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  • 六本木のキース・ヘリング展、「ペルシダ」だけでも見に行く価値あるよ、必見

    六本木のキース・ヘリング展、「ペルシダ」だけでも見に行く価値あるよ、必見

    2024年1月25日(木)

    最近は毎日、確定申告の伝票入力に充てる時間が1-2時間ほど。何とか今年の申告も目処が立ってきました

    そんな毎日ですが、今日は会期が残り少なくなってきた美術展を観に、六本木ヒルズへ。

    何の美術展かと言いますと、

    • キース・ヘリング展 -アートをストリートへ-
    • 会場: 森アーツセンターギャラリー52階
    • 会期: 2024年2月25日(日)まで
    • 入場料: 2,200円/大人

    前から気になってはいたのですが、キース・ヘリング先生には申し訳ありませんが、2,200円という入場料の高さでなんとなく尻込みしていたのです。思うのはあの絵だものね、よく観る。

    結論から先に申します。

    展覧会はあの感じの絵で満載ですが、最後の個展に出展したという「ペルシダ」(Percida)(1986年)(アクリル、キャンバス)の原画を観るだけで展覧会に行く価値はあるね。

    キャンバスという伝統的な支持体にアクリル絵具で描かれた本作は、アフリカ美術に影響を受けたパブロ・ピカソの作品群との類似性を感じさせます。ピカソと同様、ヘリングもアフリカの仮面や工芸品が宗教や呪術的な目的のために作られたことを理解していました。学生時代から晩年に至るまで古今東西の美術史を学び、自身の創作に落とし込んでいったヘリングの試行の一端が見てとれます。

    緑の色使いも素晴らしいです。自分もこんな絵を書いてみたいね。

    それともう1点。

    • 「スウィート・サタデー・ナイト」のための舞台セット

    これはダンス・パフォーマンスの舞台背景として制作されたそうですが、天井まで届く巨大な絵でこれはいいね。いかにもキース・ヘリングぽくて大変気に入りました

    1990年にエイズで32歳の若さで亡くなったんだね。生前はバスキアなどとも交流があったとのこと。デビットボウイのシングル版にもイラストを提供しているのね。

    とにかくポップ・アートの旗手だと思いますが、前述の「ペルシダ」なんかを見ると、生きていればもっとスゴイ絵を書いたと思います。もっとプリミティブな方に行けばよかったのにね。だけど、ヘリングを気軽に考えていましたが、すばらしい絵を残しています

    自分も参考にしようっと。会期はあと1月足らずですが、そんなに混んでもいないので、必見の絵画展だよ。人間、先入観だけで見てはダメだよ、自分も含めてね。

    グッズ販売店は大変充実しています。Tシャツからバックまで、あの絵が一杯描かれています。今回の展覧会の目録はないです。自分はポストカードを2枚ほど。

    残念ながら、「ペルシダ」はありませんでした。

    終われば52階からこんな絶景が見られますよ。

    ランチは一風堂へラーメンを。もやしと高菜をあてにビールでヒリング熱を冷まします。ラーメンはいつもの白味のバリカタで。

    今日もよい時間を過ごさせていただきました。

    上野の国立西洋美術館で開催中の「キュビスム展」へ、ピカソとブラックだね

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  • 中国ドラマの瓔珞(エイラク)は陰謀渦巻く紫禁城の話し、主演はチャン・ツィイー似

    中国ドラマの瓔珞(エイラク)は陰謀渦巻く紫禁城の話し、主演はチャン・ツィイー似

    2023年12月3日(日)

    12月です。あと今年も1月になりました。12月最初の週末も自分はいつもと同じルーティーンです。土日に自宅でDVDを1本づつ鑑賞です。今週観たのはこの2本。

    • 「モディリアーニ 真実の愛」
    • 「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」

    「モディリアーニ 真実の愛」は2週間前に観たクロード・ルルーシュ監督の「アンナとアントワーヌ」でのエルザ・ジルベルスタインが大変気に入ったので、彼女目当てです。そして共演があのアンディ・ガルシアだものね。

    瓔珞<エイラク>は中国ドラマですが、日経新聞でえらく激賞していたのでね。食わず嫌いはいけないと思ってね。

    まずは「モディリアーニ 真実の愛」です。あらすじはこんな感じ。

    1919年のパリ、モンパルナス。毎夜カフェ“ラ・ロトンド”に集まり、酒や煙草を楽しみながら議論に耽る芸術家たち。その中には既に成功を収めていたピカソのほか、全く絵の売れない“異端児”モディリアーニもいた。彼は、貧困と肺の持病に耐えながら自身の芸術を模索してきた。そんな彼を最愛の妻ジャンヌが献身的に支えている。そしてある時、モディリアーニは家庭を困窮から救うため、またライバルのピカソに打ち勝つため、優勝すれば多額の賞金と保証されたキャリアが与えられる美術コンテストへの出品を決意するのだが…

