カテゴリー: 映画

  • 「グッバイ・クルエル・ワールド」を観たよ。タランティーノを崇拝?だけど、脚本が残念

    「グッバイ・クルエル・ワールド」を観たよ。タランティーノを崇拝?だけど、脚本が残念

    その映画は劇場での事前の予告編もなしに公開されたのです。自分だけが知らなかったのかもわかりませんが。

    その映画とは日本映画の「グッバイ・クルエル・ワールド」(Goodbye Cruel World)です。その告知を見た途端に、劇場ではほとんど日本映画は見ないのだけど、観たくなったんだな。

    いわゆる犯罪ものの映画なのかなという知識しかありません。ちなみに、「cruel」とは、“残酷な、残虐な、むごい、非情な”、という意味ですね。

    映画のキャッチはこんな感じなのですね。

    西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、宮川大輔、三浦友和

    豪華俳優陣の出演と監督・⼤森⽴嗣、脚本・高田亮のオリジナルで贈る本作は、大森監督の⽣々しいまでに抉る⼈物描写はそのままに、暴力と銃をスタイリッシュな映像で魅せる。さらにソウルやファンク、⾳楽やファッションのジャンルを超えた組み合わせ、銃の構え⽅、タバコの吸い⽅・・・。
    キャラクターからアイテムまで、どこまでもクルエル・ワールド全開!

    という訳で、今週は「靴ひものロンド」に続いて2回劇場に足を運んだのでした。

    観ての感想です。かなりクエンティン・タランティーノの初期の映画を意識した演出というか作り方ですね。レザボアからジャッキー・ブラウンまでを。

    全編にわたり音楽もタランティーノ好みのソウル音楽を挿入しています。

    話しはヤクザの金を盗んで、それからの出来事が中心の映画です。自分としては、準主役級の宮沢氷魚、玉城ティナの2人は初めて知ったのです。ほとんどテレビのドラマは見ないので。

    脚本で残念だったのは、リアリティが乏しすぎたところかな。あれだけの乱射事件と銃をぶっ放し、スタンドを爆破すれば大勢の警察がすぐに来るだろう!

    あんな血まみれになって、どうして遠くに移動できるの!ツッコミというか、このあたりも丁寧に脚本づくりしないと現実味がないと思うんだな。

    大森南朋の刑事も日本の警察機構の中であれだけの目に見える堕落は決して野放しというか、刑事の資格剥奪されているだろう

    役者では狂気さでは斎藤工がよい演技をしています。リアリティありすぎです。西島秀俊はやっぱり悪人役にはなりきれないと思いました。

    最後の終わり方も、少し?マークかな。あそこまで無事にたどり着けないだろう。

    比較する日本映画では、「孤高の血」があると思います。こちらの方がリアリティがあるな。原作があるからかな。

    SEXシーンはなくて暴力シーンが過激なのでR15指定なのか。

    だけど、この手の日本映画は珍しいので、ツッコミどころはありますが、劇場で是非お楽しみください。だけどやっぱり、宮沢氷魚の最後の演技もよくわかりませんでした。

    やっぱり、タランティーノは偉大なりを実感した次第です。やはり脚本の妙ですね。

  • あのジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ原作の映画「靴ひものロンド」を鑑賞、自分的には監督の演出がよくないな

    あのジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ原作の映画「靴ひものロンド」を鑑賞、自分的には監督の演出がよくないな

    有楽町にあるヒューマントラストシネマという映画館を初めて訪れたのです。観に行った映画は「靴ひものロンド」というイタリア映画なのでした。実は数日前まではこの映画も原作も全く知らなかったのですが。

    この映画を知ったきっかけは、先週末金曜日の日経新聞の夕刊の「シネマ万華鏡」だったのです。その映画批評の写真に自分の知っている男優が写っていたのです。

    あの名作の「輝ける青春」の主人公を演じたルイジ・ロ・カーショが出演しているのかと。この「輝ける青春」(邦題は本当にダサいですが、内容は折り紙つきです)はラジオでロバート・ハリスさんが推奨されていて、自分も鑑賞し深い感動に包まれたのです。このルイジ・ロ・カーショは日本の俳優の故加藤剛さんに雰囲気が似ているね。自分、古いね。

    そして、日経の批評はこんな感じです。

    2017年、米ニューヨーク・タイムズ紙の“注目の本”に選出されたイタリアの作家ドメニコ・スタルノーネの小説「靴ひも」(映画の原題も同じ)を、「ローマ法王になる日まで」(17年)のダニエーレ・ルケッティが脚本を書き、監督した。

    1980年のイタリア・ナポリを主要舞台に、夫婦と子供(姉と弟)ら一家4人の30年間を描く。中年期と老年期、子供から大人へと成熟する4人は同一俳優が演じるのではなく、年齢に合った別の俳優と交代、ドラマ前半の中年期の印象的なエピソードを老年期の夫婦が振り返ることで、年齢を重ねた同一人物だとわかる見せ方が目新しい。

    この批評だけではおそらく見に行かなかったと思うのです。後押ししたのは、アマゾンで原作をチェックしたときです。

    荒らされた家、消えた猫……本当に失ったものは何だったのか。ふたりの子どもと妻を残して、夫は若い女と暮らすために家を出た。四十年前の危機を、乗り越えてきたはずの家族。彼らを繫ぎ留めていた紐帯は、留守宅を襲う何者かによって、ぷつりと断たれた――。ジュンパ・ラヒリが惚れ込んで英訳し、全米で絶賛された家族小説

    自分的には、この“ジュンパ・ラヒリが惚れ込んだ”という一文を見て、見に行くしかないなということになったんだな。

    見ての感想です。骨太なストーリーではなく、非常に繊細な物語なのね。だけど、監督の“年齢に合った別の俳優と交代”は必要なかったのでは。十分にメイクをすれば中年期も老年期も演じられると思うのですが。子供たちはしかたありませんが。そのため、全く顔と体型が違う(ルイジ・ロ・カーショの役)ので、同一人物の物語なのか話がわからなくなるのです。自分的には奥さんは再婚したのかと思いました。

    それと、映画を観ただけでは靴紐の結び方が何故それほど重要か、わからなかったんだな。原作の方はもっと深みがあるんだろうな。多分。

    繰り返しますが、繊細なストーリーですね。このストーリー、女性が観ると違う感想を持つのかな。だけど、イタリア映画は良いね。そして、不倫相手(これは不倫じゃないか)の女性は魅力的でいいですね。何を観ているんだか!

  • 「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」が終る。やっぱり、太陽が知っている・ルートヴィヒ・追想だね

    「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」が終る。やっぱり、太陽が知っている・ルートヴィヒ・追想だね

    8月中旬から上映が始まった「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」については、「太陽が知っている」を観に行って先日もそのブログを書いたところなのですが、その後結局は自分が見ていなかったロミー・シュナイダー出演の映画を3本ほど観に行ったのです。

    既に観に行ったものも含めて、今回の映画祭で上映された映画はすべて見たということになりました。今回は自分の備忘録も含めて、その感想を記しておきたいと思うのです。

    今回の「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」で上映されたのは次の7本です。

    • 『離愁 4Kデジタルリマスター版』
    • 『地獄』
    • 『太陽が知っている 4Kデジタルリマスター版』
    • 『夕なぎ』
    • 『マックスとリリー』
    • 『サン・スーシの女』
    • 『華麗なる女銀行家 4Kデジタルリマスター版』
    • 『地獄』

    そして、「太陽は知っている」は別にして、追加で観た3本は、「離愁」「華麗なる女銀行家」「マックスとリリー」です。映画として面白かったのは「マックスとリリー」かな。なんと古い映画ですが日本で劇場初公開とのこと。娼婦役ですが、フィルム・ノワール感満載の佳作ですね。この役をカトリーヌ・ドヌーヴからロミー・シュナイダーが奪ったとのこと。それもそさりなんと思います。

    「地獄」は監督に焦点を当てたドキュメンタリーなので「情婦マノン」「恐怖の報酬」などで知られる名匠の監督のアンリ=ジョルジュ・クルーゾーに思い入れがなければあまり面白い作品ではないな。

    だけど驚いたのは、自分が観た回のどれもが、シニア層特にシニアの女性層でほぼ一杯になった映画館というものを初めて観たのです。みんなノスタルジックな感覚に浸りたいのかな。

    そんな渋谷でのロミー・シュナイダー祭も9/8(木)で一旦は終了のようです。

    だけど、これでロミー・シュナイダーの出演映画のほぼすべてを見たことになると思いますが、やっぱり評価は変わらないな。やっぱりこの3本になりますね。

    • 「太陽が知っている」(アラン・ドロンとの共演)
    • 「ルートヴィヒ」(監督: ルキーノ・ヴィスコンティ)
    • 「追想」(あのニュー・シネマ・パラダイスのフィリップ・ノワレとの共演)

    映画的には卒倒するほどの美意識映画の「ルートヴィヒ」が圧倒的ですが、「太陽が知っている」の白い水着もいいし(コレばっかり言っていて変態だな)、「追想」の火炎放射器もすごいぞ、と言いたいですね。

    特に「追想」はあの内藤陳氏が“コレを観ずに死ねるか”といった映画なのですね。

    思うに、願わくばもう少し多くのヴィスコンティ作品でロミー・シュナイダーを観たかったな。「山猫」のクラウディア・カルディナーレの替わりにロミー・シュナイダーでも良かったと思うのですが。やっぱりイタリアが舞台なら、クラウディア・カルディナーレなのかな?

