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  • 「ドル3部作」はまさに三方よし(監督・俳優・音楽)の映画、そして「おつな寿司」もね

    「ドル3部作」はまさに三方よし(監督・俳優・音楽)の映画、そして「おつな寿司」もね

    2024年3月28日(木)

    イタリアはナポリへの旅行記が続いていますが、本日は小休止を。帰ってきたからの近況を。

    まずしたことは、あの「ドル箱3部作」と言われる西部劇を観たことです。これは見逃せません。今週観たのは、この2本。

    • 『荒野の用心棒』
    • 『夕陽のガンマン』

    今回のこの企画はこんな感じです。

    不滅のマカロニ・ウエスタン3大傑作、日本初一挙上映! 面白くてカッコいい映画の原点にして頂点、それが《ドル3部作》だ

    《ドル3部作》 The Dollars Trilogy とは、『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』という3本のイタリア製西部劇=マカロニ・ウエスタンの総称。

    黒澤明監督の時代劇『用心棒』( をリメイクした『荒野の用心棒』は、1964年9月にイタリアで公開され、当時の興行記録を塗りかえる爆発的なヒットに。その勢いは瞬く間に世界中に広がり、各国でマカロニ・ウエスタンの一大ブームを巻き起こした。

    欧米ではスパゲッティ・ウエスタンと称されたこのジャンルは、70年代半ばまでの約10年間に500本近くが作られ、中でも主演クリント・イーストウッド、監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネの出世作となったこの3 本は、3年連続イタリア年間興収NO.1になっただけでなく、マカロニ・ジャンル傑作中の傑作として、初公開から60年近くたった今でも世界中のファンに愛されている。

    さらに『パルプ・フィクション』のクエンティン・タランティーノ、ジョニー・トー 『エグザイル/絆』 、キム・ジウン 『グッド・バッド・ウィアード』 、チャド・スタエルスキ 『ジョン・ウィック』シリーズ といった映画監督たちをはじめ、漫画家、アニメーター、ゲームデザイナーら、世界のサブカルチャーの担い手たちに絶大な影響を与え続けている。

    ただただ、痺れました。音楽よし、俳優よし、監督よしの三方あっぱれです。次は『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』です。名作はいつも観も名作なり。

    しそして、海外から帰ってきたらこれを食べたくなるね。“The すし”です。

    先週土曜日は六本木の「おつな寿司」へ。19時に3名で訪問です。

    入口近くのカウンターには欧米カップルが2組づつ。若大将がお相手です。我々は奥カウンターで大将の握りです。

    今日のつまみは、“ほたるいかの漬け”と“かつおの刺身”です。どちらもビールにバッチリです。つまみで瓶ビールを完飲、早、芋のお湯割りです。つまみから危険な香りがします。

    今日の握りです。まずは前半戦。

    • いか
    • ほたて
    • たい
    • さば
    • 赤身まぐろ

    ここで、茶碗蒸しで仲入りです。後半戦です。

    • ずわいがに
    • 大トロ
    • いくら
    • 鉄火巻
    • おつな名物“いなり寿司”
    • あなご

    後半戦のどこかで玉子焼きはあったのですが、失念。

    最後のデザートは抹茶アイス最中。本日の白眉は“大トロ”でしたね。

    本日も美味しゅうございました。ご馳走様でした。

    「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ

     



  • ドミノを鑑賞、ロバート・ロドリゲスがクリストファー・ノーランになっちゃったよ

    ドミノを鑑賞、ロバート・ロドリゲスがクリストファー・ノーランになっちゃったよ

    2023年11月1日(水)

    とうとう本当に11月になってしまいました。

    本日もまずは劇場で映画を1本です。本日の映画は劇場での予告編から是非観るべしと確信していた映画です。

    • 「ドミノ」(原名: Hypnotic)