    多分にフィクションですが、ピカソ、ユトリロ、ルノワール、ディエゴ・リベラ(あのフリーダ・カーロのだんな)などが出てきます。1919年頃と言えば、ピカソの名作「アヴィニョンの娘たち」が1907年製作ですので、ピカソの名声はすごかっただろうね、当時のパリで。

    映画の感想。秀作です。主演のガルシアとジルベルスタインがよしです。特にジルベルスタインは本当にあのモディリアーニの一連の名作の女性に瓜二つだものね。ユトリロも壮絶な人生を送ったんだね。自分的にはリベラに非常に関心を持ちました、パリに行っていて、ピカソとも交流があったんだと(おそらく真実?)

    そしてもう一つの「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」です。こんなドラマです。

    女官から皇后まで上り詰めた実在の女性をモデルに描く宮廷ドラマ。清朝最盛期。姉の死の真相を突き止めるべく後宮に入った魏瓔珞は、欲望と野心渦巻く宮廷で窮地に陥りながらも、才知と信念であらゆる危機を突破していく。

    製作年は2018年、主演はウー・ジンイェンという人です。この人、チャン・ツィイーによく似ているね。最初の第一話を観た時には、話しがわからなく、強い睡魔に見舞われたのでした。話しと出演人物がわかってくると俄然面白くなったね。おそらく全話観ることになると思うよ。おすすめです。

    「ジョルダーニ家の人々」、これは現在の多様な家族のあり方を描いたイタリアドラマの大傑作





  • 上野の国立西洋美術館で開催中の「キュビスム展」へ、ピカソとブラックだね

    上野の国立西洋美術館で開催中の「キュビスム展」へ、ピカソとブラックだね

    2023年10月4日(水)

    本日は秋にしては冷え込みも激しく、雨の一日です。ヘルシンキと同じような体感温度です。初めて長袖を着たよ。ところで本日の話しは、美術展です。雨の日は絵画です。

    先日から始まった興味深い美術展はこれです。上野まで意を決して行ってきました。何たって泣く子も黙る「キュビスム」だよ。

    • 展覧会名: パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ
    • 会期: 2023年10月3日[火]~2024年1月28日[日]
    • 開館時間: 9:30 ~ 17:30(毎週金・土曜日は20:00まで)
    • 休館日 月曜日:
    • 会場: 国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)

    キュビスム・レボリューション——フランス・パリ発、世界を変えた美の革命

    20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。伝統的な遠近法や陰影法による空間表現から脱却し、幾何学的な形によって画面を構成する試みは、絵画を現実の再現とみなすルネサンス以来の常識から画家たちを解放しました。キュビスムが開いた視覚表現の新たな可能性は、パリに集う若い芸術家たちに衝撃を与え、瞬く間に世界中に広まり、それ以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしています。

    この度、パリのポンピドゥーセンターからキュビスムの重要作品が多数来日し、そのうち50点以上が日本初出品です。主要作家約40人による絵画や彫刻を中心とした約140点を通して、20世紀美術の真の出発点となったキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを紹介します。日本でキュビスムを正面から取り上げる展覧会はおよそ50年ぶりです。

    ちなみにチケット代は2,200円です。いいお値段するね。

    平日の12時に伺いましたが、込み具合はまあまあかな。そして入れば、最初からセザンヌ、ピカソ、ルソー、ゴーギャンが登場です。だから入り口付近は混み合っています

    自分的に気に入った作品はこの3点かな。これだけブラックの絵が揃っているのは初めて観ました。セザンヌとルソーはいいよね。

    • ジョルジュ・ブラック《大きな裸婦》 1907年冬-1908年6月
    • パブロ・ピカソ《女性の胸像》 1907年6-7月
    • ロベール・ドローネー《パリ市》 1910-1912年

    キュビズムの絵を描き始めた頃のピカソとブラックの絵は似ているよね。ピカソの「アビニヨンの娘たち」も1907年の作、結局これがキュビスムの代表作なのかな。だけどずっとキュビスム絵を見ていくとだんだん飽きてくるよね、構図や色使いが同じになっていくということで。