  • バーブラ・ストライサンドとレディー・ガガの共通点は?ブスと超美人に見える時があるんだな、不思議

    バーブラ・ストライサンドとレディー・ガガの共通点は?ブスと超美人に見える時があるんだな、不思議

    今日は映画のお話しなのです。

    自分の大好きな映画に「追憶」(原題: The Way We Were)があります。監督はシドニー・ポラック、主演はバーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォードという最強の布陣です。

    恋愛映画ですから、超男前のロバート・レッドフォードは最適役、ハリウッドでかなうものはいないでしょう。その相手役のバーブラ・ストライサンドは美人かというと少し?がつく配役と思うのです。素直に考えれば。

    だけど、映画を観進めていくと不思議ことが起こるのです。最初はやっぱりバーバラは美人じゃないな、どうしてロバート・レッドフォードが惹かれるのはおかしいのではと思うのです。

    だけど、あら不思議、終盤にかけていくにしたがってあのバーブラ・ストライサンドが超美人に見えてくるんだな。監督のマジックかどうかはわかりませんが、自分でもこの人、美人だなと納得するのです。

    ストーリーもバーバラが唄う主題歌も素晴らしいのですが、自分の中ではいつも不思議だなと思わせる映画がこの「追憶」なんだな。

    そして、そのバーブラ・ストライサンドと比べたくなる女性に、あのレディー・ガガ様がいるのです。半年前に観た映画に「ハウス・オブ・グッチ」があるのです。レディー・ガガ様が主演ですが、この人も本当にブスに見える時と超美人に見える時があるのです。まさにバーバラ現象が起こるのです。

    だけど今、イタリア女を演じさせたらこの人が一番似合っているね。スクリーンで見て確信したのでした。だけど、「ハウス・オブ・グッチ」の中でのデブになったアルパチーノは見たくなかったな。あのゴットファーザーのマイケルはどこに行ったんだ。使用前・使用後の様相です。

    今日はバーブラ・ストライサンドとレディー・ガガの相似性について語りたかったのですが、もう一つ、先週末にDVDで観た映画のことを。

    名優のケネス・ブラナー(制作・監督・脚本)が製作した「ベルファスト」です。

    彼の幼少期を投影した自伝的作品で 故郷への郷愁とリスペクトを 英国・アイルランド実力派俳優たちの競演で魅せる、 泣き笑いの人生賛歌、という作品です。あえてモノクロで撮っており、すばらしい作品だった。俳優陣もいいのです。

    父親役の人、どこかで見たことある人だな、ハンサムでサム・シェパードみたいな人だなと思ったのでした。調べたら、あのダコダ・ジョンソンを緊縛した人間ではないですか

    あの「フィフティ・シェイズ・フリード」3部作の変態男性だったとは。お母さん役のカトリーナ・バルフも美人でいい役者さんですね。

    まあ、この映画の主人公は少年バディ(ジュード・ヒル)だと思いますが、この少年を見ているとどうしても「ニュー・シネマ・パラダイス」のトトとオーバーラップするね。

    とにかく「ベルファスト」はよい映画です。だけど、ダコダ・ジョンソンを緊縛したあいつは許せないな。

    余談ですが、現在の自民党の茂木幹事長は本当に“なべおさみ”にそっくりだな。家内から聞いた話しですが、そのことを本人に言うと激怒りするというのです。

    だけど、週末のお昼ごろ、赤坂あたりを普段着でうろつくのはやめてほしいな。幹事長になってからはお見受けしませんが。

    というわけで本日はお顔のお話しでした。

  • “没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭”が開催中、「太陽は知っている」を観て、大人の女の色気に卒倒してください

    “没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭”が開催中、「太陽は知っている」を観て、大人の女の色気に卒倒してください

    昨日金曜日から上映が始まった映画でその知らせを聞いてから楽しみにしていた映画企画があったのです。そして、その初日に早速、渋谷のBunkamuraにある「ル・シネマ」に足を運んだのでした。

    その企画とは、「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」なのです。そう、あの今は亡き大女優のロミー・シュナイダー(Romy Schneider、1938年 – 1982年)の没後40年を迎えての企画です。まさに、卒倒ものの企画ですね。

    キャッチコピーは、“波乱万丈の生涯を送った、ヨーロッパ映画最高の映画女優 その軌跡をたどる、初の本格的な特集上映”です。

    自分的にも、名女優はたくさんおられますが、ロミー(気安く呼ぶなと言われそうですが)はその美貌ではやっぱり映画史上のNo.1女優だと思うんだな。大人の女を演じさせれば、この人になかなうものはありません。特に、今回観た「太陽が知ってる」の白と黒の水着姿にはまいるんだな。

    だけど、ロミー・シュナイダーで44年間の生涯だったんだな。自分的には彼女の映画でベスト3は下記かな。

    • 「太陽が知っている」
    • 「ルートヴィヒ」(監督: ルキーノ・ヴィスコンティ)
    • 「追想」

    特に、水着以外でのロミーの美貌は「ルートヴィヒ」で炸裂します。自分の親父のヴィスコンティはよくわかっているね。山猫のカルディナーレとは違うね。

    そして、今回の8/5(金)~8/25(木)の特集上映されるのはこの6作品なのです。

    • 『太陽が知っている 4Kデジタルリマスター版』
    • 『マックスとリリー』※日本劇場初公開
    • 『夕なぎ』
    • 『離愁 4Kデジタルリマスター版』
    • 『華麗なる女銀行家 4Kデジタルリマスター版』
    • 『サン・スーシの女』
    • 『地獄』※日本劇場初公開

    このラインナップであれば、いの一番に大画面で見ないといけないのは、「太陽が知っている」でしょう。原題は、「La piscine」で「スイミングプール」という意味ですね。

    あらすじはこんな感じです。

    『太陽が知っている 4Kデジタルリマスター版』(1969年)

    監督:ジャック・ドレー

    出演:アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、モーリス・ロネ、ジェーン・バーキン

    バカンスを過ごしていたジャン=ポール(アラン・ドロン)とマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)だが、マリアンヌが招待したハリー(モーリス・ロネ)と娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)がやってきてから雰囲気は一変する。

    ハリーはマリアンヌの元恋人で、ジャン=ポールはハリーに劣等感を抱えていたのだ……。陽光降り注ぐサントロペの別荘を舞台に、4人の男女の思惑が官能的かつ不穏に交錯し合う心理サスペンス。かつて恋人同士だったドロンとロミーが後戻りのできない道を歩んでゆくカップルを熱演。

    自分の記憶では、もう少しロミーとアラン・ドロンがプール脇でいちゃいちゃするシーンが多いと思っていたのですが、そんなに多くないのね。そして、ロミーの白い水着姿ばかりと思っていたのですが、そんなにシーン的には多くないのね。人間の記憶ほどあてにならないものはありません。

    若き日のあの泣く子も黙るジェーン・バーキンも出ていますが、ロミーの大人の色気から見れば小娘(いい意味で)ですね。

    そして、舞台は南仏のサントロペです。サントロペと言えば、自分がイチオシの水着ブランドで偏愛するVilebrequin(ヴィルブレクイン)の発祥地なんだな。(超マニアックだね)どうりで舞台がおしゃれすぎます。

    だけど、やっぱりいい映画だったな。ロミーの映画、あといくつ観に行こうかな。

    最後に「追憶」ですが、鉄板の“これを観ずに死ねるか”の映画の一本に挙げられていますよ。ナチに対して火炎放射器が炸裂します。

    こんな映画を見れて、生きててよかった。

  • 泰明庵で“せりカレーそば”を食す。夏でもあるよ、但し、根っこはなし

    泰明庵で“せりカレーそば”を食す。夏でもあるよ、但し、根っこはなし

    昨日は家族の一人が週末に観に行って激賞した映画があったのです。題名は「アルピニスト」です。東京の都心では日比谷のシャンテで現在上映中なのです。そんなに激賞するならと朝の回にのこのこと一人で鑑賞しに行ったのです。

    一言で言うと、確かにすごかった。ドキュメンタリーですが、是非、大きな画面で見ることをおすすめします。ドキュメンタリーと言えども、大手のユニバーサル配給の映画ですので、おもしろさは半端ありません

    こんなあらすじです。

    命綱無し、たった独り、前人未到の挑戦

    映画制作の発端は、モーティマー監督が耳を疑う噂を聞いたことだった、その噂によると、クライマーたちの間では知られている名山に一人で挑んで、次々と記録的な登頂を成功させている若者がいるらしい

