酉の市で熊手の購入、もう熊手で幸運をかき集めるしかないな、幸田真音さんのエッセイから

2019年11月13日付けの日経新聞夕刊1面の「あすへの話題」という小エッセイを読んだのが始まりでした。

その時の書き手は、作家の幸田真音さんでした。

 11月の酉(とり)の日には「お酉さま」に行き、縁起物の熊手をいただくようになって、もうどのくらいになるだろうか。

いまの住まいに引っ越したとき、仕事で前を通りかかり、思い立って行ってみたのが最初だったので、かれこれ16、17年ほどは欠かさず通っているはずだ。

(中略)

1年に1回のことではあるのだが、毎年決まった熊手店を訪ねるので、お店の人たちとはもうすっかり顔なじみだ。屋号が染め抜かれた凛々しい半纏姿を相手に、今年はどんな年だったかという世間話もそこそこに、やれ昨年の熊手は七福神がメインの飾りだったから、今年はこちらの熊手にしようとか、そのあとは値切り交渉とか、だったらご祝儀をいくらはずむわよとか。

そんなやりとのがすこぶる楽しくて、ようやく交渉成立となると、来るべき新年が幸多きものでありますように、「家内安全」「商売繁盛」の掛け声とともに、居合わせた人たち全員で三本締めとなる。

熊手は「福をかき寄せる、福を取り込む」という連想に繋がり、毎年これを新しいものと取り替えることで、「酉かえる」は「幸運の交換」となるのだそうな。

自分は今まで酉の日に熊手を買うという経験はなかったが、この記事を読んで納得したわけです。すぐににでも熊手を購入して、来るべき来年に備えなければいけないと。

何故、いままで酉の市というものに縁がなかっかは、おそらく酉の市が開催されるのは関東の神社が中心なので、自分には縁がかなったのだと思います。

この年になると、無病息災、家内安全、商売繁盛、金運向上はもはや熊手をつかってでも早くかき集めないと老後が心配な年代です。

そして、今年2019年の酉の市は、11月8日(金)、11月20日(水)です。

11月20日の酉の市に緊急参戦することにした次第です。

ちなみに、関東での有名な三大酉の市は下記の3つです。

  • 新宿の花園神社(はなぞのじんじゃ)
  • 浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ) / 長國寺(ちょうこくじ)
  • 府中の大国魂神社(おおくにたまじんじゃ)

自分には3神社とも距離があります。

そして、昨日、麻布十番の十番稲荷神社に赴いたのでした。こちらでは、神社の中ではなく、階段下の歩道で商売されています。1社だけが販売しているようでした。

あとで写真を見てわかったのですが、神社の熊手と屋台の熊手の違いが看板に明記されています。神社内で販売してる熊手はお祓いがしてありますが、種類が少ないようです。

初めて知りましたが、熊手には値段がついていないのですね。いくらぐらいするのか判りません。半纏を着たおじさんに尋ねてみました。

「1万円ぐらいのはどれ」と聞くと、これと、これと答えてくれます。

そして、選んだのがこちらの熊手です。

本当はマンション住まいの自分にとっては置くタイプの熊手の方がよかったのですが、どうしても良いデザインのが見当たりません。

今回は壁かけタイプを1万円で購入です。

この壁掛けタイプであれば、「福が入ってきますように」という願いを込めて、玄関に飾るのがベターとのことです。玄関の入り口を向けて、目線よりも少し高いところに飾りましょう。

領収証を見るとこちらのお店の屋号は熊手製造販売「成田商店」(東京都品川区)さんです。

購入後も儀式があります。買った熊手に半纏を着たおじさんが稲穂などの最後のかざりをつけてくれたりするのですね。

そして、火打石を鳴らして、家内安全、商売繁盛などの呪文を唱えてくれます。こちらでは三本締めはありませんでした。

半纏のおじさんに言わせれば、熊手は手に持って熊手を正面にして持ち帰るものと教えてくれました。決して袋などに入れてはいけません。

そして、幸田さんの言われる毎年これを新しいものと取り替える「酉かえる」ときは、新しい熊手を神社に買いに行くときに前年の熊手も持っていき、熊手を納める場所に持っていけばよいようです。

今年の酉の市は終わってしまいましたが、2020年は下記のとおりの日程です。

  • 11月 2日 一の酉
  • 11月14日 二の酉
  • 11月26日 三の酉

自分は商売をしている商売人でも作家などの本が売れればよいなという職業ではありませんが、家内安全、金運向上になればいいな。

そして、こんなエピソードもあるようです。

毎年買う熊手は、どんどん大きくした方が良いと言われています。 「昨年よりも、商売繁盛しますように。」 「去年よりも、健康でいられますように。」などと縁起が良くなるようにという思いからです。

自分は最初から1万円のものを買ってしまったが。どうだろう。

男性月刊誌に「GOETHE」(ゲーテ)の2021年4月号の中に自分の琴線に触れる記事がありましたので、自分の備忘録としてもメモしておきたいの...



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