    だからピカソも次の段階に進んだんだね。ドローネーの「パリ市」は大作だね、よく日本に持ってきたね。非常に勉強になった今回のキュビスム展でした。思うにやっぱりルソーて不思議な神秘的な絵を書くね、ピカソはやっぱり見る目があったんだね、そりゃそうですね。

    会場を後にすれば、ランチです。上野まで来たならこれだよね。

    世界最強のロースカツ定食の上野の「とんかつ山家」(ヤマベ)でいただきます。行列もほどほどで助かりました。5分で入店です。まずはビールで喉の乾きを癒やします。

    今日のとんかつは少し豚肉のニオイがしたのが気になったのですが。失念して定食の写真を失念しました。

    ご馳走様でした。美とグルメ、最高の一日となりました。

    東京都現代美術館の「デイヴィッド・ホックニー展」に衝撃を受けた、現代美術の最高峰



  • 白金台の松岡美術館でヘンリー・ムアとグレコの彫刻に驚愕、ルノアールを見に行ったのに

    白金台の松岡美術館でヘンリー・ムアとグレコの彫刻に驚愕、ルノアールを見に行ったのに

    2023年8月18日(金)

    関東圏は雨が降らず、水の心配が出てきた昨今です。本日も酷暑なり、危険な暑さです。というわけで、本日も散歩に行くかわりに美術館に行ってみたのです。

    本日は東京に40年近くいるにもかかわらず、一度も行ったことのない美術館です。白金台にある「松岡美術館」です。こんな企画展をやっていたのでね。

    • 「モネ、ルノワール 印象派の光」
    • 2023.06.20 ~ 2023.10.09
    • 観覧料: 一般 1,200円

    この白金台、実は自分は6年間ほど住んでいたことがあるのです。娘の学校があったのでね。近くがよいと思って。10年ぶりに伺いましたが、ほとんど変わっていない町並みです。ただ、プラチナ通りのお店はほとんど替わっているかな、という印象です。

    そんなプラチナ通りから一つ小道を入った所にこの「松岡美術館」はあります。初めての訪問です。そして、この美術館の歩みです。

    初代館長であり、美術館の創設者である松岡清次郎は若いころから書画骨董を愛し、約半世紀をかけて一大コレクションを築きました

    80歳を迎えるころ、「優れた美術品は一般に公開し、一人でも多くの美術を愛する人に楽しんでいただこう。学術的価値のあるものは、その道の専門家や若い学究の研究資料として利用してもらおう。そうしてこそ私のこれまでの蒐集が意義を持つのではないか」と考えるようになり、美術館の設立を決意しました。

    当館は開館以来、所蔵品のみで展示を行っています。それは、「私立美術館は美術品を蒐集した館の創立者の美に対する審美眼を、その一つひとつの美術品を通して、ご覧いただく方に訴えるべきところ」と考えた清次郎の意志によるもの。

    そして、本日の鑑賞で一番どぎもを抜かれたものは、モネでもルノワールでもなくこの2人の彫刻です。

    • ヘンリー・ムア(1898 – 1966)
    • エミリオ・グレコ(1913 – 1995)

    ムアは4点、グレコも数点あったと思いますが、どちらも力強くてなめらか。うっとりするような彫刻です。これを観に来るだけでも価値あるね。

    2Fの絵画では、ルノアール2点とモネが数点ありましたが、自分が一番引かれた絵がこの3点。

    • ルイ・ヴァルタ「水浴の女たち」(1910年)
    • ポール・シニャック「オレンジを積んだ船、マルセイユ」(1923年)
    • アンリ=エドモン・クロッス「遊ぶ母と子」(1897-8年)

