タグ: 笠智衆

  • 再度の小津の「宗方姉妹」を観に劇場へ、やっぱり名作はいい、田中絹代が出色

    再度の小津の「宗方姉妹」を観に劇場へ、やっぱり名作はいい、田中絹代が出色

    2024年6月19日(水)

    昨日の東京というか関東は大雨の1日でした。そんな時は映画に限るね。

    本日もお目当ての映画のために日本橋のTOHOシネマズにお出かけです。ちょうど1週間前に観た「午前十時の映画祭」での小津安二郎の「宗方姉妹」をもう一度、まぶたに焼け付けたくてね、カッコいいセリフだね。

    上映は今週木曜日までなので、劇場ではおそらく見納めになると思ってね。

    小津安二郎が松竹を離れ、はじめて新東宝で製作した作品。日本の伝統的な価値観を大事にし、ニヒリストめいた夫に耐え続ける姉と、そんな姉に反発する現代的な妹の対比を通して、戦後の日本の家庭の崩壊を描く。原作は大佛次郎

    1950年製作/112分

    やっぱりこの映画では田中絹代がいいよね。凛とした日本の昔の女性という感じで

    謎めいた言葉、この映画でのキーワード、“新しいということは、古くならないもののこと”。

    田中絹代こと節子のBARの壁にかかっているドン・キホーテの言葉。

    • I Drink Upon Occasion Sometimes Upon No Occasion – Don Quixote
    • 「私は理由があって飲む。時には何の理由もなくて飲む」

    やっぱり笠智衆が出てくるシーンはいいよね。主なシーンはこの3つ

    • 最初の京都の家で高峰と上原謙との場面、あの舌を出すぞという場面
    • 中盤の田中絹代との2人での京都での会食シーン
    • 高峰とうぐいすのモノマネをするシーン

    あの笠智衆のすき間のある余韻の残るゆったりとした会話、ただものではありません。対局にある、上原謙のあの軽さもいいよね。

    今、経営学者の楠木建氏の本を読んでいますが、彼の人生の師は“高峰秀子”です。この映画も高峰秀子のコミカルな役がなければ、こんな映画にはならなかったよね。小津の力量か。納得です。

    観終われば11時30分です。雨も降っていて(雨の日はランチ100引きのお店)で、いつもラーメンばかり食べていると体に悪いと思って、日本橋室町で目をつけていたこちらのお店にいったのです。

    • 「日本橋 肉鮮問屋 佐々木」

    こんなランチが格安で食べられるというのです。肉の卸しだからね。だけど店舗前に行って、火曜日は休み、頭の後ろからガツーンです。

    すぐに転身です。

    歩いて2分のところにある、いつもの「ますたに」ラーメンに行くしかないね。外は大雨。ビールとお新香でまったりするのが一番です。

    今日もご馳走様。天気は最悪だったけど、心はポカポカの一日でしたよ。

    小津の「東京暮色」は悲劇的な作品と言われるが、笠智衆の存在が救いだな

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  • “午前十時の映画祭”で小津安二郎の「宗方姉妹」を観たよ、傑作だった

    “午前十時の映画祭”で小津安二郎の「宗方姉妹」を観たよ、傑作だった

    2024年6月11日(火)

    週初めの月曜日です。6月も中旬なのに、首都圏はまだ梅雨入りではないのね。

    本日もまずは映画のお話しから。今回の「午前十時の映画祭」のラインナップは渋い映画週間だね。上映しているのは、小津安二郎の「宗方姉妹」です。ここ1年間で小津監督の作品は集中的に劇場で観たのですけど、この作品は観たことありません。

    本当に楽しみに日本橋のTOHOシネマズに行ったよ。この映画の背景はこんな感じなんだね。

    対照的な姉妹の生き方を通して当時の社会を浮き彫りにした小津安二郎監督の異色作。松竹を離れ、小津が初めて新東宝で撮った作品。主演の田中絹代は、『大学は出たけれど』(29)から『風の中の牝鶏』(48)まで、数々の小津作品に出演。1949年、戦後初の日米親善大使として渡米、帰国後に初主演したこの作品は年間配収1位の大ヒットとなった。