    彼の名前はマーク・アンドレ・ルクレール。カナダ生まれの23歳の青年だ。偉業を成し遂げながらもその名が知られていないのは、彼がSNSを一切やらないからだった。

    現在、登山の世界ではSNSで登頂を世界に向けて発信することが主流になっており、スポンサーと契約を結んで派手な宣伝をしてクライミングに挑むアルピニストも多い。しかし、マークは自分を売り込むことには興味がなく、自分の楽しみのためだけに登山をする。モーティマーはカナダに赴いてマークを見つけ出し、そのカリスマ的な人柄に惹かれて彼のドキュメンタリー映画を撮ることにする。そして、完成したのが無名の天才アルピニストの姿を記録した『アルピニスト』だ

    だけど、本日はこの映画の話しではないのです。見終わったのが、午前の11時30分です。外はかなりの雨です。ランチでも食べようかな。となると、久しぶりに近くのそば屋さんの「泰明庵」に行こうかなと思った次第です。秋から冬場にかけては週1回は通っているお店です。そのシーズンは“せり入り”のカレー南蛮があるのです。自分的にはその旬のシーズン以外はないと思いこんでいたのです。そんな情報だったんだな。まあ、雨だし、代わりにニラ入りのカレー南ばんにしようと思って。

    久しぶりの泰明庵です。4ケ月ぶりかな。本日は2Fへ。まずは映画の興奮の熱冷ましにビールを1本。サッポロの黒ラベル、うまいね

    そして注文です。お姉さんに恐る恐る“せりカレーそば”あるのと聞くと、あっさりと「はい、あります」とのことです。それではこの逸品しかないな。ついでに、いつものようにせりの根も入れてね、というと、「お客さん、この時期は根はないんですよ」とのことです。

    根入りのせりカレーそばは食べれませんが、普通のは今の時期でも食べられるのね。初めて知りました。そして、一人でビールを1本丁度飲み干したぐらいに、思いがけない「せりカレーそば」の登場です。この餡の照りだよね

    泰明庵のカレー南ばん、普通盛りでもかなり麺は多いです。普通の人は大盛りは厳禁だな。

    カレー南ばん、やっぱり旨いよ。せりも根っこがなければすごく食べやすいよ。だけど、あの根っこがたくさん入ってるせりカレーそばが本来の泰明庵のカレーそばでしょう。寿司にわさびが入っていないぐらいの違いです。

    だけど夏にもせりカレー南ばんがあることを確認できただけでも今日の収穫でした。ご馳走様でした。

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  • ノルウェー版大豆田とわ子?映画「わたしは最悪。」を見たぞ。恋愛と人生に悩む現代人に送る、セリフが刺さる映画だよ

    ノルウェー版大豆田とわ子?映画「わたしは最悪。」を見たぞ。恋愛と人生に悩む現代人に送る、セリフが刺さる映画だよ

    週初めの昨日月曜日に思い立って、渋谷にあるBunkamuraル・シネマにて絶賛上映中の「わたしは最悪。」という映画を見てきたのでした。きっかけは、そのキャッチコピーです。

    ノルウェー版大豆田とわ子?! 映画『わたしは最悪。』はリアルな台詞が刺さる

    自分は実は松たか子主演の「大豆田とわ子と三人の元夫」は見たこともなかったのですが、その“近年非常におもしろいドラマだった”という高評価は知っていたのです。

    ちなみに、「わたしは最悪。」はこんな映画プロフィールなのです。

    『わたしは最悪。』(原題・ノルウェー語: Verdens verste menneske)は、ヨアキム・トリアー監督による2021年のダーク・ロマンティック・コメディドラマ映画である。

    『リプライズ(英語版)』(2006年)と『オスロ、8月31日(英語版)』(2011年)から続くトリアー監督の「オスロ三部作」の第3作である。

    プレミア上映は第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で行われ、レナーテ・レインスヴェが女優賞を受賞した。第94回アカデミー賞には国際長編映画賞と脚本賞にノミネートされた。

    話しは、主人公女性の20代後半から30代前半の恋とキャリアと日々の暮らしが描かれ、その物語はリアリティあるセリフに溢れています。私って、失敗の多い人生かもという自分探しの物語というのかな。それに恋愛と現代性が交わってきます。

    一番の魅力はこの主人公を演じた女優のレテーナ・レインスヴェの魅力かな。カンヌでの主演女優賞も納得かな。2つ目は脚本が緻密で出来がすばらしいのです。物語は12章にカットされて、最後に最終章がついています。

    まあ、あえて言えば本当にたわいののない話しをこれだけ魅力的な映画に仕上げるのは監督の力量でしょう。そして、オスロの街の風景がよいです。中盤に時がとまる映像演出は魅力的な演出です。そう、主人公が走っているポスターのカットの場面です。

    北欧の映画というと、どうしても日照時間が少ない影響なのか、暗い風景の映画を思い出します。そう、自分のイメージではアキ・カウリスマキ監督なのです。西加奈子さんの最新刊「夜が明ける」も絶望的な主人公でアキ・マケライネンの北欧映画が取り上げられていたもんな。

    だけど、この映画は違います。そうだよな、北欧がすべて暗い風景ではないんだよな。この映画では普通の美しいオスロが描かれています

    そして、最後に感心したところ。12章まで見終わって、さあ最後です。この拡散した物語をどうまとめて終わらせるのだろうと思ったのでした。心配したのかな。

    だけど、数分の余韻のある終わらせ方には感心したんだな。監督の力量を確認できました。いまの時代、「ノッティングヒルの恋人」ような夢物語より、風刺の効いた現代という時代をきりとった物語の方がリアルさんがあっていいんだな。時代を反映するラブ・コメディーです。

    自分的には非常にお薦めする映画です。あの女優さん、本当にいいね。

  • 映画「エルヴィス」を観て、パーカー大佐から「沢村忠に真空を飛ばせた男」の野口修と五木ひろしにつながった

    映画「エルヴィス」を観て、パーカー大佐から「沢村忠に真空を飛ばせた男」の野口修と五木ひろしにつながった

    今週、現在上映中の映画「エルヴィス」を見に行ったのです。監督は「ムーラン・ルージュ」などを監督したバス・ラーマンです。あのKing of Rockのエルヴィス・プレスリーの栄光と死というか挫折を描く物語です。

    主演はエルヴィス役にオースティン・バトラー、そのマネージャーのパーカー大佐役にトム・ハンクスが熱演しています。特に、オースティン・バトラーはエルヴィスに憑依したとしか思えない見事な演技をしているね。話題沸騰の映画です。自分的には広い映画館のスクリーンで見たかったのです。

    だけど、本日は映画の話しではないんだな。今日の話しは映画のエルヴィスを食い物にしたマネージャーのパーカー大佐についてなのです。

    そして、話しは数ヶ月前に読んだ「沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝」に飛びます。この本、昭和の芸能界(すなわち芸能界の成り立ち)とボクシング、とりわけキックボクシング界隈の世界を描いたもので、史実としてもエンターテインメントとしても非常におもしろく、内容の深い書籍だったのです。自分的には本年度イチオシの書籍です。

    その本の中にそのパーカー大佐のことが触れられています。映画を見ながら、野口さんも五木ひろしもこのパーカー大佐に手玉にとられたんだろうなと思ったのでした。

    書籍の中でのパーカー大佐とのからみは、野口修さんが売出し中の五木ひろしに日本人歌手で初めてラスベガス公演をパーカー大佐のサポートで実現させるのです。が、この公演は日本側ですべての席を買い上げるというもの。決してエルヴィスのようにホテル側から三顧の礼をもって迎えられた契約条件ではなかったんだな。

    パーカー大佐にエルヴィスと同等ですよとささやかれて、まあ騙されて夢を見たということなのです。

    というわけで、映画を見ながらそんなトム・ハンクスのパーカー大佐を観たのでした。だけど、悪役のパーカー大佐ですが、どう見ても善人面のトム・ハンクスではえげつなさがないのが残念だったな。

    そして、書籍はこんな感じです。

    本格ノンフィクション超大作が待望の書籍化

    「キックボクシング」を命名・創設し、沢村忠というスーパースターに加え、歌手の五木ひろしを世に送り出した伝説のプロモーター・野口修の生涯を描く

    日本一の「拳闘士」にして「国士」でもあった父を持ち、戦前から続く政財界や裏社会の多様な人脈を生かしながら、様々な興行を仕掛ける野口修。特に、タイ式ボクシングと大山道場(後の極真会館)との他流試合の実現とキックボクシングの創設は、日本の格闘技史で特筆されるべきエポックメイキングとなる。彼はタイのムエタイを「キックボクシング」として日本に持ち込み、沢村忠を擁して一大ブームを巻き起こす

    さらに、当時は別名で活動していた五木ひろしをヒット歌手に育て、日本レコード大賞を受賞させ、芸能界も制する

    数々の偉業を成し遂げる一方で、世界タイトルマッチ興行を巡る水面下の駆け引きや晩年など、野口修のドラマチックな人生と共に刻まれた、壮大な昭和裏面史を余すところなく描く

    肝心の「沢村忠に空を飛ばせた男」のタイトルの沢村忠は“真空飛び膝蹴り”で毎試合、真剣勝負をしたのでしようか。本を読んでのお楽しみです。

    だけど、今はあのスーパースターの沢村忠を知らない人の方が多いのかな。とにかく、長島と王と大鵬をすべてあわせたようなスーパースターだったのです、当時。ねえ、白鳥くん。