    シニャックとクロッスはまるでマチス、マチスより前の作品です。ヴァルタはセザンヌだね。

    松岡美術館、ゆったりと観れる本当によい美術館でした。今度はここで所蔵のピカソを見たいね。

    美術館を後にし、ランチは赤坂サカスの「美登利寿司」へ。何か酸っぱいものを食べたくなったのでね。14時でも20分待ちかな。どこの「美登利寿司」もすごいね。

    本日はカウンター席です。まずはビールで体を冷やします。本日はランチの“ちらし”を頼んでみました。1,050円です。このボリュームで茶碗蒸しとサラダも付くのね。

    だけど、ネタがでかければいいというものではないと思うのですが。だけどこの“ちらし”ならつまみにもなるね。ビールとで堪能しました。

    ビールとで、1,870円のランチでした。

    今日も充実の1日でした。本日の収穫はヘンリー・ムアとエミリオ・グレコだったね。

    東京都現代美術館の「デイヴィッド・ホックニー展」に衝撃を受けた、現代美術の最高峰



  • 東京都美術館の「マティス展」に行ったよ、やっぱりドローイングの天才だよね

    東京都美術館の「マティス展」に行ったよ、やっぱりドローイングの天才だよね

    本日は一転して美術のお話しを。

    現在、上野の東京都博物館で絶賛開催中の「マティス展」のことなのです。開催期間は、

    • 2023年4月27日(木)~ 8月20日(日)
    • 休室日: 月曜日

    今回の「マティス展」のみどころは、こんなところのようです。

    1. 約20年ぶりの開催! 20世紀芸術の巨匠アンリ・マティスの大回顧展
    2. 世界最大規模のマティスコレクションを誇るパリ、 ポンピドゥー・センターから名品約150点を紹介
    3. “フォーヴィスム”の夜明け、 マティス初期の傑作《豪奢、静寂、逸楽》日本初公開

    自分としては是非とも必ず行きたい美術展なのですが、問題はいつ行くかということです。実は4ケ月ほど前に、同じ東京都美術館で開催された「エゴン・シーレ展」に行ったときは、その大混雑状況にうんざりしたのでした。

    今回はエゴン・シーレよりも著名なマティスです。どんな混雑状況が恐れをなしていたのです。GWも終わり、少し世の中が落ち着いてきたところでそろそろと思ったのでした。

    この「マティス展」の入場料は大人 2,200円と少しお高めです。スケベエ心を出して、新橋のチケットやさんをのぞいてみます。販売しているところも少々ありましたが、この招待券の店頭価格は2,100円でした。

    100円の違いなら、公式サイトで購入した方がいいねと思った次第です。

    ちなみに、1時間間隔でチケットの予約販売をしていますね。

    そして、いよいよ雨模様の数日前の水曜日の朝に展覧会に行こうと決めたのです。

    当日の朝、12時 – 13時の枠でチケットを購入です。ちなみに混雑状況は○の状態でした。

    ただ、その前の午前の時間帯は軒並み△でした。

    そして、いよいよ訪問です。混雑状況ですか?エゴン・シーレの時とは大違いで人は多めですが、比較的ゆったり観れたよ

    本題に入ります。全体としてはまずは必見の展覧会ですね。マティスのドローイングのうまさには舌を巻いたね。マティスて時代ごとに作風がかなり変わっていくのね。初期の傑作「豪奢、静寂、逸楽」から最終期の切り絵まで年代順に堪能ですます。

    「豪奢、静寂、逸楽」は大きい絵で、どうしてこの描き方をある程度続けなかったのかな。だけど、この絵は見応えあるね。若い時にこんな絵を書いたら、その後どうするのかな。

    ピカソぽいキュビズム的な絵の展示もあります。

    後期に書かれた「赤の大きな室内」は、これぞマティスだという色使いでいいね。

    そして、最終期に書かれた「オレンジのあるヌード」は自分にも自信を持たせてくれる絵画でした。これなら俺にも描けるとね。だけど、この艶めかしいドローイングの線、難しいんだろうね。

    そして、最後のグッズショップです。今回は自宅のお荷物となると知りながら、今回の展覧会の画集を購入しました。3,300円なりです。

    マティス展に行って、自分の絵画にも自信が付きました。俺もマティスのようなドローイングで絵を描くぞ、と誓ったのでした。(あなた、だいそれたことを言うのね)

    冗談はさておき、このマティス展は非常におすすめです。当たり前か。そして、同じく汐留のパナソニック美術館の「ルオー展」もおおすめですよ。マティスの絵も何枚かあります。それも傑作がね。

    「アーティゾン美術館」でピカソの「腕を組んですわるサルタンバンク」を堪能





  • 「アーティゾン美術館」でピカソの「腕を組んですわるサルタンバンク」を堪能

    「アーティゾン美術館」でピカソの「腕を組んですわるサルタンバンク」を堪能

    2023年GW明けは、本当は上野の東京都美術館で現在絶賛開催されている「マティス展」に行こうか考えたのですが、さすがにGW明けシニアが大挙して来館するであろうと予測してその混雑さを思うにつれ、急遽、転身することにしたのでした。

    転身先は京橋にある「アーティゾン美術館」です。(旧名はブリヂストン美術館でブリジストンの創業者の石橋家のコレクションですね)

