャンルは、70年代半ばまでの約10年間に500本近くが作られ、中でも主演クリント・イーストウッド、監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネの出世作となったこの3 本は、3年連続イタリア年間興収NO.1になっただけでなく、マカロニ・ジャンル傑作中の傑作として、初公開から60年近くたった今でも世界中のファンに愛されている。

    さらに『パルプ・フィクション』のクエンティン・タランティーノ、ジョニー・トー 『エグザイル/絆』 、キム・ジウン 『グッド・バッド・ウィアード』 、チャド・スタエルスキ 『ジョン・ウィック』シリーズ といった映画監督たちをはじめ、漫画家、アニメーター、ゲームデザイナーら、世界のサブカルチャーの担い手たちに絶大な影響を与え続けている。

    ただただ、痺れました。音楽よし、俳優よし、監督よしの三方あっぱれです。次は『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』です。名作はいつも観も名作なり。

    しそして、海外から帰ってきたらこれを食べたくなるね。“The すし”です。

    先週土曜日は六本木の「おつな寿司」へ。19時に3名で訪問です。

    入口近くのカウンターには欧米カップルが2組づつ。若大将がお相手です。我々は奥カウンターで大将の握りです。

    今日のつまみは、“ほたるいかの漬け”と“かつおの刺身”です。どちらもビールにバッチリです。つまみで瓶ビールを完飲、早、芋のお湯割りです。つまみから危険な香りがします。

    今日の握りです。まずは前半戦。

    • いか
    • ほたて
    • たい
    • さば
    • 赤身まぐろ

    ここで、茶碗蒸しで仲入りです。後半戦です。

    • ずわいがに
    • 大トロ
    • いくら
    • 鉄火巻
    • おつな名物“いなり寿司”
    • あなご

    後半戦のどこかで玉子焼きはあったのですが、失念。

    最後のデザートは抹茶アイス最中。本日の白眉は“大トロ”でしたね。

    本日も美味しゅうございました。ご馳走様でした。

    「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ

     



  • 1年待って映画「ミッション」を初めて観れた、「志乃ぶ寿司」はいわしが絶品

    1年待って映画「ミッション」を初めて観れた、「志乃ぶ寿司」はいわしが絶品

    2023年9月2日(土)・3日(日)

    今週の週末もいつもと同じルーティーンです。土日に1本づつDVDを鑑賞し、土曜日の夜は外食です。今回観た映画はこの2本です。

    • ミッション
    • おしゃれ泥棒

    「ミッション」は現在、DVDで視聴しにくい名作になっていね。自分はTSUTAYA ディスカスで約1年ほど待ってようやくレンタルできました。なんたって、デニーロとモリコーネだもんね。もう一人の主役はあのジェレミー・アイアンズです。あの超名作「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」の法皇ではないですか。

    映画の内容は宗教色が強く、スペインとポルトガルの南米への侵略の話しなのね。だけど、モリコーネ本人も言っているとおり、音楽が群を抜いてすごいね

    この音楽にアカデミー賞をあげなかったのは、アカデミーのまさに不覚というか錯乱ですね。

    「おしゃれ泥棒」は先週2回観たローマの休日のオードリーを懐かしんでね、それとウィリアム・ワイラーだもね。映画としてはワイラーにしてはかなり軽いコメディータッチになっています。オードリーもさすがに少し年齢を感じさせるね

    だけど土日に観る映画としてはいいよね、気持ちがハッピーになるもの。

    そして、土曜日の夕食は久々にここに行きたくなったんだね。奥まった赤坂にある老舗名店「志乃ぶ寿司」だよ。こちらのお店は、あの港区発行のスマイル商品券が使えるので、実質20%引きで食べれるということになります。半年ぶりの訪問かな。ちなみに前回はドボンでした。

