東京大学の経済学者の先生で松井 彰彦(まつい あきひこ)さんという方がいらっしゃいます。専門はゲーム理論だそうです。
その人は今、日経新聞の夕刊の1面に「あすへの話題」というエッセイの書き手なのですが、その2019年6月6日の紙面に面白いエッセイを書いていました。
タイトルは「リゾット」についてです。エッセイのタイトルもそのままです。
僕は三度の飯は大好きだ。専ら食するほうだが、たまに作ることもある。定番は北イタリアの家庭料理、リゾット。これだと、あまりお米が好きでない娘もよく食べる。
僕がリゾットを作るときのバイブルにしているのが、ジョイエッタ・ビターレの「RISO(お米料理)」という本だ。
「南イタリアはパスタだけど、北はお米。そう、お米は私たちにとってのパスタなの。」
「リゾットは難しい料理と言われているけど、難しくないわよ。もちろん、ちょっとしたコツを守ればね」とビターレのコツはレシピの他に8つもある。
具材は最小限にして、パルメザン・チーズを最後に混ぜ込むのがミラノ風だ。これがうまい。これにワインがあれば言うことなしだ。
そうそう、最も大切なコツは、全員そろってから作り始め、アツアツを供することらしい。
このエッセイを見て、レシピどおりリゾットを作って食べたくなり、このジョイエッタ・ビターレの「RISO」という本を探したところ、日本語版は残念ながらありませんでした。
現在、英語版のみです。
本のタイトルの副題は「まだ明らかにされていない北イタリアのお米料理」とでも訳せばよいのでしょうか。
そして、Kindle版を購入して本を拝見したところ、144ページの大著です。
内容は、スープ料理に始まり、次がサラダ、リゾット、デザートと続きます。一番多いレシピがリゾットです。確かに40ぐらいのリゾットのレシピが並びます。
ただ、残念なのは、出来上がりのお皿の写真がまったくないところかな。かなり想像を働かせないといけないですね。
まあ、確かにパスタもステーキもない料理本です。タイトルどおり、「RISO(お米料理)」のイタリア料理本も大変珍しいですね。
エッセイにも書かれている通り、最後にパルメザン・チーズをすり下ろさないとダメなんだな。我が家には、チーズおろし器がありません。
また、アマゾンでポチッしました。こうなったら、パルメザンチーズの塊も購入しないと様になりません。また、痛い出費ですね。
だけど、だれがこの本の日本語訳を出してくれないかな。それと出来上がりの写真もつけてくれて。
しかし、このビターレの「お米は私たち(北イタリア人)にとってのパスタなの」は至極名言だなと感心した次第です。
こんなことを書いていると、また、イタリアに行きたくなりますね。