    鑑賞したかった作品は、ピカソの「腕を組んですわるサルタンバンク」なのです。この作品、ピアニストの故ホロヴィッツの自宅に飾られていたという名画なのですね。

    平日は火曜日のお昼です。ネットから予約して訪問です。12時から13時30分の部です。

    入場料は1,200円という超リーズナブルな価格設定です。

    収蔵している作品にはあまり期待せずに訪問したのでしたが。

    鑑賞後の感想です。そのコレクションの充実度には度肝を抜かれました。この入場料で見れて本当によいの?レベルです。

    ピカソ・モネ・マティス・ルソー・ゴーギャン・セザンヌ・クレー・黒田清輝等々です。そして、何よりよいのはこんな名画をあまり人がいない中をじっくり堪能できるのです。混雑とは無縁でした。2月前の東京都美術館のエゴンシーレ展の混雑には辟易した後だったので。

    そして、ありましたピカソの「腕を組んですわるサルタンバンク」。ちなみにサルタンバンクとはこんな人のことを言うのね。自分は知りませんでした。

    サルタンバンクとは大道芸人のこと。イタリア語の「サルターレ・イン・バンク(椅子の上で飛び跳ねる人)」を語源とし、古くからフランスで使われてきた言葉です。彼らは、縁日などを渡り歩いて即興の芸を見せていました。

    生活が比較的安定しているサーカスのピエロなどと異なり、少人数で各地を放浪するのが特徴

    ちなみに絵画の横の書かれていた解説文です。

    20世紀を代表するピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ(1904-1989)は、1904年、ロシア帝国の領土の一部であったキエフ(現在のウクライナの首都キーウのロシア語名)に生まれ、若くしてヨーロッパ各地で演奏活動を行い、名演奏家として注目されました。1928年にはアメリカでもデビューを果たし、1933年にイタリアの指揮者トスカニーニ(1867-1957)の娘と結婚。1972年にアメリカの市民権を取得し、1944年にはニューヨークの東94丁目に白い石造りの5階建ての自宅を購入しました。

    「腕を組んですわるサルタンバンク」は、1940年代後半から70年までにニューヨークの自宅に飾られていたことが知られるホロヴィッツの旧蔵品です。ヨーロッパ各地そして日本にも演奏旅行したホロヴィッツと、町から町を渡り歩くサルタンバンクの存在を重ねてみることもできるでしょうか。ホロヴィッツのレコードジャケットには、しばしばこの作品と同じようなポーズで足を組んで椅子に座るポートレイト写真が用いられています

    非常に興味深い解説です。ピカソとホロヴィッツ、どこで接点があったのかな。この作品が自宅に飾られているのもすごい話しです。レコードジャケットにもこんな裏話があるのね。知りませんでした。

    マティスの「青い胴着の女」も魅力的な絵です。マチスも数点ほどすばらしい絵が飾られています。アンリ・ルソーはいつ見てもすぐにルソーとわかるね。やっぱり天才はすごいね。

    とにかくこれだけの収蔵品を1,200円で鑑賞できる「アーティゾン美術館」は恐るべしです。

    グッズコーナーも大変充実しているので、おみやげにもおすすめです。





  • エッセイでトーネットの椅子というのを初めて知ったよ、ピカソもマティスも描いたとはね

    エッセイでトーネットの椅子というのを初めて知ったよ、ピカソもマティスも描いたとはね

    昨日もイスの話しでしたので、そのイス繋がりで本日も椅子の話しなのです。だけど、本日は修理の話しではないよ。

    椅子フェチ?な自分でもかなり有名なこの椅子のことは知らなかったのです。今週木曜日(3/9)の日経新聞夕刊の「あすへの話題」でそのことを知ったのです。

    執筆者は前金融庁長官の氷見野良三さんです。(余談ですが、この方、次の日銀の副総裁なのね)エッセイは題して、“トーネットの椅子”です。エッセイからの引用です。

    ミヒャエル・トーネットは、18世紀末にドイツの村に生まれ、家具職人になった。

    木の棒を美しい曲線に曲げる方法を発明し、オーストリアの宰相メッテルニヒの知遇を得てウィーンに移った。美しく、軽く、座りやすく、廉価な椅子をデザインし、息子たちと共に5千万脚以上を売った。

    ピカソもマティスもキリコもホックニーもトーネットの椅子を描いた。トルストイ家の食堂にもそれがあった。建築家ル・コルビュジエは「白壁にトーネットの椅子さえあればそれでいい」とまで言った。(個人的な感想: 巨匠の名前を見ただけですごいね)

    (中略)