    当日のお昼に予約の電話を。運よくカウンター席の2名が確保できました。

    19時に2名で訪問です。

    先客は3名ほど、後から外人のカップルと数名が来店です。

    まずは、サッポロの黒ラベルで喉の消毒です。つまみは、まずは光ものを切ってもらいました。あじ、いわし、さんまです。中でも群を抜いてうまかったのが、いわしです。脂がのっており絶品でした、大将もうまいでしょう、と合いの手です。

    ビールを飲みながらのこの刺身、至福の時です。相方は、にぎりをおまかせで大将に言っています。

    本日の自分の握りです。

    • 赤貝
    • 白身(これ何かな)
    • かつお
    • いわし
    • かんぱち
    • 玉子
    • あなご

    これに連れの鉄火巻きを2切れいただいかな。つまみにしても握りにしても、本日の白眉はやはり“いわし”だったね。

    最後のデザートは季節柄、メロンです。大将曰く、こちらのお店でも外人さんが多くなってきたとのこと、よくこんなところのお寿司屋を見つけてくるね。

    ちょっと小話を。大将に聞いたのですが、先日、永ちゃんも来たとか。近くに彼所有のリハーサルスタジオのodenスタジオがあるものね

    これで芋焼酎のお湯割りを数杯飲んで(何杯飲んだか記憶にない)、お勘定は14,000円です。

    今日もご馳走様でした。

    赤坂の老舗名店「志乃ぶ寿司」で再度ドボン、きっかけはお店に預けている“My 塩”でシャリ玉を食べるお客さんに引きづられて



  • モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね

    モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね

    あのタランティーノが放った名言、「かれは現代のモーツァルトだよ、現在のヴェートーベンだよ、現代のシューベルトだよ」と。

    そのモリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」(エンニオ・モリコーネ (著), アレッサンドロ・デ・ローザ (著))を3週間かけて読破したのです。弁当箱より分厚い本ですが、実に面白かったのです。音楽を勉強している人などにとっては自分の100倍ぐらいの吸収がある本だと思います。

    しかし、本のタイトルがしびれるね。(この言葉はモリコーネの言葉です)

    初期のモリコーネの名を高めたあのセルジオ・レオーネとの3作は「ドル箱3部作」と呼ばれているのですね。(荒野の用心棒・夕陽のガンマン・続 夕陽のガンマンのことだよ)

    そして、ストラヴィンスキーのことを再三とりあげて激賞していますね。音楽家にとってはすごい進歩を起こした人なのね。素人には今ひとつわからないストラヴィンスキーなのに。

    本から抜粋です。まずはルイス・バカロフの言葉です。(1933年生まれ、「イル・ポスティーノ」で第68回アカデミー作曲賞)

    アルバン・ベルクは1920年代に、シューマンの「トロイメライ」を研究していた。そのなかで、かれはこの曲を“完璧”にせしめている一連の要素に注目している。彼が注目したのは、音程の築き方、特に完全四度の使用についてだった。実際のところそれが正しいのかどうかはわからないけれどね。….

    エンリオがベルクの分析に関心を持ったかどうかもわからないが、彼の書いたメロディの多くがきわめて有名になったことを考えると、彼なりに何らかの“秘訣”を発見したのだろう。ただ、ここまでくれば、彼に直接訊いてみるよりほかないだろう。

    2014年3月26日

    次はモリコーネと一番多くの映画で連れ添ったジュリアーノ・モンタルドの言葉(映画監督、代表作は「死刑台のメロディ」)です。

    でもいいんだ。ぼくの傍らにはいつだってエンニオがいるから。優れた職人で芸術家でもある偉大なエンニオがいつもそばにいてくれるんだ。

    2014年5月26日

    特に、付録の「証言」というコーナーでトルナトーレがあの「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽について詳細に回答していますので、必読です。

    最後に本書の紹介文です。

    「疑いの余地なく、本書は、わたしに関して書かれた本のうち、詳細にわたり丁寧に検討された正真正銘の最良の書である。これは真実の書である。」 ──エンニオ・モリコーネ

