エッセイでトーネットの椅子というのを初めて知ったよ、ピカソもマティスも描いたとはね

昨日もイスの話しでしたので、そのイス繋がりで本日も椅子の話しなのです。だけど、本日は修理の話しではないよ。

椅子フェチ?な自分でもかなり有名なこの椅子のことは知らなかったのです。今週木曜日(3/9)の日経新聞夕刊の「あすへの話題」でそのことを知ったのです。

執筆者は前金融庁長官の氷見野良三さんです。(余談ですが、この方、次の日銀の副総裁なのね)エッセイは題して、“トーネットの椅子”です。エッセイからの引用です。

ミヒャエル・トーネットは、18世紀末にドイツの村に生まれ、家具職人になった。

木の棒を美しい曲線に曲げる方法を発明し、オーストリアの宰相メッテルニヒの知遇を得てウィーンに移った。美しく、軽く、座りやすく、廉価な椅子をデザインし、息子たちと共に5千万脚以上を売った。

ピカソもマティスもキリコもホックニーもトーネットの椅子を描いた。トルストイ家の食堂にもそれがあった。建築家ル・コルビュジエは「白壁にトーネットの椅子さえあればそれでいい」とまで言った。(個人的な感想: 巨匠の名前を見ただけですごいね)

(中略)

トーネットの椅子は、ぎりぎりまで無駄や恣意性をそぎ落とし、機能から必然的に生まれたかのような形態をとって「最初のコンシューマー・チェアー」と呼ばれた。

同時に、固有の文化の記憶を引き継ぎ、14番は「ウィーンのカフェの椅子」「ビストロ椅子」、9番は「ウィーン椅子」と愛称された。

現在では正規品はとても手が出ないような値段だし、模倣品は良く似せているのに何かつるっとしている。悪くはないが、いかにも大量生産という感じがする。

普通の市民が、経済的に、機能的に、エレガントに、豊かに生きられるようにするにはどうしたらいいか。答を見出すためには、それぞれの時代ごとに新たなトーネット氏の出現が必要になるのかもしれない。

自分はこのトーネットの椅子というものを本当に知らなかったのです。恥ずかしいね。あの有名なYチェアなんかよりもかなり前なんですね。写真を見ると形はよく見かける椅子です。まあ、リプロダクトでしょうが。

ちなみに「ウィーンのカフェの椅子」と呼ばれる14番はこんな椅子です。

「ウィーン椅子」と呼ばれる9番はこんな感じです。

ちなみに気になるお値段ですが、正規品だと14番ですと160,000円ぐらいですね。リプロダクト商品なら、ちなみに無印良品なども手掛けており5~6万円で購入できるようです。

余談ですが、自分のダイニングのチェアはBC工房なんだな。4脚ほど。これを20年使っているかな。数年前に一度革を張り替えて使用しています。名前は「ゆったりもとい椅子」。この型をすごく気にいっているのですが、すでに廃盤となったのです。青山からも撤退して、残念無念です。

やっぱり椅子は高くても高品質のものがいいよ。値段は高くとも、経過年数で元がとれるもの。

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