あのジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ原作の映画「靴ひものロンド」を鑑賞、自分的には監督の演出がよくないな

有楽町にあるヒューマントラストシネマという映画館を初めて訪れたのです。観に行った映画は「靴ひものロンド」というイタリア映画なのでした。実は数日前まではこの映画も原作も全く知らなかったのですが。

この映画を知ったきっかけは、先週末金曜日の日経新聞の夕刊の「シネマ万華鏡」だったのです。その映画批評の写真に自分の知っている男優が写っていたのです。

あの名作の「輝ける青春」の主人公を演じたルイジ・ロ・カーショが出演しているのかと。この「輝ける青春」(邦題は本当にダサいですが、内容は折り紙つきです)はラジオでロバート・ハリスさんが推奨されていて、自分も鑑賞し深い感動に包まれたのです。このルイジ・ロ・カーショは日本の俳優の故加藤剛さんに雰囲気が似ているね。自分、古いね。

そして、日経の批評はこんな感じです。

2017年、米ニューヨーク・タイムズ紙の“注目の本”に選出されたイタリアの作家ドメニコ・スタルノーネの小説「靴ひも」(映画の原題も同じ)を、「ローマ法王になる日まで」(17年)のダニエーレ・ルケッティが脚本を書き、監督した。

1980年のイタリア・ナポリを主要舞台に、夫婦と子供(姉と弟)ら一家4人の30年間を描く。中年期と老年期、子供から大人へと成熟する4人は同一俳優が演じるのではなく、年齢に合った別の俳優と交代、ドラマ前半の中年期の印象的なエピソードを老年期の夫婦が振り返ることで、年齢を重ねた同一人物だとわかる見せ方が目新しい。

この批評だけではおそらく見に行かなかったと思うのです。後押ししたのは、アマゾンで原作をチェックしたときです。

荒らされた家、消えた猫……本当に失ったものは何だったのか。ふたりの子どもと妻を残して、夫は若い女と暮らすために家を出た。四十年前の危機を、乗り越えてきたはずの家族。彼らを繫ぎ留めていた紐帯は、留守宅を襲う何者かによって、ぷつりと断たれた――。ジュンパ・ラヒリが惚れ込んで英訳し、全米で絶賛された家族小説

自分的には、この“ジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ”という一文を見て、見に行くしかないなということになったんだな。

見ての感想です。骨太なストーリーではなく、非常に繊細な物語なのね。だけど、監督の“年齢に合った別の俳優と交代”は必要なかったのでは。十分にメイクをすれば中年期も老年期も演じられると思うのですが。子供たちはしかたありませんが。そのため、全く顔と体型が違う(ルイジ・ロ・カーショの役)ので、同一人物の物語なのか話がわからなくなるのです。自分的には奥さんは再婚したのかと思いました。

それと、映画を観ただけでは靴紐の結び方が何故それほど重要か、わからなかったんだな。原作の方はもっと深みがあるんだろうな。多分。

繰り返しますが、繊細なストーリーですね。このストーリー、女性が観ると違う感想を持つのかな。だけど、イタリア映画は良いね。そして、不倫相手(これは不倫じゃないか)の女性は魅力的でいいですね。何を観ているんだか!

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