    前衛音楽から映画音楽へ 若き音楽家との対話によって紡がれる マエストロの生涯とその創造のすべて

    『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『死刑台のメロディ』『エクソシスト2』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ミッション』『アンタッチャブル』『海の上のピアニスト』『鑑定士と顔のない依頼人』『ヘイトフル・エイト』…… 数々の名作で知られる映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネと若き音楽家アレッサンドロ・デ・ローザとの対話によって紡がれる、マエストロの生涯と創作の真実

    映画音楽は映画という芸術に対して何をすることができるのか。音楽としての純粋性を損なうことなく、大衆が理解可能な音楽はいかにして可能か。音楽は人と人をどのように結びつけることができるのか。そして、なぜ人は作曲を続けるのか。

    本書には、モリコーネが歩んできた人生、映画音楽家としての活動、 経験、その音楽が生まれた契機と育まれた経緯のみならず、彼が生きた歴史・社会・文化的状況をめぐる思いのすべてが綴られる。

    映画、ラジオ、テレビといった様々なメディアが到来しては次々に様相を塗り替えていった現代社会のなかで、「音楽」はそこに何を残すことができたのか。決して音楽の世界に閉じこもることなく、新しい環境のなかに飛び込み、苦闘した作曲家はやがて映画音楽界の巨匠と呼ばれるようになる。

    ゴッフレド・ペトラッシのもとで作曲を学び、ダルムシュタットでジョン・ケージと出会った作曲学生時代。そしてRAI(イタリア放送協会)やRCAでプロとしてのキャリアをスタートしてからの下積み。その後のセルジオ・レオーネ、ベルナルド・ベルトルッチ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ダリオ・アルジェント、ジュゼッペ・トルナトーレ、ジョン・カーペンター、オリヴァー・ストーン、ブライアン・デ・パルマ、ペドロ・アルモドバル、ロマン・ポランスキー、クエンティン・タランティーノらとのコラボレーションに至るまで、モリコーネの生涯が詳細に語られる。

    楽しい読書体験でした。

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  • 「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ

    「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ

    本日の午前に予告編で紹介されたときから観たい映画を観に行ったのです。その映画とは、「モリコーネ 映画が恋した音楽家」なのです。監督は、あのジュゼッペ・トルナトーレです。正確にはドキュメンタリーかと思いますが、モリコーネを撮るにはの人トルナトーレしかいませんね

    まだ、公開されて5日目ですが、地味なモリコーネを扱う映画に午前の回でも多く人が来ていたのには驚きました。

    感想ですか?至福の2時間37分を過ごさせていただきました。全編トルナトーレのモリコーネ愛が溢れているのです。予告編でもタランティーノが絶叫していた“現代のベートーベン”の仕事ぶりが見れたののですから。

    冒頭のモリコーネの仕事場と楽譜を書く姿を見れたのはミーハーな自分にとってはもうそれだけで良いという感じなんだな。

    映画で分かったのは、若いころ作曲の理論を相当に勉強しているのね、当たり前か。そして、キャリアの最初はポップスの作曲や編曲をしていたのね。

    映画音楽を手掛けだしての最初の名声はあの「荒野の用心棒」の印象的な口笛でテーマ曲。確かに斬新すぎます。時が経てわかる革新性。「続・夕陽のガンマン」でのコヨーテの鳴き声。最高です。オリバー・ストーンが自分の映画でモリコーネに「荒野の用心棒」のような楽曲が欲しいと言ったのには笑ったね。

    モリコーネ、イーストウッド、セルジオ・レオーネ にとって名声を確立したマカロニ・ウェスタンの3部作ですね。

    この映画の中での登場人物も、パット・メセニー、クインシー・ジョーンズ、スプリングスティーン等々、豪華絢爛です。

    自分が初めて知ったのは、レオーネの「ウェスタン」の冒頭のハエの音などもモリコーネの音楽の一部なのね。すごい斬新性。

    そして「ミッション」の音楽はモリコーネ自身が語っているように、メロディーが天から舞い降りてきたと。これでその年のアカデミー音楽賞がハンコックのラウンド・ミッドナイトとは。アカデミーが本当に間違いを犯したんだね。既存曲のラウンド・ミッドナイトに負けるとは。モリコーネが語っている方が100%正しいね。