    原名の読み方は「ヒプノティック」です。意味は「催眠術的な」ぐらいの意味でしょうか。自分にとって是非観るべしと思ったのは、監督と脚本があのロバート・ロドリゲスだからです。タランティーノの盟友です。なんたってあの世紀の傑作「マチェーテ」他を作った人間だよ。

    だけど少しマイナーな感じのするロバート・ロドリゲスですが、今回の「ドミノ」の日本公開は配給会社が力が入っていますね。東宝シネマズでもやるし、SNSでの広告宣伝量が半端ありません。映画配給関係の方、何を血迷ったのでしょうか

    出演俳優で知っているのは、主演のベン・アフレックのみです。映画の宣伝文句はこんな感じ。

    想20年、ロバート・ロドリゲスの仕掛ける多重構造のストーリー&世界観。

    想像は、必ず覆される

    選んだ脚本に外れなし:ベン・アフレック×映像の魔術師:ロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだ本作は、公開されるやいなや、瞬きさえも許さないその挑戦的なストーリーと革新的な映像で一気に話題を浚った

    刑事:ダニー・ロークは、最愛の娘の行方不明に、心身のバランスを崩しているが、正気を保つために仕事に復帰。 そんな彼のもとに、銀行強盗の予告のタレコミが入る。現場で不可解な動きをする容疑者が、娘の行方に関与している手がかりを見つけたロークは、ふたりの警官を伴って屋上まで男を追い詰めるも、警官は突然暗示をかけられたようになってお互いを撃ち殺し、男は屋上から飛び降り姿を消す。

    決して捕まえられない男を追い、現実と見紛う〈世界〉に踏み込み追い詰められていくロークはやがて─。 次々に、はまっていくどんでん返しのドミノの連鎖。ラストに待ち受けるのは、想像の3周先を行く驚愕のラスト。 必ず、もう1度観たくなる。世紀のアンリアル・エンターテインメント

    観ての感想。ロバート・ロドリゲスがクリストファー・ノーランになったかと思ったよ。この一言がこの映画を言い表しています。ノーランの「インセプション」とか「テネット」のように時間軸をさわるから結構難しい映画ですね。日本名のドミノもよくないね。英語のタイトルの方が映画を表しているね。

    ロドリゲスぽいのはやっぱりメキシコが出てくるところくらいかな。自分としてはロドリゲスにはもう少し単純で痛快な映画が良いと思うのですが。

    そして、終わればあの東京都の魚の幸キャンペーンに再度、参戦します。今日の決済は「d払い」でね。本日は渋谷のテアトルシネマで鑑賞したので、渋谷の「寿司清」へ。瓶ビールとバラちらしをカウンターでいただきます。ここは空いていていいね。

    このお店の横にはすごい行列の「蒙古たんたんめん 中本」があるのですね。自分は食したことはありませんが、この行列を見れば上手いのかな、一蘭よりも並んでいるよね。

    俄然、興味を持ちました。だけど、渋谷にはなじみの喜楽と桂花があるしね。

    どうなんだろう。

    タランティーノが激賞の「影の軍団」を視聴中、昔はコンプライアンスなんて関係ないね、よき時代



  • 「SISU/シス 不死身の男」は今年必見のアクション映画、タランティーノ好きにはたまらんね

    「SISU/シス 不死身の男」は今年必見のアクション映画、タランティーノ好きにはたまらんね

    2023年10月30日(月)

    本日は日比谷にすごい映画を観に行ったよ。その映画とは、

    • 「SISU/シス 不死身の男」

    めずらしいフィンランド映画です。何故この映画を観に行こうかと思ったのは、予告編がまずはおもしろそうだったこと、あの東宝シネマズがこんなフィンランド映画を上映するからにはさぞ面白いのだろうと推測してです。

    そして、自分的には1ケ月前にはフィンランドはヘルシンキを訪ねていたので、その郷愁からです。

    午前の11時20分からの回に行ったのです。そのスクリーンはそんなに大きなところではありませんでしたが、自分的には(こんなマイナーなフィンランド映画)人が少ないのだろうなと、思っていたのです。会場に行ってびっくりです、かなりの人が入っているのです。一瞬、間違ったスクリーンに入ったのかと躊躇したもの。