    補足を一つ。昭和で有名な作詞家兼クラブ姫のママ・山口洋子さんの夫はこの野口修さんです。山口洋子さんの代表曲は五木ひろしの「よこはま・たそがれ」です。昭和を過ごした自分としてはすごい話を聞かせてもらいました。

    時代はめぐるね。中島みゆきの「時代」みたいだな。

    2021年のGWにヴィスコンティの超大作「ルートヴィヒ」を見た。すごいものを観たの一言





  • 目黒シネマで“宇宙最強の男、ドニー・イェン”の映画を観たあとは、「かづ屋」へ直行するしかないだろう、美味いね“支那そば”

    目黒シネマで“宇宙最強の男、ドニー・イェン”の映画を観たあとは、「かづ屋」へ直行するしかないだろう、美味いね“支那そば”

    本日のブログも最終的にはランチでのラーメン屋の話しで終わるのですが、昨日のブログはトム様の「トップガン マーヴェリック」から西麻布の博多ラーメン「赤のれん」への話しでした。

    本日は一転して、かなりのマニアックというか超B級の映画のお話しです。自分は今まで知らなかったのですが、東京のJR目黒駅近くに目黒シネマ(大蔵映画)という単館の映画館があるのです。数週間前に気づいた映画館で今や珍しい基本2本立て上映する映画館なのです。駅から徒歩1分です。

    そして、こんなラインナップを見たのです。どちらも香港映画です。

    • 導火線
    • レイジング・ファイア

    主演はどちらもドニー・イェンです。自分にはあまり馴染みのない俳優さんなのです。

    だけど、そのタイトルがすごい!

    • ~宇宙最強の男、ドニー・イェン三連撃!~(もう1作は燃えよデブゴン)

    自分はこのタイトルを見ただけで、この未知の映画館に行く決心をしたのです。11時の上映開始から15分のインターバルを挟んで2作目の終了が2時55分です。

    地下1Fです。なんか、ほっこりとする昔の映画館の匂いがするな。

    そして、作品です。1本目の「導火線/FLASH POINT」にまずどぎもを抜かれました。最後30分の格闘シーンのすごさです。宇宙最強の男、ドニー・イェンはすごいな。動けて戦える俳優ですね。

    2作目の「レイジング・ファイア」はあのマイケル・マンの名作「ヒート」の香港版と思ったな。特に香港市内でのあのドンパチシーン、まさにヒートです。パチーノとデニーロの渋さはありませんが、これまた、宇宙最強の男、ドニー・イェンの壮絶格闘シーンで終わります。

    あー、疲れた3時間でした。難しいことは抜きに、おもしろかったな

    というわけで、壮絶格闘シーンを見たあとは、これまたお腹が減るんだな。せっかく目黒に来ました。目黒ならサンマではなく、「ラーメン二郎 目黒店」か「支那そば かづ屋」の2者択一しかありません。自分の選択肢、寂しいな。

    というわけで、こんな格闘シーンを見たなら熱冷ましにビールを1本飲まないわけにはいきません。ということは「支那そば かづ屋」で決まりです。

    15時10分に入店します。この時間帯ではお客さん、結構いらっしゃいます。すごいね。

    まずはなにはともあれ、ビールを1本です。ランチ・タイム時には安くルーロー飯が食べれるなと思ってお店のお兄さんに聞くと、ランチタイムは15時までということで、本日はルーロー飯はあきらめます。その替わりに、つまみでキャベツ漬け(240円)を注文です。

    宇宙最強の男、ドニー・イェンを思い出しながらのビール、格別です。だけど、このキャベツ漬、パセリがかなり強烈です。パセリはもう少し少なくした方がよいのでは。

    そして、ラーメンです。いやここは、支那そばか。ワンタン入のワンタンメン(1,170円)にします。煮干し系でも銀座の共楽とは違い、海苔が1枚乗っています。チャーシューも中華ぽいですね。スープは最初の数口は少し薄いぐらいに感じる上品なスープです。麺も中太麺のストレートです。自分の記憶と違ったのが、ワンタンの具がかなり大きかったことです。これはかなりお腹一杯になるワンタンというかワンタンメンだな。大盛りにしなくて正解でした。

    だけど、これはこれで完成された一級品のラーメン、いや支那そばですね。

    今後、この目黒シネマから「支那そば かづ屋」へのコースも定番になりそうです。

    ご馳走様でした。

    だけど、繰り返します、“宇宙最強の男、ドニー・イェン”はトム様に負けず劣らず、すごいやつですね

    日比谷で「エドワード・ヤンの恋愛時代」を観る、これ大傑作だよ、あの人オードリー



  • 「トップガン マーヴェリック」を見終われば、トム様・神様・仏様、西麻布の博多ラーメン「赤のれん」でお腹を満たすしかないだろう

    「トップガン マーヴェリック」を見終われば、トム様・神様・仏様、西麻布の博多ラーメン「赤のれん」でお腹を満たすしかないだろう

    本日のブログも最終的にはランチでのラーメン屋の話しで終わるのですが、本日はそのお店に行くことに相成った物語があったのです。

    現在、世界中(主に米日欧かな)でメガヒットを記録しているのがあの皆様御存知のトム様主演の「トップガン マーヴェリック」なのですね。自分的には、まああえて劇場で見る必要もなく、DVDで鑑賞すれば十分ではないかと早々と劇場での鑑賞は見切りをつけていたのです。

    だけど、いろいろなところでの情報を総合すると、えらく評判が良すぎるのです。劇場に2回も足を運んだという人がザラなのです。

    というわけで、自分もすぐに趣旨変えです。平日の朝起きて、梅雨の雨模様の空を見上げて、こんなときこそ、そうだ「トップガン マーヴェリック」を見に行こうと思い立ったのです。

    六本木ヒルズのTOHOシネマズに12時30分の回に行ってまいりました。劇場は平日の昼間にしてはお客さんは入っているとお見受けしました。さすがトム様です。

    そして、見ての感想です。今回の敵国はイランの核施設なのですね。敵国はイランになっていますが、中国・ロシア・北朝鮮に置き換えても全く違和感ありません。

    2時間20分十分に楽しませていただきました。アメリカ海軍などが全面協力なので、ど迫力です。絶対に音響の良いスクリーンで見るべきです。アカデミー賞に全くかすりもしない映画ですが、“是非、劇場で見るべし”の作品です。トム様曰く、「損はさせません」的な映画です。このご時世の世界情勢も引き寄せる、トム様の引きの強さです。

    14時50分に終了すれば、心はまさにトップガンです。どこにランチに食べに行くかです。

    今、六本木ヒルズにいるならば、ここしかないでしょう、東京の博多ラーメンの老舗、「赤のれん西麻布本店」です。

    15時の入店です。お客さんは誰もいませんが、カウンターに陣取ります。

    本日は喉の消毒というより、トップガン熱を冷ますために、かけつけのビール1本を注文します。心躍る映画を見たあとのビール、喉に染みるね。

    だけど、だいだい「赤のれん」に来るのは年1回、広尾の日赤で内視鏡検査をしたあと年1回のペースなので少し新鮮です。

    つまみに水餃子あたりを注文しようかと思いましたが、遅いランチなので自重します。だけど、最近、われながらラーメンの博多ラーメン率が高いね

    店内を見回すと、“赤のれん変り身の術”とあります。麺の硬さとスープの濃度です。

    (極細面のかたさ)

    • ヤオメン・カタメン・バリカタ・ハリガネ・粉オトシ

    (スープの濃度)

    • 油多め・油少なめ・油抜き・味うす・味こいめ

    さぞかし、油多め・味こいめスープはドロドロなんだろうな。

    そんな妄想をしながら、ビールを飲み干したら、ラーメンを注文です。

    今日は、

    • らぁめん 800円
    • ねぎ多め 150円

    を注文です。替玉(150円)はあとでね。

    そしてやってきました、「らぁめん」です。ネギ増しは別皿なのね

    スープを1口。豚骨スープ、美味しです。極細麺もぴったりです。しなちくは多いのね、初めて気づきました。やっぱり老舗だけあって、バランスのよいオーソドックスな博多ラーメンだね。替玉を頼めば、ごまと紅しょうがを大量投入して味の確変を試みます。

    そして、あっという間に完食です。ご馳走様でした。六本木でのトップガンのあとは西麻布の「赤のれん」でほっこりと

    そして、思い出しました。映画の予告でしたが、トム様、2023年にはミッション・インポッシブルの新作をやるのね。

    あの年になって全速力で走る姿を見て、「この人、死んじゃうよ」、と思いました。自分とは違うか。家族にも話すと、「あんたは、トム様とは別物」と言われてしまいました。

    お後がよろしいようで。

  • 映画館でゴットファーザー3部作を全観る。至福の時だった。映画館を出る時、どうしてマイケル・コルレオーネの目つきになるんだろうな

    映画館でゴットファーザー3部作を全観る。至福の時だった。映画館を出る時、どうしてマイケル・コルレオーネの目つきになるんだろうな

    この2022年4月の1ケ月は至極の月だったのです。何が至極かと言えば、この4月からスタートした新シーズンの「午前10時の映画祭12」で映画館での「ゴットファーザー3部作」の一挙上映があったのです。昨日の金曜日に最後のパート3を見終わったのでした。

