「池波正太郎の銀座日記」を再読、先生オススメの「オペラ・ハット」に今の映画が色あせると言わせるとは

今読んでいる本に池波正太郎先生の「池波正太郎の銀座日記(全)」があります。自分が保有している版は文庫本で平成5年7月の8刷版ですね。

購入と同時に一度読んだのですが、最近、ロバート・ハリスさんも再読しているということで、その影響で自分も蔵書から引っ張り出して今、読んでいるところなのです。

今の年齢で読むとまた感慨深いものがあります。

自分の今の生活も池波先生と同様に、グルメと映画と小説に絵に旅という生活なんだな。先生と違うところは小説を書いていないところかな(いや無理かな)。

脇道にそれましたが、この日記、実におもしろいのです。その中の「来年の賀状」というエッセイです。

夜、テレビで古いアメリカ映画「オペラ・ハット」を観る。すばらしい。いまの映画が色あせて感じられるほどだった。ことに、ロバート・リスキンの脚本がよく、巻頭から核心に入るまでの展開は、胸がすくようだった。若きゲイリー・クーパー、ジーン・アーサーのスタアとしての大きさ、魅力は、いまや世界が、時代が失ったものだ。

先生、大絶賛なのでした。自分は残念ながら観たことなかったんだな。こうまで言われれば、観るしかない。監督は大巨匠のフランク・キャプラです。

感想ですか。ゲイリー・クーパーの若々しいこと。ジーン・アーサーもすばらしい。脚本が丁寧ですね。よく書かれています。アメリカの良心という映画ですね。キャプラお得意のスタイルですね。

今から見れば多少青臭い感じの話しですが、監督の訴えたいことがよくわかる映画ですね。

映画繋がりでもう1本。先日、“午前10時の映画際”であのライザ・ミネリ主演の「キャバレー」を観たのです。監督はボブ・フォッシーです。

自分は観たことあると思っていたのですが、初めてということに気づきました。おそらくシカゴと混同したんだな。これはおそらく20-30歳代に見ると、あまり感動しなかったかも。

人生を少し経てきて、「人の世は道化師みたいな」もんだよ、ということがわかるようになって中の劇中劇も楽しめたのでした。少しフェリーニみたいな感触もあるのかな。

驚愕したのが、狂言回しの役のMC(ジョエル・グレイ)の演技です。この人の狂言回しで劇中劇が進んでいくのですが、その多彩な技と達者ぶりには舌をまきます。この役でアカデミー賞助演男優賞も納得です。この人がいなければこの映画、平凡なものになっていただろうな。まさしく何かが乗り移った狂気が感じられました。

話しはナチスが台頭してくるベルリンが舞台というののは初めてしりました。てっきり、NYかシカゴあたりを連想させるタイトルなののでね。だけどライザ・ミネリの髪型おもしろいね、個性的と言うのかもわかりませんが。ライザ・ミネリの恋人役のあの素朴そうなイギリス人はちょっと違うのでは、という配役だな。

話しは池波先生に戻りますが、「池波正太郎の銀座日記(全)」はおすすめですよ。自分はまた何年後かにまた読むつもりです。

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