    観た感想です。まあ、すごいものを観せていただきました。タランティーノと荒野の用心棒(セルジオ・レオーネね)をあわせたような映画です。最近観たアクション映画では「RRR」に匹敵するね。

    主人公は、無口な老兵。ツルハシ1本で祖国フィンラランドの敵を討ちまくります。ランボーやマッドマックスより根性が座っています。ちなみにSISとは、何があっても折れないフィンランド魂を象徴する言葉です。

    ストーリーはこんな感じ

    1944年 第二次世界大戦末期、ソ連に侵攻され、ナチス・ドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。

    凍てつく荒野を旅する老兵アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)は、愛犬ウッコを連れ、掘り当てた金塊を運ぶ途中でブルーノ・ヘルドルフ中尉(アクセル・ヘニー)率いるナチスの戦車隊に遭遇、金塊も命も狙われるハメに。

    アアタミが手にしているのは<ツルハシ1本>と<折れない心SISU>だけ。それでも戦場に落ちている武器と知恵をフル活用し、ナチス戦車隊相手に、機銃掃射を浴びても、地雷原に追い込まれても、縛り首にあっても、挙句の果てに戦闘機にツルハシ1本で食らいついても、絶対に死なない!それどころか、機関銃を撃ちまくる敵には埋めてあった地雷をぶん投げ、一撃で爆殺。戦場にたまたま落ちていた武器と知恵で次々とナチス軍を討ち破る。

    彼こそはかつてソビエトとの冬戦争に参加し、家族を殺された報復として、たったひとりで300人ものソビエト兵を殺した<伝説の兵士>だった。 アアタミはいかにして戦い、そして生き抜くのか――。そしてアアタミの目的地とはー?

    だけど、さすがに首吊りでも死なず、飛行機墜落でも死なないのはやりすぎだね。まあ許せますがちなみに、監督/脚本はヤルマリ・ヘランダーという人です。まだ40歳台後半だね。タランティーノの跡継ぎは決まったよ、この路線で突っ走るべし

    観終われば、その興奮を抑えるため日本橋の「京都銀閣寺 ますたに」にラーメンを食べに行くしかないよね。ビールをいただいてクールダウンです。

    久しぶりに血湧き肉躍る映画を観させていただきました。

    劇場で必見です。急ぐべし。

    胸熱インド映画「RRR」を観てきたよ、途中で“これはまいったな”と口ずさむことしきり、頭をからっぽにして楽しんでね





  • タランティーノが激賞の「影の軍団」を視聴中、昔はコンプライアンスなんて関係ないね、よき時代

    タランティーノが激賞の「影の軍団」を視聴中、昔はコンプライアンスなんて関係ないね、よき時代

    最近自宅のDVD鑑賞でハマっている作品があるのです。その作品とはあの偉大な故千葉真一主演の「影の軍団」なのです。(もう、タイトルからしていいよね、心躍るものがあるね)

    自分が関心を持つきっかけは、あのクエンティン・タランティーノが激賞しているコメントを見たからなのです。そのリスペクト愛は「キル・ビル」でサニー千葉を登場させていることでもわかりますね。

    第1作シリーズ(全27話)は1980年4月1日からフジテレビ系列で放映が開始されています。22時台の放送ということで、やっぱり色っぽい銭湯のシーンが毎回出てくるからなのかな。(何せ、服部半蔵役=千葉真一のハンサンは銭湯の主人という役設定なのでね

    だけど銭湯のシーンはコンプライアンスの厳しい地上波では考えられないシーンです、深い時間帯でもね。(よい時代だったね)

    そんなことより「影の軍団」です。もちろん皆さんご存知のように、当時の千葉真一は動けて派手なアクションもできるトップスターです。その魅力が満載です。だけど、今から見ると数人で毎回大きな仕事をするのは無理がある設定かな。(まあ水戸黄門みたいなものです)

