難民問題で国境の滑稽な光景を映し出す「人間の境界」、だけど答えはないよね

2024年5月16日(木)

本日も毛色の変わった映画をご紹介します。先日、興味本位で観に行ったのが「人間の境界」という映画です。

ヨーロッパを目指す難民の国際社会の非情さと現実を提示しています。日本のマスコミの情報だけではわからない現実。それを知ったから難民をどう扱えという明確な回答はできないよね。こんな映画です。

「ソハの地下水道」などで知られるポーランドの名匠アグニエシュカ・ホランドが、ポーランドとベラルーシの国境で“人間の兵器”として扱われる難民家族の過酷な運命を、スリリングな展開と美しいモノクロ映像で描いた人間ドラマ。ベラルーシ政府がEUに混乱を引き起こす目的で大勢の難民をポーランド国境に移送する“人間兵器”の策略に翻弄される人々の姿を、難民家族、支援活動家、国境警備隊など複数の視点から映し出す。

「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報を信じ、幼い子どもを連れて祖国シリアを脱出した家族。やっとのことで国境の森にたどり着いたものの、武装した国境警備隊から非人道的な扱いを受けた末にベラルーシへ送り返され、さらにそこから再びポーランドへ強制移送されることに。一家は暴力と迫害に満ちた過酷な状況のなか、地獄のような日々を強いられる。

キャストには実際に難民だった過去や支援活動家の経験を持つ俳優たちを起用。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した。

2023年製作/152分/G/ポーランド・フランス・チェコ・ベルギー合作
原題:Zielona Granica

映画を観て最初理解できなかったのが、難民をベラルーシとポーランドの国境で双方が出したり入れたりする状況です。要は難民に変なことをすると国際問題になるので、双方があっちへ行けごっこをするのです、兵士がね。だから死体も国境であっちへ放り投げたりする滑稽な光景が繰り広げられます。国境での一種のババ抜きゲーム。

ベラルーシはロシアと同様の強権国家なので難民に厳しい対応するのは分かりますが、ポーランドもシリアやアフリカなどの難民の流入は受け入れたくないのです、まあ分かります、無制限に入れるわけにもいきません。

この映画はこんなおかしなことになっている国境の光景を描き出しています

“殺しもしないけれど、こっちには来てくれるな”ということ。

ラストで興味深いメッセージが流れます。

翌年2022年2月のロシア軍のウクライナ侵攻による難民の姿。ポーランドは2週間で200万人のウクライナ難民を受け入れたといいます。その違いは何か。人種や肌の色によるのか。

これも理解できます、ウクライナは戦争が終われば、皆んな母国に帰るものね。

現実の国際社会は厳しいよね。日本でも川口市などでのクルド人の移民問題が勃発してているしね。綺麗事ではすまされません、現実。

マクロでは政治的迫害の移民は受け入れるべしでも、ミクロでは反対だよね、それが現実

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