確か20年ぐらい前に出版された橘玲氏の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」 には驚かされたものです。
彼曰く、黄金の羽根を使わないと、我が国ではなかなか経済的自立ができませんよ、 いう本です。そして、この黄金の羽根である制度の歪は実は国が公的に認め、国が提供しているツールの中にもあるのですよ、と教えているのです。
本の紹介文は、
自由な人生を誰もが願う。
国、会社、家族に依存せず生きるには経済的独立すなわち十分な資産が必要だ。
1億円の資産保有を経済的独立とすれば欧米や日本では特別な才は要らず勤勉と倹約それに共稼ぎで目標に到達する。
黄金の羽根とは制度の歪みがもたらす幸運のこと。
手に入れると大きな利益を得る。
誰でもできる「人生の利益の最大化」とその方法。
彼が本の中で紹介している黄金の羽根の一つに、“独立行政法人 中小企業基盤整備機構”が提供してる「小規模企業共済」というものがあります。
小規模企業の経営者や役員の方が、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てる「小規模企業共済制度」。掛金が全額所得控除できるなどの税制メリットに加え、事業資金の借入れもできる、おトクで安心な小規模企業の経営者のための「退職金制度」です。
小規模企業共済のおトクな3つのポイントとは。
ポイント1 掛金は加入後も増減可能、全額が所得控除
- 月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定が可能で、加入後も増額・減額できます。
- 確定申告の際は、その全額を課税対象所得から控除できるため、高い節税効果があります。
ポイント2 共済金の受取りは一括・分割どちらも可能
- 共済金は、退職・廃業時に受け取り可能。満期や満額はありません。共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能です。
- 一括受取りの場合は退職所得扱いに、分割受取りの場合は、公的年金等の雑所得扱いとなり、税制メリットもあります。
ポイント3 低金利の貸付制度を利用できる
- 契約者の方は、掛金の範囲内で事業資金の貸付制度をご利用いただけます。低金利で、即日貸付けも可能です。
- 一般貸付制度では、掛金の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)で、10万円以上2,000万円以内(5万円単位)で借入れをすることができます。利率は1.5%
要はこの共済に加入できるのはサラリーマンなら給与の他に事業的な副次収入のある方となります。一番なじみがあるのが、いわゆるアパート経営ですね。
税務署で事業的規模と認められている、すなわち青色申告制度が利用できるのが部屋数10室以上が必要となります。
そうすると、この小規模企業共済の共済に加入できることになります。
毎月掛ける掛金全額を費用計上できて、いざというときは、1.5%の利率で借り入れもできるとは驚きです。自分の税率にもよりますが、サラリーマンでも、毎年の掛け金合計の20~30%節税できることになります。
例えば、最高額の月額70,000円×12ケ月で840,000円積み立てます。
税率30%なら、252,000円の節税効果があることになりますね。
これを10年、20年単位で続けて行くと、まさしく黄金の羽根ということになりますね。