    あの音楽が流れてくると、毎週観たくなる麻薬みたいなドラマですね。岡林信康のひょうひょうとした唄もなじんでくるのです。

    当時から樹木希林(まだ若いよ)はあんな役をすんなりこなしていたのね、緩急をつける役者としてはすごいね。長谷直美も三林京子も若いね。火野正平も出ているのですが、昔も今もあのキャラクターが全面に出ています。まあ、名脇役ですね、コミカルな雰囲気を出すという意味でね。

    だけど、山村聡はいるだけで様になるね。昔はこんな感じのいるだけで絵になるというか、芝居が落ち着く重鎮がいたね。DVD1本につき、4話収録されています。だから、DVD1本観るのに、3時間30分もかかるのです。この長さが玉にキズかな。

    ストーリーもほぼ決まったフォーマットに添っているので、1回に数本見ると飽きてくるんだな。まあ、んなドラマを地上波でやっていたなんで、今のテレビと比較すると、雲泥の差ですね。昔の方がよかったよ。

    まあ、タランティーノが絶賛しているのも分かるよね。

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  • モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね

    モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね

    あのタランティーノが放った名言、「かれは現代のモーツァルトだよ、現在のヴェートーベンだよ、現代のシューベルトだよ」と。

    そのモリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」(エンニオ・モリコーネ (著), アレッサンドロ・デ・ローザ (著))を3週間かけて読破したのです。弁当箱より分厚い本ですが、実に面白かったのです。音楽を勉強している人などにとっては自分の100倍ぐらいの吸収がある本だと思います。

    しかし、本のタイトルがしびれるね。(この言葉はモリコーネの言葉です)

    初期のモリコーネの名を高めたあのセルジオ・レオーネとの3作は「ドル箱3部作」と呼ばれているのですね。(荒野の用心棒・夕陽のガンマン・続 夕陽のガンマンのことだよ)

    そして、ストラヴィンスキーのことを再三とりあげて激賞していますね。音楽家にとってはすごい進歩を起こした人なのね。素人には今ひとつわからないストラヴィンスキーなのに。

    本から抜粋です。まずはルイス・バカロフの言葉です。(1933年生まれ、「イル・ポスティーノ」で第68回アカデミー作曲賞)

    アルバン・ベルクは1920年代に、シューマンの「トロイメライ」を研究していた。そのなかで、かれはこの曲を“完璧”にせしめている一連の要素に注目している。彼が注目したのは、音程の築き方、特に完全四度の使用についてだった。実際のところそれが正しいのかどうかはわからないけれどね。….

    エンリオがベルクの分析に関心を持ったかどうかもわからないが、彼の書いたメロディの多くがきわめて有名になったことを考えると、彼なりに何らかの“秘訣”を発見したのだろう。ただ、ここまでくれば、彼に直接訊いてみるよりほかないだろう。

    2014年3月26日

    次はモリコーネと一番多くの映画で連れ添ったジュリアーノ・モンタルドの言葉(映画監督、代表作は「死刑台のメロディ」)です。

    でもいいんだ。ぼくの傍らにはいつだってエンニオがいるから。優れた職人で芸術家でもある偉大なエンニオがいつもそばにいてくれるんだ。

    2014年5月26日

    特に、付録の「証言」というコーナーでトルナトーレがあの「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽について詳細に回答していますので、必読です。

    最後に本書の紹介文です。

    「疑いの余地なく、本書は、わたしに関して書かれた本のうち、詳細にわたり丁寧に検討された正真正銘の最良の書である。これは真実の書である。」 ──エンニオ・モリコーネ

    前衛音楽から映画音楽へ 若き音楽家との対話によって紡がれる マエストロの生涯とその創造のすべて

    『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『死刑台のメロディ』『エクソシスト2』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ミッション』『アンタッチャブル』『海の上のピアニスト』『鑑定士と顔のない依頼人』『ヘイトフル・エイト』…… 数々の名作で知られる映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネと若き音楽家アレッサンドロ・デ・ローザとの対話によって紡がれる、マエストロの生涯と創作の真実