    映画の紹介タイトルには、“対照的な姉妹の生き方を通し、当時の社会を浮き彫りにした小津の野心作”とあります。

    あらすじはこんな感じです。

    何事にも保守的な節子(田中絹代)は、自由奔放に生きる妹の満里子(高峰秀子)と同居して面倒を見ている。夫・亮助(山村聰)が失業中なので節子はバー勤めをしているが、満里子には皮肉屋の夫に黙って仕えている姉のことが理解できない。京都にいる父・忠親(笠智衆)が余命いくばくもないと知った節子は、妹にはそのことを伏せ、二人で京都に赴く。そこで節子は初恋の相手であり、今は家具店を営んでいる田代(上原謙)と再会する

    はっきり言いますが、名作でした。田中絹代は初めてじっくり観ましたが、確かに名女優です。納得しました。高峰秀子のコミカルな役は他でも代役は効きそうですが、田中絹代はこの役だよね。そして、父親役で笠智衆がいれば、映画としては格が一段落上がること間違いなしですね。しかし、上原謙もあの難しい役で、サラッする演技はすばらしい。

    この映画の本題、姉妹の考え方ですが、どちらが古いのか、新しいのか、自分には回答ではないね。

    ヴィム・ヴェンダースが小津に惚れ込むのもわかるよね、やっぱり外国でも欧州でないとこの良さは理解されないよね。

    観終われば、いつものように日本橋室町の「ますたに」へ。ほてった体をビールで冷まします。いつもの“ますたにラーメン”、やっぱり美味しです。

    そして、今日は訃報を。

    先週に知ったのですが、あのサックス奏者のデビット・サンボーンがお亡くなりになったとのこと。享年78歳とのこと。あの都会的なAORの極地のサンボーン節が聴けなくなると寂しくなるね。

    是非、渡辺貞夫さんには長生きしてほしいね。

    小津の「晩春」を映画館で初鑑賞、原節子の顔立ちは派手なんだね、ビックリ

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  • 「ダンサー イン Paris」を鑑賞、夜は赤坂の「志乃ぶ寿司」へカワハギ美味し

    「ダンサー イン Paris」を鑑賞、夜は赤坂の「志乃ぶ寿司」へカワハギ美味し

    2024年3月4日(月)

    昨日はひな祭りだったね、3月3日。週末はいつものように、DVDを鑑賞します。観たのはこの2本。

    • ダンサー イン Paris
    • 満員電車

    「ダンサー イン Paris」です。いわゆるバレエダンサーの挫折物語です。話しとしてはこんな感じ。

    名匠、セドリック・クラピッシュ監督が夢を諦めたダンサーの新たな挑戦を描くドラマ。パリ・オペラ座バレエ団のダンサー・エリーズは舞台上で負傷し、バレエができなくなってしまう。実家に帰省したエリーズは、父親から心ない説教を受け…

    主演:マリオン・バルボー

    話しはよくあるものですが、脇役も多士済済で良い映画だね。主演のマリオン・バルボーも等身大で普通の人っぽくて好感が持てます。映画の冒頭の始まり方も少し斬新でいいね。

    続いて2本目は「満員電車」。これは笠智衆が目当てです。話しはこんな感じ。

    市川崑監督による社会風刺コメディ。ビール会社に就職した社会人1年目の青年・民雄は、父親の発病や自身の病気、失業など立て続けにトラブルに巻き込まれる。満員電車から一度降りてしまったら二度と乗れないサラリーマン事情をコミカルに描く。

    製作年: 1957年

    出演: 川口浩 、 笠智衆 、 杉村春子

    なんか皮肉ぽくて少し小難しいね。風刺をきかせ過ぎというか。市川崑ってこんな感じだったかな。お目当ての笠智衆はあまり出てこなくて残念。小津のようなサラッと仕上げた方がよいよね。

    そして、土曜日の夕食です。本日は赤坂の裏路地にある「志乃ぶ寿司」を訪問です。また、あのカワハギの肝あえを食べたくなってね。前日に2名で予約です。

    本日は訪問して驚いたよ。何とカウンターが全部埋まっているよ、自分の1席を残して。商売繁盛で何よりです。

     

    まずはサッポロの黒ラベルをいただきます。まずは光り物を切ってもらいます。

    さば、いわし、コハダの3種です。やっぱり、いわしの脂ののりが良く、美味しです。

    そして、自分のとなりの席の男性、大井競馬場の理事の方らしく、面白い話しを聞けたのでした。(かなりの裏話で打ち明けられないのが残念)

