それは香港で食べた中華の飲茶から、はまってしまったのです。
香港の飲茶で「鼓汁鳳爪」or「鼓汁蒸鳳爪」(鶏の足の黒豆ソース蒸し)か「辣汁蒸鳳爪」(ピリ辛)という名前で出ているメニューです。
飲茶が回ってくるワゴン形式なら、蓋をとって姿を見ればすぐに分かる一品です。
そう、鶏の足の料理だからすぐにわかるのです。香港の飲茶の定番です。
「韮香蒸鳳爪」(ニンニクと鶏の爪蒸し) 「紅焼鳳爪」(鶏の足の醤油煮込み)などといった料理もあります。 「鳳爪」とは「鳥の足、もみじ」と表現されます。
では何故、この料理はそんなに人気があるのでしょうか?
大前提として、当然、美味しいから人気があるのですが、味に深みと甘みがあり、コラーゲンたっぷり。甘いソースが好き。柔らかい食感も好き。
鶏の足の姿そのままで出てくるとあまり食欲が湧きません。日本人が見たらびっくりする点心の一つです。香港人と飲茶に行くと必ず勧められる一品です。
見た目はグロテスクですが、食べてみると意外とおいしい。味付けは、醤油で甘く煮た感じで、プルプルとした鶏肉の皮のような食感はあまり違和感を感じません。骨にまとわりつくような肉は、鶏の旨みが確りと付いており、とても美味。コラーゲンたっぷりで美容にも良いので食べず嫌いは損する一品なのです。
で、この「鼓汁鳳爪」ですが、家庭でも実に簡単に作れるのです。そして、味も遜色ない味に仕上がります。
だけど、この鶏の足、通称もみじですが、普通のスーパーでは当然売っていません。丸鶏(中抜き)を買ってもきても、 モミジは切り離されているので目にする機会はありません。
肉屋さんで「もみじってありますか?」と尋ねれば出てくると思います。
だけど、業務用スーパーの「ハナマサ」さんでは冷凍の巨大なモミジを販売しています。
そして、先日、自分も「ハナマサ」でこのモミジの冷凍の塊を買ってきたのでした。巨大な塊で500円ぐらいです。これを少しづつ解凍して料理するのです。
解凍した後、もみじの下処理が必要で、もみじには鋭いツメがあります。
これをひとつひとつ切り離しておきます。ひとつのもみじで3箇所切り離さなければならないので結構面倒です。
また、このハサミで爪の部分を切り離していく作業はかなりグロテスクです。
ここからが料理の手順です。
- ますは鍋にモミジを入れ、ひと煮立ちさせたら茹で汁を一旦捨てます
- そして、再度、柔らかくなるまで煮ます
- 再び鍋にお湯を張り、潰したニンニク、ショウガ、さらにネギでも加えてコトコト1時間ぐらい煮込みます。
- 1時間ぐらい煮込み、煮汁が若干減ってきた頃に醤油、みりん、 老酒、八角、唐辛子等を入れて煮詰まるまで1時間ぐらい煮て、モミジがプルンプルンになったら出来上がり
出来上がりはこんな感じです。トロトロになったところを素手でかぶりつきます。
おそらく自分なりに解釈すると、この料理は八角が決め手で、だれが作ってもレストランと同じような味になると思います。だから、八角だけは必ず準備しましょう。若干手に入れにくい食材です。
そして食べきれずに残ったら、数日後に今度は電子レンジでチンして食べれば、味が更に煮しまっておいしいですよ。
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