世の中には恐ろしいことを考える人がいるものです。
天下の日本経済新聞の朝刊の裏面にその記事は出ていた。文化欄です。
2019年10月10日付け、「シウマイ弁当 攻略の極意」、筆者は市島晃生という方です。
この方、真心込めて作ってもらった料理を最高の手順で完食したいということで、「食べ方学会」というものを立ち上げ、おいしい食べ方を研究し発信している方です。
以下、記事から抜粋していきます。
食べ方を考える上で最高の教材は崎陽軒の「シウマイ弁当」だ。
神奈川県生まれの私は幼いころから俵型ご飯にシウマイが5個並ぶ横浜名物の弁当に親しみを持ってきた。
シウマイ以外にも唐揚げ、筍煮、鮪とおかずが実ににぎやかだ。
「ご飯対おかず群」という基本構図の中で、食べ手は実力が試されているといえよう。
中略
有名レストランのシェフら約20人の「食のプロ」に弁当を持参し、極意を取材した。
酢豚を連想させるように、唐揚げとアンズを一緒に口に入れる。
シウマイ半個分をご飯の上に乗せて握りにする。
はたまた鮪の照り焼きを半分ほぐし、フレーク状にする。
彼らにはいくつかの共通点が見られた。
それらをいいとこ取りしたのが写真の順番だ。
中略
初手は本家本元、崎陽軒の野並直文社長の流儀だ。
野並社長が好きという小梅を真ん中からずらし、塩気が染み込んだご飯からいただく。ほっと一息ついたところでシウマイが1個残っていれば小躍りする。
自分を満足させるためには演出も必要だ。
中略
理解を深めるために包括的な調査をした。
SNS上で600人超にアンケートを取ったところ、意外な結果が明らかになった。
なんと、最初に箸を付けたもので最多なのはご飯でもシウマイでもなく、「筍煮」だったのだ。
今までの取材をもとにした、食べ方学会が示す食べ順に自信を失ったが、筍煮には女性の支持が集まったらしい。
一方、右2つ目のシウマイから食べ始める人は0人。
そんな「幻のシウマイ」を最初に食べる人がいたら、ぜひご一報願いたい。
驚きました。驚いた研究結果です。深い考察です。
ここまでくれば、「たかが、シウマイ弁当、されど、シウマイ弁当」ですね。
ここまで、攻略の極意を極めてもらえれば、シウマイ弁当も弁当冥利に尽きると思います。
というわけで、昨日の夕食はシウマイ弁当にしたんだな。
そして、同じシウマイ弁当でも神奈川と東京では弁当の包み方も違うというのを、先日、初めて知ったのでした。
神奈川で売られているのは昔ながらの紐がけ。東京バージョンは絵柄が印刷されたかぶせ蓋。
紐がけ作業は時間がかかるので、東京工場から出荷されるものはかぶせ蓋となっているそうです。
というわけで、昨日の自分が購入したシウマイ弁当は東京バージョンですね。
まあ、弁当一つでこれだけ語れる弁当は「シウマイ弁当」だけだな。
やっぱり安定なおいしいお味でした。
ご馳走様でした。
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