    そして大将に「カワハギあるの」と聞くと、少しだけあるとのこと。というわけで、カワハギの肝あえを造っていただきます。もうこの肴があると、アルコールがグイグイいくので危険ですね。本日はこのあたりから記憶がありのせん。そして、となりのおじさんの前には何故かシーバスリーガルのボトルが。仲良くなってこのシーバスをいただき、ロックで3杯いただいたようです。こんな感じですので、本日はお寿司の写真があまりないんだね。

    お会計は本日はかなり高く19,000円ほどです。あのシーバスがチャージされたのかな、あのお酒はお店のものだったんだろうか

    本日も小津安二郎の「彼岸花」を観る、田中絹代ってこんな顔立ちの人なんだね

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  • 小津の「東京暮色」は悲劇的な作品と言われるが、笠智衆の存在が救いだな

    小津の「東京暮色」は悲劇的な作品と言われるが、笠智衆の存在が救いだな

    2023年12月16・17日(土・日)

    土日はいつもと同じルーティーンです。DVDを1本づつ鑑賞します。今週観た映画はこの2本。「エイラク」は毎週1本づつ観ています。観るごとに話しが盛り上がっていきますね。

    まずは小津安二郎の「東京暮色」です。実は先日の劇場での小津安二郎フェアの時に観れなかったのでね。主な俳優陣は原節子、有馬稲子、笠智衆、山田五十鈴ですね。

    • 東京暮色
    • 瓔珞<エイラク> ~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~ Vol.4

    ストーリーはこんな感じ。

    心に傷を抱えた登場人物がおりなす、異色の家族ドラマ
    銀行に勤める周吉(笠智衆)には、妻の喜久子(山田五十鈴)が自分の部下と駆け落ちして以来、男手ひとつで育ててきた二人の娘がいる。

    姉の孝子(原節子)はしっかり者だが不幸な結婚に苦しみ、幼子を連れて実家に戻って来る。妹の明子(有馬稲子)は不実な大学生にだまされ妊娠してしまう。そんなある日、周吉の妹・重子(杉村春子)が兄と子供を捨てたはずの喜久子を街で見かける。明子もまた、自分の母とは知らずに喜久子と出会う。
    いったい、彼女の過去に何があったのか…。

    それは、壮絶な暴力と復讐の物語の始まりだった

    小津作品の中でもユーモアは影を潜め、最も暗い、悲劇的な印象の作品と言われていますが、笠智衆が主演だとそんなお話しも和らげてくれるよね。やっぱりこの映画は有馬稲子が光っているよね。本来は小津は岸恵子を熱望したそうてすが、岸恵子ではこんな感じにはならなかったと思うのです、そこはキッパリ。

    山田五十鈴と杉村春子はやっぱり大女優だけあって存在感は半端ありません。

    だけど笠智衆、この人に尽きるよね。佐分利信では怖い感じがありありだもんね。

    そして、毎週2話づつ観ている「エイラク」は面白さ継続中です。

    そして、土曜日の夕食です。本日は2名ということで。

    久しぶりにあの牛タンの「ねぎし」に行こうかなということに。「ねぎし」は本当に久しぶり、2年振りかな。メニューもいろいろ変わっているね。

    何はともあれ、まずは赤ワインです。つまみはミニ牛タン(400円)です。これだけでもうご機嫌ですね。ワインがグイグイ進みます。そして、今日の注文です。

    • まるねセット 白たん+赤たん(1,800円)
    • ブラッキーセット(1,600円)

    やっぱり牛タンはお店に限るね。スーパーの牛タンはペラペラだもんね。小さいボトルワインも3本いただいて、お会計は6千円です。

    ご馳走様でした。

    そして、このブログは今、羽田の第3ターミナルのTIATラウンジで書いています。本日日曜日の深夜便でタイのバンコクに行きます。

    というわけで明日からはバンコクの旅行記になる予定です。

    中国ドラマの瓔珞(エイラク)は陰謀渦巻く紫禁城の話し、主演はチャン・ツィイー似



  • 本日も小津安二郎の「彼岸花」を観る、田中絹代ってこんな顔立ちの人なんだね

    本日も小津安二郎の「彼岸花」を観る、田中絹代ってこんな顔立ちの人なんだね

    2023年12月13日(水)

    本日も渋谷のル・シネマで“4Kデジタル修復版<小津安二郎:モダン・ストーリーズ>”特集を観に行ったよ。まずはその報告から。先週末から今週1週間で小津作品を3本観たことになります。本日観た作品は「彼岸花」です。読み方は「ヒガンバナ」です。