    トーネットの椅子は、ぎりぎりまで無駄や恣意性をそぎ落とし、機能から必然的に生まれたかのような形態をとって「最初のコンシューマー・チェアー」と呼ばれた。

    同時に、固有の文化の記憶を引き継ぎ、14番は「ウィーンのカフェの椅子」「ビストロ椅子」、9番は「ウィーン椅子」と愛称された。

    現在では正規品はとても手が出ないような値段だし、模倣品は良く似せているのに何かつるっとしている。悪くはないが、いかにも大量生産という感じがする。

    普通の市民が、経済的に、機能的に、エレガントに、豊かに生きられるようにするにはどうしたらいいか。答を見出すためには、それぞれの時代ごとに新たなトーネット氏の出現が必要になるのかもしれない。

    自分はこのトーネットの椅子というものを本当に知らなかったのです。恥ずかしいね。あの有名なYチェアなんかよりもかなり前なんですね。写真を見ると形はよく見かける椅子です。まあ、リプロダクトでしょうが。

    ちなみに「ウィーンのカフェの椅子」と呼ばれる14番はこんな椅子です。

    「ウィーン椅子」と呼ばれる9番はこんな感じです。

    ちなみに気になるお値段ですが、正規品だと14番ですと160,000円ぐらいですね。リプロダクト商品なら、ちなみに無印良品なども手掛けており5~6万円で購入できるようです。

    余談ですが、自分のダイニングのチェアはBC工房なんだな。4脚ほど。これを20年使っているかな。数年前に一度革を張り替えて使用しています。名前は「ゆったりもとい椅子」。この型をすごく気にいっているのですが、すでに廃盤となったのです。青山からも撤退して、残念無念です。

    やっぱり椅子は高くても高品質のものがいいよ。値段は高くとも、経過年数で元がとれるもの。

     

  • 突然の画家志望の方にはバルセロナのピカソ美術館に行ってこい、伊集院静さんのウンチクのある名言

    突然の画家志望の方にはバルセロナのピカソ美術館に行ってこい、伊集院静さんのウンチクのある名言

    イタリアへの旅のブログから今日は脱線です。

    それは、先日届いた雑誌に自分に非常にささる、ある一文が掲載されていたのです。

    その雑誌とは、クレジットカードのダイナースが発行する「SIGNATURE」(シグネチャー)の11月号です。そして、この雑誌の冒頭には、伊集院静さんの「旅と言葉」というエッセイが掲載されているのです。伊集院さんは約2年間ほど病気療養のため中断され、今回復帰されて今回が2回目のエッセイです。

    今回のタイトルは、“モンセラット”です。

    (前略)

    バルセロナの一角にピカソ美術館があり、彼の“青の時代”の名作が何点かあるが、興味深いのは、ここにピカソが幼少(四・五歳)の折に描いた鳩の絵があり、彼の十歳前後のマラガ時代に描いたデッサンも、大きな油彩作品と展示してある。「よくここまで幼少の頃、まだ十歳前後でこれだけの作品が描けたものだ」とたいがいの人は感心し、近代の巨匠の本当の力量を見直す

    これは嘘のような話だが、関西の或る老舗の会社の跡継ぎが急に画家になると言い出し、皆をあわてさせ、親も周囲の人もどうゆうわけか私に相談に来た。

    「バルセロナのピカソ美術館に行って、ピカソの幼少、若い時の作品を見せなさい」

    嘘のような話だが、跡継ぎはそこに立ち、ほどなく志望を変えたそうだ

    非常に含蓄のある先生のお話しです。だけど、バルセロナには自分は数回訪問したことがあるのですが、このピカソ美術館には行ってないな。

    何かとち狂って、画家志望を相談されたら、自分もこのフレーズを使わせてもらおうと思った次第です。よいお話しを聞かせていただきました。

    そして、今回の伊集院さんのメインの話しは、バルセロナ郊外にあるモンセラットという修道院にある“黒いマリア”のことなのです。黒いマリアの前で祈り、銅像のある部分を撫でると奇跡が起こるという言い伝えがあるのです。

    伊集院さんもご家族の病気回復を願って、奥さん(あの篠ひろ子さん)と一緒にお参りに行ったという話しなのです。

    実は自分も以前に伊集院さんがこの話題について書かれたエッセイを読んで、自分にも奇跡が起こらないか(訪問した気持ちが邪だったため、自分には奇跡が起こらなかったが)と思い、バルセロナを訪問した際に、家族でこのモンセラットの“黒いマリア”を訪ねたのでした。

    バルセロナからは電車で約1時間で行けますので、時間があれば訪問されるとよいと思います。岩だらけの崖の上に立つ修道院です。コロナ前であれば、ヨーロッパ中から観光客が集まる場所でしたが、今はどうなのかな?