    映画音楽は映画という芸術に対して何をすることができるのか。音楽としての純粋性を損なうことなく、大衆が理解可能な音楽はいかにして可能か。音楽は人と人をどのように結びつけることができるのか。そして、なぜ人は作曲を続けるのか。

    本書には、モリコーネが歩んできた人生、映画音楽家としての活動、 経験、その音楽が生まれた契機と育まれた経緯のみならず、彼が生きた歴史・社会・文化的状況をめぐる思いのすべてが綴られる。

    映画、ラジオ、テレビといった様々なメディアが到来しては次々に様相を塗り替えていった現代社会のなかで、「音楽」はそこに何を残すことができたのか。決して音楽の世界に閉じこもることなく、新しい環境のなかに飛び込み、苦闘した作曲家はやがて映画音楽界の巨匠と呼ばれるようになる。

    ゴッフレド・ペトラッシのもとで作曲を学び、ダルムシュタットでジョン・ケージと出会った作曲学生時代。そしてRAI(イタリア放送協会)やRCAでプロとしてのキャリアをスタートしてからの下積み。その後のセルジオ・レオーネ、ベルナルド・ベルトルッチ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ダリオ・アルジェント、ジュゼッペ・トルナトーレ、ジョン・カーペンター、オリヴァー・ストーン、ブライアン・デ・パルマ、ペドロ・アルモドバル、ロマン・ポランスキー、クエンティン・タランティーノらとのコラボレーションに至るまで、モリコーネの生涯が詳細に語られる。

    楽しい読書体験でした。

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  • 「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ

    「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を鑑賞、天才の仕事場を見れるだけでも奇跡のようなことだよ

    本日の午前に予告編で紹介されたときから観たい映画を観に行ったのです。その映画とは、「モリコーネ 映画が恋した音楽家」なのです。監督は、あのジュゼッペ・トルナトーレです。正確にはドキュメンタリーかと思いますが、モリコーネを撮るにはの人トルナトーレしかいませんね

    まだ、公開されて5日目ですが、地味なモリコーネを扱う映画に午前の回でも多く人が来ていたのには驚きました。

    感想ですか?至福の2時間37分を過ごさせていただきました。全編トルナトーレのモリコーネ愛が溢れているのです。予告編でもタランティーノが絶叫していた“現代のベートーベン”の仕事ぶりが見れたののですから。

    冒頭のモリコーネの仕事場と楽譜を書く姿を見れたのはミーハーな自分にとってはもうそれだけで良いという感じなんだな。

    映画で分かったのは、若いころ作曲の理論を相当に勉強しているのね、当たり前か。そして、キャリアの最初はポップスの作曲や編曲をしていたのね。

    映画音楽を手掛けだしての最初の名声はあの「荒野の用心棒」の印象的な口笛でテーマ曲。確かに斬新すぎます。時が経てわかる革新性。「続・夕陽のガンマン」でのコヨーテの鳴き声。最高です。オリバー・ストーンが自分の映画でモリコーネに「荒野の用心棒」のような楽曲が欲しいと言ったのには笑ったね。

    モリコーネ、イーストウッド、セルジオ・レオーネ にとって名声を確立したマカロニ・ウェスタンの3部作ですね。

    この映画の中での登場人物も、パット・メセニー、クインシー・ジョーンズ、スプリングスティーン等々、豪華絢爛です。

    自分が初めて知ったのは、レオーネの「ウェスタン」の冒頭のハエの音などもモリコーネの音楽の一部なのね。すごい斬新性。

    そして「ミッション」の音楽はモリコーネ自身が語っているように、メロディーが天から舞い降りてきたと。これでその年のアカデミー音楽賞がハンコックのラウンド・ミッドナイトとは。アカデミーが本当に間違いを犯したんだね。既存曲のラウンド・ミッドナイトに負けるとは。モリコーネが語っている方が100%正しいね。