    1958年製作・公開ですね。主演は佐分利信 (出演), 田中絹代 (出演)です。小津監督第49作目にして初めてのカラー作品だそうです。

    あらすじはこんな感じ。

    平山渉(佐分利信)は娘、文子には良い縁談をと考えていた
    ある日、突然、文子との結婚を了解して欲しいという谷口(佐田啓二)が平山の会社を訪れ、文子と谷口の交際が発覚。知人(笠智衆)の娘の縁談には寛容な平山であったが、文子が相談なしに結婚の約束をしたと知り、激怒する
    文子と谷口との結婚を許さない平山のもとに、文子の友人、幸子が自分の縁談で困っている、と相談にやってきた。

    観ての感想。だんだん小津が好きになってきました、人気があるのもよく分かります。今回の映画では女優陣が絢爛なので、誰が誰なのか自分はその場ではよくわかりませんでした。

    確認です。

    • 主人公の父の奥さん 田中絹代
    • 娘の文子 有馬稲子
    • 京都の佐々木の娘 山本富士子
    • 三上(笠智衆)の娘 久我美子
    • 文子の結婚相手 佐田啓二

    自分が映画で分かったのは、有馬稲子ぐらいかな。田中絹代はこんな人だったんだ、山本富士子もね

    だけど、この映画はやっぱり主演は佐分利信で納得です。笠智衆ではあの傲慢さを出ないものね。映像で感心したのはこのカット。

    • 最初での彼岸花が置かれたテーブルのショットの美しさ
    • 終了間際の佐分利信と笠智衆の浴衣姿での橋上のシーン

    小津って本当にビジュアルチックですね。この感性には驚くばかりです。そして、やっぱりウェス・アンダーソンちっくな映像が頻発しますね。ウェスは絶対に小津をかなり研究しているね。今回3本続けてみましたが、これが向田邦子あたりに面々と続いているんだね、向田邦子の方が毒気はありますが。

    本日も映画終了後には劇場で拍手が沸き起こりました。明日はルーティーンの絵画教室があるのですが、どうしようかな。

    映画が終わればランチです。今日はラーメンはいいかな。というわけで、六本木に移動してカレー南蛮を食します。何故なら渋谷でカレー南蛮のお店は知らないのでね、お蕎麦、不毛の地だと思うので。

    徒歩で六本木に向かいます、健康のためにね。向かうはロアビル前の「薮そば」です。ここは店内が広くていいよ、そんなに激混みしないし。

    まずは瓶ビールです。注文は“カレー南蛮そば”です。普通に旨いです。ビール1本飲んで、お会計1,480円は非常に良心的なお店です。おすすめします。

    今日も幸せな1日でした。

    「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」は幸福感たっぷり、渋谷ヒカリエ、必見だよ



  • 小津の「晩春」を映画館で初鑑賞、原節子の顔立ちは派手なんだね、ビックリ

    小津の「晩春」を映画館で初鑑賞、原節子の顔立ちは派手なんだね、ビックリ

    2023年12月12日(火)

    本日もまずは映画の話しから。数日前のブログで渋谷のル・シネマで小津安二郎を初めて観たという報告をしました。その時の映画は「早春」でした。今、渋谷のル・シネマでは“4Kデジタル修復版<小津安二郎:モダン・ストーリーズ>”という特集をやっており、今週木曜日までのかなり限定された企画なんですね、調べてわかったことですが。毎日2本ずつ、それぞれの作品が1回限りの上映です。そんな貴重な映画会なんですね。

    というわけで、本日ものこのこ渋谷に出かけたのでした。

    本日の上映は「晩春」です。主演は笠智衆と原節子ですね。親子を演じています。

    話しのすじはこんな感じ。

    妻を亡くして久しい大学教授の周吉は、27歳になっても未だに嫁に行こうとしない娘の紀子のことが心配でならない。周吉の妹まさが縁談を持ち込んでも、なかなか首を縦に振らない紀子。一方でまさは茶会で知り合った未亡人の秋子を周吉の再婚相手に薦めるが、常々男が後妻をもらうことに嫌悪感を抱いていた紀子の心は、そのことで揺れ始めていく。それを察知した周吉は、彼女と再婚すると紀子に告げた……。