    そして、このモンセラットの修道院の話しになると思い出すのが、スペインが生んだオペラ歌手のモンセラット・カバリエなのですね。スペインの至宝と呼ばれる歌い手ですが、有名なのはあのバルセロナオリンピックの開会式でフレディ・マーキュリーと一緒に「バルセロナ」を唄ったステージが思い起こされます。

    既にどちらも故人です。時の経つのは早いです。

    バルセロナ近郊のモンセラートの黒いマリア像に触れれば奇跡は起こるよ






  • 六本木で開催中の北斎の生誕260年記念企画「北斎づくし」を鑑賞。原点は漫画家なんですね。びっくりしたな

    六本木で開催中の北斎の生誕260年記念企画「北斎づくし」を鑑賞。原点は漫画家なんですね。びっくりしたな

    本日は、台風の影響で天候不順の中、それは急に思い立ったのです。こんな時こそ、先日購入しておいた展示会のチケットを利用しようと思ったのです。

    その展示会とは、現在、六本木の東京ミッドタウンで絶賛開催されている「生誕260年記念企画 特別展 北斎づくしです。

    • 2021年7月22日-9月17日

    キャッチコピーは、“北斎漫画、富嶽三十六景、富嶽百景、全項・全点・全図コンプリート!前代未聞の北斎展が、2021年夏、開催!”というものでした。

    20歳で浮世絵師としてデビューしてから90歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けて森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎。 その生誕260年を記念し、代表作である『北斎漫画』、「冨嶽三十六景」、『富嶽百景』の全頁(ページ)・全点・全図が一堂に会する前代未聞の特別展が2021年7月、東京・六本木に出現します。

    自分は前売りでチケットを購入していたため、1,200円。(通常チケットは、一般の方は、1,800円)

    音声ガイドの貸出料は600円(税込)ですね。

    オリンピックが絶賛開催されている中で、平日の13時30分ぐらいに入場です。

    入り口では人がいなかったので、やっぱり天候もあり、本日は人が少ないのかなと思っていましたが、中にはいると人が一杯です。かなりの密感かな。

    まず最初は、「北斎漫画」のコーナーです。最終巻の15まで、圧巻の漫画が全部並べてあるのには驚きました。北斎の原点は、現代でいう人気の漫画家だったのです。自分は全く知りませんでした。皆さん、音声ガイドを聞きながら、実に丁寧に鑑賞されています。

    そして、こちらの部屋を出て、次の富嶽三十六景に行く前に、ビデオプロジェクターであの超有名な「神奈川沖浪裏」のつくり方が再現されていて、非常に興味深い映像でした。

    富嶽三十六景のコーナーで驚いたのは、すべてに富士山が入っているのですね。だけど、これだけのものが一同に会すると、お腹一杯になりますね。

    続いて、富嶽百景です。こちらもこれだけ並べられると圧巻の一言です。そして、皆さん実に丁寧にご覧になっていらっしゃいます。

    そして、こちらのコーナーで北斎の有名な言葉をパチリです。巨匠のお言葉です。

    「70歳以前に描いた絵は取るに足らないもので、73歳にしてようやく動物や昆虫、魚介の骨格、動物の成り立ちを理解できた。80歳でますます成長し……」と来て、100歳を超えた未来の自分へと言及は続きます。

    それまでの絵がまだまだ至らぬものであったこと、今後さらに成長するであろうことを、齢75歳にしてなお高らかに宣言しているのです。

    そして、この「富嶽百景」を最後に、以後北斎がまとまった枚数の富士山を、シリーズとして描くことはありませんでした。

    そして、最後はお決まりのグッズ販売コーナーです。買わないと心に決めていたのですが、やっぱり欲しくなったんだな、これが。2点で5,000円のお買い上げです。

    まあ、これだけのものを一堂に集めるのは難儀なものと推察できます。一度は足を運ぶ価値ありですね。それにしても絶賛オリンピック開催中なのに、人の多かったこと。

    これには二度驚きました。

  • メキシコシティのルフィーノ・タマヨ美術館に行ってタマヨの絵がまったくないとは

    メキシコシティのルフィーノ・タマヨ美術館に行ってタマヨの絵がまったくないとは

    メキシコで著名な画家といえば、女性のフリーダ・カーロ、男性ではルフィーノ・タマヨかと思います。残念ながら、お二人とも既に鬼籍に入られています。

    今回のメキシコシティの1日観光では、自分としては画集も持っているルフィーノ・タマヨ美術館の方をチョイスして訪問させていただきました。知名度ではフリーダ・カーロの方だとは思いますが。