    断った仕事で1つだけ後悔したのはキューブリックの「時計じかけのオレンジ」 だと。

    「シシリアン」の音楽制作には苦労したと等々。

    そしてタランティーノが吠えるのは最後のほうだよ。“現代のモーツァルトだよ、現在のヴェートーベンだよ、現代のシューベルトだよ”と。「ヘイトフル・エイト」の楽曲は交響曲調に書いたよと。これでアカデミー音楽賞をとったんだね。その時のプレゼンターはクインシーだよ。アカデミー名誉賞の時はイーストウッドがプレゼンター。

    アカデミーの会場でモリコーネとジョン・ウィリアムスが一緒に座っている姿を見ると、涙ものですね。

    この映画の終わり方もよいね。モリコーネ曰く、

    • 自分がベートーベンかどうかは200年経過しないとわからないよ
    • 自分は絶対音楽と現代音楽の融合を目指してきた

    この映画、自分ももう1回映画館で観て、DVDが発売されたら永久保存のために購入すると決めました。

    もう一度言います、現代の天才の仕事場と仕事ぶりが見れるのはこの映画だけだよ。その意味でもトルナトーレには感謝しかないね。これだけプライベートを撮らせるのを許される人はトルナトーレしかいないんだもの。

    モリコーネ大先生の最新刊の大著、「あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」を読破、タイトルからしびれるね



  • 「グッバイ・クルエル・ワールド」を観たよ。タランティーノを崇拝?だけど、脚本が残念

    「グッバイ・クルエル・ワールド」を観たよ。タランティーノを崇拝?だけど、脚本が残念

    その映画は劇場での事前の予告編もなしに公開されたのです。自分だけが知らなかったのかもわかりませんが。

    その映画とは日本映画の「グッバイ・クルエル・ワールド」(Goodbye Cruel World)です。その告知を見た途端に、劇場ではほとんど日本映画は見ないのだけど、観たくなったんだな。

    いわゆる犯罪ものの映画なのかなという知識しかありません。ちなみに、「cruel」とは、“残酷な、残虐な、むごい、非情な”、という意味ですね。

    映画のキャッチはこんな感じなのですね。

    西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、宮川大輔、三浦友和

    豪華俳優陣の出演と監督・⼤森⽴嗣、脚本・高田亮のオリジナルで贈る本作は、大森監督の⽣々しいまでに抉る⼈物描写はそのままに、暴力と銃をスタイリッシュな映像で魅せる。さらにソウルやファンク、⾳楽やファッションのジャンルを超えた組み合わせ、銃の構え⽅、タバコの吸い⽅・・・。
    キャラクターからアイテムまで、どこまでもクルエル・ワールド全開!

    という訳で、今週は「靴ひものロンド」に続いて2回劇場に足を運んだのでした。

    観ての感想です。かなりクエンティン・タランティーノの初期の映画を意識した演出というか作り方ですね。レザボアからジャッキー・ブラウンまでを。

    全編にわたり音楽もタランティーノ好みのソウル音楽を挿入しています。

    話しはヤクザの金を盗んで、それからの出来事が中心の映画です。自分としては、準主役級の宮沢氷魚、玉城ティナの2人は初めて知ったのです。ほとんどテレビのドラマは見ないので。

    脚本で残念だったのは、リアリティが乏しすぎたところかな。あれだけの乱射事件と銃をぶっ放し、スタンドを爆破すれば大勢の警察がすぐに来るだろう!