    やっぱり映画界の至宝ですね、ゴットファーザーは。見応え十分です。3部作のいずれも、あの冒頭のマリオネットのタイトル画面とニーノ・ロータの音楽が流れれば、すぐに映画に没入できる冒頭はすばらしい。

    ちなみに、自分が観た映画でベスト3を挙げろと言われれば、この3つかな。

    • ニュー・シネマ・パラダイス
    • ディア・ハンター
    • 地獄の黙示録

    まあ、そんなことはさておいて今回の3部作を感じたことを。

    3部作の中で一番のお気に入りが最初のパート1なのです。そして、歴代映画の中でのラストシーンで一番好きなのがゴットファーザー1の最後のシーンでマイケルがゴットファーザーとなり、その目の演技で俺がゴットファーザーだぞと示すと同時に、部屋のドア閉じられるシーンなのです。自分はそう今まで思いこんでいたのです。今回見たときは、ドアは締められずに、最後のカットで妻のケイ(ダイアン・キートン)がクローズアップになり、その不安そうな表情を映し出して終わりとなったのです。

    あれ一番好きなシーンが変わったのかな、それとも自分の思い込みだつたのかな。

    パート1はやっぱり原作者のマリオ・プーゾとコッポラの才能の賜でしょう。もちろん、マーロン・ブランドとアル・パチーノの存在もありますが。だけど、フレド役のジョン・カザール(当時、メリル・ストリープと婚約寸前?)はすごい役者だね。ゴットファーザーとディア・ハンターの両方に出て主役級の役回りだもの。まあ、トム・ヘイゲン役のロバート・デュバルの味のある演技も特筆ものですね。

    そして、最後のニューヨークのボス殺戮シーンはバッハが流れていたが、やっぱりイタリア映画ならイタリア・オペラのアリアを流してほしいなと、初めて思った次第です。

    一方はパート2の方はこれは明らかに、脚本が素晴らしいのだと思った。マイケルとドンコルレオーネの若かりし頃を交互に描く演出のすばらしさ。キューバ革命と大統領暗殺のほのめかしまで、話しは大きくなりますが。最後のフレドを殺したのは、一旦は赦す場面も見せながらも、マイケルが言った「母が生きている限りは生かす」をそのままだったんですね。

    そして、最後シーンのマイケルが頭を抱える前のワンシーン、兄弟の団らんのシーン挿入はすばらしい演出、その日がパールハーバーという逸話をコソッと入れたりして

    そして、昨日のパート3です。だけど、アンディ・ガルシアはいい男ですね。少し危険な香りがあって。マイケルの娘役のソフィア・コッポラはレディーガガによく似ているね。イタリア女感たっぷりです。最後のシーンのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」はイタリア映画の締めとしては納得です。その前のマイケルのシチリア凱旋の時に流れた「行け、我が想いよ、金色の翼に乗って」のシーンも泣けて来るね

    まあ、3部作通して祝宴とそれに対比する殺戮の使い分けとの対比がうますぎです。映画史の中で祝宴シーンで印象に残るのは、ヴィスコンティの山猫、ディア・ハンターとゴットファーザーでしょう。

    アル・パチーノにとっては「ゴットファーザー」のマイケル役が一世一代の当たり役、デニーロはディア・ハンターだと個人的には思います。

    そして、いつも思うのがゴットファーザーを観て映画館を出ると何で目つきがマイケル・コルネオーレになるんだろうな、これが人生か

    本当に楽しい1ケ月でした。また3部作を映画館でやってくれるは10年後ぐらいかな。だけど、秋にはディア・ハンターやるってさ。

  • 今観れる、観るべき、最高のショーであり映画、「アメリカン・ユートピア」を観たぞ!これぞ現代の大傑作

    今観れる、観るべき、最高のショーであり映画、「アメリカン・ユートピア」を観たぞ!これぞ現代の大傑作

    2022年3月9日(水)にすごいものを観たのでした。おそらくここ数年で一番のコンサートというか演劇のパフォーマンスだったのです。それは、映画だったのですが。

    何にそんなに驚愕したのかと言うと、あのデイヴィッド・バーンの「アメリカン・ユートピア」(American Utopia)を遂に観たのでした。トーキング・ヘッズの頭脳であり、フロントマンだった人ですね。

    一言で言えば(月並みな表現ですが)、“前衛とポップが融合した現代最高パフォーマンス”といったところでしょうか。デイヴィッド・バーンの才能にようやく現代が追いついたということでしょうか。

    自分がデイビット・バーンに出会ったのは、トーキング・ヘッズのあの有名なジャケットのLPだったのです。そう、「リメイン・イン・ライト」(Remain In Light)です。1980年の作品ですね。強烈なポリリズムとアフロビートを持ち込んで成功させた前衛的なLPです。あのころ、これを聞かないと音楽がわからな&いけてる人とは思われなかったと思う、多分。同世代だからわかる自分。

    そんなデイビット・バーンもかなりのシニアになって、相変わらずぶっ飛んだ、いけてる「アメリカン・ユートピア」という大傑作のパフォーマンスを作り上げたことに敬意を評します

    画面で見るデイビット・バーンはかなりのシニアになっているけど、動作や声はあのディビット・バーンですね。体型の維持も含めすばらしいです。

    この「アメリカン・ユートピア」という映画はブロードウェーでの公演をスパイク・リーが監督して仕上げたものです。

    実はこの映画が半年ぐらい前に公開された時に、J-WAVEの朝の番組のナビゲーターの別所哲也さんが度々この「アメリカン・ユートピア」はすごいらしいと、番組の中で言われていたのでした。

    自分も観に行こうと思っていたのですが、いつの間にか、この映画は終了していたのです。だけど数日前に、「TOHOシネマズ 日比谷」で上映が再開されたのを知ったのです。何と、スパイク・リーとデイビット・バーンの特別対談映像が付け加えられたので、もう一度再開されたようです。

    ということで、即劇場に直行したのです。

    公式HPを覗いて観ましたが、著名人の中ではTOWA TEIさんのコメントが一番的確かな。

    凄まじい個性と実行力に打ちのめされました。 それから先ず、歌が上手過ぎて感激。 今観れる、観るべき、最高のショーであり映画です。 真のエンターティメントを求めてる人、全ての表現者は是非

    このバンドはディビット・バーン以外は11名で音の洪水とダンスパフォーマンスが繰り広げられます。

    特に関心したのは、ダンスを担当する男女かな。

    • クリス・ギアーモ
    • テンデイ・クーンバ

    女性ギターのアンジースワンも魅力的です。まあ、とくにかく全員がすばらしいです。歌って踊れて楽器もしないといけません。こんな舞台をブロードウェーで見れたら最高だな。まさに卒倒ものでしょう。

    老いてなおデイヴィッド・バーンは偉大なり、をまさに目撃しました。

    特に若者は必見でしょう。こんなすごいシニアがいるんだ、すごい前衛的な音楽があるのを知ったほうがよいです。ぶっ飛んでいます。

    自分のフェバリットソングの“ワンス・イン・ア・ライフタイム – Once in a Lifetime”は2/3ぐらいのところだよ。このポリリズムの洪水を聴くのは中毒症になるよね。わかる人にはわかるな。

  • 「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作

    「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作

    丁度1週間前にこんなタイトルのブログを書いたのでした。

    “まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」”

    この「輝ける青春」に大感動して、同じ脚本家のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリが担当したイタリアのドラマ「ジョルダーニ家の人々」というDVDを観たのでした。

    上映時間6時間39分という長尺です。このドラマは東京の岩波ホールで2012年に上演された時は「13時40分から3回の休憩を挟み21時15分で終了」というものだったのです。

    DVDでは4枚組です。

    そして、自分は2週間の週末ですべてを見終えました。

    はっきり言います。「傑作」です。現在の家族の問題、社会問題(難民、同性愛というジェンダーの問題)がすべて含まれています。やはり、ミケランジェロとルキノ・ヴィスコンティ、そして(ゴッドファザー)を生んだ国は偉大です。家族が流動化していく先進国の中流階級以上の問題をいろいろなエピソードを交えながら、多層的にドラマは展開していきます。

    尊敬する向田邦子が生きていたら、日本でもこんな脚本を書くだろうな、多分。

    ちなみに、原題は「Le Cose che restano」は”残るもの”という意味だそうです。このタイトルの高尚な意味は自分の思考範囲ではよく分かりません。

    物語の概要です。

    そしてふたたび、大きな愛につつまれる―

    イタリアのある家族の離別と再生を6時間39分にわたって描く感動の大河ドラマ。脚本は「輝ける青春」のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリ

    ローマに暮らすジョルダーニ家は、技術者の父、元医師の母、外務省で働く長男アンドレア、心理学者の長女ノラ、建築を学ぶ次男ニーノ、高校生の三男ロレンツォと、一見不自由のない幸せな家族に見えた。
    しかし三男の不慮の死をきっかけに、家族は心に秘めていた問題や困難に向き合うなかで、一人ずつ家を離れていく。彷徨える者たちが運命のように出会う人々、不法移民の女性とその娘、不治の病のフランス人、戦場で記憶を失った大尉等・・・。
    一本の川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび織りあわされて、血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく
    ラストシーンのジョルダーニ家の開け放たれた窓のように、さらに豊かに、開かれた未来に向かって―。

    自分の備忘録として、配役を記しておきます。自分的には、この映画はアンドレア・ニーノ・ノラの3兄弟とシャーバの物語と思います。特にニーノとシャーバが最高の立ち回りを演じています。

    アンドレア 演 – クラウディオ・サンタマリア 長男。

    ノラ  – パオラ・コルテレージ 長女。心理カウンセラー。

    ニーノ  – ロレンツォ・バルドゥッチ(イタリア語版) 次男。建築学専攻の大学生。

    ピエトロ  – エンニオ・ファンタスティキーニ 父。技術者。

    アニタ  – ダニエラ・ジョルダーノ 母。

    ロレンツォ  – アレッサンドロ・スペルドゥーティ 三男。

    シャーバ  – ファリダ・ラウアジ

    アリナ  – レイラ・ベクティ シャーバの娘。娼婦。

    シモーネ・ニコライ教授 – ヴィンチェンツォ・アマート

    フランチェスカ  – アントニア・リスコヴァ シモーネの妻でインテリア・デザイナー。

    カタルド刑事  – フランチェスコ・シャンナ 潜入捜査官。

    ミシェル 演 – ティエリー・ヌーヴィック ノラの患者であるフランス人の銀行員。

    ヴァレンティーナ  – ヴァレンティーナ・ダゴスティーノ ニーノの幼なじみの親友で同じ大学で建築を専攻している女子学生。

    ヴィットリオ・ブラージ大尉 演 – エンリコ・ロッカフォルテ ノラの患者。

    いろいろな講釈を述べましたが、是非、心を構えて見るドラマです。

    必観でしよう。考えさせられます。この感じ、やっぱりイタリアしか作れないんだろうな。



  • まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」

    まいったな。まだこんな知らないイタリア映画があったとは、ロバート・ハリスさんおすすめの映画「輝ける青春」

    今日は久しぶりに感動する長編映画を観たのでした。実はその映画は自分は全くのノーマークの映画だったのです。その映画を教えていただいたのは最近平日は毎日聞いているInterFMのロバートハリスさんがナビゲーターをしている教えて“大人のラジオ”「Otona no Radio Alexandria」という番組の中で紹介されていたのです。

    映画のタイトルは「輝ける青春」という思わず赤面しそうなベタなタイトルなのです。このタイトルで損をしているのかな。監督はマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ(Marco Tullio Giordana)です。作品の紹介プロフィールです。

    2003年カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ受賞
    上映6時間、1日1回上映ながら、本国イタリアはもとより、日本でも興収8千万円の大ヒットとなった壮大な感動作!!

    イタリアのある家族の涙と喜びに満ちた40年!カンヌ映画祭・ある視点部門グランプリを皮切りに、各国の映画賞を受賞。イタリア・ヨーロッパでも大ロングランとなり、日本でも1日1回上映でありながら、なんと興収8,000万を記録!6時間の贅沢なイタリアへの心の旅をお楽しみください!

    ◆2003年 カンヌ国際映画祭ある視点部門 グランプリ
    ◆2003年 ヨーロピアン・フィルム・アワード 監督賞ノミネート
    ◆2004年 ダヴィッド・デイ・ドナテッロ賞(イタリア・アカデミー賞)最優秀作品賞ほか6部門受賞
    ◆2004年 ロッテルダム国際映画祭 観客賞
    ◆2004年 シアトル国際映画祭 監督賞

    上映時間は6時間14分という超長編ものです。自分の場合はDVD2枚組で前編と後編の2枚組でした。話しは、1960年代から現代に至るまでのイタリアのある2人の兄弟の家族をめぐるイタリア近代史を織り交ぜながらの大河ドラマでしょうか。

    内容は保証済みです。思いっきり感動できます。舞台はトリノ・ローマ・シチリア(パレルモ)・ミラノ・トスカーナです。脚本よし、風景よし、俳優陣よしのすべて三拍子揃い踏みです。

    だけど、赤い旅団は出てくるやら、シチリアでのマフィア絡みありで、ゴッドファーザーに相通ずるものがあります。やっぱりシチリアものは良いね。

    そして、後の舞台のトスカーナの風景の絶景は何者にも代えがたい魅力を放っているのでした。こんなにすばらしいものを今まで何故しらなかったのだろうか?

    タイトルだけ見るとドン引きするようなタイトルですが、本当に内容はすばらしいですね。お兄ちゃんの方はアルパチーノに似ているという意見がありますが、それはどうかな。

    おすすめします。よい映画を紹介してもらいました。やっぱりイタリアは良いね。また、行きたくなりました。

  • 不覚にも「いのちの停車場」を見て、涙腺が緩んでしまった自分に情けない。田中 泯は役者をやらしてもすごいね

    不覚にも「いのちの停車場」を見て、涙腺が緩んでしまった自分に情けない。田中 泯は役者をやらしてもすごいね

    先日、以前ブログでも取り上げたことのある医師の“南杏子(みなみ きょうこ)”さんの小説を映画化したという「いのちの停車場」という映画を先日DVDで視聴したのでした。

    この映画のことはよく存じており、劇場で見るまでもないとたかをくくり、DVDになるのを待って自宅で視聴したので。もちろん一人で。

    そして、自分にとっては想像以上の映画だったんだな。主演は泣く子も黙る吉永小百合さんです。脇も、 松坂桃李, 広瀬すず、西田敏行、石田ゆり子、田中 泯などそうそうたる顔ぶれです。

    久しぶりに小林綾子を見て、色気のある奥様を演じていたのには驚きました。最初、この女優さんは見覚えがあるが、名前が分かりませんでした。不覚です。エンドロールで確認して、納得した次第です。

    エンドロールで言えば、昨年急死された東映社長の岡田裕介さんの名前を製作総指揮で見つけたときにはグッときましたね。原作と配役をから、故岡田社長にとっても力の入っていた映画だったのがよく分かります。

    自分的にはお涙頂戴系の臭い日本映画なんだろうなと思って、最初はあまり触肢が動かなかった映画で間違いなかったのですが

    見ている中で、不覚にもにも涙腺が緩んでしまいました。情けない自分。最近話題のダンサーの田中 泯さんが存在感を放っていましたね。やっぱり、吉永小百合、西田敏行、田中 泯の3名が抜きん出ているかな。だけど、1月ほど前に見た「孤狼の血 LEVEL2」での松坂桃李とは全く正反対の役柄でまいったなという印象です。(余談ですが、同じく孤狼の血の鈴木亮平さんも最近CMも多く、ギャップ感は半端ないですね)

    だけど、この映画のエンディング、監督もどのような映像にして終わるのかかなり悩まれたと思うんだな。

    自宅視聴ならテッシュを脇に置きながら、ご覧になればよいと思います。オススメの映画です。特に、最近、母の看病をうらみ立てこもって医師を殺害した事件もあっただけに、切実な切り口の映画ですね。

    ちなみに原作者の南杏子さんの本業は終末医療に携わる医師業でかたわら、小説も書かれています。

    2019年の段階では、東京都青梅市にある“青海慶友病院”で医療に勤務されているとのことです。とても大きな民間の病院で、病床数は700床以上あります。 そして、南杏子さんのお名前は、作家名(ペンネーム)らしく本名ではないです。

    書籍も是非拝読を。

  • 2022年1月31日千穐楽に志の輔の「伊能忠敬物語~大河への道~」を目撃。大河とはあの大河のことなのね

    2022年1月31日千穐楽に志の輔の「伊能忠敬物語~大河への道~」を目撃。大河とはあの大河のことなのね

    2022年1月もはや最終日です。1月31日は2年ぶりのPARCO劇場での「志の輔らくご」の最終日なのです。

    本日はこちらの公演のチケットを早々と確保しており、楽しみにしていたのでした。開演はお昼に14時です。志の輔師匠も公演の中で述べられていたのですが、コロナの影響で2年ぶりのPARCO劇場での公演だそうです。1月5日の初演から本日の最終日までで約1万2千人を動員したとのことです。大したものです。

    そして、会場に行って自分も驚いたのですが、すでに間引きなしで全席販売しているのですね。ぎっしりと間引きなしの光景を見て、少しはぎょっとしますね

    だけで、1月の月末で月曜日のお昼の公演なのに満席なのですね。これにも驚きましたが。

    そして、今回の目玉は志の輔師匠の創作落語「伊能忠敬物語―大河への道―」なのでした。

    公演の前にてぬぐいの販売店を冷やかしがてら、見たのが間違いでした。売り切れも多い状態ですが、見たからには1枚お買い上げです。しかたないか。

    公演は志の輔師匠の独演会です。

    1幕が空いて、ビデオから始まるというブラックジョーク的な現代的な演出です。

    中入前の“歳末の商店街でのくじ”に関する創作落語は大変おもしろかったな。噺しが終わった後の演出も。(退出時に本日の演目を記録するのを忘れ、噺しのタイトルは分からず、残念)