    公開が1949年というのにまずビックリですね。自分にとっては原節子を映画の大スクリーンで観るのは初めてです。話しのすじはさておいて、原節子さんはかなり派手なお顔なんですね。自分としてはしっとりとした姿かたちの女優さんと思っていましたので、そのギャップが激しすぎたのが驚きでした。

    やっぱり笠智衆は戦後を代表する大俳優だね。三船とは正反対でね。あの独特の間のとり方は特筆もの。小津も風景を切り取る絵が本当にいいよね、センスの良さがでています。あの能を観ている時の2人のシーン、一服の絵のようです。すばらしいと思いました。

    杉村春子の役は、あんなおばさん、昔はよくいたよね。

    そして本日も映画館の入りは上々でした、こんなにお客さんが入っている映画館は久しぶりに観るよね。終われば、多数の拍手だもんね。

    小津さん自体の問題ではありませんが、この小津テイストを現代まで引きずっている日本映画の方が問題だと思うんだな。まったく進歩していないと思います。

    終われば、12時30分です。昨日は「喜楽」にいったので、今日は渋谷では「桂花ラーメン」にしようと。今日は券売機の前に行列はありません。

    まずは定番の瓶ビールと茎わかめです。もうお店の方が覚えていて、食券を購入する前から席の前にビールがあるという羞恥プレー炸裂です。

    ビールが五臓六腑に染み渡ります。(大げさな表現だね)

    ビールを飲み終えれば、桂花ラーメンです。今日も大変充実な1日でした。

    阪妻版と三船版の「無法松の一生」を劇場で観たよ、阪東妻三郎を初めて観たが、迫力あるね、あの故田村正和のお父さんだものね



  • 人生で初めて小津安二郎を観る、「早春」で劇場で拍手が起こったよ、ダニー・トレホも見つけたよ

    人生で初めて小津安二郎を観る、「早春」で劇場で拍手が起こったよ、ダニー・トレホも見つけたよ

    2023年12月8日(金)

    本日もまずは映画のお話しからです。

    自分は恥ずかしながら、あの小津安二郎の映画を1本も見たことないのです。日本人としてお恥ずかしい限りです。そして、数日前の日経新聞にあのビム・ベンダースの記事が出ていたのです。小津をずっと尊敬しているとね。ビム・ベンダースが監督で主演が役所広司の映画「PERFECT DAYS」が話題だもんね。

    そんな中、渋谷のル・シネマで“4Kデジタル修復版<小津安二郎:モダン・ストーリーズ>”という特集で小津の映画を上映しているのです。もう劇場で強制的に観ないと、小津安二郎の映画を観ることはない自分と思ったのでした。

    本日は「早春」を午前に鑑賞に出かけたのでした。主演は池部良と淡島千景です。

    映画館はかなりの人が入っており、思わずのけぞりました。すごい人気。

    この「早春」は小津の正統派からは少し外れている作品のようですが、小津のテイストはよくわかりました。細かい日常のことでの人情の機敏を描いていくのね。やっぱり脇役では笠智衆と山村聡ですね。岸恵子も若いね、キャンキャンしているもの。

    この小津のようなスタイルが現在の日本の主流の是枝裕和などに引き継がれているテイストと思うのですが。映像的には、ウェス・アンダーソンのような映像もありますよね。「シンメトリー+はっきりとした模様」というかね。

    2時間24分は少し長いような。話しからしても2時間以内におさめて欲しいな。小津ファンから怒りを買いそうですが。

    終われば、拍手が起こりました。映画館で拍手を聞くのは、あのインド映画の「RRR」以来かな。

    終わればランチを。本日は連日のラーメンから離れて、とんかつにします。この界隈でとんかつと言えば、表参道の「まい泉」です。2時ですか、外まで長蛇の列です。カウンター席に案内されるまで30分。外国人も含めて、もう尋常じゃない人気ですね。テーブル席だとまだ時間がかかると思います。

    カウンター席でまずはビール。“ロースかつ定食”を注文です。とんかつがくれば、まずはお塩でビールのつまみにします。小津の映画を観て、「まい泉」でビールととんかつ。もうたまらない金曜日です。

    そして、国連本部近くにある「青山ブックセンター」へ。こちらの本屋さんへ来たかいのある本を見つけたよ。何とダニー・トレホの自伝と料理本が発売されたようです。

    • ダニー・トレホのタコスを喰え! 「最凶」の漢による「最高」のL.A.スタイル・メキシカン・レシピ75
    • 世界でいちばん殺された男: ダニー・トレホ自伝

