「大金持ちより、中金持ちが一番よいですよ」とさかんにおっしゃいていらしたのは、尊敬する故邱永漢先生。
理由は、大金持ちになっても毎日贅沢な食事ばかりしていても病気になるし、だだっ広い家に住んでも使わない部屋ばかり、使いきれないお金を残しても2世3世が散財する、それよりはお金に心配せずぐらいの中金持ちが自由で一番よいですよ、ぐらいの意味かと思います。
当方、30歳の時に全国へ転勤の可能性のある会社を退職し、以来、いわゆる都心というところに25年住んでいます。
巷では、家のことになると、持ち家と賃貸どちらが生涯で得か損かという議論ばかりで、私には本質を全くついていないという違和感をいつも持ちます。
今回は、マンションを売ったり買ったり、投資用も売ったり買ったりした経験を基にした私の実感を書いてみます。
基本は、家は「賃貸→持ち家→賃貸→持ち家」のサイクルを守ること。
つまり、家は買うのはマンション市況の悪い時、景気の悪い時に限ること。
また、家を売ったら、何故、必ず賃貸に入らないといけないのか。
それは、家を売るときは、買うときの反対の、マンション市況の良い時、景気の良い時です。
マンション市況の良い時に家を売って、他の家を買っては、高い時に売って、高い時に買うことに必ずなります。自分には目利きがあって、割安な物件に乗り換えたと思っても、そうはうまくいきません。
私は、これを25年間の間に2回繰り返しました。
つまりマンションを2回買って2回売りました。単純平均すれば、6年ごとに持ち家、賃貸を繰り返したことになります。
リーマンショック等々いろいろな景気変動がありましたが、なんとかこの繰り返しだけでも中金持ちに近づけたと思います。
持ち家でも賃貸でも7-8年住めば、壁紙は黄ばんでくるし(リフォームまでは必要ないにしても、生活感が出てくる)、子供の成長等もあり、部屋などの数等、求められる機能が変わって来ると思いますので、このサイクルを切り返すことは、その面からも有効です。
また、税制も持ち家の5年目以降の売却は長期譲渡所得の優遇税制が(基本、好況時の都心の持ち家売却時には利益が出ます)サポートします。
すると2018年現在の状況はどうでしょうか。マンションは富裕層以外はマンションを買ってはいけない時期です。
私は、アベノミクスの初期にマンションを売却して、現在は、賃貸マンション暮らしです。
早く次の不況が来ないかなと待っているところです。