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  • イタリア賛歌、指揮者のチョン・ミョンフンにその魅力を聞くと「人間が生きる喜びがあそこにはあるんだよ」

    イタリア賛歌、指揮者のチョン・ミョンフンにその魅力を聞くと「人間が生きる喜びがあそこにはあるんだよ」

    2020年12月20日の日曜日の日本経済新聞の中面での、宮本亜門さんのエッセイに目が留まったのでした。タイトルは、「ルネサンス建築に心引かれて」というものです。

    フランスやポーランド、イギリス、イスラエルとさまざまな国の人たちとオペラを創ってきたが、みな口をそろえて「イタリアでは仕事をするな」と言う理由は「絶対に予定通りに進まないから」。でも本当はみなイタリアが大好きで、バカンスに行ったと言っては自慢げにその魅力を語るのだ。

    僕もイタリアが大好きだ。きっかけは21歳のときに見た映画「ドン・ジョヴァンニ」だ。イタリア各地で大がかりなロケが行われた作品で、圧倒的に美しい建築が次々と出てくる。

    (中略)

    なかでも僕が夢中になったのは、ベネチアの西60キロほどのヴィチェンツァの町だ。パラーディオの代表作とされるヴィラ・ロトンダがある。美しい丘陵に造られた16世紀の個人の邸宅で、4面に神殿風の玄関があるのだが、威圧的な雰囲気はまったくなく、品格に満ち、そこに立つ人まで優雅に見せる。

    (中略)

    演出家になってからも、スポレート音楽祭やベネチア・ビエンナーレを見に行ったり、父とアッシジを訪ねたりと、イタリアへの旅はもう20回をゆうに超えた。先駆的な文化を発信する一方で、歴史ある建築や美しい自然に囲まれ、人々はおいしい食事をしながら今を楽しんでいる。この絶妙なバランスはほかの国では感じたことがない。

    タリアに住み、骨をうずめたいと常々言っている韓国人の指揮者、チョン・ミョンフンさんにその魅力を聞いたことがある。「人間が生きる喜びがまだあそこにはあるんだよ」と答えた。僕も「仕事抜き」のイタリア通いを再開できる日が来ることを、心から願っている。

    実は、自分も旅先はイタリアが一番好きなのです。記録を見ると、2004年の夏に訪れたのが初めてかな。以来、7-8回は通っていると思います。

    そして、一番好きな町がベネチアかな。シチリアのエキゾチックさ、アマルフィの絶景もよいけど、ベネチアのサンタルチア駅を出ると、すぐに運河というシチュエーションには参るんだな。

    そんなイタリアですが、トラブルもよく起こるのです。一度、ローマのテルミニ駅周辺のホテルに宿泊した時には、ベルボーイに預けたスーツケースが誰かに盗まれたのでした。

    小学校に入学したての長女が私の母のスーツケースを転がしながら、ホテルから出て行った人を見たというのです。そして、正式な紛失証明書をもらうために、イタリア中央警察まで出向いたことがあるのです。対応してくれた警察官は、何も聞かず、サインだけして証明書をくれたのです。こんなの日常茶飯事だというように。

    ある時は、チュニスからシチリアへフェリーで渡り、深夜12時にタクシーなどが全くいない港で降ろされたのでした。町の中心部まで歩くこと30分。バーでタクシーを呼んでもらい、トラーパニからパレルモまでタクシーで3時間ほど高速をぶっ飛ばしたのです。3万数千円の料金をとられ、財布にも痛い出費でした。

    そんなトラブルにも多々遭遇する国ですが、やはり愛すべきお国なのですね。

    自分はいついけるかな。

    2021年10月、日本からイタリアへの入国。パスポートの提示だけで超簡単に入国できるとは驚いた





  • カルロスゴーンの逮捕を見て、「地獄の黙示録」のカーツ大佐を思い出した。また、替わりが現れるだろうということ

    カルロスゴーンの逮捕を見て、「地獄の黙示録」のカーツ大佐を思い出した。また、替わりが現れるだろうということ

    ここ最近、カルロス・ゴーンが逮捕された話題でもちきりです。

    事の本質と真偽は裁判が結審するまでわかりませんが、マスコミから流される報道だけを見て判断するに、結局、人間の本質は変わらないということ

    この事件を見て、自分の好きな映画の一つ「地獄の黙示録」のカーツ大佐のことを思い出しました。この映画は自分の大学生の時に封切られた。コッポラ監督の超大作ということで、期待して映画館で観た覚えがある。

    だけど、その時の感想は、「なんじゃこの映画。全く意味がわからない」と思った。

    その後、DVDを購入して30代の時に再び観た。この時は上映時より時間が長いバージョン。

    年齢を経て、社会経験を経て、ようやく意味がわかった気がする。

    結局、人間の本質は変わらないものということを言いたいんだよな。

    ベトナムのジャングルの奥でカーツ大佐が自分の帝国を築く。それを良しとしないアメリカが

    大尉のマーティン・シーンを派遣して暗殺させ、帝国をつぶそうという話し。結局、カーツ大佐を殺しても、また、第2のカーツ大佐を作り出してしまうということ。原作はコンラッドの「闇の奥」。

    もちろん、マスコミで流されていることが事実であれば、カルロス・ゴーンがやったことは許されるものではないが、人間の本質は変わらないのであるから、また、日産でも他社でも第2、第3のカルロス・ゴーンが現れることだろう。

    自分の手帳にメモしている言葉。昔の日経新聞で冨士ダイスの新庄鷹義社長が言っていた言葉。「会社の幹部の品性は能力に優先する」と。

    また同じく以前掲載された日経新聞の「私の履歴書」から元野村証券社長の田淵節也さんの言葉。自分のメモより。

    人間の器量の大きさを指す「清濁併せ呑む」というのは好きな言葉だ。世の中には善い人間もいれば、悪い人間もいるが、本当に判別できるものなのか。何が清で何が濁か、人間には分からない。神様だけがご存じで、評価はうんと後になってから分かる。

    そしてもう一つ

    経営者の資質で最も大事なのは「運・鈍・根」の「鈍」ということを学んだ。運は誰にも巡ってくるし、根気強い努力も大切だが、鈍に徹するのが一番難しい。「切れ者は警戒されてうまくない」と教えられた。

    そんなことを思いおこさせた事件でした。以前の奥さんと離婚されていない時に、麻布十番の奥まったところに、ゴーンさんの奥さんが開いていた「レバノン料理」のレストランを思い出しました。

    しかし、コッポラの中で一番好きな映画は「ゴッドファーザー Part1」だけど、コッポラを破産させるほどお金をつぎ込んで製作された「地獄の黙示録」も超おすすめの映画ですよ。