    メキシコシティの観光の中心地、ソカロ広場からは車で20分ぐらいの距離でしょうか。少し離れているところに立地しています。美術館は公園の中にあります。環境は非常に緑が多く、綺麗なところです。

    建物も非常に近代的です。

    下記が地球の歩き方でのルフィーノ・タマヨ美術館の紹介文です。

    オアハカ出身の芸術家ルフィーノ・タマヨ夫妻が寄贈した作品を収容するために建てられた博物館。タマヨ夫妻はもちろんのこと、ピカソからアンディ・ウォーホールまで20世紀の重要な作品も所蔵している。(常設展示はないので必ず観られるとはかぎらない。)

    3つの展示スペースでは現代美術の企画展が2-3ケ月ごとに行われている。

    建物自体はモダンで、カフェと一体になった売店の書籍も充実。

    地球の歩き方では入場料 65メキシコペソと書いてありましたが、2019年8月現在では入場料は70メキシコペソ(約400円程度)に値上がりしていました。

    そして、入場チケットを買うブースで係員から今日はタマヨの絵はないが良いか、と聞いてきました。まさか、全部の絵がないとは思いません。

    ここまで来たのですから、入場すると告げたのでした。

    そして、結局、タマヨの絵は本当にありませんでした。どこかの美術館に行っているのでしょうか。

    ピカソの絵はありましたね。

    写真が一緒にとれるオブジェも置いてあります。

    だけど、他の画家の分も含めて、かなり美術センスの良い絵をキュレーションしていました。

    特に、入口付近に飾ってあった絵はメキシコらしい画風の絵です。1枚、欲しくなりました。

    タマヨの絵が全く展示されていませんでしたので、美術館は40分ほどで観終われる感じです。かなりコンパクトな美術館です。

     

    そして、美術館にはショップとカフェが併設されています。

    ショップではメキシコらしいものを発見しました。

    ヘッドロックの栓抜きです。この他には足四の字固めもあったな

    丁度、おみやげに丁度よい感じです。自分は家族のお土産にヘッドロック栓抜きを1つの購入です。

    そして、旅行から帰ってきてヤフオクでポチリです。

    丁度、タマヨのリトグラフのポスターが出品されていたので、9,000円でゲットです。

    本物のタマヨのリトグラフ、1枚欲しいところです。

    [ビバ・メヒコ旅行記9]コヨアカン地区のフリーダ・カーロ美術館は事前web予約は必須だよ、ガチは入場できないよ



  • マラガのパラドール 「マラガ ヒブラルファロ」は最高のロケーション、絶景なり

    マラガのパラドール 「マラガ ヒブラルファロ」は最高のロケーション、絶景なり

    2011年の夏にスペインの南部のリゾート地コスタ・デル・ソルの中心地 マラガに行った時のこと。

    ちなみにマラガはスペイン第6位の都市で、画家のあのパブロ・ピカソの出身地でもあります。

    とにかくコスタ・デル・ソルの中心地だけあって、太陽さんさん、海岸線の景色がすばらしいの一言。のんびりするには、よいとこかと。

    その際、宿泊したのはパラドールの「マラガ ヒブラルファロ」(Parador de Malaga Gibralfaro)。このパラドールは、丘の高台にあり、大変見晴らしのよいホテルだった。ただし、丘の上にあるので、アクセスは良くない。タクシーが必須。歩くのは不可能と思ってください。

    それがわずらわしくないと思えば、大変よいホテル。特に、ホテルのレストランは最高な眺め。テラス席に座り、朝ごはんを食べれべ、気分が相当に良いです。夜は夜景がすばらしいと思う。

    このホテルの下には、マラガ闘牛場がばっちりと見れます。

    マラガの町の印象はあまりないが、結構、レストランを見つけるのが苦労した思い出。

    最終的には闘牛場の近くのレストランでオーナー一押しの巨大なステーキをオーダーし、みんなでシェアした思い出

    要は、ピカソの生まれた町だから一度行ってみたかったのと、このパラドールに泊まりたかったのも理由の一つ。その価値はあると思った次第

    ユーラシア大陸最西端のロカ岬で涙にむせぶ~ここに地終わり海始まる~