    あんな血まみれになって、どうして遠くに移動できるの!ツッコミというか、このあたりも丁寧に脚本づくりしないと現実味がないと思うんだな。

    大森南朋の刑事も日本の警察機構の中であれだけの目に見える堕落は決して野放しというか、刑事の資格剥奪されているだろう

    役者では狂気さでは斎藤工がよい演技をしています。リアリティありすぎです。西島秀俊はやっぱり悪人役にはなりきれないと思いました。

    最後の終わり方も、少し?マークかな。あそこまで無事にたどり着けないだろう。

    比較する日本映画では、「孤高の血」があると思います。こちらの方がリアリティがあるな。原作があるからかな。

    SEXシーンはなくて暴力シーンが過激なのでR15指定なのか。

    だけど、この手の日本映画は珍しいので、ツッコミどころはありますが、劇場で是非お楽しみください。だけどやっぱり、宮沢氷魚の最後の演技もよくわかりませんでした。

    やっぱり、タランティーノは偉大なりを実感した次第です。やはり脚本の妙ですね。

  • 映画「判決、ふたつの希望」を見た。映画自体はすばらしいが。タランティーノとは違う難しいテーマの映画。解決策はないのでは?

    映画「判決、ふたつの希望」を見た。映画自体はすばらしいが。タランティーノとは違う難しいテーマの映画。解決策はないのでは?

    この週末に2本の映画を見た。1本は中東レバノンのベイルートでの法廷ドラマから起こる民族の対立の問題を悪化ったものと、もう1本はフランス映画のよくあるパターンのクライムストラリーですが扱う犯罪が二酸化炭素排出権にからむものと言った、どちらの映画も現代を象徴するかのような題材を扱っています。

    どちらも地味な映画ながら、出来の良い映画でした。

    1.「判決、ふたつの希望」

    2017年製作、レバノンとフランスの合作。

    • 第90回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート(原題:The Insult)
    • ベネチア国際映画祭 最優秀男優賞受賞(カメル・エル=バシャ)

    映画のうたい文句は下記のとおり。

    ふたりの男のささいな諍いが、国を揺るがす法廷争いに! 世界が震えた衝撃の感動作
    重厚な人間ドラマと濃厚なサスペンスが見事に融合した法廷社会派エンターテインメントの新たなる傑作。

    監督は内戦下のレバノンで育ち、20歳で渡米、クエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』(91)や『パルプ・フィクション』(94)などにアシスタント・カメラマンとして参加。センセーショナルな作品を精力に発表し続けるジアド監督による長編第3作

    監督はタランティーノの映画とは全く違う社会派ドラマです。舞台は中東レバノンのベイルートです。レバノンと言えば、今話題のカルロスゴーンさんの出身地ですね。

    本題はパレスチナ人とキリスト教徒のレバノン人との民族対立です。ささいなことから、裁判沙汰に発展し、弁護士が入り法廷闘争がヒートアップ、法廷闘争そのものが本人たちから離れていき、最終的には国をゆるがすことになるというもの。

    その間、いろいろな伏線がちりばめられていきます。自分的には、最後の終わり方そのものに異議はないのですが、そのちょい手前のところは別の描き方があったのではないかと思います。アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされただけの価値はある映画です。

    見終わった後、考えさせられる映画です。学校での教材にでも使ってよい良質な映画と思います。お薦めの映画です。

    2.「パリ、憎しみという名の罠」

    『あるいは裏切りという名の犬』などのヒット作で知られる、現在のフレンチ・ノワール界最大の巨匠オリヴィエ・マルシャルの最新作が遂に日本上陸!フランスでは公開初日に8.2万人、初週末合計28.6万人を動員し、同週の初登場作品No1となった大ヒット作とのこと。

    映画のストーリーは、債を抱え、倒産の準備を進めるアントワヌは、温室効果ガス排出枠に関する取引の中で違法に金を稼ぐ方法を思い付くことから始まります。

    名優のジェラール・ドパルデューも出演しています。しかし彼、太りすぎでしょう。

    製作はEUROCORPも入っています。アクション系やクライムものはEUROCORPが入ると俄然おもしろくなりますね。

    この映画のオチは、最後のシーンかな。見てのお楽しみですね。だけど、このオリヴィエ・マルシャル監督の作品、日本の配給会社はどの作品にも意気な題名をつけますね。

    見て損のない映画だと思います。