映画「エルヴィス」を観て、パーカー大佐から「沢村忠に真空を飛ばせた男」の野口修と五木ひろしにつながった

今週、現在上映中の映画「エルヴィス」を見に行ったのです。監督は「ムーラン・ルージュ」などを監督したバス・ラーマンです。あのKing of Rockのエルヴィス・プレスリーの栄光と死というか挫折を描く物語です。

主演はエルヴィス役にオースティン・バトラー、そのマネージャーのパーカー大佐役にトム・ハンクスが熱演しています。特に、オースティン・バトラーはエルヴィスに憑依したとしか思えない見事な演技をしているね。話題沸騰の映画です。自分的には広い映画館のスクリーンで見たかったのです。

だけど、本日は映画の話しではないんだな。今日の話しは映画のエルヴィスを食い物にしたマネージャーのパーカー大佐についてなのです。

そして、話しは数ヶ月前に読んだ「沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝」に飛びます。この本、昭和の芸能界(すなわち芸能界の成り立ち)とボクシング、とりわけキックボクシング界隈の世界を描いたもので、史実としてもエンターテインメントとしても非常におもしろく、内容の深い書籍だったのです。自分的には本年度イチオシの書籍です。

その本の中にそのパーカー大佐のことが触れられています。映画を見ながら、野口さんも五木ひろしもこのパーカー大佐に手玉にとられたんだろうなと思ったのでした。

書籍の中でのパーカー大佐とのからみは、野口修さんが売出し中の五木ひろしに日本人歌手で初めてラスベガス公演をパーカー大佐のサポートで実現させるのです。が、この公演は日本側ですべての席を買い上げるというもの。決してエルヴィスのようにホテル側から三顧の礼をもって迎えられた契約条件ではなかったんだな。

パーカー大佐にエルヴィスと同等ですよとささやかれて、まあ騙されて夢を見たということなのです。

というわけで、映画を見ながらそんなトム・ハンクスのパーカー大佐を観たのでした。だけど、悪役のパーカー大佐ですが、どう見ても善人面のトム・ハンクスではえげつなさがないのが残念だったな。

そして、書籍はこんな感じです。

本格ノンフィクション超大作が待望の書籍化

「キックボクシング」を命名・創設し、沢村忠というスーパースターに加え、歌手の五木ひろしを世に送り出した伝説のプロモーター・野口修の生涯を描く

日本一の「拳闘士」にして「国士」でもあった父を持ち、戦前から続く政財界や裏社会の多様な人脈を生かしながら、様々な興行を仕掛ける野口修。特に、タイ式ボクシングと大山道場(後の極真会館)との他流試合の実現とキックボクシングの創設は、日本の格闘技史で特筆されるべきエポックメイキングとなる。彼はタイのムエタイを「キックボクシング」として日本に持ち込み、沢村忠を擁して一大ブームを巻き起こす

さらに、当時は別名で活動していた五木ひろしをヒット歌手に育て、日本レコード大賞を受賞させ、芸能界も制する

数々の偉業を成し遂げる一方で、世界タイトルマッチ興行を巡る水面下の駆け引きや晩年など、野口修のドラマチックな人生と共に刻まれた、壮大な昭和裏面史を余すところなく描く

肝心の「沢村忠に空を飛ばせた男」のタイトルの沢村忠は“真空飛び膝蹴り”で毎試合、真剣勝負をしたのでしようか。本を読んでのお楽しみです。

だけど、今はあのスーパースターの沢村忠を知らない人の方が多いのかな。とにかく、長島と王と大鵬をすべてあわせたようなスーパースターだったのです、当時。ねえ、白鳥くん。

補足を一つ。昭和で有名な作詞家兼クラブ姫のママ・山口洋子さんの夫はこの野口修さんです。山口洋子さんの代表曲は五木ひろしの「よこはま・たそがれ」です。昭和を過ごした自分としてはすごい話を聞かせてもらいました。

時代はめぐるね。中島みゆきの「時代」みたいだな。

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