2004年の夏、ヴィスコンティの傑作映画「ベニスに死す」の舞台となった、ベニスの沖合いに浮かぶリド島の「ホテル・デ・バン」に家族で宿泊した。
どうしてこの話題になるかは、昨年もベニスに行った時に、時間があったのでリド島に行って「ホテル・デ・バン」でランチでも取ろうと思い、ネットで調べてみた。
そして、驚いた。
この名画の舞台となったホテルが2009年には売却されており、今はマンションに改装中とのこと。残念無念。
やっぱり、あの時に泊まった体験は貴重だったのだと思った次第。
部屋の写真は残っていないが、ホテルの窓から撮った写真があった。
その時には、まだ「ベニスに死す」を見ていなかったが。
が、今、この窓から撮った海辺の写真を見ると、「ベニスに死す」と同じ風景ですね。
このホテルで特に印象深く残っているのは、1階の朝食で食べたビュッフェが今まで体験した旅行の朝食で一番雰囲気がよかった記憶がある。
緑が濃くて、人もあまりおらず、大変優雅に食事ができた。
だから、もう一度、ランチにでも再訪したかったのだか。なくなってしまっては、しょうがない。ホテルは確かに歴史は感じたが、やはり古さはいなめなかった。当時でも。
バスルームも部屋も広すぎた感があった。一種のスノビッシュ感は感じた。
ただ、現在のベニスでの定宿は「ヒルトン・モレノ・スタッキー・ホテル」。まあ、こちらは近代的なホテルで滞在は快適だか、スノビッシュ感がないのが残念。
まあ、快適さにはかなわないな。
ベニスを舞台にした映画は古いところでは、有名なのは「ベニスに死す」と「旅情」かな。
新しいところでは、アンジーとジョニデの「ツーリスト」といったところか。
その中でも、ベニスを舞台にした映画でダントツなのは、やはり「ベニスに死す」。
ペストが伏線としてある物語ということを初めて知りました。マーラーの交響曲5番の第4楽章と映像がマッチして、もうビスコンティの世界観には圧倒されます。ヨーロッパの廃退感をここまで描けるのはすごいの一言。
これが、同じイタリアの海辺でもアマルフィやポジターノではさまになりませんね。
まさにベニスは偉大なり。世界中いろんなところにいったけど、旅行の最後にベニスに2泊ぐらい泊まって、ホテルからモーターボートで空港までぶっ飛ばして、そのままビジネスクラスで日本に帰ってくるのが、自分には旅行に行った締めで最高です。
早く、JALかANAがベニスに直行便を飛ばしてくれないかな。夏だけでも。