    断った仕事で1つだけ後悔したのはキューブリックの「時計じかけのオレンジ」 だと。

    「シシリアン」の音楽制作には苦労したと等々。

    そしてタランティーノが吠えるのは最後のほうだよ。“現代のモーツァルトだよ、現在のヴェートーベンだよ、現代のシューベルトだよ”と。「ヘイトフル・エイト」の楽曲は交響曲調に書いたよと。これでアカデミー音楽賞をとったんだね。その時のプレゼンターはクインシーだよ。アカデミー名誉賞の時はイーストウッドがプレゼンター。

    アカデミーの会場でモリコーネとジョン・ウィリアムスが一緒に座っている姿を見ると、涙ものですね。

    この映画の終わり方もよいね。モリコーネ曰く、

    • 自分がベートーベンかどうかは200年経過しないとわからないよ
    • 自分は絶対音楽と現代音楽の融合を目指してきた

    この映画、自分ももう1回映画館で観て、DVDが発売されたら永久保存のために購入すると決めました。

    もう一度言います、現代の天才の仕事場と仕事ぶりが見れるのはこの映画だけだよ。その意味でもトルナトーレには感謝しかないね。これだけプライベートを撮らせるのを許される人はトルナトーレしかいないんだもの。

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  • ニューシネマパラダイスの監督を描いた「トルナトーレ 我が映画人生」でモリコーネとの絆に涙したな

    ニューシネマパラダイスの監督を描いた「トルナトーレ 我が映画人生」でモリコーネとの絆に涙したな

    この週末に大変興味深い映画というか、ドキュメンタリーを見た。

    そのDVDのタイトルは「トルナトーレ 我が映画人生」というものです。

    あの「ニューシネマパラダイス」で有名なジュゼッペ・トルナトーレ を本人と関係者がその映画人生を語るというものです。

    ちなみに自分の中での映画のベスト3は以下のとおりかな。

    • ゴットファザー1(天才コッポラ渾身の一作)
    • ディアハンター(マイケル・チミノはこれ一作を作っただけで歴史に名を遺した)
    • ニュー・シネマ・パラダイス

    無理やり3本を選べと言われたらこうなりますが、他にはルキーノ・ヴィスコンティの「山猫」やロバート・ワイズの名作「サウンド・オブ・ミュージック」などが上がります。

    で、今回、「トルナトーレ 我が映画人生」を見て初めて知ったことで、興味深いことが多々あったのです。

    アマゾンの紹介文です。

    アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ニュー・シネマ・パラダイス』で賞賛を集め、それ以降、『海の上のピアニスト』『マレーナ』『鑑定士と顔のない依頼人』など、数多くの秀作を撮り続けている名匠ジュゼッペ・トルナトーレに迫るドキュメンタリー
    トルナトーレ本人はもちろんのこと、ティム・ロスやモニカ・ベルッチ、ジェフリー・ラッシュなど彼の監督作に主演した名優たちや映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネらのインタビューなどから、トルナトーレの映画作りや、映画に掛ける情熱を浮き彫りにする

    歴史的な名作「ニューシネマパラダイス」は最初4時間近い映画でイタリアで公開したが、全く芳しくなく、3時間弱程度に縮めてもサスペンス映画のようになり、全く興行的にダメだったのこと。

    そして、約2時間のバージョンを作成し、アメリカのアカデミー賞で賞を獲得したことで、世間の評価が変わったこと。

    アカデミー賞を獲得してイタリアに帰国して、記者からのインタビューを全く無視し、次回作に仕事にすぐにとりかかったとのことです。

    そんな中、あの巨匠のフェリーニから突然電話が掛かってき、めったにないことだから「楽しめよ」という言葉をもらったとのことです。

    そして、「シチリア! シチリア! 」は彼の育ったシチリアの村を再現した映画とのことです。撮影は、対岸のアフリカのチュニジアでその村のセットを作って、予算的にも大変な映画だったことが語られます。