    そして、中入り後は「大河への道」です。自分的には、伊能忠敬のことだけを語るお話しだと思っていたのですが、かなり違っていたのですね。

    演目はこんな感じです。

    “伊能忠敬が一切出てこない伊能忠敬物語”として2011年の初演以来「落語を超えた究極の話芸」と評され、再演を繰り返す最も鑑賞券が取れない人気の演目となっている「伊能忠敬物語―大河への道―」は、立川志の輔が伊能忠敬記念館を訪れた際に伊能忠敬が製作した正確無比な日本地図を観て感動し、この感動を落語にと思って拵えた作品であるという。

    本作では「あの正確無比な日本地図を作ったのは実は伊能忠敬ではない」という噂が流れて、大河ドラマ制作が暗礁に乗り上げようとしているさまを描く現代の喜劇と、200年前に正確無比な日本地図を制作したとされる伊能忠敬の日本地図完成を巡る感動の物語を描く時代劇を融合させたミステリーとして描かれる。

    噺しを聞きながら理解したのは、「大河への道」という大河とはNHKの大河ドラマのことだったのですね。途中に、プロデューサーの方々の名前が出できたときには、少し自分の頭の中では混乱したんだな、これが。

    たしかに、ミステリー仕立ての部分もあるし、これはもう創作落語のレベルを超えているという演目ですね。

    やっぱり当代随一の噺家と確信した次第です。

    最後締めでは、志の輔師匠が2022年5月20日に公開予定の映画のことを力説されておりました。主演は中井貴一、ほか松山ケンイチ、北川景子という豪華ラインナップです。

    師匠も言われていましたが、ある日、この演目を鑑賞した主演の中井さんから酒を飲みながら映画化の直談判を受けたといい、「私が主演でなくとも、プロデューサーやスタッフとしてでもこの作品を映画化したいという気持ちだ」という中井の熱意に感激したと語られていました。

    今日は楽しかったな。また志の輔師匠の落語会に行こうかな。

    その前に一大行事、2月は確定申告書の作成に励まないと、トホホ。

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  • 向田邦子への賛辞。あの人はね、パシっとした女でした、つまり「昭和のホンモノ」です

    向田邦子への賛辞。あの人はね、パシっとした女でした、つまり「昭和のホンモノ」です

    自分のブログでは何回かあの向田邦子さんのことについて書いています。例えば、「あうん」など。年代もずれるので直接的な接点はないのですが、接点と言えば向田邦子さんが購入され最後まで住まわれていたか表参道の交差点の「青山第一マンション」の徒歩1分のところに自分も数年前まで住んでいたところかな?

    そんなどうでもいいところは別にして、2021年7月18日の日本経済新聞の日曜版に向田邦子さんの特集に目が留まるのは条件反射的だったのです。

    タイトルは、“向田邦子「伝説」の誕生と展開”です。副題は、“あの人はね、パシっとした女でした、つまり「昭和のホンモノ」です”なのです。実に刺激的な副題です。

    1. 僧敲月下門
    2. マミオ
    3. 人参のピリ煮
    4. 「映画ストーリー」
    5. 鹿児島市立山下小学校

    いきなり判じ物みたいに並べてみたが、おわかりだろうか。ピンときん読者も少なくないはずである。今年で没後40年。脚本家として多彩なドラマを送り出し、直木賞作家でもあった向田邦子をめぐるキーワードだ。

    1. 自宅マンションの玄関にあった中川一政の書。
    2. 飼っていたシャム猫の名だ。
    3. 妹の向田和子さんが営んでいた「ままや」の人気メニュー
    4. 雄鶏社の雑誌で、かつて邦子はその編集部にいた。
    5. 戦前、父親の転勤にともなって通った母校である。

    (中略)

    作品だけでなく、ライフスタイルやエピソードがここまで愛され続ける作家はまずいない。ほとんど「伝説」である。

    (中略)

    都心にひとり暮らす、仕事を持った女性。趣味の良い家具や器に囲まれ、手っ取り早く料理で客をもてなす。さりげなくオトナなので。「そうゆう生き方の方が読者に絶対受けると思っていました。時代とシンクロしていましたから」と柿内さん(マガジンハウスの元編集者で、邦子と親交のあった柿内さん)は言う。

    (中略)

    これだけ時が流れたのに多くのファンが「向田さん」と呼ぶ。この作家の現代性がそうさせるのである。

    (中略)

    それにしても、邦子は不世出の文章家であった。見事に引き締まったエッセーなどを読み返すたびに「昭和のホンモノ」の練度を痛感する。その自在な暮らしぶりの裏側には、仕事にかけるどれだけの苦心があったことか。

    (中略)

    人参のピリ煮はなんとか再現できても、言葉を紡ぐ力は、とうてい凡人の追随を許さないのである。

    自分の向田邦子さんに対するイメージは、やっぱり映画の「あうん」なんだな。初めてこの映画を見た時に、よい映画とは思いましたが、男女の機敏さをわかるには歳が若すぎたのか、成熟していなかったんだと思います。そもそも“あうん”という言葉の深い意味さえ分かっていなかったのですから。

    社前にある、こま犬。左が阿「あ」右が吽「うん」。意気が合う

    それを思うと、そんなおとなの男女の心の動きを書けるのは、やはりオトナだったのかな、向田さん。

    やっぱり惜しい人をなくしましたね。



  • 2021年で最高の劇場映画は「イン・ザ・ハイツ」で決まりだな。ラテンの熱波が来ています

    2021年で最高の劇場映画は「イン・ザ・ハイツ」で決まりだな。ラテンの熱波が来ています

    本日朝、急に思い立って、コロナ禍で初めて映画館で映画を見ることにした。劇場に行くのは、あの「ボヘミアンラプソディ」以来です。

    その映画は「イン・ザ・ハイツ」(In The Heights)です。結論から先にいうと、2021年で恐らく最高の映画だねということ。何故、この映画が気になったかと言うと、1週間前ぐらい前に、J-Waveを聞いていた時に、Def Techのマイクロが激賞していたのでした。

    これがひらめきとなって、ストーリーも何も知らずに、劇場に鑑賞に行ったのです。人間、ひらめきは大切ですね。

    もちろんすばらしい映画ですので、DVDで見ても名作なのですが、ラテーノの時代の爆発力はぜひ大きな画面で味わっていただきたいです。

    おそらく“ラ・ラ・ランド”級の映画です、それ以上かも。“ラ・ラ・ランド”はライアン・ゴズリングとエマ・ストーンという大スターが主人公ですが、こちらの「イン・ザ・ハイツ」は自分は知らない俳優ばかりです。

    ストリーも、“ラ・ラ・ランド”が人生の分岐点を感じさせる映画ですが、こちらは貧しいながらもハッピーエンドでラテンの熱気爆発です。

    どらがよいとかは別の話ですが。

    とにかく上映時間を忘れさせる没入感とハッピー感がある映画です。

    帰って、チェックすると監督をはじめとするバックはすごいですね。まさに豪華キャストです。

    映画の紹介はこんな感じです。

    トニー賞(作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞)とグラミー賞ミュージカルアルバム賞を受賞した傑作ミュージカルを映画化した「イン・ザ・ハイツ」。FOX NEWS、バラエティ紙、タイム誌など全米の名だたるマスコミがこぞって「今年最も観たい映画」に挙げ、早くもアカデミー賞最有力とするレビューもあがっている。アリアナ・グランデは「美しく完璧」、ヒュー・ジャックマンは「圧倒された。演技もダンスも音楽も演出も驚くほど素晴らしい」と大絶賛。映画批評サイトRotten Tomatoesでは驚異の満足度96%を記録している(6月15日現在)。全米大ヒット中の本作が、ついにこの夏日本でも公開される。

    メガホンを取ったのは、キャストがほぼ全員アジア人にも関わらず全米3週連続1位を記録し異例の大ヒットとなった「クレイジー・リッチ」のジョン・M・チュウ。傑作舞台に、映画ならではのスケールとカラフルな映像美に加え今日の世界の社会情勢も反映した大胆なアレンジも加え、新たな名作映画が誕生した。

    そして、ミュージカル映画です。原曲は誰が作っているかです。リン=マニュエル・ミランダです。映画の中でもカメオ出演されています。

    原作/作詞・作曲/音楽/製作:

    リン=マニュエル・ミランダ ピューリッツァー賞、グラミー賞、エミー賞、トニー賞の受賞歴をもつソングライターであり、俳優であり、演出家でもある。ブロードウェイのトニー賞受賞「ハミルトン」と「イン・ザ・ハイツ」のクリエイターであり、オリジナルキャストでもある。

    TV/映画作品に、『モアナと伝説の海』(16)、『メリー・ポピンズ リターンズ』(18)、『ハミルトン』(20・未)などがある。

    主人公は、アンソニー・ラモス (故郷に変える夢と恋に悩む“ウスナビ”役) 。

    グラミー賞受賞歴をもつアーティストであり、俳優でもある。高評価を受けたトニー賞受賞ブロードウェイ・ミュージカル「ハミルトン」で、オリジナルキャストとしてジョン・ローレンスとフィリップ・ハミルトンの二役を演じたことで有名とのこと。

    そして、こんな映画ですので、エンドロールも観たのでした。

    そしたら、出演者のところにあのサルサの大物Marc Anthony(マーク・アンソニー)大先生の名前のクレジットを見つけたのでした。どこに出ていたのかな。調べたらわかりました。ウスナビノの従弟の父親役でした。ああ、あのタトゥー男ね。

    とにかくマーク・アンソニーのアルバム「3.0」は必聴ですね。中でも“Flor Palida”は最高だね。

    やっぱりラテンというかサルサがきていますね。

    2021年の夏、劇場で観るべし。

  • ジブリの鈴木敏夫さん、「若い作家を見つけて育てれば長くメシが食べられる」には参ったな!