    悪い冗談かと思うこの2冊。特にダニー・トレホのレシピ本には参ったね。だけとこのレシピ本、自分は買うと思います。

    最後のダニートレホの落ちがついて、本当によい金曜日でした。

    胸熱インド映画「RRR」を観てきたよ、途中で“これはまいったな”と口ずさむことしきり、頭をからっぽにして楽しんでね



  • 「お葬式」を観て伊丹十三の偉大さを再確認、結局、日本映画は黒澤と伊丹だけじゃないのかな

    「お葬式」を観て伊丹十三の偉大さを再確認、結局、日本映画は黒澤と伊丹だけじゃないのかな

    数日前に日本橋のTOHOシネマズで絶賛開催されている“午前十時の映画祭13”で上映されている伊丹十三の衝撃の監督デビュー作「お葬式」を観に行ったのです。

    もちろん公開当時、劇場で観たのですが。この「お葬式」が公開されたのが1984年です。自宅にもDVDを所有していますが、約40年ぶりに観た。何故か、テレビで伊丹十三の映画が放映されることは全くないね。

    観ての感想。やっぱり伊丹十三、天才だねと素直に思った。結局、日本映画界で輝ける監督は黒澤明と伊丹十三しかいないね。(小津ファンから相当怒られそうだな)

    伊丹十三が亡くなった(自殺)のが1997年12月20日。この「お葬式」から亡くなるまでの約13年間に10本撮ったんだ。「タンポポ」も「マルサの女」もね。(自分が思うにこの当初の3作がセルジオ・レオーネの「ドル箱3部作」と言われるのと同じで、伊丹十三の「ドル箱3部作」なんだろうね、その価値は十分あり)

    伊丹十三亡き後、日本映画はまったく進歩していないというか、題材がおもしろくないね。ちまちましたどうでもいい恋愛映画ばっかり。これじゃ、世界の映画から置いていかれるわけだな。

    自分なりにこの「お葬式」(1984年公開)が当時の世界の名作映画の中でどんな時間軸で現れたか整理します。

    • ゴットファザー 1972年
    • ディア・ハンター 1978年
    • ニューシネマパラダイス 1989年
    • パルプ・フィクション 1994年

    ディア・ハンターとニューシネマパラダイスの丁度中間なんだね。

    今回、「お葬式」を改めて観て、思ったことです。

    やっぱり伊丹監督の映画における商業性と芸術性のバランスが最高にうまいね。商業性では2時間にきっちりと納める力量はりっぱ。脚本と監督を彼が兼ねているわけだけど、脚本も丁寧だね。そりゃあ、文筆家でもあったからね。

    あと配役のうまさにはうなったね。もちろん彼の奥さんの宮本信子の魅力を引き出した手腕、山崎努くんを主演にした冴え、特にあの財津一郎は最高だね。(自分はいつもフランキー堺と間違えてしまえのですが)

    特に脇役はすごいね、これもう脇役のレベルじゃないよ、特にこの3人

    • 大滝秀治 (親戚)
    • 笠智衆  (坊主)
    • 江戸家猫八(葬儀社)

    大滝秀治の枕の位置に固執するボケ、笠智衆の枯れた坊主態度(あの雰囲気は出そうと思って出せるものではないよ)、江戸家猫八の葬儀社のあのうさんくささ、たまりません。

    笠智衆のロールスロイスで来たシーンは伊丹十三のウィットここにあり。

    あと高瀬春奈のあのムチッと感、40年ぶりに見てもいいね。尾藤イサオさん、テレビで見かけないけどどうしているのかな。あの宮本信子と尾藤イサオの「東京だョおっ母さん」のシーン、ジーンとくるね。

    小ネタをもう一つ。エンディングロールを見ていて気づいたのでした、電報配達人に井上陽水の名前が。驚きました。

    最後は宮本信子、財津一郎が腕に黒の喪章を巻くときにかけた言葉、「よおっ、葬儀委員長」

    本当に楽しい2時間でした。

    伊丹十三が生きていたら、タランティーノなんかに負けなかったのにね。残念至極。

    目黒シネマで松田優作の「蘇る金狼」と「野獣死すべし」を観た、小林麻美より風吹ジュンだね