    特にこの映像の中で印象深かったのは、あの故エンリオ・モリコーネがトルナトーレを語る映像には胸が打たれました。極め付きは、トルナトーレとモリコーネ、ドパルデューが揃ってモリコーネの曲を楽しく歌う映像にはしびれました

    モリコーネは語ります。トルナトーレが語る「モリコーネは自分の父であり、息子でもある」と語ることに、二人の間の強いつながりを感じました。

    現代の映画界のマエストロの「トルナトーレ 我が映画人生」は監督を目指す人にとっては必見と思った次第です。

    だけど、トルナトーレはかなり内気な人で、仕事中毒のシチリア人ですね。

    基本的には同じイタリア人でもシチリア人とナポリ人を比べれば、月とスッポンほど違うと、トルナトーレは話していたのでした。とにかくシチリア人は、外交的な性格の人種ではないと言い切っていたのが印象的でした。

    「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ





  • 追悼 エンリオ・モリコーネさん91歳で死去。20世紀後半の一番偉大な作曲家を失くしました

    追悼 エンリオ・モリコーネさん91歳で死去。20世紀後半の一番偉大な作曲家を失くしました

    現在の音楽家で一番偉大と自分は思っているエンリオ・モリコーネ(Ennio Morricone)先生が新型コロナウィルスで自粛が求められているこの時に、2020年7月6日にご逝去されたという報道を自分は7月7日の日本経済新聞の訃報欄で知ったのでした。

    E・モリコーネさん死去 映画音楽の巨匠、91歳

    イタリアの作曲家で、「ニュー・シネマ・パラダイス」など数々の映画音楽を担当した巨匠、エンリオ・モリコーネさんが7月6日、ローマの病院で死去した。91歳だった

    大腿(だいたい)骨を骨折し入院、手術を受けた後、容体が悪化したという。イタリアのメディアが報じた。

    名門サンタ・チェチーリア音楽院で学び、1950年代から活躍、400本以上の映画音楽を手掛けた。

    マカロニウエスタンの代表作「荒野の用心棒」をはじめ、幼なじみでもあるセルジオ・レオーネ監督の多くの作品で音楽を担当。

    口笛によるメロディーなど、叙情的で優雅でありながら強い印象を与える音楽が特徴として知られていた。

    衝撃を受けました。

    このような報道を受けヨーヨーマ(Yo-Yo Ma)のがTwitterでエンリオモリコーネの追悼のニューシネマパラダイスから愛のテーマを演奏した動画と、つぶやいた言葉です。

    私はエンリオ・モリコーネが情熱(energy)・空間(space)・時空(time)としての音楽で描いてきた手法を決して忘れないでしょう。

    それはおそらく自分が今まで聞いてきた最も簡潔で正確な表現方法だったのです。

    我々は本当に彼がいなくなって寂しい思いをするでしょう。

    ヨーヨーマとモリコーネは「ヨーヨー・マ・プレイズ・モリコーネ 」という作品を一緒につくっていますね。これは間違いなく名盤です。

    エンリオ・モリコーネは小泉純一郎さんが首相だった時、一番好きな音楽家は誰と聞かれて、もちろん、モリコーネと答えた記憶が鮮明にあるんだな。

    おそらく20世紀後半の一番偉大な作曲家だったと自分は確信しています。

    映画音楽の中でどれが一番好きかと問われれば、自分はモリコーネの「ニュー・シネマ・パラダイス」か、スタンリー・マイヤーズ作曲による映画『ディア・ハンター』のテーマ曲の「カヴァティーナ」の2つのうちのいずれか一つになると思います。

    だけど、クリント・イーストウッドとセルジオ・レオーネが組んで作ったマカロニウエスタンのモリコーネの音楽は斬新で奇抜で才気あふれるものです。

    残念ながら、本場のアメリカのウエスタン映画で音楽が浮かぶ映画はほとんどありません。

    本当に偉大な人物を亡くしました。ご冥福をお祈りします。