    ジブリの鈴木敏夫さん、「若い作家を見つけて育てれば長くメシが食べられる」には参ったな!

    2021年5月29日(土)の日本経済新聞の朝刊の記事というかインタビューの内容にはビックリしたのです。その記事とは、「食の履歴書」というコーナーです。

    今週、取り上げられた方は鈴木敏夫さん(スタジオジブリ・プロデューサー)です。

    自分は特にジブリファンでもないので、鈴木敏夫さんという名前程度しか知らず、そのパーソナリティーなどは全く知らなかったのです。

    小見出しは次のとおりです。

    小さな丸メガネの奥。悪戯っぽい瞳ながら、眼光炯々(けいけい)

    心を見抜かれたような気持ちになる。スタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫さん(72)は、日本アニメを国内外に知らしめた立役者だが、原動力は才能や手腕ではなく「食べるため」と言い切る。

    そして、本文の中盤に自分が“この人はすごいな”と思わせた文章があったのです。これだけはっきりと言えるのはただただスゴイの一言です。

    宮崎駿監督、故高畑勲監督の才能を見い出し、支えると決めたのは「金になると思ったから。大物ではなく才能ある若い作家を見つけて育てれば長くメシが食べられる」

    鈴木さんなしにでは世界的なスタジオ発足と、日本のアニメ映画の芸術性や実力が世界に周知されることはなかった。

    (中略)

    「鈍感男」と自称するのは、責任に押しつぶされたら無意味だから。「周りを気にせず、いつでも気楽にやる」がモットーだ

    まあ確かに、世の中の人は巨匠なり有名人に取り入って、出世やお金を稼ごうとします。だけど、鈴木さんの言うとおり、「若い作家を見つけて育てれば長くメシが食べられる」というのは、まさしく真理です。巨匠などは自分より早く死んでしまいます。飯のタネが尽きるのもはやいわけです。

    だけど、こんなことを鈴木さんほどの人がはっきりと言えるのは凄いことだと思ったわけです。できるな、お主。

    記事の名物の「最後の晩餐」についてです。

    よく聞かれるんですよ、それっ。最後は何を食べてもいいけど…..。

    卵かけごはんですかね、シンプルに。それも黄身だけの。卵をパカッと割って白身と分けるのもうまいんですよ。自慢したいくらいです。さっと食べたい。でも、このときは一人がいいかな。

    そして、“私食店”というコーナーです。

    旧築地市場(東京・中央)と築地本願寺(同)近くの路地裏に「魚がし 山はら」(TEL 03-3541-0050)はある。コース料理(12,500円)が中心。春夏は「鯛と筍」や「穴子と夏野菜」「蒸しホタルイカ」の土鍋ご飯がメインだ。

    旧築地市場内の店舗を2018年に移転した。土鍋ご飯は3代目の方又俊郎さんのオリジナル。ベースの出汁は同じだが、「具材ごとに違った味わいになる」(片又さん)。

    冬季限定のあんこう鍋(コース13,500円)は大人気。「どれも絶品。片又親子との会話が何よりも楽しい」(鈴木さん)。先代の弘行さんは息子に調理場を譲っているが、時折店に顔をのぞかせ常連との雑談に花を咲かせる。予約が必要だ。

    こちらの「魚がし 山はら」には伺わないといけないな。

  • 2021年上期の映画では「ネクスト・ドリーム」がベスト、ダコタ・ジョンソン目的だったが

    2021年上期の映画では「ネクスト・ドリーム」がベスト、ダコタ・ジョンソン目的だったが

    この週末に2021年上期で一番かと思う映画をDVDで観た。

    このDVDを借りようと思った理由は、ダコタ・ジョンソンが出演しているのと、TSUTAYAでのキャッチコピー“『イエスタデイ』『ラブ・アクチュアリー』の製作スタジオが贈る 最高のサクセスムービー!”に誘われてです。

    だからダコタ・ジョンソン以外の出演者や映画のストーリーも全く知らなかったのです。

    観た後の感想は、「出演者良し、脚本良し、ストーリー良し、音楽良し、後味良し」の映画だったのです。それにしても、ダコタ・ジョンソンがメラニー・グリフィス&ドン・ジョンソンの娘であるのを今回初めて知ったのでした。家人に話したら、そんなの10年前から知っているわよと冷たく言われたのです。

    映画を観ていて、歌姫グレース役のこの“おばはん”(失礼)、歌も貫禄もすごいなと思って視聴した後、伝説の歌姫グレース役を演じるのはダイアナ・ロスの娘トレイシー・エリス・ロスと知ったのです。どおりでその貫禄に納得したのでした。

    まるでジュディ・ガーランドとライザ・ミネリと同じです。

    アマゾンでの紹介文です。

    『イエスタデイ』『ラブ・アクチュアリー』の製作スタジオが贈る 最高のサクセスムービー!

    まだ諦めたくない夢、このままでいいの?

    『イエスタデイ』『ラブ・アクチュアリー』のワーキング・タイトル・フィルムズが贈る音楽業界版『プラダを着た悪魔』!
    ひとりでは叶わない夢が人との絆で動き出す最高のサクセスムービー!!

    プロデューサーを夢見る平凡なアシスタントの主人公マギーが伝説の歌姫グレースと共に現状を打破し、新たな夢に挑戦しようとする姿は、音楽業界版『プラダを着た悪魔』と評され話題に。
    人とのつながりや絆の大切さに気づく、最高のサクセス・ストーリー!

    ダコタ・ジョンソン×トレイシー・エリス・ロス
    ハリウッドセレブのDNAを受け継ぐ二人のサラブレッド女優が競演!

    夢に悩める女子を、メラニー・グリフィス&ドン・ジョンソンの娘であるダコタ・ジョンソン(『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』)が等身大の演技で好演。
    さらに伝説の歌姫グレース役を演じるダイアナ・ロスの娘トレイシー・エリス・ロスが本作で圧巻の歌声を映画初披露
    グレース役のトレイシー・エリス・ロスはピープルズ・チョイス・アワード ファッション・アイコン賞を受賞!
    日本でも2020年第49回ベストドレッサー賞推奨作品にも選ばれるなど、劇中の華やかなファッションも見どころの1つ!

    まさにドリームチーム!豪華スタッフ陣が放つリアルな業界描写と極上の劇中歌たち!

    監督は、サンダンス映画祭で『レイトナイト 私の素敵なボス』が注目された新進監督ニーシャ・ガナトラ。
    音楽プロデューサーは、マイケル・ジャクソン、マライア・キャリー、ビヨンセ、ジャスティン・ビーバー、レディー・ガガら錚々たるアーティスト作品を手がけてきたロドニー・ジャーキンス
    ストーリーとシンクロする歌詞も含め、作品の流れをうまく加速させる曲の数々は今作の大きな魅力!
    また、元音楽業界出身の脚本家が描く、随所に散りばめられたアメリカ音楽業界の“あるある”ネタも注目のポイント

    【ストーリー】
    マギーの仕事は、子供の頃から憧れていたハリウッドの音楽業界伝説の歌姫グレースのアシスタント。
    「音楽プロデューサーになる」という夢を抱き、きらびやかな世界で働いていることを幸運に感じているものの、実際は雑用ばかりの日々。
    そんなある日、魅力的な歌声を持つデヴィッドと出会い…。
    一方歌姫のグレースは、過去のヒット作のリミックスではなく新作のアルバムを作りたいと思っている。
    しかし、長年連れ添ったマネージャーのジャックから打診された仕事は、ラスベガスの長期公演だった。
    それは一見素晴らしいオファーのようだが、新曲制作への思いも捨てきれずにいて…。

    【キャスト】
    マギー:ダコタ・ジョンソン
    グレース:トレイシー・エリス・ロス
    デヴィッド:ケルヴィン・ハリソン・Jr
    ジャック:アイス・キューブ

    だけど、後から思うと、映画の中ではニヤリとする伏線がいくつも散りばめられているのですね。同じ週末に観た映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は明らかにやりすぎた感があって残念だったのです。